「私物は持ちましたね?じゃあ、そこのエレベーターに乗ってください」
「早速直結エレベーターか。」
「ええ、でも距離的にも居住ブロックが一番近いんですよ?」
「そーなのか」
「では、まず司令官のお部屋からっ‼︎」
チーン♪
「さあさあ乗ってください」
「別に言われなくても乗るんだが……」
「手すりにしっかり掴まってくださいね」
「ハァ?手すり?……本当にあった」
『three・two・one』
「なんだこの電子お」
『GOOOOO!!!!‼︎』
「のうわァァァァー‼︎‼︎‼︎」
「着きましたよ‼︎」
早すぎだバカ。執務室は艦橋の上の方にあるからここまで25mとして、ここまでおよそ1秒だから大体25m/s……自由落下は距離=0.5×重力加速度×時間の二乗だから25=0.5×9.8×(秒)×(秒)
でかかる時間は7分の5√5秒
……
「自由落下より速いだと⁉︎」
「いきなり大声出さないで下さいよ‼︎びっくりするじゃないですか‼︎」
「うるせー‼︎なんだこの『落っこちるより速いエレベーター』って‼︎一歩間違えたら大事故だぞこの野郎‼︎誰だこんなの作ったの‼︎」
「ギルバートさんだそうです」
「ああもう‼︎電話して文句言ってやる‼︎」
prrprr prrprr
『なんだ、リーd』
「おいテメェ!よくもこんなアホなエレベーター作りやがったな!なんだこの自由落下より速いエレベーターは‼︎」
『は?ちょっと待て、俺はそんなの作ってないぞ?』
「じゃあ誰だ」
『……あいつか』
『(ギルくーん、ちょっとこれ見てくれる?)』
「犯人はお前か‼︎リッカ‼︎って、伝えといてくれ」
『あいつには俺から言っとく』
「……悪いな」
disconnect
なんなんだあいつ
「あの〜」
忘れてた
「それもそうだ。んじゃ、案内頼む」
「はい。
では案内に入りますね、と言っても、極東支部……でしたっけ?司令官が前に居た所での司令官のお部屋と同じ仕様になっているそうですよ」
「こっちはターミナルあるのか。ま、私物の整理でもするか。吹雪、少し待たせるぞ」
ええと、VRシステム一式はこの棚の中で、服は……箪笥に入ってるな。……あれ?この間作って貰ったオリーブドラブ迷彩が無い…?どこだ?お?本棚の上にあるあれは……なんでこっちにオリーブドラブ迷彩があるんだ。まぁ良い、仕舞うとするか。
ん?下にも服が……これは白い…学ラン?
「あれ?夏用詰襟ですか?」
「ああなるほど、これは軍服だったか。ちょっと着てみるかね」
「え?ちょ、ちょっと司令官‼︎私いるんですから私出るまで待ってくださいね!」
「いや、ターミナルあるから別にお前出る必要無いからな?」
(……着替え中……)
「なんだ?ターミナルの前の床から仕切りがせり上がってきたのがそんなにびっくりしたか?」
「……私の知ってる時代にこんなのありませんよ」
「そうか。一つ勉強になったな」
「…もうどうでも良いです。にしても、良く似合ってますね」
「昔学ランは着たことあったからな。なんで作って貰ったんだっけか……あんなの絶対動き難いし、ゴッドイーターがあれ着ても完全にコスプレだし……そもそもいくら特殊部隊だからってコスプレして戦場に行くってどうなんだ……?」
「えっと、司令官?何か今信じがたい言葉が聞こえて来たのですが……」
「ああ、いや、そもそも極東がおかしいのは極東と呼ばれる遥か前……其れこそ最低千年は前からの真理だったな。
ええと、何があったかって言うと、まず極東の神機使いは他の支部のとはレベルが違うとかそう言うもんじゃ無くてな。聞いた話によると、其れこそ他支部ではベテランが戦う相手を新人二人だけで倒させたり、たった一人で『見つけたら死を覚悟し、見つかる前に撤退せよ』と言われる敵を二体同時に相手したり、他支部が総力を挙げて戦う相手四体をたった一人で狩ってきたり、水着で雪の降る中冷却系の敵の大群と戦闘したり、着ぐるみきてマグマ沸き立つ地下鉄構内でこれまた高熱を放つ敵の大群と戦闘したり、挙句の果てに数ヶ月放浪した挙句半分アラガミ化して帰って来た先代リーダーを、自分がアラガミ化するリスクを背負ってまで救出するリーダーが居たり。それに比べれば柄にも無くAKS−74U……じゃ無くて、なんだっけ、あのアイドルグループの曲歌いながら戦ったり晴れ着や包帯巻いて眼帯して戦ったり(俺は普段仮面のバイク乗りの方々の曲を歌うのに……)コスプレしたりとかむしろ普通だから」
そもそもあの人達男女問わず服装が奇抜だし、『キグルミ』は男か女かどころか、人間……正確にはゴッドイーター……かどうかすらも怪しいし‼︎……一部では『ニンジャ』……本物の『忍びの者』と言うより旧世代の欧米人が好きだったと言われる、サイボーグ忍者やあの『アイェェェェェェェ‼︎』な漫画に出てくるニンジャなどの方……なのでは?とかって話や、榊博士謹製の新型無人神機兵……ッ‼︎それって艦娘じゃ……
「ぶぇっくし‼︎‼︎」
……あれ?何考えてたんだっけ
「まあ良い、どこが信じがたかった?」
「……なんかもう良いです。司令官って何着くらい服持ってるんですか?」
不味い、吹雪がジト目になってる。かといっても嘘は良く無いからな……
「んー流石に極東これくしょんができたりはしないからな?」
「……次行きますか」
「……そーだな」
「そっちのドアから出れば廊下ですからね」
「おっけ」
自動ドアなのは相変わらずだな
「自動ドアは普通で助かった」
「さっきのエレベーターはなんだったんでしょうか……
さて、このフロアは『潜水・その他特殊艦種フロア』ですね」
「俺は特殊艦種なのか」
「そもそも艦でも娘でもないでしょう……続けますよ?
先程潜水・その他特殊艦種フロアと言いましたが、実際にはどちらもまだ来ていないのでここは司令官以外誰もいない空きフロアです。と言いますか居住ブロック自体駆逐第一と軽巡第一以外全部空き部屋ですからね。あ、特殊艦種は数日以内に一人来られるそうですがね」
へー
「じゃまず軽巡フロアからか?」
「ええ。と言うか駆逐第一にいるのは私だけで、軽巡フロアにいるのも一人だけ、しかも今は」
「初めまして。軽巡洋艦の大淀です。艤装はまだ完成していないので、今は艦隊指揮、運営をお手伝いさせていただきます。と言っても、現状で動かせるのは彼女だけですがね」
「……この人か」
「ええ、この方が軽巡フロアの現状唯一の住人です。あ、今はシエルさんもいますね」
しかし、現状動けるのは駆逐艦1隻、これのどこが『司令官』だ?まだ艦長の方があっている気がするな。いや、実際俺はこの『フライア』の艦長か。
「じゃ、次はどこだ?」
「次は『艤装・装備保管庫』ですね」