元隊長の鎮守府運営記録   作:ゆすくうけに@Aki

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sameは同じって意味な!
(注意!この小説の中では、艦娘は水上スキー方式で戦闘しています)


第二十八話「どの位出来るのか」

side刻

 

「私達の戦闘能力を測りたい……ですか?」

 

と、白雪。

 

「ああ。そもそもお前らがどう戦うかもわからないんだがな」

 

そう。戦い方が分からなければ、工夫のしようが無い。

 

「ええと、私達が水上に浮かんで戦うのは分かります?」

 

「まぁ、どうして水面に浮けるのかはさて置き、水上を走るようにして戦うことは分かってる」

 

「では、解説を続けますね。

と言っても、艤装を使って砲で撃ったり魚雷を発射したりして、相手の弾を避けるだけですよ」

 

「なるほど、WW2当時の普通の軍艦と大体同じと思っておけば良いのか」

 

「ええ。そんなところです。

戦闘開始からしばらくすると『夜戦』になります。

この『夜戦』は実際の夜戦とは違い、実際に夜になっている訳ではなく、その空間自体が光を通し難くなっているようです。

良くは分かっていませんが、深海棲艦側の特殊能力のような物かと思われます」

 

「……キツイな。

レーダー……ああ、電探は大丈夫なのか?」

 

「まぁ、大丈夫かとは思いますが……精度は良いんですか?」

 

「無いよりマシだろう。それに、最後の手段として早期警戒機を飛ばすって方法もあるしな」

 

「早期警戒機、ですか?」

 

「ああ、レーダーを積んだ大型航空機の事だ」

 

「なるほど。ですが、そんなに長く飛び続けられるんですか?」

 

「あぁー、確かに、そこの問題はあるな……で、なんだっけ」

 

「確か、私達の戦闘能力を測りたい……と」

 

「ああ、それだ。

で、近接格闘って出来るの?」

 

「ええと、近接格闘ですか?」

 

「ああ、お前らはただの艦船じゃなく、艦娘だからな。ただの軍艦には出来ない事が出来る」

 

「私達駆逐艦は出来ませんが、軽巡洋艦の3人と赤城さん、加賀さんは出来るかと」

 

「そうなのか?天龍、加賀」

 

「ああ、あの……なんだっけなー、名前忘れちまった……あのほら、目出し帽被ってた奴らに教えて貰ったな」

 

……彼奴らか。

 

「まぁ良い、とりあえず、どの位海上で戦えるのか見せてくれ」

 

 

 

 

sameside in後部ハッチ

 

「総員、対深海棲艦兵装並びに対アラガミ兵装を用意してあるな?………よし、行って来い!」

 

「了解、天龍、水雷戦隊、出撃するぜ!」

 

「出撃します。死にたい船はどこかしら?」

 

「了解、吹雪、出撃します!」

 

「了解、皆さん、ご一緒にがんばりましょう」

 

「了解、響、出撃する」

 

「今回は近海を周回してくれ。そこまで気負う必要は無いし、何かあったら支援要請をしてくれても構わない。

一応こっちのレーダーも動かしておくが、もちろん索敵を怠るなよ?

今回は復習だからな。どこまで出来るか見せてくれ」

 

「おう、期待してくれよ?」

 

「天龍ちゃん?早く〜」

 

「わかった、今行く!

じゃ、行ってくるぜ」

 

「ああ、行って来い!」

 

旗艦天龍、以下軽巡1と駆逐3の水雷戦隊が出撃した。

 

「さて、どこまで出来る?」

 

手元の端末には、鎮守府近海のレーダー画面

 

そこに映るは、

Enemy:monkey Easy type

Rink support:attack up 15〜25 minute

の文字……

 

side天龍

 

さて、出撃した訳だが、

 

『まずは様子見だ。この湾から出てみろ。急ぎ過ぎるなよ?だが、早めでな』

 

直ぐに指示が飛んで来た。

 

『ただし、対空戦闘も忘れるなよ?あ、対空砲火にはこのペイント弾を使ってくれ。修理費も馬鹿にならないからな』

 

アグレッサー役の青い零戦七六型に乗った提督と、提督が投下したペイント弾入り段ボール(耐水仕様)と一緒に。

 

「上等だ、輪形陣!」

 

『了解!』

 

駆逐(チビ)達も指示に従って戸惑う事なく動いてくれている。

 

「対空用ペイント弾装填!対空砲火、撃ち方始め!」

 

パパパパパパ………

 

ダァン!……ダァン!……

 

ペイント弾はそれぞれで色が違うみたいだな。

 

機銃沢山と主砲三門(駆逐艦のみ)、色とりどりの火線が提督(アイツ)の機体へ飛んで行く。

 

「これでどうだ!」

 

『被弾2、天龍と龍田だな。流石、防空巡洋艦への改装計画があっただけはあるな。

後は吹雪が惜しいな。喰手はあまり狙わない方が良い。

じゃあ、今度はこっちからも攻撃するから、避けながら撃て。始め!』

 

同時にアイツの機体の下にぶら下がっている機銃が、緑の火線を放ち始めた。

 

『こいつを爆弾だと思って避けてみろ!』

 

「言われなくても!」

 

アイツに教えていないチャンネルに変え、全員に指示を出す。

 

「お前ら、散開してローテーションで1人が囮!そいつを狙って降りてきたところを集中砲火!これを繰り返せ!」

 

『じゃあまずは私が囮ね〜』

 

『龍田さん、頼みます!』

 

『その次は私が』

 

『私は南西、吹雪姉さんは龍田さんの後ろを南に、白雪姉さんは南東、天龍さんは?』

 

なんか響に全部持ってかれた気がするな……

 

「吹雪が俺の直ぐ後ろを来い。俺たちは南南東を遅めに行くぜ!」

 

『了解(〜)(です!)』

 

side刻

 

さて、これはどうしたものか……

 

龍田が先頭に飛び出て、こっちの注意を引いている。

 

…これは、敢えて誘いに乗るべきか。

 

「避けて見やがれ!」

 

空を飛んでいると言う利点を活かし、龍田を一気に追い抜き上を変則的な機動で飛び回り、ペイント弾をばら撒く。

 

とはいえFTAを使っていない固定翼機である以上、前に進み続けるしかないのでどうしても通らなければならないポイントと言うのはあるもので。

 

ガガガゴン!ガガガゴン!

 

「うぉぁっ!えーと何発だ?

……機銃弾50発か。結構キツイな。主砲はなんとか避けたがなぁ…」

 

これが狙いか。わかってるじゃないか!

 

「流石だな。機銃弾50被弾だ!」

 

『やったぁ』

 

『よっしゃあ!』

 

『やりました!』

 

『ハラショー』

 

『まだ、気を引き締めていきましょう』

 

「良い連携だったが、龍田が少し危険だな。まぁ、おいおい洗練されていくだろうな。その調子で鍛錬を積む様に」

 

『了解!』

 

そんな感じでしばらく飛び続けていたが……

 

そろそろか?

 

『電探に感あり!これは……アラガミです!猿見たいな……「仁王(ニオウ)」でしたっけ?』

 

『違ぇ、猿見たいなのはコンゴウだ!』

 

『え?金剛さんですか?』

 

『そっちは違う。ゴリラと仏像を掛け合わせた様な方だよ。姉さん』

 

お、巡洋戦艦金剛もいるのか。楽しみだな

 

『いよいよ実戦ですね。頑張りましょう』

 

ほぅ、突然のコンゴウ出現にも慌てる様子無し、か。

 

「俺は対アラガミ兵装を持って無い。お前らだけでやって見ろ」

 

『おう!お前ら(チビども)、兵装を対深海棲艦用実弾兵装から対アラガミ用オラクル兵装に変えておけ!』

 

『了解!対アラガミ戦闘用意!』

 

"りょぉかーい、たいあらがみせんとーよぉーい!"

 

"ふくしょー!たいあらがみせんとーよぉーい!"

 

『コンゴウは本来陸上のアラガミです。猿型なので泳いでいると思われます。潜られていた場合少々厄介なので水中聴音機も用意して下さい』

 

"りょーかーい、たいせんみはりをげんとなせぇ!"

 

"ふくしょー!たいせんみはりをげんとなせぇ!"

 

side響

 

初めての実戦の相手が、私たち艦娘しか対応出来ない深海棲艦ではなくただのアラガミでしかない事に若干の失望を覚えるが、別に良い。

 

相手が人類の敵である事は確かなのだ。

 

『敵影見ゆ!砲戦開始!』

 

「さて、やりますか」

 

静かに、しかし闘志を込めて、呟く。

 

「両舷一杯、砲戦用意」

 

"いくぞー!"

 

"うらぁ!"

 

一気に増速、右手の主砲(もちろん砲身はオラクル弾用)を構え、照準を合わせる。

 

向こうもこちらに気付いた様で、ドラミングをして威嚇してくる。泳ぎながら。

 

(器用過ぎないか?)

 

「無駄だね」

 

バシュル!バシュル!バシュル!

 

どちらかと言うと砲撃音と言うより旧世代のミサイル発射音に近い音を立てて、コンゴウの弱点属性の炎の弾丸を、放つ!放つ!放つ!

 

弾種は狙撃炸裂弾、顔面をカチ割るには最適な弾らしい。

 

「……やるさ」

 

更に増速、近付くにつれて二連炸裂弾、拡散連射弾と切り替えながら碇を構え、

 

Урааааа(ウラーー)!!」

全ての運動エネルギーを込め、碇型の対アラガミ用近接兵装を突き立て、カチ割る。

 

それによって停止した事を活かし、散弾を顔面に叩き込み、反動を使って距離を取る。

 

こうやってコンゴウの注意を引いている隙に残り四人がコンゴウの背後や側面に回り込み

 

「天龍様の攻撃だ!うっしゃあ!」

 

「あははっ♪砲雷撃戦、始めるね?」

 

「主砲で弾幕張ります」

 

「当たってー!」

 

一斉射撃!

 

撃ち出されたオラクルがコンゴウの背面パイプと尻尾を重点的に抉り、焼く。

 

全部位を破壊し、戦闘不能にしたコンゴウに碇を撃ち込み、艤装の中の捕獲用スペースに放り込む。

 

この時、零れ落ちたコンゴウの破壊部位も忘れずに回収する。

 

このコンゴウは持ち帰り、オラクルリソース、または資源に変換或いは売却して資金にする。(この判断は司令官に任せている)

 

この、斃したアラガミを安全かつ安価に持ち帰る技術が発明されてから、世界のオラクル細胞の数は横ばいになっているらしい。

 

何ともхорошо(ハラショー)な技術だ。

 

「司令官、そろそろ帰らないかい?」

 

『だな。良し、全艦、帰投しろ』

 

少し残念そうな声だったのは何でだろうね

 

side刻

 

結局、リンクサポートは無駄になったか。

 

……一回幾らすると思ってやがる。

 

……なんとびっくりたったの100fc、1fcが2010年代で言うところの10円だから、せいぜい千円位で済んじまう。

 

今回のコンゴウ捕獲は本部から謝礼金10000fc(本部から各支部へは毎回これくらい支払われているが、大体支部深奥部の人間が持っていったり、支部自身の資金と化す為、神機使い本人の取り分はかなり低い)だから、差し引きかなりの儲けが出ている。

 

艦娘達への給金は別枠で貰っている為、特に問題は無い。

 

ただ、「1円を笑う物は1円に泣く」とも言う。

 

やっぱり無駄な出費は哀しい物だ……




戦闘シーン、こんな感じで、どおすか?

あ、ニオウってアラガミはこの世界にも居ません。吹雪が名前覚えてなかっただけです。
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