地味に鎮守府の位置の公開は初めてだったり。
side刻
「さて、続きを始めよう。
ゴッドイーターについての話だな。
ゴッドイーターは厳密な意味では人間、というかホモ・サピエンスでは無い。
ゴッドイーターはアラガミに対抗できる唯一の武器『神機』を使える兵士……戦士と言うべきか?まぁ良い、とにかくゴッドイーター以外神機を扱えない。
その理由は、神機が一種のアラガミであることだ。
神機は、制御しなければなんでも喰ってしまう。そう、使い手すらも。
それを防ぐには、神機に対し『神機使いは神機の一部である』あるいは『神機使いは喰ったら不味い』と思い込ませる必要がある。
そのために神機使いとなる人間の体内に『偏食因子』を注入するんだが、この偏食因子が厄介ものでな。
人体に過剰に投与すると体細胞がオラクル細胞になる。
かと言って投与しなさ過ぎれば神機に喰われる。
ここで、神機使いとなる第一条件が決まる。
すなわち『充分な量の偏食因子を受け入れることができるか否か』
ちなみにこいつは遺伝する。
さらに、神機にも好き嫌いがあって、充分な偏食因子を投与しても神機側が『コイツヲクイタイ』って思ったらその神機を使えない。
逆に『コイツハオレノナカマダ』とかって思われれば、そいつの使い手になれる。
ちなみに、ざっくり言って奴らは始め、神機使いの事を『シリアイ』『トモダチ』『ナカマ』『オレノイチブ』『オレガコイツノイチブダ』のどれかとして認識する。
これが適合するって事だ。
適合すると体細胞にオラクル細胞が混じり、様々な身体能力が上がる。適合率にもよるが大体100メートルくらいの高さの爆発するヘリから投げ出されても生き残れる感じだな。
さっきの例で言うと後者になればなるほど神機との適合率が高くなり、身体能力も増加する。
ただ、行き過ぎると精神汚染まで行く可能性もあるから、適度に低い方が安全と言えば安全だ。
そして、神機使いと共に戦っていくうち神機側に『人格』に近いものが形成されることもあるらしいが、これについては俺もよく知らん。
さて、ゴッドイーターについては大体こんなところか。
質問はあるか?」
「あの、偏食因子はアラガミに喰われるのを防ぐんですよね。これって、効果は永続するんですか?」
「うーん、物によるな、大淀。
例えば、各支部の周りにある壁に使われる偏食因子の効果は永続する。するんだがアラガミ側の好みがよく変わるせいで、昨日はこれが効果あったのに明日はむしろ奴らの好物になってる、なんて事もよくあるんだ。
神機使いの場合はさらに複雑で、敵アラガミの好み、神機の好み、あと神機に指令を伝える媒介として偏食因子が消費されるせいでしょっちゅう偏食因子を補給する必要がある。
神機使いと神機は神経接続を行って初めて一体化つまり戦える状態になる。
この時接続される神経はオラクル細胞でできていて、その神経伝達物質として使われるのが偏食因子なんだ。
だから答えとしては、『効果そのものは持続するが、その後の向こうの反応が同じとは限らない』と言ったところか。
他に質問は?
……無いみたいだし次行くぞ。
次は事実上の人類の盟主『フェンリル』についてだ。
フェンリルはもともと、北欧の穀物メジャーを母体とする研究機関だった。しかし、その機関の持っていた医療関係の技術がオラクル細胞の研究に力を発揮して、政治的発言権を手にして最終的には人類の盟主とまで言われる様になった。
フェンリルは北欧にある本部をはじめ、世界中に支部を持っている。
まずこの日本列島にある『極東支部』
世界一の激戦区にして、最新の設備と最高の人材、最多の予算と資源がここに集まり、ここから広まって行く。
激戦区故に信頼性の低いものは導入が遅れるが、それを補って余りあるほどの独自の進化を遂げた技術力がある。
他の支部はその支部の位置に存在していた都市や国の名前をつけられるが、ここは唯一『極東』と地球全体の中での識別をされている。それは、ここが文字通り『東の果て』、北欧の本部から見て人類の生存する最も東の場所だからだ。
逆に言えば、極東ロシアも、オーストラリアも陥落した。
まぁ、とにかく人類の生存圏の最東端に位置する極東だが、それ故本部との政治的距離は遠く、独立独歩の機運が高い。
また、さっき言った聖域、つまりアラガミ発生以前の環境が復活した場所があるのも極東だ。
さて、極東についての説明はここまでだ。
ここからはその他の支部についてざっくり説明して行こう。
まず、極東支部に三番目に近い支部であるロシア支部。
旧ロシア連邦の首都、モスクワがあった場所にある親支部を中心として、旧ロシア連邦のあちこちに子支部を設置している。
15年以上前から極東がある程度手綱を握っている関係上、人員同士の交流も割と深く、極東が最も多くの研修生を受け入れている支部のうちの1つだ。
資源地帯かつ極東と比較的近い
ので結構極東に資源リソースを回してくれたりしてる。
次に、中国支部。ここは旧中国唯一の支部で、旧西寧近辺にある。極東との関係は『良くは無い』と言ったところか。
極東に一番近い上に資源も余裕ある癖して資源極東に寄越さないでやんの。
その癖して戦力供給要請しやがって。うるせぇっつうの。
まぁ、それはどうでも良い。中国支部は、今はどうでも良い。
次はインド支部。極東との技術交流が比較的盛んな支部の1つだ。ただとても遠くてな、行くのにジェットを使う必要がある。
ちなみにこのジェットはオラクル式だから深海棲艦の結界の中では使えない。
噴式艦載機は俺たちで新しく開発する必要があるってことだ。残念ながらな。
その他旧ヨーロッパ諸国には1つの国に大抵2つ以上の支部があるが、はっきり言って極東からあまり好き好んでいく奴はほぼいない。
ああ、ドイツ支部とイタリア支部は例外だな。
極東に無い別系統の技術があったり飯がうまかったりして、第一線を退いたらそっちへ行くのも良いだろうな。
あとはアメリカ支部やアフリカ諸国跡地の各支部もあるけど……説明飽きた。
いや、真面目にやろう。
そう、アメリカ支部だ。
食事がアメリカンな味付けなのも含めて中々良いところだ。
案外骨のあるアラガミも多いしな。
あと、リオデジャネイロ支部とかアフリカ諸国跡地の支部とかあるけど……
聞きたい奴いる?
……
……
……
いないな。
ここまでで質問は?」
「この鎮守府はどうなんでしょう」
「まぁ落ち着け、吹雪。この質問タイムの後で話す。
で?大淀は?」
「少し気になったのが……アフリカ諸国が生き残っているのにオーストラリアが陥落したと言うのはどう言う事なのでしょうか」
「あぁ、それは簡単だよ。
アフリカってヨーロッパから近いだろ?それに油田も金属資源も沢山あるから重要拠点として守りやすかったんだよ。
それにオーストラリアが先だったって事で、対策を練りやすかったのもあるな。
オーストラリアはアラガミについてまだよくわかってなかった時期で、資源は豊富でも戦力の輸送に難があり過ぎてなぁ……
ま、大体そんなところだな。
他は?
……ないな?なら次に行くぞ。
次はここ、佐世保鎮守府についてだ。
ここは来た時に見たように巨大な軍艦だ。
とりあえず旧佐世保にあるから佐世保鎮守府としておこう。
設計の元になったのはフライアって言う独立機動支部だ。
だからこの鎮守府のカテゴリを軍艦風に言うなら『改フライア型独立機動鎮守府艦「佐世保」』って具合になるだろうな。
名前は今勝手に決めたけど。
良い名前あったら言ってくれ。場合によっては名前変えるから。
まぁそれは置いといて。
見たとおり水上部分には大和の主砲より大きい主砲の52センチ単装砲が合計16門と、副砲として127ミリ速射砲が合計50門。滑走路が3本とヘリポートがあちこちにある。
まぁヘリよりヘリポートの方が多いんだがな。
もちろん武装だけじゃ無い。工廠や遊戯場、倉庫に各自の部屋もきちんとある。
強いて難点を上げるとすれば、
人が圧倒的に足りて無い事くらいだ。
出撃中に手に負えない奴がいれば連絡してくれ。直ぐに砲弾が飛んでいく。
質問は?」
「鎮守府からの支援は砲撃以外にもあるんですか?」
「鎮守府からの距離にもよるが、魚雷やら空爆やら……他にも色々考えてあるぞ。後は……特にいう事も無いし、質問が無ければこれで終わろうと思うが……良いか?」
「大丈夫です」
「大体わかりました」
「問題ありません。
ところで司令官?ちょっとこの部屋に残っていてくださいね」
なんだよ、大淀。
俺なんかしたか?
「それは一体……?」
ほら、シエルが無表情になってる
「いえ、大した事ではないんですよ?」
「そうか、わかった。
じゃ、解散!
吹雪はあとで報告書の提出な。
シエル、吹雪の報告書作成手伝ってやれよ?」