元隊長の鎮守府運営記録   作:ゆすくうけに@Aki

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イベントで遅れました。待ってた人がいたら
刻「待たせたな‼︎」


第三章〜はじめての『任務』
第十五話 翌日、はじめての『開発』


1日どころか6時間に満たない筈なのにとても長かった気がする鎮守府探検があった日の翌日、俺こと護悧 刻はおおよそ4時半に起きていた。

 

言うまでも無く、原因はあの悪夢だ。

 

それはともかく、

 

「なんであんなところに居た?」

 

"しれいかんのおへやをたんけんです!"

 

まぁ、別にいいんだが……

 

「あんな夢見た後で二度寝する気にはなれないし、そう言えばシエルがどんな話聞いたのか少し気になるな」

 

p

 

『はい、なんですか?』

 

「相変わらず出るの速いな。お前ももう起きてたのか」

 

『と言いますか、まだ寝てないんです』

 

「おいおい、こんな時間に電話した俺が言うのもなんだが、早めに寝とけよ?怪我でもしたら目も当てられん。

ところで、何やってたんだ?こんな時間まで」

 

『ここの火器管制システムについて勉強してました。この支援砲撃ですが、私達が使えていれば、かなり便利だったでしょうね……』

 

「……終わった事を話してもしょうがない。んで?大体どんな感じだった?」

 

『「支援砲撃だけなら1人でも扱えるが、その間個艦防衛は出来ない」と言ったところです』

 

「俺でも扱えそうか?」

 

『そうですね……出来ない事は無いかと。ただし、私より狙いは疎かになると思います。

ほら、君の『喚起』は戦闘向きではないでしょう?

それに対して私のは『直覚』ですから相手がどこにいるか感覚的にわかるので』

 

なるほど、何事にも向き不向きがあるしな。

 

「で?お前ならどのくらい当てられる?」

 

『固定目標なら5000㎞で9割、と言ったところでしょうか?動体目標ならもっと下がるかと思いますが。

実弾で、しかも狙撃銃ではなく艦砲ですからね……』

 

やっぱりそんなところか。

それ以上はスマート砲弾でも使わないと無理だろう。

 

「魚雷はどうだった?」

 

『なんで無誘導なんですかあれ……あんなものろくに当たりませんよ』

 

やっぱり雷撃支援は無理か……

「んー、敵潜水艦隊に対する防御網として使えないか?」

 

『それなら尚更誘導魚雷の方が良いですよ。しかし、三式弾の様な魚雷があればそれはそれでアリかも知れません。』

 

「海ん中で勝手に爆発するってか?確かに爆雷がそんな感じだったな。よし、妖精さんに頼んどこう」

 

『妖精さん……ですか?

君が言うのであればきっと居るんでしょうが……』

 

「それどころか目に見えるし、感応波で会話も出来る。

小人見たいななりだがあれでいてかなりの技術者集団の様だった。極東の変態技術者共とはベクトルが違うけどな」

 

『なるほど……では朝食を食べたら会いに行きますね』

 

「オーケー、しかし、火器管制ってことはシエルは砲雷長か武整長か。シエルの支援が得られるなら、艦隊も安泰だな」

 

そろそろ5時だ。起きるとしよう

 

「じゃ、また後で」

 

 

 

 

シエルとの電話を終え、布団から這い出る。

 

今日からは正式に『司令官(コマンダンテ)』だ。服は何がいいだろう。

 

貴族っぽく『アルハンブラ』にするか、昨日の詰襟海軍服にするか、ブラッドの制服にするか……いっそここを俺の『マザーベース』と見做して野戦服(マザーベース副司令仕様)でもいいかも知れない。

 

………悩むな

 

まぁ、初日からはっちゃけるのもどうかと思うし、無難に昨日ので良いか。

 

 

 

 

 

朝5時頃、私室から出て直ぐ吹雪に会った。

 

「おはよう」

 

「あ、おはようございます、司令官」

 

「しかし丁度だな。あれか?もしかして待たせたか?」

 

「いえ、大淀さんが5時半までには執務室に呼んで欲しいとのことだったので」

 

「後30分も待つつもりだったのか?」

 

「起こすのに5分、着替えに10分、移動に1分弱と考えて、大体15分くらい待つつもりでした」

 

まあ、そんなもんだな

 

「で?用事は?」

 

「さぁ……」

 

 

 

「で、用事はなんだ?大淀」

 

結局あのジェットエレベーター(勝手に命名)に乗って物凄い顔で執務室に来た。

 

(大淀にあの顔見られるとはな)

 

「これから工廠に所属する特殊艦種娘が来るので、迎えに行きましょう」

と、大淀。さっきの顔を見たのかちょっと引いてるのか笑いを堪えているのか、そんな気がする。

 

「なるほど、工廠で昨日言っていたな。そう言えば、あの狐博士はどうすんだ?彼奴も一応支部長だし此処にいる訳にもいかんだろ。あのヘリのパイロットの事もあるしな」

 

「あの人達は今日来る娘を送りに来るヘリコプターに乗ってそのまま帰るそうです。そういえば、司令官が来られた時のヘリコプターは『お土産』に置いていくそうですよ」

 

お土産ねぇ……あの狐の事だから、対価に何を要求されるかわかりやしねぇ。

 

「とりあえず、此処で俺が何をするのかを教えてくれ。執務室って位だから執務をするんだろうが、どんな内容かが分からんとどうにもな」

 

「では、その辺りの話もしてしまいましょう。ヘリが来るまであと3時間ほど有りますし」

 

ならもっと寝かせろ!……まぁどの道悪夢で起きてたんだがな。

 

「まず、主に極東支部からの依頼、と言うか任務ですね。これを受けて達成すること。これが1つ目です。

受けなくても良いのですが、達成すると支援が受けられるので、是非受けてみるべきでしょうね。

次に、艦隊の戦略的な指揮です。例えば、どの海域に誰を出撃させるか、或いはどの艦隊をどの遠征に出すか、と言ったものです。

戦術的な事についてはその艦隊側で決めるので、大まかな方針だけで結構です。例えば旗艦を狙え、とか夜戦に突入するか否か、とかどの陣形で戦闘に突入するか、と言ったことです。

そして、工廠や修理渠の使用についてです。

どちらも非常に大切なので良く聞いて下さいね。

まず、工廠では新しい装備の開発を行います。

そもそも我々は、研究・開発能力がまだ高くありません。

さらに、開発には相応の資源を消費しますので、どの程度資源をつぎ込むか、そこが司令官の腕の見せ所です。

と言っても、戦果を挙げれば挙げるほどより多くの資源リソースを回して貰えるのでその分新たな装備の開発がし易くなります。

開発が詰まったら、一度出撃に専念するのも手かもしれませんね。

次に、修理渠では艦娘の治療、艤装や装備の修理を行いますが、それには相応の時間がかかります。

さらに、修理施設には限りがあるのでどの順番で修理を行うかの選択が大切になります。ここを決めるのが司令官の仕事です。

ここまでで何か質問はありますか?」

 

「んーなら今はその『任務』はあるのか?」

 

「ええと、工廠関係で『初めての「開発」』がありますね。ただ、今日来る方が居ないと達成出来ないので、とりあえず受注するだけになりますが、」

 

「なるほど、ならまだ良いか」

 

にしても、依頼受けて動く海軍……PF(プライベート・フォース)と言うかPN(プライベート・ネイヴィー)か?聞いた事無いぞそんなの。

 

「なら、それまで朝食摂って散歩してくるわ。3時間後にどこのヘリポートだ?」

 

これを聞いておかないと大変な事になる。

 

「司令官方が来た時のヘリポートですよ」

 

「りょーかい、んじゃそう言う事で」

 

 

 

そんなこんなで出撃ゲートへ向かう。

 

 

 

「ここから出撃するのか」

 

誰にともなく呟く

 

当然誰も返事などしない

 

「こんな高いところからどう水面に降りるんだ?」

 

ゲートを開け、外へ出て見る

 

なんとそこには‼︎

 

 

 

 

「ヘリポートかよ‼︎」

 

艦橋上のものよりかなり大きなヘリポートがあった

 

大型機でも問題無いくらいには大きい。おそらく遠方での戦闘の時に此処から輸送機で出撃するのだろう。

 

今度は近海での戦闘用の出撃ゲートを探す。

 

 

 

 

「船尾か。確かにこの場所なら大丈夫だな」

 

下までたったの5メートル。何も問題無い

 

「登る時は梯子があるしそっちも抜かりは無いな」

 

出たは良いが帰れないとかそんな……なぁ?

 

ウェルドック式なら尚良かったんだが……

 

「そう言えば『はじめての「開発」』とか言ってたな。設計図の差し入れは要るだろうけど、紙とデータどっちが良いか……電源無しで見れるからやっぱり紙の方が良いか」

 

そんなこんなで約束の時間

 

「連合艦隊唯一の工作艦、明石です。

トラック泊地に進出し、前線で損傷した艦艇の修理を担当したわ。

トラック泊地が壊滅するその日まで、前線の艦隊を陰で支えたのよ。よろしくね。」

 

「そうか。確かに工作艦なら工廠付きは適任だな。これから宜しく頼むぞ、明石」

 

「ところで、他の方々は?」

 

「鎮守府の砲雷長は勉強中、吹雪は昨日遊べて無かったからその分遊戯場で遊んでる。妖精さん達は……どこ行ったんだろ」

 

「いえ、他の艦娘のみなさんは?」

 

「あー、まだ居ないな。と言うかこの鎮守府は妖精さんをカウントしなければ、俺、砲雷長、吹雪、そして今回来てくれた明石の5人だけなんだよ」

 

まだまだ大きくしていきたいが、さてどうなるかな。

 

「なるほど、私も艤装がまだ完成していないので、ここのこうにお世話になりますね」

 

「そうしてくれると助かる。さて、こんなところで立ち話も何だから工廠に行くか?」

 

「ええ、ここでの私の仕事がどんなものか、教えてください」

 

「よし、行くぞ」

 

 

 

そして工廠に着いた……が、

 

「妖精さん達は何処へ行った?」

 

そう、妖精さん達が見つからないのだ。

 

「どこかで酒でも飲んでんのか?」

 

「そもそも彼らはお酒のめるんですか?」

 

「知らん……」

 

そんなこんなで30分後

 

"あ、あかしさんがいるです"

 

"おひさしぶれ!"

 

"しぶれ?しるぶぶれ?"

 

"ぶぶづけ?"

 

"きょかとれた!"

 

"まだいっちゃだめです!"

 

「やっと出てきた。どこ行ってきた?」

 

"ちょっとそこまで"

 

"しょうせつよんでたらおもしろいえんじん?があったからつかっていいかきょかもらってきた!"

 

"あーああ、いっちゃった"

 

"でもまだせーふ"

 

"せーふはこのけんについてどうおかんがえなのでしょうか?"

 

".あうと!せーふ!よよいのよい!"

 

なんかまたはじまったな。まぁ良い、とりあえず「はじめての『開発』」とやらを終わらせなくては。

 

「よし、とりあえず開発頼めるか?それとも設計図とかいるのか?」

 

"いらないです!でもしさくとかいろいろとしげんもらいますよ?"

 

"どうします?どこまでしげんをつかいます?"

 

"さいていちはおーるじゅうです"

 

「なら、とりあえずオール30でやってみてくれ」

 

"りょーかい、ごふんほどまってて!"

 

"あかしさん、てつだってくださいね!あ、しれーかんさんはだめです"

 

何だそりゃ。

 

「よし、行ってきてくれ」

 

「はい、この工作艦明石にお任せください‼︎」

 

さてと、任務については、事後報告でも達成になるのか?

 

聞いてみようか。

 

携帯を取り出し、執務室にかける

 

prrprrprr

prrprrprr

 

……執務室じゃ無いか。

 

シエルなら知ってるか?

 

p

 

「はい、何でしょうか?隊長」

 

「あー、悪い、大淀の連絡先わかるか?」

 

「ちょっとまってて下さい、およそ……1分かからない筈なので」

 

「わかった。分かれば連絡してくれ」

 

「はい、大淀です。シエルさんから『司令官が急いでいるので代わってくれ』と言われましたが、どうしました?」

 

「いや、そこまでの急用じゃ無いんだが。工廠の任務に『はじめての「開発」』ってあったろ?あれを今やってるんだが、受注前にはじめてちゃってて大丈夫か?」

 

「あー、残念ながら……」

 

「無理か」

 

「今から受ければ次の開発はカウント出来ますが、どうします?」

 

「じゃあ受けるって事で」

 

はぁ。一回無駄になっちまった

 

「開発終了です」

 

「結果は?」

 

"じゅうにさんちたんそうほうです"

 

「吹雪の奴より弱いじゃ無えか」

 

「特型の主砲と比べられても……

当時としてはなかなか良い品だったんですよ?」

 

「今は2084年だこのヤロウ。皇紀で言うと2744年か?そもそも12.7サンチ連装砲があるならそっちで十分だろうが。まぁ良い。もう一回開発な。『はじめての「開発」』受け忘れてた」

 

 

"もっかいでし?"

 

"でし!"

 

"れしぴはおなじ?"

 

「同じで」

 

「じゃあ今度は2分ほど待ってて下さい。すぐできますので」

 

それは『開発』なのか?

 

2分経って

 

「出来ました‼︎『7.7ミリ機銃』です‼︎」

 

「むしろこれまで機銃無かったのかよ」

 

"まあまあいいじゃないですか"

 

"べつにへるものでもないですし"

 

駄目だよ資源は減るんだから

 

"まあまあ"

 

"いっぱいどうです?"

 

「勤務中だ」

 

まさか仕事中に飲む訳には行かないだろう

 

「仕方ない。倉庫にしまっといてくれ。俺は執務室に戻る」

 

ひどい結果だが、開発任務の条件は満たしただろう

 

 

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