元隊長の鎮守府運営記録   作:ゆすくうけに@Aki

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遅くなり申し訳ありません(しかも前編と言う……)。なんとか今月中には更新出来ました。
それでは、どうぞ。


第三十八話「狙撃銃実践訓練・前編」

side刻

 あの後も幾つかの装備のVR試験を行った。

が、直ぐには使い物にならないだろうな……

 それはさておき、今日は艦娘達の狙撃銃実践訓練だ。

 「さて、これから狙撃訓練の概要を説明する。舞台はこの鎮守府艦佐世保の屋外。狙撃ポイントは自由だが、ターゲットから二百メートル以上離れずに撃った物はノーカウント、使用弾薬は高速ペイント弾なので跳弾は期待するな。弾は無制限に支給するが、少ない数で当てる程ポイントは高くなるからよく狙えよ?一応、昨日配っておいた端末(スマホ)にインストールした艦内マップの屋外編に狙撃ポイントの目安は記録してあるが、別にそこから撃たなくても良い。尚、1キロまでは距離が離れる程ポイントは高くなるが、それ以降では同じ着弾地点ならポイントは変わらない。では、(くじ)で引いた結果順にやってもらう。さて、引いてくれ」

 そう言って、用意しておいた籤の入った箱を前に置く。籤の結果は以下の通りだ。

 1番天龍

 2番響

 3番吹雪

 4番白雪

 5番木曾

ーーーここで休憩ーーー

 6番雷

 7番暁

 8番龍田

 9番電

「双眼鏡はマーキング機能付きを支給するから偵察を怠るなよ?それと、奴らは最初は俺達に気付いて居ない。が、敵半数を仕留めたらこっちがいる事に、3分の2を仕留めたらこっちの居場所に気付く。どの順番で仕留めるかはよく考えろよ?もちろん仕留めたところを見つかれば警戒されるし、直接見つかれば居場所を特定され反撃される。ああ、念の為言っておくが今回の敵は的だからノーキルボーナスやオールキルペナルティは無いからな?因みに、点数は、脚<胴体<腕<頭=股間となっているからそのつもりで。それと的を壊しても特にペナルティは無いから心配無いからな?

 じゃあ準備運動に10分取ってから、訓練開始だ」

 さて、この10分間で俺も少し体をほぐして、と。

お、デッドプールからボイスメッセージだ。極東に……は馴染めるか。むしろ極東が馴染んで人外魔境になってたり……なんだ、いつもの極東じゃないか。

 んで?内容は……?

『キング・クリムゾン!』

要 件 は な ん だ。

 「おーい、10分経ったぞ?提督」「ん?もうか?随分早いな……」

 確かに時計も10分後をに指している。ん〜?

 「まぁ良い。始めてくれ、天龍」

 「おーし、天龍、出撃する!」

ーーーーーー

side天龍

 さて、と

「軽巡とは言え、軍艦をナメ過ぎなんだよ……」

 風速測定、彼我の大凡の距離、相対速度の割り出し……良し。この艦(佐世保)は大きいから揺れは考慮に入れなくて良い。レティクルに収めて、引き金の遊び分を引き、1点……発射薬が点火され、弾が発射されるかどうかの境界……を超える。

 

 パァン!

 

 首に着弾、貫通判定が出たらしく二人目も斃した。

この調子で……!

ーーーーーー

side刻

「もう3分の2か。結構順調だな、だが……」

こんな時はどうする?

ーーーーーー

side天龍

「ッ!」

 殺気を感じて真後ろに蹴りを入れる。当てた感触から考えると…腹か。撃った人数はさっき3分の2を超えたところだから、ここからは隠れてもあまり意味がない。

 ……オレの得意分野だな。

「落ちろッ!」言い放ち、投げ飛ばす。

ただの蹴りでは倒せない、倒すには最低でも200メートル、出来れば1キロ離れ無ければならない。

 ただ、そこには高低差も含まれる……筈だ。

【うわあぁァァ!】

 弾のスピード、的の落ちていくスピード、空気抵抗、重力加速度…面倒くせぇ、この場面ならそこまで細かい計算は必要無い!

 「当てる!」

 結論から言って、高低差は考慮されているらしかった。

 

『流石だな。ルールを忘れていないのも良い。これからも期待しているぞ』

当たり前だろ?世界水準軽く超えてるからな。

ーーーーーー

side響

 今度は私の番だね。

構えて、レティクルを覗いて……目標をセンターに入れて…逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ……って、これはダメか。

「撃つよ」

 

ダァン!

 

【うぼぅぁぁ……】グヂュッ!

 

 嫌な音だ……ここまで再現しなくてもいいのに。まぁ、そう言いつつも次々撃つんだけどね。

 ……しかし、音に反応していちいち発砲地点に来られるのも厄介だね。

 さて、移動しようかな。

ーーーーーー

何十人か仕留めたころ…

 「さて、そろそろまた移動かな」

瞬間、

 

パパパッ!

 

間一髪しゃがんだのと同時に連射音がした。おそらく小口径…5.56ミリの自動小銃だろう。

 

【貴様ァ!】「遅いよ」

 後ろにいた的のところへ踏み込み、掴んで壁にぶつけて抵抗する力を削ぎ、かなり下に引きずり落とす。

 そして、さっきの天龍(『さん』は要らないらしい)のように上から撃ち下ろす。

 

ヴォーーッ!ヴォーーッ!

 

 警報か……やはり位置がバレているらしいね。不味った………

 取り敢えず、200メートルに入らないギリギリのから撃っていこう。

 

【うっ!】【うぼぅぁぁ……】【ぐぅはあぁぁ……】

 

「無駄だよ」

ダァン!

 

軍艦相手に悲鳴で気力を削ごうなんて、無駄だよ。

 

 

 気づけば、的達の攻撃も止んでいた。

「ふぅ…終わりかな?司令官」

『ああ。全ての的を撃ち抜いた。流石と言うか、なんというか……』

ーーーーーー

side刻

『どうしたんだい?司令官』

「いや…何でもない」

 何でも…いや、何も無い。こんな少女に、人間のように悲鳴を上げ、人間のように動く的を使った射撃訓練をさせる事にも、それが必要な場所に居させてしまうことにも、罪悪感なんて…無い。

「何でもない。次は…吹雪か」

 出来るのならば、代わりたいとは思うがな。

ーーーーーー

side吹雪

『良し、始めてくれ』

 

 狙いを合わせて…!

「私がやっつけちゃうんだから!」

 

パァン!

【うっ!】

 

肩でした…

 でも、仲間をおびき寄せられたと考えれば問題ありません。

 

【くっ、攻撃を受けた!敵の位置は不明、ただし第三ヘリポート方面から銃声が聞こえた!】

〚了解、第三ヘリポート側の狙撃ポイントに増援を送った。戻って手当を受けろ〛

 

 どうやらこの辺りに集まってくるようですね…ここを狙える狙撃ポイントは……あった。艦橋ですね。

 

【ぐぅはあぁぁ……】

無線した的は用済みなので始末します。

ーーーーーー

 さて、艦橋です……が、

【おかしい…どこへ行った?】

 的2人が来てしまい、とっさに隠れたのですが出るに出られなくなりました……

【よく探せ!まだ近くにいるはずだ!】

 はい。とても近くにいます。もっと言えば、すぐそこの段ボールの中です。

 確かに、艦橋は高いので見晴らしが良く、それこそ絶好の狙撃ポイントなんですけど……

 

【糞ッ、上からだとわからないか…一旦下に降りるぞ!】

【こちら攻撃(a)チーム第3班、司令部(HQ)送レ】

〚こちらHQ、どうしたa-3?〛

【こちらa-3、上からでは分からない。一度降りて捜索する!】

〚了解、敵を見つけ出せ!〛

 

 ………ふぅぅぅ〜〜……どうやら行ったみたいですね。さて、気を取り直して!

 

「いっけぇ!」

 

パァン!…パァンパァンパァン!…パパァン!

【うぐぁ…!】【うぼぅぁぁ…】【うぐっ!】

ーーーーーー

『今の的が最後だ。…良くやるよ』

「ふぅ……司令官!私、やりましたぁ!どうでした?」

『……躊躇の無い狙撃、臨機応変な戦術、段ボールの有効活用。ケチの付け所の欠片もないな。流石1番艦、と言った所だな。

 さて…次は白雪か。頼むぞ?』

ーーーーーー

side白雪

 さて、私の番ですね。しかし、狙撃とは単発攻撃、弾幕を張るのには不向き。どちらかと言うと対空より対艦能力を育てる訓練なのでしょうね。

 「可燃物の投棄……は要りませんね。狙いよし。撃ち方はじめ…」

 

パァン!パァンパァン!

【ギャァぁ!】【何……ぐぁっ!】【どうし…ウッ】

 

 少々連射速度が小さいですが…単発攻撃である以上、致し方ありませんね。

 

【居たぞ!】【良くも…良くも!】

 

パァン!パァン!

 

ーーーーーー

 

 もしかして、動かなすぎたのでしょうか……?大勢来ましたね。

 

「遮蔽物に身を隠す…ですか。狙撃手が相手なので悪くはありませんね」

 

パパパパパパパァン!

 

「ですが、少々遮蔽物の選択に問題があるかと」

 

……ッ!回避!

 

チュン!……ッターン!

 

【クソっ、避けられた!】

 

 超長距離からの狙撃…狙いも良い、私が油断していたにせよ撃つその瞬間まで気付けない程の隠匿…

 狙撃手として素晴らしい素質です。

ですが、

「狙撃の際に殺気を放つ…これは最もやってはいけない事ですよ?狙撃の初歩です」

 

パァン!

 

「おそらく、この様に」

 

【……え?……うわぁぁぁ!】

『今のが最後だ。……流石、早いな。ここに戻って来てくれ』

 

「特型駆逐艦の力、ご覧いただけましたか?……ふぅ……」

 

ーーーーーー

side木曾

 さて…行くか

「俺に勝負を挑む馬鹿は……って、今回は俺が挑んでるのか。まぁ良い。狙い撃つ!」

 

パァン!パァン!

 

【ぐっ!】【どこだ!】

 

 さっきの白雪みたいに大勢来られてもあれだし、移動だ。

 

ッ!緊急回避!

 

【……?何かいたような?】

 歩いて来たな…足音を立てずに急いで…いや、いっそ端まで行ってエルード(足場の端等から握力でぶら下がること)してやり過ごすか。

 

【?…何も無い】

 

 足音で離れた事を確認、少し顔を出して目視確認…良し。

 一度体を下げてから、勢いで上に登……ろうとしたら、

 

 下の階層にいた的と目があった

 「…………よ、よう」【……お、おう……ッ!!!!て!敵だ!】

 やべっ見つかった!取り敢えず蹴ってふっ飛ばして…逃げろ……ッ!

 

 〚こちらHQ、どうしたパトロール!……甲板下船体外周で、敵との遭遇を仄めかす内容の無線を最後にパトロールとの連絡が途絶えた。警戒チームは常に二人一組を心掛け、攻撃チームも巡回に当たれ!〛

 

 クソっ、集まってくるぞ!上に登って退避!

 

【居たぞ!】【彼処だ!】

 

 不味い!走りながら構えて撃つが……やっぱり射線が、安定しない…!

 

【追い詰めたぞ!】【もう逃げられないだろう!】

 

チッ…なら、

 

「I c()a()n()n()o()t() ()fly!」

 

 一気にバックジャンプ、飛び降りて……

「But I'm a Fleet girl. なんてな」

 3点着地…俗に言う『スーパーヒーロー着地』(俺は女なんだがな)を決め、()()に着地する。

 

 弾倉を交換、思わず下をのぞき込んだ奴らを

 

パパパパパパパパパパァン!

 

一気に狙い撃つ。

 今頭の中で高低差や海面特有の風、上と下の湿度差等を考慮して弾き出した命中箇所と、実際に当たった箇所の差から計算式を修正する。

 確かに難しい計算だ。けどな……

 

「砲撃戦ではもっとずっと遠いしな、この程度が出来ない訳無えんだよ!」

 

パパパパァン!パパパパパァン!

 

 撃ち切ったと思ったのか、顔を出した(マヌケ)を撃つ。

 

顔を出さずに腕だけで撃ってきた奴もいたが、見当違いの場所に当たる。そのうちにリロードして、手榴弾を投げた奴を見つけたので手榴弾を撃ち返した。

 

閃光、そして爆発音。

 

「筋は悪くねぇんだけどな」

 

『今ので最後だ、戻って来い。それと…いくつか質問させてくれ』

 何か変なことしたか?俺

 

ーーーーーー

side刻

 水面に着地(しっかりと立っていたからこの表現以外思いつかない)……?意味がわからん……

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