Darkness Loop D×D Killer Bite 作:黒雪桜
オリキャラが数名登場します。
イッセー微アンチです。
処女作です。
これらの要素が今日できない方はお読みになることを推奨しませんのでブラウザバックなどをお願いいたします。
これらの要素が許容できる方々はどうかお目汚しかもしれませんが読了後、よろしければ感想・批評をお願いします。
軽薄な内容でも構いませんので意見などをいただければ幸いです。
悪魔グレモリーの領土とされる駒王町。
街ならば無数に存在する路地裏を、一人の少年が走っていた。
その表情はただ、恐怖に染まっている。
そんな少年を一人の男が追いかけていた。黒い髪を
聞いてる者に、底無しの恐怖を与える。
まさにそんな雰囲気を纏う男だった。
男が小ぶりな石を手に取ると無造作に少年に投げつけた。それは逃げ惑う少年の足を直撃する。ただそれだけでも、長い間ずっと走り続けていた少年を転ばせるには充分だった。
男が転び四つん這いになった少年の退路を塞ぐ。浮かべる笑みは年寄りじみた暗い笑いだが、それでも妖艶で、この世のものとは思えないほどに美しい笑みだった。
籠手を装着した男は一定のペースでゆっくりと歩み寄る。
「終わりだ。絶望しろ。そして終焉を迎え入れろ」
その言葉に今まで逃げ惑っていた少年は、感電したようにビクリと体を縦に動かした。
男は暗い笑いを見せている。
地面に這いつくばりながらも逃げようとする少年だったがそれを許す男ではなかった。
「諦めろ。貴様らが希望と信じているもの……俺はそれが絶望なのだと知っている……」
背中を踏まれる。
「許してくれ! 頼む! 許してくれ!」
恐怖に飲まれきった少年は、震えながら涙を浮かべ、
男の顔が変わった。興が覚めたと言わんばかりに顔から影が落ち、無表情に成る。
そして男の足が少年の背中から離れる。
「あ、ありがとう……」
男の慈悲に少年は声を震わせて立ち上がる。その時だった。
男のミドルキックが少年の脇腹を直撃した。肋骨が胸の中で折れる曇った音と共に風船の割れるような鈍い音が脳を揺らし、コンクリートの壁に叩きつけられ水槽を満たす量の血液を吐き出した。周囲のアスファルトの地面は真っ赤に染まりきっていた。
「――――ガ、ッぎ、ごぼっ」
悲鳴すら出せぬ喀血量に少年は悶え苦しむ。あと数秒で意識を失い、数分もしないうちに死に至るだろう。
その姿を眺める男に女性が近寄る。
「ご苦労様♪」
「――――部長。これでいいんですか?」
部長と呼ばれた女は意識の朦朧としている少年に近づき手をかざす。女の手のひらには魔法円が浮かんでいる。
「上々よ。さすがわたしのかわいい下僕♥」
少年は頭の奥が冷たくなるのを感じた。そしてゆっくりと目を閉じる。
「…………」
「心配しているの?」
「いえ、別に」
「なら早く次の子たちに『永遠』を届けにいきましょう」
「了」
少年の遺体はすでに消え失せ、ここでの出来事は誰も知ることはない。
男女の周りに黒い獣が徘徊していた。
――――三日目・夜――――
人のいない廃材置き場でリアス・グレモリー率いる眷属たちは戦っていた。敵の正体は不明。ただ分かっているのは赤龍帝こと兵藤一誠のニセモノということだけ。
そのニセモノが現れたのは七日前の午前零時、何の異能も持たない一般市民を殺害するところをサーゼクス系列の警備会社の防犯カメラに捉えられたからであった。だがその犯人の姿は右手に赤い籠手を装着した兵藤一誠であった。もちろん本物は疑われたがイッセー本人はリアスたちと自宅に居たため完璧なアリバイがあった。そのためイッセーは容疑者から外れ、犯人は兵藤一誠を模したニセモノということになった。
そして犯人が見つかり、グレモリー眷属が接触し戦闘になった。
犯人の姿はイッセーに大差なく類似しており、こちらを目視するや攻撃してきた。
そして今に至る。
「――――!」
「っ! ドライグ!」
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!!!』
犯人は左手の籠手を横なぎに払ってイッセーの体へぶつける。イッセーは後ろへ跳んで回避し距離をとるとすぐさま禁手化を行い
犯人は小猫とゼノヴィア、祐斗の三人を相手にしており、それでもなお余裕といった振る舞いだ。
犯人が距離を取った瞬間、鳴り響く雷鳴と赤黒の魔力弾が放れるのを黙視した。
「――――無駄だな」
犯人の呟きを聞いた瞬間、聞きたくない音声を聴いてしまった。
『――――Boost』
その音声と共に犯人は同時攻撃を霧散させた。
それは自分の籠手から発せられた音声ではなく、犯人の手に装着されたニセモノの『
このような出来事をイッセーは体験済みだった。
「ユーグリットと同じ……!」
誰かが呟いたのを耳にした。ユーグリット・ルキフグスもレプリカ――それも右手用――ではあるが
今回もそれと同じかその
心の中で汗を掻いたとき犯人が動きを見せた。
「絶望の淵に沈め……」
犯人は左手に装着された
全員の動きが止まる。そしてグレモリー眷属すべての視線が犯人の持つ一本の聖剣に集中した。
「アスカロン……!?」
「どうして……それを!?」
すぐさま籠手に眠る赤龍帝・ドライグに話しかける。
「ドライグ! どうなってるんだ!?」
『アスカロンは確かに籠手に収納されている。それに加えて奴の持つアスカロンも本物だ』
「アスカロンが……二本……?」
犯人の持つ聖剣から聖なるオーラが発せられているのは自分でもわかっていた。だがいまだに信じられない。なぜ一本しかないはずの物が二本存在するのか。
頭の奥が冷たく冷えていくのを感じながら犯人を見る。
犯人は剣を構えるとすぐさま距離を詰めて攻撃してきた。多彩な攻撃に舌を巻いていると犯人の後ろを取った祐斗と目が合い互いに頷いた。
犯人が聖剣を上から叩き潰すように振り下ろしてきた。すぐさま犯人の手首を掴んで強引に引き寄せる、そして犯人の頭部に自分の頭部をぶつけた。所詮は頭突きである。
「オラァ!!!」
「――――ッ!? 小癪な……!」
犯人は前頭部を片手で抑え、数歩下がる。祐斗が背後から鋭い一筋を犯人に振る。この剣の軌道と速度のままであれば確実に犯人の首に命中するだろう。
すると犯人の体が攻撃されることを知っていたかのように左足を踏み込み、右足で『
側頭部を強く蹴られた祐斗の体が声すら出す暇なく吹き飛び、廃工場の壁を突き破って外に吹き飛ばされた。
「木場!」「祐斗!」
イッセーとリアス、その他の面々が叫びすぐにリアスが指示を出した。
「アーシア、すぐ祐斗の治療に向かって!」
「はい!」
強く返事をしたアーシアが吹き飛ばされた祐斗の元へ走っていく。
間違いはない。頭部を蹴られあれだけ吹き飛ばされたのだから、悪魔とはいえ後遺症が残ってもおかしくはない。
「キサマ!」
ゼノヴィアが激昂して犯人に突っ込んだ。
「諦めろ――――!」
ゼノヴィアの振るうデュランダルと犯人のアスカロンがぶつかり、暗い廃工場を火花で照らしていく。
剣劇の数が多く、そして間隔が短くなっていく。
そこへリアスや朱乃、ロスヴァイセが魔力等で援護していく。
「きゃっ!?」
突然アーシアが悲鳴をあげた。
その時だった。
『■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!』
耳を引き裂くような大多数の咆哮が連鎖して聞こえた。
すると廃材置き場の壁を数か所破壊して黒い姿をした獣が数十匹侵入してきた。
「援軍!? 小猫、アーシアたちをお願い!」
リアスに命令された小猫は頷いて獣たちの攻撃の隙間を抜けてアーシアたちの元へ向かっていく。
黒い獣たちの姿は統一されていた。二足歩行で頭部はオオカミのよう、手には熊のような大きな爪が。まるで怪物だ。
犯人はゼノヴィアとの剣劇を止め、悪魔特有の蝙蝠のような翼で廃材置き場の天井に張りついて、黒い獣に手を焼くこちらを見ている。左手に装着した籠手を小さく動かすたびにカチャリ、と小さな音が耳朶を打つ。
「さようなら」
「――――ふっざけんな!」
犯人が爽やかに呟くと、頭の奥で何かが燃えるような感覚を持った。もやもやとした自分でも理解のできない感情に身をゆだねて黒い獣を殴りつける。
十匹程度殴り倒したところで犯人がまた動いた。
「舞い散れ」
拳を突きだして、暗く笑う。
拳の先にピンポン玉ほどの魔力の塊が生まれる。そしてそれを殴りつける。
『Boost! Boost! Boost! Boost! Boost!』
「ドラゴンショット……クラスター」
これまた見覚えのある攻撃方法だった。転生したばかりのころに開発した必殺技そのものだった。
犯人に殴られた小さな魔力の塊は大きく膨れ上がると一直線にこちらへ飛ぶ。
そして、数十の光線に分散した。
「なっ!?」
分散した光線は雨のように黒い獣とイッセーたちを巻き込んでアスファルトの床を抉る。
黒い獣の悲鳴が廃工場を埋める。
「味方ごと攻撃するのかよ!?」
リアスたちは防御用の魔法円を展開して防御し、イッセーは力を倍加して光線を弾く。
その時だった。イッセーの背後から黒い獣が光線の雨を躱して飛びかかった。
イッセーは黒い獣の――――走る音も動く姿も知ることはできなかった。
光線に視界や聴覚を混乱させられた状態では不可能だった。他の眷属たちは空からの魔力光線の雨への対処で精一杯だ。
「■■■■■■■■■!!」
黒い獣が咆哮を張りあげて、手を突きだした。
そして、イッセーの胸から黒い腕が生えた。
「――――え? あ、ぁ」
痛みに気づいて視線を胸に向ければ黒い腕が痙攣している。
ほんの一秒動けなかっただけでイッセーは上部から降り注ぐ光線を直に受けることになった。
「――――が。い……ぁ」
自分が何を呟いているかも理解できずに光線の雨に飲み込まれた。
リアスたちの叫び声が聞こえた気がした。
そしてイッセーは死んだ。
――――一日目・朝――――
朝日がカーテン越しに顔に当たる。
まだ眠いと悲鳴をあげる体を強引に起こすと違和感を持った。
「あれ? いま……なにを」
よく思い出せない夢の内容。
横には誰も寝ていない。おそらくはキッチンで朝食のしたくをみんなで行っているのだろう。早起きだなぁ、と感心する。
床を揺れるカーテンの影を見て思い悩む。
「はやく俺のニセモノを見つけて捕まえないと……この町のみんなが」
イッセーは自分のニセモノを見つけるために自分を奮い立たせるとリビングへ向かった。確か今日はアーシアがお越しに来てくれる日だった、とアーシアのすねた顔を思い浮かべた。ほほえましい光景を脳裏に浮かべて笑みが浮かぶ。
犯人はまだ見つかっていない。情報もない。早く犯人を捕まえなければならない。
おそらく
誰もいなくなった部屋のカーテンが揺れて、影が蠢いた。
犯人の行動
0日目 二三○○一般市民が犯人から逃亡しているところが防犯カメラに映る。
1日目 午前零時一般市民を誘拐。サーゼクス系列の防犯カメラに映る。
2日目 午前零時一般市民を誘拐。
3日目 行動なし
4日目 一般市民の集団行方不明事件発生。
5日目 行方不明
6日目 行方不明
7日目 廃材置き場のゴミだまりの上に鎮座し、グレモリー眷属を待つ。
悪魔たちの行動
1日目 兵藤一誠を犯人と仮定。兵藤一誠を拘束。
2日目 ニセモノの行動により兵藤一誠は無罪となり、釈放。
3日目 犯人の捜索を開始。シトリー眷属と協力関係に。
4日目 一般市民の集団行方不明事件発生。
5日目 兵藤一誠起床。――――――――――――――。
6日目 ―――――――――――――――。―――――――――――――――。
7日目 ―――――――――――――――。兵藤一誠死亡。
感想お待ちしています。