元隊長の鎮守府運営記録   作:ゆすくうけに@Aki

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艦隊を預かる提督・司令官があんなに遊べるには訳がある筈だ、と言うお話。
後キャラ崩壊(特にシエル)注意


第十六話「はじめての『執務』前編」

「終わった……やっと終わった……」

 

「お疲れ様でした。しかし、もう11時ですね」

 

くそ、もう寝る時間じゃないか

 

「じゃ、おやすみ、大淀」

 

「え?もう寝るんですか?」

 

「医者に言われててな。『朝早起きする分には構わないが兎に角早く寝ろ』ってな。

全く、ひどい話だろ?クリスマスのサンタの?回忌や年越し、任務以外で12時以降起きてたことが無いんだぞ?」

 

「『サンタの?回忌』……ですか?」

 

そうか、こいつは知らないのか。

 

「そうだった。すまん。あまりに衝撃的な話になってしまうが、サンタは、もう……」

 

「えっと、それは一体?」

 

事態が飲み込めていないようだ。まぁ、無理も無い

 

「俺が生まれる少し前にアラガミが発生して以降、かなりの数の人が死んでいった。北極も、フィンランドも、アラガミが陣取っている。だから恐らくサンタは、既に故人のはずだ」

 

「は、はぁ……」

 

「すまん、もしかしたらまだ生きているかもしれないが……望みは薄い。そもそもあの撤退戦で余計な人員を増やす余裕は無かったそうだ」

 

「……そう、ですか。まぁ、とりあえずおやすみなさい、司令官」

 

あまり感情の動きが無かったようにも見えたが、まぁ、人間ってのはあまりに衝撃的な事が起こると、そうなるもんだ

 

(司令官、疲れているんでしょうか……サンタクロースなんて御伽話ですよね?……それとも、あの司令官があそこまで真剣だったし、本当にいるんでしょうか……)

 

 

 

 

大淀に申し訳ないと思いながら、エレベーターで私室へ向かう。

 

「しかし、執務は時間がかかり過ぎるな。なんかいい方法は無いものか……」

 

まぁ、考えても仕方がない。とりあえず、寝る前にちょっとVRシステムで遊ぼう。

 

しかし、こいつは便利だよなぁ……

 

「『思考速度の加速により、多忙な貴方に趣味の時間を!!』か……1秒が1時間になり、1時間ぶっ続けで使えて、尚且つ1時間のクールタイムでまた使える。これが無ければ趣味にゲームなんて夢のまたゆ」

 

ッ‼︎‼︎

 

言ってて気が付いた。これを使えば、執務終わってからめっちゃ遊べる‼︎

 

そうと決まれば早速プログラムを……って、今日はもう寝ないと。

 

 

 

 

 

新しい朝が来た。

 

執務を一瞬で終わらせると言う希望の朝だ。

 

ヨロコビに胸を開き、電灯を仰ごう。

 

さて、まずは昨日の執務の多忙さをなんとかする為のプログラムを作ろう…と思ったが、まず執務室のデータを取るのと、ペンを使って綺麗に字が書けるロボットアーム、プリンター、後適当な板を探すのが先だ。

 

アームはどこにあったっけ

 

 

 

着替えるのが先と気付いた頃、やっと見つかった。ダメじゃん

 

「なんか酒で酔った勢いでネタで作ったんだよな、これ。こいつに報告書とかの作成任せようぜwwwってな」

 

まぁそんな高度なプログラムは書けないので速攻でお蔵入りしたが

 

だが、今回はそんな必要は無い。VR空間の中で俺がやった動きを再現させるだけでいいんだから。そもそもその部分は作ってある。

 

今日はブラッド制服にする。(強化インナーを丁シャツに変えた物)

 

今の時刻は午前5時。アームの捜索に手間取ったせいだ。まあ、執務が終わった後も遊ぶ時間があると思えば安いもんだがな

 

アームと、あるお気に入りのVR用器具を執務室に運ぶ。

 

VR用器具が心配なので普通のエレベーターを使うルートを通る。遠回りでも、『粗雑な扱い』をする訳にはいかない

 

「まだ誰もいないな」

 

当たり前だ。

 

さて、執務室の中央から4分の1位奥にある段ボールを回収。そこに板とアームとプリンターを取り付け、『書類はここに入れてくれ』と書いた小型段ボール箱と、『出来た書類はここだ』と書いた小型段ボール箱を置いた。後はデータをとって、VRシステムに『執務システム』として組み込めば完成だ。

 

お気に入りのVR用器具……(外装は段ボール箱にしてある)を直通エレベーターの横に置いて入り、プログラムを組んだ。体感では30分だから、実際には0.5秒。流石の速さだ。

 

しかし、動かせる艦娘がまだ1人なのにこの作業量……いずれ死ぬぞ?普通にやると。

 

流石に昨日の無理が祟ったのか、もう眠い。

 

おやすみ

 

 

 

side吹雪

 

「司令官‼︎ 朝ですよよ‼︎……あれ?司令官まだ起きていないんですかね」

 

何度も声をかけても返事がなく、何故か司令官のお部屋の扉の鍵が開いていたので入ってみましたが、どこにもいません

 

もう執務室にいるんでしょうか……もしかしてまだ昨日の分が残っていて早起きしてやっているとか‼︎

 

昨日あんなに遊ばないで手伝えばよかったかもしれません。

 

直通エレベーターで執務室へ向かいます。

 

「あれ?執務机(仮)のところに何か機械とペンたてが」

 

よく見ると小さな段ボールもあります。それも2つ。

 

「『書類はここに入れてくれ』

『出来た書類はここだ』

ここには来たみたいですが、ここにもいません……入れ違いですかね?」

 

とりあえずやることも無いので皆さんの朝ご飯を作ることにします。知ってる食材がたくさんあれば良いのですが……

 

 

 

 

sideシエル

 

私が起きたとき、既に君は起きていました。何か作業をしている様ですが……なんでしょうね。

 

まあ、君がする事ですから、悪い事な筈がありません。

 

さて、まずはダクトに入り、君のところへ向かいましょう

 

ダクトを通っているうちに、君が部屋から出てしまいました。どうせですからちょっと部屋に入ります。

 

部屋に入り、君の布団に包まって匂いを堪能していたところ、

 

『司令官‼︎ 朝ですよよ‼︎……あれ?司令官まだ起きていないんですかね』

 

確か一昨日のセーラー服の子……吹雪さんでしたか?……の声が聞こえてきます。

 

あらぬ誤解を受けるのは嫌なので、咄嗟に段ボールに入ります

 

段ボールは本当に凄いですね

 

結局吹雪さんには気付かれませんでした。

 

それにしても、君はどこへいるんですか?

 

………執務室ですね、エレベーターで向かいましょう。

 

段ボールから出て、エレベーターのボタンを二回押します。確かこの方が早く来るので

 

 

 

side大淀

 

まさか司令官があんなに執務に時間をかけるとは。

 

あの書類はパッと目を通して判子を押すだけで良いですし、あっちの書類も中身は読まずサインするだけで良いのですがね……

 

しかし、仕事に真摯なのは好感が持てます。彼女も気に入るでしょう。

 

ただ、あんなに時間をかけてはいずれ死んでしまいます。私も彼を死なせるのは本意ではないですし、あそこまでの功績を残した人の死因が過労死では大変です。

 

もう少し大雑把にやってもいいとアドバイスしましょう。

 

敵性語?何のことでしょう

 

 

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