元隊長の鎮守府運営記録   作:ゆすくうけに@Aki

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本当に、本当に永らくお待たせしました。今回は2-X…ではなく、1-2の準備段階です。


第四十話「南西諸島沖哨戒準備」

side刻

さて、全員の実力も把握した事だし、赤城と加賀の兵装を完成させる為の、深海棲艦側空母のコアの奪取をしよう……と思ったんだが、なんと榊からこんなメールが来ていた。

『前略 睦月型駆逐艦って知ってるかな?教育が終わったので遠征要員として、彼女達のうち、睦月、如月、皐月、文月、長月、菊月、三日月、望月の8人を向かわせたよ。それと、軽巡洋艦の球磨型の4人も、艤装が完成したから教育の終了次第向かわせるよ。その代わりに資源を後払いで融通してくれるかな? 草々』

 

 そんな話一度も聞いてないんだが……

 実践訓練はVRで出来るようにプログラム書き終わったから良いんだ。でも資源の融通は聞いて無いぞ……

「資源の融通ってどういう事だ。説明しやがれ、っと」

直ぐに返事が来た。「建造代」……なるほどな。

 

……な訳あるか。資源の入手方法だって確立できてないのに、どうやってやれと。アラガミを殺して資源に変えるのは遅すぎるし…と言うか遠征ってなんだ?出撃とは違うのか?

 

prrprr『こちらシエル、応答願います』

 ん?何でこんな言い方を?まぁ良いけど。ちなみにシエルは俺の零戦でここから若干離れた海域…具体的には昔『台湾』と呼ばれた島の近海…を哨戒飛行している。確かに遠出が過ぎるかもしれないがここから台湾へ至るルート上には深海棲艦が見つからなかったのだ。

「こちらブラッド1、どうした?シエル。何か見つけたのか?」

『逆です、隊長。南西諸島沖に空母が見つかりません。先程、おそらくは敵方の物であろう航空機を鹵獲したのですが、残念ながら水上機でした。大戦初期の米国機の要素が多く見られます』

「水上機……持ち主は軽巡洋艦から戦艦まで考えられるな。ひょっとすると水上機基地が近くにあるのかもしれんが」

『基地があれば、そこから資源を奪えるかもしれませんよ?』

「警備隊が居るだろう。破壊工作だけなら俺とお前のどっちかだけで出来るだろうが、資源の奪取となるとな……」

 別に頭ごなしに否定する気は無いが、理知的で冷静な雰囲気のこいつだが、意外と突貫的な考え方をする傾向がある以上、留める役が必要なのだ。

『そうですね…では、私達の航空支援の下で艦娘達に突撃させ、彼女達の弾薬庫に収容するのはどうでしょう?まぁ、基地があるのかどうかも分からない今では、取らぬ狸の皮算用、と言えますけれどもね』

「なるほど……なら、取り敢えずは偵察を頼む。敵艦が少なければ、充分な訓練をした上で凸げさせるのも良いだろう」

『了解、これより敵水上機が飛来した方向へ偵察を開始、敵基地を見つけ次第威力偵察を行います』

 通信が切れる。さて、どうなるか……

 どうなるかと言えば、今後の事も考えなくては。前回捕らえたアラガミのコンゴウを分解・消化してオラクル資源に変えたのは良いが、それでも量が少ない。アラガミを捕らえて資源にするだけでは、ジリ貧では無いにしても何かあったらすぐ赤字になってしまう。それを防ぐ為にもとにかく極東からの依頼を成功させては収入を得て、敵の確保した資源地帯を奪還して採掘(掘り尽くされていたとしてもその時は深海棲艦の死体を解体すればいい)して、収入を増やさなくてはならない。そうなると、今回のが敵の基地であればかなりツいていると言える。初期投資も無しに水上機基地を手に入れられるどころか、そこを改修して前線基地にすればそこで体制を整えてから目的の海域へ向かうことも出来る。

 仮に例の水上機の持ち主が艦だったなら、それならそれで敵本拠地(或いは前線基地)を見つける糸口になる。何も問題は無い。

ーーーーーー

南西諸島近海上空

sideシエル

 敵水上機を鹵獲した以上、水上機が来た方向へ向かえば『未帰還機』を捜索に来た敵艦隊(若しくは航空機群)を発見できるはず。私の『血の力』は『直覚』なので、オラクル細胞の群体…つまりアラガミ或いは深海棲艦が知覚範囲に入れば分かる…はずなのですが…

 「来ませんね……」

 30分程飛び続けても敵艦隊どころかはぐれた駆逐艦相当の深海棲艦1匹も見当たりません。

 取り敢えずグボロ・グボロを見つけたので速やかに射殺(Shot)収容(Contain)任務続行(Pass)。別に異常存在の特別取扱い手順とは関係ありませんが。

 

……ッ!居ました、敵艦隊です。これは…軽巡洋艦1、駆逐艦2の前線警戒艦隊ですね。それに…その奥にも何かいます。

「こちらシエル、現在地から東方にて敵前線警戒艦隊を確認。構成は軽巡洋艦1駆逐艦2。その後方にも敵と思われる未確認の反応を確認。繰り返します、現在地から東方にて敵前線警戒艦隊を確認。構成は軽巡洋艦1駆逐艦2。その後方にも敵と思われる未確認の反応を確認」

 

『こちら本部護悧、了解した。シエルはそこで旋回していてくれ。……こちら司令官より即応待機中の第一水雷小隊、シエルが敵を確認した。今シエルがいる場所を南西諸島ポイント1-2に指定、ここを出撃ポイントとして…』

「隊長」

『なんだシエル…って!回線変えてなかった!助かった。じゃあまた後で』

「ええ、また後で」

ppp!

 

ーーーーーー

side刻

 やっちまった…恥ずかしい。

まあ良い、今必要なのは即応待機水雷小隊への連絡だ。今は…旗艦天龍、以下龍田、暁、響、雷、電か。

 

「こちら司令官より即応待機中の第一水雷小隊、シエルが敵を確認した。今シエルがいる場所を南西諸島ポイント1-2に指定、ここを出撃ポイントとして東進、必要ならシエルの掩護を受けつつ敵水雷戦隊を撃沈して制海権を奪取し、可能ならその先の敵中規模水雷戦隊も撃沈してくれ。移動開始は1400なのでそれまでに後部甲板第一ヘリポートに全艤装を燃料弾薬を満タンにして持ってきてくれ。以上」

 

 




非常にお待たせしました
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