どうせ二話や三話でも特に書いてないんだろうけど……
「いやぁ君たち遅かったじゃないか!待っていたよ!」
「人の事呼んでおいて遅いはないだろ。」
シュウは友人の家に入るかのようにドカドカと入っていくが、リンとオリヴィアはいちようお店の中なので抵抗があるらしくゆっくりと入る。
町の探偵ティム・バリアンとの付き合いはシュウが一番長いといえるだろう。一見1、2歳上にしか見えないのに、バリアンは『シュウがおしめしてたころから私は面倒見てきたんですからちょっとくらいわがまま聞いてくれてもいいですよね』など話しているあいかわらず謎の男だ。
今回はシュウだけでなく自分達も呼ばれているのでよほど仕事が山積みなのだろうと思っていたが、わざわざ出迎えてくれる余裕はあるそうだし、客人を待たせているわけでも無いらしい。オリヴィアはよけい疑問に思った。
「とりあえず立ち話もなんだし上がりな。お茶くらい出すさ。」
三人は案内されるがままに依頼人用のデスクへと座る。
壁には決して多くはないが心のこもったお礼の手紙が多く貼ってあり、子供が書いたような手書きの手紙には温かみがある。ただ、ワープロなどで打ってありそうな浮気発覚のお礼などは直視する気になれなかった。
しばらくたつとバリアンが緑茶を淹れた湯呑みを四人分持ってきた。リンが軽く息をかけて冷ましながら熱そうに緑茶を飲んでいる。
「で、わざわざ三人呼ばせた用件はなんだ。まさか、狩りにでも付き合えとかいわないよな。」
「狩りって…たとえそれができる実績があったとしても女の子ふたりを連れていきゃしないさ。今回の用件はこれだ。」
バリアンは懐から写真を一枚取りだし、かるくなげた。それをシュウが受けとる。
写真はほとんどぶれていて何が写っているのかわからないが。黒い物体が大きく写っていた。
「レンズの倍率最大にして、逃げ惑う猫をカメラにおさめようとすりゃこうもなるさ。」
「これは……猫なのか?」
「これで捕まえてくれってんだからひどいもんだぜ。」
バリアンは愚痴をこぼしているが、この写真はかなり不自然だ。
探偵事務所には動物の写真はよく送られてくるが、そのほとんどが逃げたペットを探してほしいというものだ。しかしそれならたとえ小さいときのものでもその動物の特徴がよくわかるようにじっとしている写真をおくるはずである。しかしこの写真では猫なのか犬なのかも分からないから手がかりが無に等しい。害獣退治ならわざわざ探偵にたのむ必要もない。
「実はこの黒猫が見つかる二日前にチークという少年が行方不明になっている。そしてもうこの町では五人もの子供が行方不明になり、住民からの目撃証言ではこのなかの数人の子供が黒い猫をおっかけて普段だれも入らないようないりくんだ路地に入っていくのを見たらしい。」
「そ、それって!警察事じゃない!こんな小さな探偵事務所に依頼してる場合じゃないんじゃないの!?」
オリヴィアが驚いて声をあげる。
「そりゃ警察には通報しただろうさ。でも怪しい黒猫を追ってくださいなんてゆうバカな話警察は信じちゃくれないさ。だからここに依頼がきたんだろ。」
「しかも驚いたことにその黒猫を見たという場所がてんでバラバラで、本当にいりくんだ路地ということしか共通点がない。さらに子供にこっそりついていった人もいるらしいんだけど、一本道のはずなのに必ずどこかで見失っている。どうだ、だんだん面白くなってきたろ。」
「「面白くない!!」だいたい子供が行方不明になったっていうのになんで君はそんなに楽しそうなんだ!」
今度はリンが声をあげた。
「そうそう、目撃情報の中には黒猫と子供が何もないはずの壁の前でフッと姿を消して、そこにはもうだれもいなかったとか……」
「「いやあああぁぁ!!」」
「そうやって人をもてあそぶのはやめろ!」
楽しそうに笑うバリアンに対して、シュウが怒りぎみに言う。
「で、俺たちを呼んだ理由は、」
「ほぅ、それを聞くか。いいだろう。教えてやろう。」
バリアンはゆっくりと懐から写真をとりだす。
オリヴィアとリンは写真の内容を気にするように息をのむ。それに対してシュウはまるで写真の内容がわかっているようで全くといっていいほど興味がない。
バリアンが取り出した写真には女の人とその子供と思われる生後間もない赤ん坊が写っていた。
「見ろ!先月俺の弟と奥さんの子供が生まれてな、もうその奥さんがすんごいべっぴんさんだから赤ん坊も可愛いったりゃありゃしない!他のアングルからの写真もあるんだが見るか?見るよな?ぜひ見ていってくれたまえ!」
産まれたばかりの赤ん坊というのは猿のような顔をしており、二人はバリアンのあまりの押しの強さに若干引いていた。
ここでバリアンが独身であることについてあまり触れなかったのはシュウなりのやさしさだろうか。
「それで病院に行くとして、この案件は帰ってきてから片付ければいいんじゃないのか?」
「普通の案件ならそうしたんだけど、さきほども言っていたとおりこれは警察事だ。最初の少年はもう死んでいる可能性だってある。少しでも早く真相にたどり着かないと、大変なことになりそうなきがしてね。やってもらえるかな。」
呆れた声で聞いたシュウに対してバリアンは真面目な顔で答える。仕事と他の事の区別は、きちんとつけているらしい。
黒猫が目撃された場所や行方不明となった子供たちの情報が入っていると思われるファイルをシュウに渡す。
そのファイルはずっしりと重く、この少ない情報量からもここまで調べられることにバリアンという男の探偵業に対する優秀さを感じる。
しかしオリヴィアとリンはバリアンが自分達に仕事を押し付ける理由が(別に面倒くさいわけではないが)納得いかないらしい。
「いいだろう。お前が帰ってくるまでに終わらせといてやるよ。」
「そりゃありがたいね。たのむよシュウ君。君たちには期待しているんだ。」
自分よりも頭脳派のはずのシュウがあっさりとファイルを受け取り支度をしていることにオリヴィアはおどろいた。
シュウは早めに身支度を済ませ、玄関へと向かい靴を履く。それを見た二人は急いで自分達も身支度を始めた。
バリアンに軽く挨拶をして、三人は探偵事務所を出て、正面に停めてある車に乗る。
「バリアン探偵が言っていたこと、何かつっかかるんだけど、良かったの引き受けちゃって。」
オリヴィアも気になっていたが、リンがきくのが一足早かった。
「たしかに俺も気になったけど、ここまで真剣にしらべておいて俺たちをもてあそんでいるとは思えない。今は子供たちの安全が最優先だ。」
シュウはそう言うと、車を出した
最初としてはこれで大丈夫でしょうか?
探偵とかだしておいてなんですが推理系は全く書けないですよねどうしよう……
次回も見ていただけると幸いです。感想などお待ちしております。
ではでは~