それでは、どうぞ。
side刻
あの後も幾つかの装備のVR試験を行った。
が、直ぐには使い物にならないだろうな……
それはさておき、今日は艦娘達の狙撃銃実践訓練だ。
「さて、これから狙撃訓練の概要を説明する。舞台はこの鎮守府艦佐世保の屋外。狙撃ポイントは自由だが、ターゲットから二百メートル以上離れずに撃った物はノーカウント、使用弾薬は高速ペイント弾なので跳弾は期待するな。弾は無制限に支給するが、少ない数で当てる程ポイントは高くなるからよく狙えよ?一応、昨日配っておいた
そう言って、用意しておいた籤の入った箱を前に置く。籤の結果は以下の通りだ。
1番天龍
2番響
3番吹雪
4番白雪
5番木曾
ーーーここで休憩ーーー
6番雷
7番暁
8番龍田
9番電
「双眼鏡はマーキング機能付きを支給するから偵察を怠るなよ?それと、奴らは最初は俺達に気付いて居ない。が、敵半数を仕留めたらこっちがいる事に、3分の2を仕留めたらこっちの居場所に気付く。どの順番で仕留めるかはよく考えろよ?もちろん仕留めたところを見つかれば警戒されるし、直接見つかれば居場所を特定され反撃される。ああ、念の為言っておくが今回の敵は的だからノーキルボーナスやオールキルペナルティは無いからな?因みに、点数は、脚<胴体<腕<頭=股間となっているからそのつもりで。それと的を壊しても特にペナルティは無いから心配無いからな?
じゃあ準備運動に10分取ってから、訓練開始だ」
さて、この10分間で俺も少し体をほぐして、と。
お、デッドプールからボイスメッセージだ。極東に……は馴染めるか。むしろ極東が馴染んで人外魔境になってたり……なんだ、いつもの極東じゃないか。
んで?内容は……?
『キング・クリムゾン!』
要 件 は な ん だ。
「おーい、10分経ったぞ?提督」「ん?もうか?随分早いな……」
確かに時計も10分後をに指している。ん〜?
「まぁ良い。始めてくれ、天龍」
「おーし、天龍、出撃する!」
ーーーーーー
side天龍
さて、と
「軽巡とは言え、軍艦をナメ過ぎなんだよ……」
風速測定、彼我の大凡の距離、相対速度の割り出し……良し。
パァン!
首に着弾、貫通判定が出たらしく二人目も斃した。
この調子で……!
ーーーーーー
side刻
「もう3分の2か。結構順調だな、だが……」
こんな時はどうする?
ーーーーーー
side天龍
「ッ!」
殺気を感じて真後ろに蹴りを入れる。当てた感触から考えると…腹か。撃った人数はさっき3分の2を超えたところだから、ここからは隠れてもあまり意味がない。
……オレの得意分野だな。
「落ちろッ!」言い放ち、投げ飛ばす。
ただの蹴りでは倒せない、倒すには最低でも200メートル、出来れば1キロ離れ無ければならない。
ただ、そこには高低差も含まれる……筈だ。
【うわあぁァァ!】
弾のスピード、的の落ちていくスピード、空気抵抗、重力加速度…面倒くせぇ、この場面ならそこまで細かい計算は必要無い!
「当てる!」
結論から言って、高低差は考慮されているらしかった。
『流石だな。ルールを忘れていないのも良い。これからも期待しているぞ』
当たり前だろ?世界水準軽く超えてるからな。
ーーーーーー
side響
今度は私の番だね。
構えて、レティクルを覗いて……目標をセンターに入れて…逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ……って、これはダメか。
「撃つよ」
ダァン!
【うぼぅぁぁ……】グヂュッ!
嫌な音だ……ここまで再現しなくてもいいのに。まぁ、そう言いつつも次々撃つんだけどね。
……しかし、音に反応していちいち発砲地点に来られるのも厄介だね。
さて、移動しようかな。
ーーーーーー
何十人か仕留めたころ…
「さて、そろそろまた移動かな」
瞬間、
パパパッ!
間一髪しゃがんだのと同時に連射音がした。おそらく小口径…5.56ミリの自動小銃だろう。
【貴様ァ!】「遅いよ」
後ろにいた的のところへ踏み込み、掴んで壁にぶつけて抵抗する力を削ぎ、かなり下に引きずり落とす。
そして、さっきの天龍(『さん』は要らないらしい)のように上から撃ち下ろす。
ヴォーーッ!ヴォーーッ!
警報か……やはり位置がバレているらしいね。不味った………
取り敢えず、200メートルに入らないギリギリのから撃っていこう。
【うっ!】【うぼぅぁぁ……】【ぐぅはあぁぁ……】
「無駄だよ」
ダァン!
軍艦相手に悲鳴で気力を削ごうなんて、無駄だよ。
気づけば、的達の攻撃も止んでいた。
「ふぅ…終わりかな?司令官」
『ああ。全ての的を撃ち抜いた。流石と言うか、なんというか……』
ーーーーーー
side刻
『どうしたんだい?司令官』
「いや…何でもない」
何でも…いや、何も無い。こんな少女に、人間のように悲鳴を上げ、人間のように動く的を使った射撃訓練をさせる事にも、それが必要な場所に居させてしまうことにも、罪悪感なんて…無い。
「何でもない。次は…吹雪か」
出来るのならば、代わりたいとは思うがな。
ーーーーーー
side吹雪
『良し、始めてくれ』
狙いを合わせて…!
「私がやっつけちゃうんだから!」
パァン!
【うっ!】
肩でした…
でも、仲間をおびき寄せられたと考えれば問題ありません。
【くっ、攻撃を受けた!敵の位置は不明、ただし第三ヘリポート方面から銃声が聞こえた!】
〚了解、第三ヘリポート側の狙撃ポイントに増援を送った。戻って手当を受けろ〛
どうやらこの辺りに集まってくるようですね…ここを狙える狙撃ポイントは……あった。艦橋ですね。
【ぐぅはあぁぁ……】
無線した的は用済みなので始末します。
ーーーーーー
さて、艦橋です……が、
【おかしい…どこへ行った?】
的2人が来てしまい、とっさに隠れたのですが出るに出られなくなりました……
【よく探せ!まだ近くにいるはずだ!】
はい。とても近くにいます。もっと言えば、すぐそこの段ボールの中です。
確かに、艦橋は高いので見晴らしが良く、それこそ絶好の狙撃ポイントなんですけど……
【糞ッ、上からだとわからないか…一旦下に降りるぞ!】
【こちら
〚こちらHQ、どうしたa-3?〛
【こちらa-3、上からでは分からない。一度降りて捜索する!】
〚了解、敵を見つけ出せ!〛
………ふぅぅぅ〜〜……どうやら行ったみたいですね。さて、気を取り直して!
「いっけぇ!」
パァン!…パァンパァンパァン!…パパァン!
【うぐぁ…!】【うぼぅぁぁ…】【うぐっ!】
ーーーーーー
『今の的が最後だ。…良くやるよ』
「ふぅ……司令官!私、やりましたぁ!どうでした?」
『……躊躇の無い狙撃、臨機応変な戦術、段ボールの有効活用。ケチの付け所の欠片もないな。流石1番艦、と言った所だな。
さて…次は白雪か。頼むぞ?』
ーーーーーー
side白雪
さて、私の番ですね。しかし、狙撃とは単発攻撃、弾幕を張るのには不向き。どちらかと言うと対空より対艦能力を育てる訓練なのでしょうね。
「可燃物の投棄……は要りませんね。狙いよし。撃ち方はじめ…」
パァン!パァンパァン!
【ギャァぁ!】【何……ぐぁっ!】【どうし…ウッ】
少々連射速度が小さいですが…単発攻撃である以上、致し方ありませんね。
【居たぞ!】【良くも…良くも!】
パァン!パァン!
ーーーーーー
もしかして、動かなすぎたのでしょうか……?大勢来ましたね。
「遮蔽物に身を隠す…ですか。狙撃手が相手なので悪くはありませんね」
パパパパパパパァン!
「ですが、少々遮蔽物の選択に問題があるかと」
……ッ!回避!
チュン!……ッターン!
【クソっ、避けられた!】
超長距離からの狙撃…狙いも良い、私が油断していたにせよ撃つその瞬間まで気付けない程の隠匿…
狙撃手として素晴らしい素質です。
ですが、
「狙撃の際に殺気を放つ…これは最もやってはいけない事ですよ?狙撃の初歩です」
パァン!
「おそらく、この様に」
【……え?……うわぁぁぁ!】
『今のが最後だ。……流石、早いな。ここに戻って来てくれ』
「特型駆逐艦の力、ご覧いただけましたか?……ふぅ……」
ーーーーーー
side木曾
さて…行くか
「俺に勝負を挑む馬鹿は……って、今回は俺が挑んでるのか。まぁ良い。狙い撃つ!」
パァン!パァン!
【ぐっ!】【どこだ!】
さっきの白雪みたいに大勢来られてもあれだし、移動だ。
ッ!緊急回避!
【……?何かいたような?】
歩いて来たな…足音を立てずに急いで…いや、いっそ端まで行ってエルード(足場の端等から握力でぶら下がること)してやり過ごすか。
【?…何も無い】
足音で離れた事を確認、少し顔を出して目視確認…良し。
一度体を下げてから、勢いで上に登……ろうとしたら、
下の階層にいた的と目があった
「…………よ、よう」【……お、おう……ッ!!!!て!敵だ!】
やべっ見つかった!取り敢えず蹴ってふっ飛ばして…逃げろ……ッ!
〚こちらHQ、どうしたパトロール!……甲板下船体外周で、敵との遭遇を仄めかす内容の無線を最後にパトロールとの連絡が途絶えた。警戒チームは常に二人一組を心掛け、攻撃チームも巡回に当たれ!〛
クソっ、集まってくるぞ!上に登って退避!
【居たぞ!】【彼処だ!】
不味い!走りながら構えて撃つが……やっぱり射線が、安定しない…!
【追い詰めたぞ!】【もう逃げられないだろう!】
チッ…なら、
「I
一気にバックジャンプ、飛び降りて……
「But I'm a Fleet girl. なんてな」
3点着地…俗に言う『スーパーヒーロー着地』(俺は女なんだがな)を決め、
弾倉を交換、思わず下をのぞき込んだ奴らを
パパパパパパパパパパァン!
一気に狙い撃つ。
今頭の中で高低差や海面特有の風、上と下の湿度差等を考慮して弾き出した命中箇所と、実際に当たった箇所の差から計算式を修正する。
確かに難しい計算だ。けどな……
「砲撃戦ではもっとずっと遠いしな、この程度が出来ない訳無えんだよ!」
パパパパァン!パパパパパァン!
撃ち切ったと思ったのか、顔を出した
顔を出さずに腕だけで撃ってきた奴もいたが、見当違いの場所に当たる。そのうちにリロードして、手榴弾を投げた奴を見つけたので手榴弾を撃ち返した。
閃光、そして爆発音。
「筋は悪くねぇんだけどな」
『今ので最後だ、戻って来い。それと…いくつか質問させてくれ』
何か変なことしたか?俺
ーーーーーー
side刻
水面に着地(しっかりと立っていたからこの表現以外思いつかない)……?意味がわからん……