side吹雪
〜鎮守府正面海域〜
『そうだな、以降、ここを「鎮守府正面海域」と呼称しよう』
「なんですか?いきなり」
『なんとなくな。毎度毎度「鎮守府南何千メートルから云々かんぬんとか書いてられねーよ』
時間は大切ですから、確かにそう言った省略は必要ですね。ただ、
「戦闘中に言わないで下さい‼︎ 」」
ドォン‼︎
また敵の駆逐艦が撃ってました。敵が単体なのが救いですが……
ドボォォン!
あと狙いが荒いのも。
「はぁ……なんでこうなったんでしょう」
side刻
〜執務室、30分程前〜
『敵艦発見!いっけぇ! 』
ビンゴ。ただ、レーダーの反応が思ったより悪い。俺より吹雪が先に見つけるとはな。
BGMは……お?『昼戦』?これにするか
♪〜♪〜♪♪♪♪ ♪♪♪〜♪♪♪
『って、司令官なんで曲なんかかけてるんですか⁉︎ 』
「なんだよ、アンチBGM派か? 」
『アンチも何も、戦闘中ですよ⁉︎ 』
うーん、じゃあこれか?
BGM 血の導き
『だから戦闘中ですよ‼︎ 』』
「戦闘の醍醐味と言えば切って避けて撃ってBGMを鼻歌で歌うことだろ」
戦闘中だからBGMをかけているってのに、どうしたんだ?
『少なくとも私はそんなこと聞いたことありませんが……シエルさんはどうなんですか? 』
「だってよ、シエル」
『私はBGMがない方が戦闘のリズムを逃すので…… 』
だよなぁ……
「それより吹雪」
そう言えば大事な事を忘れていた。
『なんですか?』
声が不機嫌だ。そんなに怒るなよ。理由はわからんが。
「撃たなくて良いのか?」
『……あ』
"こちらちんじゅふれーだーたい。しれいかん、おうとうねがいます"
"こちら司令官。どうした?"
"こちられーだーたい、てきのくちくかんがふぶきちゃんにきづきました。おそらく、ほうげきにはいるかと"
"敵の数は? "
"くちくかんいっせきのみです"
「きこえ……てなかったよな。吹雪、敵がお前に気づいた。砲撃戦を開始しろ。ただし、敵は駆逐艦1隻のみだ。落ち着いて狙え」
『はぁ………こちら吹雪、了解しました』
うまくやれよ……?
side吹雪〜時間は現在に戻る〜
「相対速度良し、距離良し、方位良し、照準……良し!主砲、いっけぇ‼︎ 」」
ドドォン‼︎
"きょうさ!しょうじゅんはあってます!"
"てきくちくかん、はっぽう! "
「この距離なら当たりません、もう1発、いっけぇ‼︎ 」
"ぜんしゅほうにれんしゃ、てぇ‼︎ "
ドドォン‼︎ ドドォン‼︎ ドドォン‼︎
「そろそろ来ます、右回避! 」
"あかぷらすごじゅう、みどりぷらすにじゅう! "
"ふくしょうします、あかぷらすごじゅう、みどりぷらすにじゅう!よーそろー! "
ドボォン!
良し、上手く避けられます。
「♪〜♪〜♪♪♪♪ ♪♪♪〜♪♪♪
って、何で私は鼻歌を歌っているんでしょうか? 」
『まぁ、そうなるな。何、別に俺も最初はBGMがある理由が分からなかった。別に恥ずかしいことじゃ無い』
「司令官は黙ってて下さい」
『あ、はい……』
全く、今のはちょっとした油断です
大体、♪〜戦闘中に、♪〜♪ ♪♪♪曲を流すなんて♪〜♪♪ ♪〜♪♪♪ ♪♪♪〜♪♪ ♪〜結構いいセンスだと思いますよ?私は
"だんちゃーく、いま!"
私が撃った弾が敵駆逐艦を穿つ。
ドォン‼︎ ズドォン‼︎ ズドォン‼︎
やや遅れて爆発音
ズドォン‼︎
小さなキノコ雲が上がると同時に、敵駆逐艦が沈む。
「思ったより、あっという間でしたね」
『まぁ、駆逐艦だしな。その代わり、下手したらおまえもアレ位あっという間だぞ? 』
「……気をつけます」
まぁなんにせよ、これで今回の目的は果たしました。母港……というか母艦?に帰りましょう。
side刻in執務室
ふーん、動きも命中率も悪く無い、さて、帰投させるか
……?
レーダー画面が晴れて行く……
まさか
「シエル、吹雪の周りに敵は⁉︎ 」」
『今反応がありました、敵は、グボロ・グボロ基本種です。幸い、反応が弱いことから考えて一般の個体よりも弱いかと』
まずいな……
「吹雪、近くに敵の反応があった。急いで帰れ。念の為対アラガミ戦闘用意を並行して行え」
『え……?アラガミ?』
「まさか、アラガミを知らないのか?」
『え、ええ。妖精さん達に聞いてみます』
しまった。深海棲艦を排除したせいでアラガミが寄ってきたのか……迂闊だった。
"しれいかん! "
"何だ? "
"じつは…… "
なるほど、悪い事ってのは重なるもんなんだな。
俺は恐ろしい報告を聞く羽目になった……
敵は深海棲艦だけでは無い……!