元隊長の鎮守府運営記録   作:ゆすくうけに@Aki

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後編まで長い……


第二十三話「はじめての『執務』後編

side刻

 

大淀に残るように言われたが……

なんでだ?

 

「さて司令官、出撃報告書や開発結果などの書類仕事が残っています。

ですが、昨日ほどきちんと目を通さなくても良いんですよ?

むしろあの密度を続けますと死んでしまいますよ」

 

ああ、執務か。

 

なるほど、確かに一理ある。あるんだが……

 

「いや、もっと良い方法がある。新しい紙をそこの『白紙』の段ボールに、残りの目を通してない書類を『書類はここに入れてくれ』の段ボールに入れてくれ。

 

「は、はぁ……」

 

事態がよく飲み込めていない様子の大淀

 

とりあえず言った通りにしてくれた様だ。

 

「さて、執務を始めるとしよう。おっと、段ボールの中は覗くなよ?」

 

一応注意しておかなければ。

 

「あ、あの?司令官?」

 

何か言っているが、執務が終わってからでも十分聞く時間はある。

 

『VRシステム 起動完了しました。執務システムを起動します』

 

聞き慣れた合成音声だ。

 

『完了しました』

 

さて、執務開始‼︎

 

side大淀

 

司令官さんが段ボールに入って数秒後、いきなりロボットアームが物凄い速度で書類へのサインや印鑑の捺印をし始めました。

 

瞬く間に書類が『出来た書類はここだ』の段ボールに移されて行きます。

 

書類の丘が片付いた数秒後、司令官さんの入った段ボールが動き、司令官さんが出てきました。

 

「んん〜、疲れた疲れた」

 

side刻

 

体感時間およそ3時間、現実で3秒後、執務をしっかり終わらせた俺は、大淀が驚いた表情で固まっている事に気が付いた。

 

「どうした大淀、物音に気が付いた敵兵みたいな顔して」

 

「なんですかそれ……」

 

「ああ、説明して無かったな。『高速執務執行システム』公式通称『トライアル』だ」

 

「……なんだか全身が青い仮面の警察官が9.8秒間超加速しそうな名前ですが、まぁ納得しました。確かにこれなら大丈夫でしょうが……

副作用とかはあるんですか?」

 

「ああ、心配するな。現実で1時間経つまでは問題無い。それ以降は後での頭痛、吐き気として現れるがな。

1時間ぎりぎりまで続けても、その後1時間間を空ければまた1時間使える。

ちなみに中では時間は3600倍になる。つまり、1秒で1時間分働けるって訳。これなら全部目を通してもさして時間がかからないだろう?」

 

「凄まじいですね……」

 

「だろう?昨日作った俺の自信作だ」

 

「昨日……自分で」

 

「ああ。まぁこの加速機能でプログラム組んだから数秒で組み終わったよ」

 

「なるほど……わかりました」

 

ん?なんか大淀がやさぐれてる……?気がする。

 

まぁ良い、とりあえず吹雪の書類が来るまで工廠にでも行ってこよう

 

(私……もしかしていらないのでは……⁉︎)

 

 

side吹雪

 

「報告書ってどう書くんですか?」

 

「難しい事は考え無いで、ただ実際にあったことを書くだけですよ。例えば隊長の生活についての報告書を書くなら、

『5時起床、体温は36.8度で平熱。脈拍は不明だが普段より少し高め。悪い夢を見たか、何か良い事を思いついたと推測される。何か作業をしている模様。段ボールを使っている事からかなり大事な事と推測される……』

と、こんな具合ですよ」

 

「なるほど……わかりました。なんだか書けそうな気がします!(でもなんでそんな事まで知っているんでしょうか?)」

 

「頑張って下さいね。隊長の部下同士、これからも助け合っていきましょう」

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