元隊長の鎮守府運営記録   作:ゆすくうけに@Aki

53 / 67
今回戦闘はありません。
ご了承下さいな。


コラボ第三話「束の間の休息(提督は休めない)」

side刻

「よーし!ロープ繋いだな?」

「おう!準備完了だ!藍原のとこはどうだ?」

「こっちも繋いだ!いつでもいいぞ!」

良し。まずは右そでを捲くって、コードを右腕の腕輪に接続して、と。

アクセス開始…………完了。掌握………成功。主機点火、始動…良し。残存燃料良し。ロープ良し。

「戦艦タ級……だよな?………抜錨!」

 

 

どうして俺が深海棲艦の艦体を操作しているか。それは少し前に遡る。

ーーーーーーーーー

 

「んで藍原、どうするんだこいつら」

俺は今回の戦いで主を喪った、或いは主が囚われた深海棲艦の艦体の艦隊(紛らわしい……)を見ながら言った。

ちなみに機体はとりあえず空母ヲ級(流星で最初に無力化した奴だ)に着艦させてある。

「あー、とりあえず横須賀まで曳航したいが……これだけ多いと大変だな」

そうだよな……ん?太いコードみたいなのがあるが……

「なぁ、これなんだ?」

「ああ、それは向こうの深海棲艦娘が接続する時に使ってるやつだな。艦娘も同じように艦娘が艦体とコードで接続して操作出来る」

ふーん、なるほどね。

じゃあこいつを使えればいいわけだ。

「アクセス出来るかな………」

「あ、ちょっと待…」

お、出来た。

ふーん、神機とあんまり接続した感覚は変わらないが………これがエレベーターで、

「うおっ!エレベーター動いた!」

これが対空機銃で、

「ちょっ!危ない!こっち向けんな!」

「あ、すまん」

んで、こいつが主機か。

ドッドッドッドッドッドッドッドッ…………

おおっと、やめておこう。

「なんだ、出来るじゃん。ん?どした、藍原」

「なんか、……いや、何でもない。ハァ……」

ため息つくと幸せが逃げるぞ。

 

ーーーーーー

とまあそんなわけで、余剰出力(その艦体自体を動かすのに必要な出力と実際のエンジンの出力の差)が大きいであろう、戦艦タ級だと思われる(聞いてみたらやはりそうだった)艦体を乗っ取って駆逐1、軽巡3、潜水5を曳航して、横須賀に戻って来た訳だが(もちろん堂山には事前に連絡している)。

 

帰ってそうそう、工廠妖精さん達に怒られた。

 

"もっときたいをだいじにしてください!!"

「すまん。悪かった…」

"もう!こんかいのふぃーどばっくもあわせて、とりあえずふつかはつかえません!"

そりゃ困ったな………

 

 流星は修理と今回の動きのフィードバックが終わるまで二日、その後の習熟訓練も含めて三日弱かかるな……

ぶっつけ夜間訓練は避けたいし(もちろんある程度習熟したら夜間飛んで見るが)……

 ま、いい機会だし休暇って事にしとこう。

 

 

ーーーーーー

と思ったんだが、

 

 

「駄目だ。三日は開けすぎだ!」

と御坂。

まぁ確かに反対されるだろうなと予想はしてたが……

「確かに折角敵勢力を多少なりとも混乱させることが出来た今叩くべきだってのもわかる。わかるけれども。次はかなりの大部隊、いや大軍だ。備えはしっかりやるべきだ」

「でもそれは向こうも同じじゃないか?時間は平等に流れる」

と藍原。確かにそうなんだよ。そこがネックだよな……

「かと言って、疲れてる艦娘(あいつら)を前に引っ張り出す訳にも行かない。そこでだ」

ん?どうするんだ?

「俺達で叩こう」

「………は!?」

いやいやいや、俺ら人間だぞ?そんな事出来る訳……こいつら人間かどうか怪しかったんだったそう言えば。

「良し!そうと決まったら早速準備だ!お前も流星準備しろ!」

「あー、すまん。流星は二日間動かせない。()()()流星としてはともかく、『流星超機動試験型』として動かすのは無理だ」

「なんでだよ」

「さっきの戦闘機動で機体に相当ダメージが行った。そもそもあの機体自体がノーマル流星に無理やり試作(X)超機動(HM)ユニットをくっつけた奴だからな。そもそも機体自体ジェット並の機動だけならともかくあんな機動は想定外だったんだよ」

「じゃあどうするんだよ!このまま黙って見てるのか!?」

いや、それはまずいが………ん?

 

「なぁ、今コリアンダーって資源集積地になってるんだよな?」

「だろうな」

「ってことは、向こうの艦娘もどきが警備してて、……資源が()()()()()()()()コンテナに入ってるって訳だ」

「まさか……」

「そう。潜入(スニーキング)作戦(ミッション)だ。これなら流星は必要無い。今日の夕暮れに作戦開始だ。丁度おあつらえ向きの装備もあるしな。ちょっと来てくれ」

 

ーーーーーー

 

「これが極東支部の誇る大型物資回収装置、『対物フルトン回収システム』だ!

なんと装甲車どころか戦車も、鋼材満載の、列車で運ぶようなコンテナでさえ回収出来る!

これで空に浮かべたところを上空で待機させた富嶽で回収する。どうだ?」

「どうだ?って…使い方がわからないとなんとも言えないぞ?」

………それもそうだ。

「フルトンって言うと………伸ばしたロープから風船を浮かべて固定翼機でフライパスして回収するやつか?あれ低速じゃ無いと取れないしかなり低空飛行しないとだからバレるぞ?」

なるほど、メタルギアじゃないフルトンはそうだったな。むしろあれを再現した極東がおかしい。………流石にワームホールは無いだろうが…

無いよな?

「このフルトンは安心と信頼と浪漫の極東製だ。そんなダメダメ仕様じゃ無い。なんせこいつは、風船の浮力で荷物そのものを上空まで上げる。そして、その上で富嶽のワイヤーアンカーで回収する。

もちろんその前に敵の対空レーダーだけでも無力化しないと行けないがな。

使い方はこうだ。回収したいものに近付いて、壊れにくい場所を見極め、くっつける。後は赤い『回収』のボタンを押すだけで回収出来る。場所を間違えたら青の『解除』を押せばいい。他に時限式や遠隔起動式もある」

「なるほどな。んで?そこまでどうやって行くんだ?」

「とりあえず沖まではボートか何かで。そこからはホバーで海面を移動して、手頃な小島でスニーキングスーツを降ろして貰って、代わりにバトルドレスを上げる。そこからは泳いで渡ろうかなと思ってるが?」

「俺は舞空術使えるから良いが、藍原はどうするんだ?」

「舞空術なら俺も使えるから問題無い」

という事は道具無しだと飛べないのは俺だけなのか?別に良いけどな。

「なら話は早い。エアクッション1号艇で行けそうだ。富嶽に積んであるから今のうちに出しておいてもらおう。シエルにエアクッション1号艇降ろしておいて貰わないとな」

と思ったら、

「わかりました。すぐやっておきますね」

「「何ッ!」」

なんだ、いたのかシエル。びっくりさせやがって。

「いやいやいや、気配無かったぞ?」

と御坂。

「さっき来たばかりですから」

「いや、その前に近付いた時点で気付けるぞ普通は」

俺にとってはいつものことだがな。

「さあ、なんでですかね?」

シエルにも知らないことはあるらしい。

 

 

 

「じゃあまあ、そういう事でとりあえず1500までに集合、集まり次第出撃だ。俺は値段交渉行ってくる」

「値段?」

「ウチP(私設)N(海軍)だし」

「そうだったのか………」

 

ーーーーーー

ところ変わって執務室。

うん。何か足りないと思ったら段ボールだ。段ボールが無いと執務室とは言えないな。帰りにでもお勧めの段ボールを教えておこう。

それはともかく、

 

「さて、堂山さん。値段交渉と行こうが」

「ああ」

「まず、相場は経費の1.5倍。ただ今回は初回の依頼だし正規の政府からの依頼だから割り引いて1.3倍ってところだ。ただ、」

ここからが肝心だ。如何に要求を飲ませられるか………

「俺達はこっちの貨幣を使っていない。

だから金で支払われても困る。そこでだ。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、及び資源で支払って貰いたい。出来るか?」

やはり堂山は目をぱちくりさせ、何を言っているのか分からないと言う表情だ。まぁそれはそうか。ここまで吹っかけたらそりゃあ

「本当にそれだけで良いのか?」

………は?

「それだけって……いや、かなり重要だろう?」

「いや、この位なら容易い。早速大本営に掛け合ってみる。丁度シンガポール・マレーシア両政府もお前らが私設海軍だって聞きつけたらしく『こちらからも報酬を支払わせてくれ』と言われていてな」

なんか、話がとんとん拍子に進んでいるが……

「何ならそっちにも何か頼んでみるか?」

ならこれは外せない。

「スナック菓子、ジュース、ジャンクフードの類いの作り方とかそう言った物をかき集めるよう頼んでみてくれ」

「そんなことならすぐにでも計らおう」

「契約成立だ」

そう言って握手を求める。

「ああ。頼むぞ」

堂山が握手に応じる。

 

何とも、案外話のわかる相手だったな。いや、もしかしたらそれ程差し迫った脅威だったという訳か。

実際ウチの世界から行った深海棲艦はマズイからな。ウチの世界の二の舞ならまだマシな方だ。

ここは西暦2050年代にすらなってない。ウチは西暦2050代だったから比較的早く対応出来たけども………

 

 

ーーーーーー

さて、と。

念の為準備を確認しておこう。服装はバトルドレス、今回はヘルメットは無しで、その代わりに、右目用の眼帯型複合機能カメラアイ『ソリッド・アイ』を着けている。

右腰のホルスターはシグのP220(サプレッサー付き)、弾は麻酔弾を、バックパックのもの含めて三百発(重たい……)と念の為実弾をマガジン5つ、食糧は向こうにあるとは思うが念の為エネルギーバー(チョコ味)を余分に(雪山で三日生き残れるくらいには)と、後は海水ストロー(海水を真水に出来る。逆浸透圧を利用している)か。西暦2000年代に実用化済の信頼性抜群の技術だ。

後、スモークグレネードがとりあえず20個、スタングレネードが8個、睡眠ガスグレネードが5個。

それと左胸にCQCナイフと端末(フェンリル支給のものはイマイチな性能なのでiDroidを選択)、左脇にスタンロッド。

1番忘れちゃいけない段ボール箱はバックパックの1番取り出しやすい所に入れておいた。

万に1つ……無ければいいが、89式カービン(こちらもサプレッサー付き)とその麻酔弾、そして殺傷弾。

左腰には高周波脇差もある。

良し、全部あるな。

フルトン回収装置は後でスニーキングスーツを受け取るときに一緒に受け取るからまだ良い。

準備も出来たことだし、行くか!

見れば、他の二人も準備は出来たようだ。

「全員乗ったな?」

「「おう!」」

「シエル、富嶽での支援頼むぞ。じゃ、行ってくる!」

「気をつけて!」

 

さあ、物資回収(トレジャーハント)と洒落込もうか!

 

………まだ早いな。せめて小島についてからだな。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。