遊戯王ZEXAL ~単なる日常から強制転移~ 作:妖牙=飴んぼ
今回、一つお知らせが有ります。
最近新しいルールが発表され、リンクモンスターの登場やエクストラの召喚制限などが判明しました。
ですが、私はこれらの要素はこの物語にいれるつもりはありません。
マスタールール2で書いていこうと思っています。
これからもよろしくお願いします!
今、来菜は真っ暗な空間にぽつんと立っている。彼女自身、なぜここにいるのか覚えていない。
来菜が辺りを見回していると、彼女の視界に見覚えのある人物が映った。
来菜「お、お姉ちゃん?」
来菜の姉は後ろ姿のまま、真っ暗な闇の中へ歩きだす。
来菜「お姉ちゃん!待って!」
来菜は必死になって走り出した。少しでも姉に会いたい、姉の顔を見たい、たくさんの思いが来菜の足を動かしている。
だがなぜか姉には中々近づけない、それどころか遠ざかっていく。来菜がどれだけ姉に会いたいと願っても、姉は振り向くことなく深い闇に自ら踏み込んでいく。
来菜「お姉ちゃっ!?」
来菜は何かにつまずき転んでしまった。
足元を見ると紫と黒の混じった煙が足を掴み、来菜を爪先から闇に引き込んでいく。体が闇に包まれる中、その間から姉の後ろ姿が見える。
来菜「お姉ちゃん!!」
来菜の声が耳に届いたのか、姉は後ろを振り向こうとした。
だがその姉に巨大な黒い怪物が、姉に食らいついた。
来菜「う、うわあああああああああああああ!!!」
来菜「っはあ!・・・・はあ、はあ。」
ヒータ「あっ、起きた!大丈夫!?痛いとこない!?」
来菜「・・・うん。」
ヒータ「よ、良かった~。」
来菜「・・ここは何処?」
堕紅「俺たちの家だよ。」
ヒータ「あ、堕紅。」
堕紅「数時間で起きて良かった、良かった。」
来菜「・・皆さん、ありがとうございます。」
堕紅「お礼は大丈夫だよ、ただ聞きたいことがあるんだけど・・。」
来菜「なんでも聞いて良いですよ。」
堕紅「ありがとう・・(デュエルしてた時とのギャップが・・・)」
来菜に堕紅たちが聞いたことは三つほどだ。
まず一つ目は、彼女自身について。
佐藤来菜(14)、ハートランドに家族四人で住んでいたが、一年前に落雷で家族を失った。来菜がはっきりと覚えていたのは、家が焼け落ちる姿と、途方に暮れてた時に真っ黒な何かが包み込んだことだ。それが何なのかは検討もつかないらしかったが、それは彼女も堕紅とヒータも分かる気がする。
二つ目、今まで何をしていたか覚えているか。
彼女が覚えていたのは何人もの人とデュエルをしたこと。でもずっと体の自由が利かなくて、自分の意思では何もできなかったらしい。
三つ目、来菜が持っていた「-No.」について何か知っているか。
来菜のデッキ自体は元から使っていたものだが、-No.に関しては何も知らないと言った。
堕紅「大体分かったよ、でもこれからどうする?」
来菜「うーん・・・。」
来菜はふと窓の外を見る。
来菜「・・ここの近くにおばあちゃんの家があるの。そこに行ってみる。」
ヒータ「そう?私たちも着いて行った方がいい?」
来菜「大丈夫。・・・えーっと、名前なんでしたっけ?」
ヒータ「私はヒータ。」
堕紅「俺は堕紅。」
来菜「ヒータさん、堕紅さん、ありがとう。」
堕紅「礼には及ばないって。」
その話の最中に部屋のドアが開き、エリアが入ってきた。
エリア「堕紅っ、牢屋作って入れといたよ。」
堕紅「ごくろうさん、エリア。」
来菜「?その人は?」
エリア「あっ、起きたんだね。私はエリア。」
ヒータ「堕紅?牢屋って?」
牢屋というのは二重の金庫の事である。中にあるのは回収した「-No.91 サンダー・デッド・ドラゴン」が厳重に保管されている。
堕紅「また何かやらかす前に、こうして閉じ込めておいた方が良いと思ってな。」
エリア「凶悪な精霊でもあるから、金庫の中で「ゲート・ガーディアン」に見張ってもらってる。目には目を、精霊には精霊をってね。」
ヒータ「なるほど。」
堕紅「あ、そうだ来菜、これからのことなんだけど・・・」
来菜「色々とありがとうございました。」
ヒータ「また来てね!」
堕紅「気をつけて行けよ。」
来菜「はい、それでは。」
堕紅たちの家を離れた来菜は、おばあちゃんの家の手前まで来ていた。
一年前から行方不明だった自分を見たら、おばあちゃんはどんな顔をするだろう。嬉しく思うのか、叱ってくるのか、それは来菜にはまだ分からない。
そんなことを考えていると、前から男二人が近づいてきた。
来菜「・・・なんですか。」
DQN A「別に難しいことじゃないんだがな・・・嬢ちゃんのカードがほしいんよ。」
来菜はすぐ理解した。前のおじさんたちは、あまり良い人ではないということを
DQN B「嬢ちゃんの持ってるカードをここに置いて行ってくれれば何もしないから・・・早く出しな。」
DQN B(ま、本当はこんな真似したくないんだが・・。)
DQN A(ボスに大目玉くらって、だいぶ下に落ちちまった俺たちは、もうカツアゲする他ないんだよ・・。)
DQN B(すまんね、嬢ちゃん・・。適当なカード出して帰んな。)
来菜「嫌です。」
DQNB「は?」
来菜「私の宝物を・・家族を渡すわけには行きません。」
DQN B「ちっ、仕方ねえ!嬢ちゃん、俺らも引くわけには行かねえんだ、デュエルしろ!」
DQN A「負けたらカード全部置いて、お家に帰りやがれ!」
来菜は真っ直ぐな目で男たちをにらみつける。
来菜「私は、負けません!」
DQNら&来菜「デュエル!」
DQN A「俺のターン!俺は「カオスライダー グスタフ」を攻撃表示で召喚!」
「カオスライダー グスタフ」 星4 風属性・戦士族
ATK1400 DEF1500 攻撃表示
DQN A「さらに俺は「デス・メテオ」と「ファイヤーボール」を発動!嬢ちゃんに1500ダメージを与える!」
来菜「っ、まだまだ!」
来菜LP4000 → LP2500
DQN A「カードを一枚セットし、ターンエンド!」
来菜「私のターン!私は「シャインエンジェル」を召喚!」
「シャインエンジェル」 星4 光属性・天使族
ATK1400 DEF800 攻撃表示
来菜「バトルです!「シャインエンジェル」でグスタフを攻撃!」
DQN A「相討ち狙いか?残念だったな、トラップ発動、「援軍」!グスタフの攻撃力を500あげるぜ!」
「カオスライダー グスタフ」
ATK1400 → ATK1900
来菜「うわ!」
来菜 LP2500 → LP2000
来菜「破壊された「シャインエンジェル」の効果発動!デッキから1500以下のモンスターを特殊召喚します!おかあ・・「Okaサンダー」を特殊召喚!」
「Okaサンダー」 星4 光属性・雷族
ATK1400 DEF700 攻撃表示
来菜「私は「Okaサンダー」の効果で雷族・光属性・レベル4のモンスターを召喚します!おと・・「Otoサンダー」を召喚!」
「Otoサンダー」 星4 光属性・雷族
ATK1300 DEF600 攻撃表示
来菜「さらに「Otoサンダー」の効果により、同じように手札からおねえちゃ・・お姉ちゃんを!「Oneサンダー」を召喚!」
「Oneサンダー」 星4 光属性・雷族
ATK900 DEF400 攻撃表示
来菜「これは全部私の宝物であって、家族!誰にも渡したりするもんか!」
DQN B「・・・そっちに都合があるように、俺たちにも都合がある。」
DQN A「嬢ちゃんには悪いが、カードは全部頂くぞ!」
来菜「そんなことさせない!私は「Okaサンダー」「Otoサンダー」「Oneサンダー」の三体でオーバーレイ!三体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
DQN A「何だと!三体でエクシーズ!?」
来菜「暗き道を明るく照らし、輝く未来を見つけ出せ!「サンダー・プリンセス」!」
「サンダー・プリンセス」 黒星4 光属性・雷族
ATK2200 DEF1800 攻撃表示
DQN A「攻撃力2200かい!やってくれるじゃねえか!」
来菜「これが私の新しいデッキっ・・!」
来菜「デッキを再構築?」
堕紅「ああ、デッキをちょっと見させてもらったんだが、どうやら家族のカード以外はマイナスナンバーズをサポートするようになってたんだ。」
ヒータ「マイナスナンバーズを抜いたから、デッキもまた組み直した方が良いんじゃないって思ったの。」
来菜「でも、私は他にはあまり持ってないけど・・。」
堕紅「それなら俺の家のカードをあげるよ。」
来菜「え!?いいんですか!?」
堕紅「俺たちは来菜のことが心配だから、あと。」
ヒータ「私たちみんーな、来菜ちゃんの友達だからね!」
来菜「友達・・・友達!」
来菜「(堕紅さんやヒータさん、エリアさんに頑張ってもらった。私を助けて、カードまでもらった。これからは、私が頑張る番だ!)「サンダープリンセス」のオーバーレイユニットを一つ使い効果発動!デッキからレベル4・光属性・雷族モンスター一体を通常召喚扱いで特殊召喚する!」
DQN A「デッキから!?」
DQN B「通常召喚扱いでだと!?」
来菜「私は「電池メン-単四型」を召喚!」
「電池メン-単四型」 星4 光属性・雷族
ATK0 DEF0 攻撃表示
来菜「「電池メン-単四型」の効果発動!このカードが召喚かリバースしたとき、手札の「電池メン-単四型」を特殊召喚できる!」
「電池メン-単四型」 星4 光属性・雷族
ATK0 DEF0 攻撃表示
DQN B「レベル4モンスターが二体かい・・。」
来菜「私は「電池メン-単四型」二体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!「セイクリッド・オメガ」!」
「セイクリッド・オメガ」 黒星4 光属性・獣戦士族
ATK2400 DEF500 攻撃表示
DQN A「2400・・」
来菜「まだあっ!私はオメガのオーバーレイネットワークを再構築!」
DQN A「何!?」
来菜「エクシーズ召喚、来て!「セイクリッド・トレミスM7」!」
「セイクリッド・トレミスM7」 黒星6 光属性・機械族
ATK2700 DEF2000 攻撃表示
来菜「そして、「サンダー・プリンセス」がフィールドに表側でいるとき、私の光属性モンスターの攻撃力は300ポイントあがる!これが私の全力!」
「サンダー・プリンセス」
ATK2200 → ATK2500
「セイクリッド・トレミスM7」
ATK2700 → ATK3000
DQN A「攻撃力が・・がが、」
DQN B(おいおい・・、これはやばいって・・)
来菜「ターンエンド。」
DQN B「俺のターン、俺は「スカルライダーの儀式」を発動!手札の「ライライダー」と「ドラゴン・ライダー」を墓地に送り、儀式召喚!「スカルライダー」!」
「スカルライダー」 星6 闇属性・アンデット族
ATK1900 DEF1850 攻撃表示
来菜「儀式・・」
DQN B「俺たちはここに上京したのは良かったが、結局どこにも受け入れてもらえずに族に入った。」
DQN A「だが田舎者の俺たちには、エクシーズ召喚なんてわからねえし、大事なときに変な奴に邪魔されたおかげで族からも追い出されそうなんだよ。」
来菜「おじさんたちも大変だったんだね・・。」
DQN A「・・「も」ってことは嬢ちゃん・・・。」
来菜「私は、前を見ることにしたの。苦しくなったり、悲しくなっても、家族を思い出せば乗り切れる。」
DQN B「・・・家族か。」
DQN A「・・・かあちゃん・・ひぐっ。」
DQN B「泣くのはよせ、嬢ちゃんだって泣いてないんだぞ。」
もう来菜は泣かない、今まで涙が枯れるまで泣いたから。
DQN B「俺は「ディスクライダー」を召喚!」
「ディスクライダー」 星4 風属性・悪魔族
ATK1700 DEF1500 攻撃表示
DQN B「「ディスクライダー」の効果発動!相方の墓地の「援軍」を除外し、このターン中だけ攻撃力を500上げるぜ!」
「ディスクライダー」
ATK1700 → ATK2200
来菜「まだ攻撃力は届かないはず!」
DQN B「いや、魔法カード「受け継がれる力」を発動!「ディスクライダー」を墓地に送り、その攻撃力を「スカルライダー」に加える!」
「スカルライダー」
ATK1900 → ATK4100
DQN B「さらにもう一枚「受け継がれる力」を発動し、「カオスライダー グスタフ」を墓地に送り、その攻撃力を加える!」
「スカルライダー」
ATK4100 → ATK5500
来菜「攻撃力5500!?」
DQN B「この攻撃で決まる!あばよ嬢ちゃん、「スカルライダー」で「サンダー・プリンセス」を攻撃!」
来菜「・・・私は諦めない!そう誓ったの!手札の「オネスト」の効果発動!光属性モンスターがバトルする時このカードを墓地に送って、バトルする相手モンスターの攻撃力を私のモンスターに加える!」
「サンダー・プリンセス」
ATK2500 → ATK8000
DQNら「攻撃力、は、はっせん!?」
来菜「行って「サンダー・プリンセス」!ホープサンダー!!」
DQNら(二人で4000)LP4000 → LP1500
DQN A「ぐはっ!」
DQN B「返り討ちだと・・、た、ターンエンド。」
来菜「私のターン!「サンダー・プリンセス」!おじさんたちにダイレクトアタック!」
DQNら「ぐはああああっ!!」
DQNら LP1500 → LP0
来菜 win
来菜「・・・勝てた、勝てたよ。私一人で・・・」
その後すぐにDQNらは地元へと帰ることにした。これからは実家の農業を手伝いながら、ゆっくりエクシーズ召喚を学ぶらしい。
来菜は無事、祖母の家にたどり着いた。昔からよく遊びに来ることもあり、来菜のことを可愛がってくれていた。多分、家族がいなくなってから来菜が行方不明になってることは知っているだろう。
来菜(・・・)
来菜は少し心配している。一年もの間いなくなっていた自分の孫が突然帰って来たらおばあちゃんはどんな顔をするのか、ちょっぴり怖い気もする。
でも、多分大丈夫。来菜には他の人には分からない家族がいる・・・
堕紅「あ」
来菜「?どうしました?」
堕紅「来菜の家族さ、デッキとしては三枚ずつ入れといてやりたいけど、大事なカードの見分けがつくかどうか・・・。」
来菜「・・・ペン。」
堕紅「?」
来菜「貸してもらえます?」
来菜は玄関のチャイムを片手で鳴らし、もう片方の手でカードに触れた。
「おとうさん」「おかあさん」「おねえちゃん」とイラストの下部分に小さく書かれたカードを見ながら、玄関の扉がゆっくり開かれた。
来菜「おばあちゃん、来菜だよ・・。」
おばあちゃん「・・・来ちゃん?」