第一話「引退〜そしてしばらくの別れ〜」|だな《かな》
引退……か。
「よくここまで戦い続けられましたね。ですが、これ以上はあなたの体が危険です。まだ若いですが、引退して下さい。」
……無理をすれば、後どのくらい戦える?
「本当にここが限界です。……本当はあなたも分かっていたのでは?」
そうか。本当にもう無理なのか。
「えぇ。今日中に辞令が下る筈です。
これまで、本当にお疲れ様でした。」
……せめて、あいつにさよならを言うくらいは出来ないのか?
「それくらいなら、まぁ。でも、きちんと許可をとって、せいぜい触る程度にして下さい。間違っても、そのまま出撃とかは止めて下さい。」
チッ、そうか……訓練場を使うくらいは……
「駄目です。本当にギリギリなんですからね⁉︎」
分かったよ。……これで終わりか?
「えぇ。」
……ハァ……じゃ、行って来るか。人生最後の出撃ゲートに。あいつ……共に十年間戦った俺の神機に別れを告げに……
色々なことがあった。十六にもなって無職だった俺が、まさかお前に適合して神機使い、それも「ブラッド」という特殊部隊の隊員になるとはな。
訓練にも耐えて、初めての実戦でハイになってあの口調。まさか俺の口から「ふっ、始めるぞ」なんて言葉が出るとは思わなかったが、もしかしてお前の所為か?。いきなり上官に命令口調させるな。
ハァ…結局、私生活までそれに近い口調になるとはな……あぁ、営倉に入れられたこともあったな。それからロミオが死んで、……思い出すと発作的にマルドゥークを殺したくなる……ジュリウスが離脱して神機兵の教導を始めて、その神機兵が最終的にロミオの仇を討って、神機兵が暴走して、……零號神機兵、ラケル先生も、特異点になったジュリウス、「世界を拓く者」も倒して、螺旋の樹が出来て、色々あってリヴィが来て螺旋の樹が消えて聖域になって、……そういやあの時、本物の俺達も死んだんだろうか。しばらく自分がスワンプマンかもしれないって不安で眠れなかった……あの後ロミオとジュリウスが帰って来て、また適合試験を受け直して……お前痛過ぎだ、あれは……。
その時その時は長く感じられたけど、あっと言う間の十年だったな。
それももう、終わるのか……全くマグノリア・コンパスに関係ない俺が、結局ブラッドの中で一番最後まで神機使いやってたな。ジュリウスとリヴィとナナは農業、……両手に花かよ。まぁいいけど……んでギルは技術者、……結局俺が退役するまでにファンネル型神機完成しなかったな……ロミオは有人神機兵のパイロット、……大きくなったらどうたらこうたらって言ってたのはどっちだったか……そしてシエルは何故か俺のそばで副官の真似事……楽しいのか?それ……そういやクレイドルの総隊長から昨日メールが来たが、彼奴はまだ現役らしい。っと、途中から回想になってた。じゃあ、またいつか。ああ。「さよなら」じゃない。いつかまた会えるなら、何処かで………
その後、その足で俺は引退手続き、及び腕輪の更新をした。これで完全に、俺は神機使い……「神を喰らうもの」を引退した……
皆様、初めまして、ゆすくうけにです。この作品は初めて書いた物なので、色々可笑しい所もあると思いますが、よろしくお願いします。