side刻
ゲート(正確にはスキマだが)を抜けると、そこは雪国………ではなく日本近海上空だった。
それこそ、この高さなら横須賀の、
気付くと、涙が出ていた。
………なんだかんだ言って、此処までアラガミの脅威の無い世界に感動しているのか。
………あれ?
明らかに所属不明機が近づいているのにスクランブルどころか警告も飛ばない。
それも、横須賀と言えば関東圏を護る要所だ。しかもここから直ぐには首都たる東京がある筈だ。
どこかおかしいなと思った瞬間、
『こちら横須賀鎮守府管制塔、護悧刻だな?話は聞いている。陸上機用滑走路を使ってくれ』
少し雑音まじりだが、聞こえた。
なんだ。話が通っていただけか。防衛をサボっていた訳じゃなくて安心した。
「こちら流星XHM及び富嶽、護悧刻以下副官一名艦娘十三名他妖精さん多数だ。着陸許可感謝する。ただ、富嶽は着陸せず空中を旋回させる。許可を」
『燃料は大丈夫なのか?』
「問題無い。核動力だからな」
『…了解、富嶽は旋回し続けるんだな?くれぐれも事故を起こすなよ?』
「全くだ。ここで太陽を創る羽目になるのはゴメンだ。では、富嶽の代わりに輸送ヘリの着陸許可を求める」
『了解、滑走路脇のヘリポートを使ってくれ』
「感謝する。…さてとシエル、コイツの着陸準備を頼む。ヘリの方は…加賀、やれるか?
「わかりました。Landing!」
『出来ます。着陸開始!』
機体が着陸態勢に入ったのがわかる。もちろんヘリに乗り換えさせた奴らも機体が下がるのを感じて居るはずだ。
さて、富嶽は自動旋回モードに切り替えてと。
ガッ!
着陸完了。
武装ロック。
電源カット。
ヘリも着陸したらしい。
さてと、まずアイツらを降ろした後で一旦ヘリに乗って着替えないとな。バトルドレスは失礼だろう。
ちなみに今回の制服はブラッド制式黒上下だ。
あちこちの世界から来ているなら、遠目でも分かりやすい方がいいに決まってる。
ーーーーーー
「ここでは無い世界の佐世保鎮守府の護悧刻提督だな?俺はこの横須賀鎮守府の堂山大将だ。今回の作戦では総司令官を務める。宜しくな」
この横須賀のトップが滑走路まで迎えに来るとはな。こりゃ相当だぞ?
「こことは別の世界の佐世保鎮守府から参上しました。護悧刻准将です。今回は宜しくお願いいたします。
さて、早速値段交渉を………と行きたいところですが作戦内容がわからない限り何とも言えないので作戦について説明を頂けますか?」
これは大事だ。俺たちは交戦権を持つ民間組織、私設海軍だからな。後で『え?値段?なんの事?』なんて言われる訳に行かないしな。
「ん?!………そうか、私設海軍だったなお前らは。分かった。後で説明しよう。とりあえず、鎮守府の入口前で待っていてくれ」
「了解です」
もちろん敬礼は大事だ。
ーーーーーー
どうやらここに着いた提督は俺で二番目らしい。
と言うのも、そこには既に男性がいたからだ。
歳は十六かそこらだろう……若くね?
まさか男性の艦娘(いたら艦息になるのだろうか?)なんていないだろうし、職員と言う感じの服じゃ無い。
と言うか和服だ。それも確か江戸時代の幕府所属の警務隊である『新撰組』が着るような服だった。
「お?あんたが呼ばれた提督なのか?」
と、そいつが話しかけてきた。
「ああ。俺は護悧刻だ。あんたは?」
「俺は藍原駿だ。宜しく」
そんなこんなで握手。
その後、膝下ズボンにパーカーの二十歳位の男もやって来た。こいつも提督らしいな。
まぁ、おそらくここから先は、