遊戯王ZEXAL ~単なる日常から強制転移~   作:妖牙=飴んぼ

15 / 15
第十四話 第三の霊使い、ウィン

割れた窓ガラスが飛び散っているリビングには、ヒータやエリアと同じ霊使いである「風霊使い ウィン」が、デュエルディスクを構えて立っていた。

 

 

堕紅「え。な、何があった?」

 

 

ウィン「窓が割れて男が入ってきた。黒い煙を出していた。何だと思って見ていたら金庫の方へ近づいてきた。」

 

 

ヒータ&エリア「え!?」

 

 

ウィン「金庫の中身は私たちも話は聞いてたから、撃退しようとした。」

 

 

ヒータ「大丈夫だったの?」

 

 

ウィン「問題なかった。でもみんなが帰ってきたこと悟って逃げた。」

 

 

堕紅「それはごめん。」

 

 

ウィン「大丈夫。」

 

 

そう言ってウィンは玄関に向かう。

 

 

堕紅「え、まさか追いかけるのか?」

 

 

ウィン「あの男、その金庫の中の奴ぐらい危険な奴を持ってる。野放しにはしておかない。」

 

 

堕紅「分かったウィン、俺たちも行こう。その男は今どこに・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[堤防]

 

 

男「はあっ、はあっ、何であそこで邪魔が入るんだよ!せっかく油断したあいつをボッコボコに出来たってのに。」

 

 

ウィンから逃げ切った男は、物陰で息を切らしていた。見た目は普通のサラリーマンだが、体中から黒い煙が湧き出ている。

 

 

男「と、ともかくあの娘のことを報告すれば、あの力を俺も!!」

 

 

堕紅「因みにどんな力なんだ?」

 

 

男「そりゃあ、俺たちがずっと憧れている・・・ってうわあ!!」

 

 

ウィン「見つけた。今度は逃さない。」

 

 

男「お前はさっきの小娘!まだ諦めてなかったのか!」

 

 

ウィン「デュエルの決着はついてない。」

 

 

男「ふ、ふふ。ま、まあ良いだろう。さっきは部屋が狭すぎて本領が出せなかったからな。俺に再度挑んだことを後悔させてやる!」

 

 

ウィン&男「デュエル!」

 

 

男「俺のターン!俺は「電子光虫-ウェブソルダー」を召喚!」

 

 

「電子光虫-ウェブソルダー」星3 光属性・昆虫族

ATK500 DEF1500 攻撃表示

 

 

男「ウェブソルダーの効果発動!自身を守備表示にし、手札から「バチバチバチ」を特殊召喚!」

 

 

 

「電子光虫-ウェブソルダー」

攻撃表示 → 守備表示

 

 

 

「バチバチバチ」星3 光属性・昆虫族

ATK800 DEF800 守備表示

 

 

 

男「よ、よし!俺はウェブソルダーとバチバチバチでオーバーレイ!」

 

 

堕紅「来る!」

 

 

男「現れろ、-No.20!小さくても力は強大!相手の中身全てくらい尽くしてやれ!エクシーズ召喚!裏砥流(りとる)フレイアント!」

 

 

 

「-No.20 裏砥流 フレイアント」黒星3 炎属性・昆虫族

ATK0 DEF1000 攻撃表示

 

 

 

現れたのは手のひらに乗るくらいの大きさの蟻で、全身が真っ赤に染まっている。

 

 

男「ふはははは!!こいつが出たからにはもう負けそうになることはない!フレイアントの効果発動!エクシーズ素材を一つ取り除くことで、フレイアントが場にいる限り、お前のモンスターの攻撃力は1000ポイントダウンするのだ!」

 

ウィン「・・・それで?」

 

 

男「ああ!?それでってなんだ!!まだまだ足りないか!?俺は手札にある、3枚もの「火器付機甲鎧」をフレイアントに装備するぜ!」

 

 

 

「-No.20 裏砥流 フレイアント」

ATK0 → ATK2100

 

 

 

フレイアントの体にどでかい鎧が三つも付いた。確かに強そうだが、元々フレイアントが小さいこともあり、フレイアントの体は機械に隠れ、完全に見えなくなった。

 

 

ヒータ「・・・それ、攻撃できるの?」

 

 

男「良いところに気がついたな、赤髪の小娘。確かにフレイアントは、自身の体の大きさと武器の重量故に自ら攻撃することはできない。だが、このフレイアントの効果により、お前のモンスター共は必ず攻撃しなければならんのだ!」

 

 

ウィン「・・・。」

 

 

男「どうだ!怖気付いたか!」

 

 

ウィン「・・・長い。」

 

 

男「わっはははは・・・は?」

 

 

ウィン「早くターンエンドして。暇。」

 

 

男「あ?ああ!?何度も俺を小馬鹿にしやがって!!ターンエンド!お前はどちらにしろ自滅するんだよ!」

 

 

男が騒いでいるがウィンはそんなこと聞き入れない。

 

 

ウィン「ドロー。」

 

 

男「あっ!そうだ忘れてた(笑)!フレイアントの効果は相手ターンにも使えるんだった!」

 

 

ウィン「へえ。」

 

 

男「フレイアントの素材を使い効果発動!これでお前のモンスターは2000も攻撃力がダウンするぜ!」

 

 

ヒータ「まずいって!これじゃ守りを固めるしかないじゃない!」

 

 

堕紅「いや、奴はバチバチバチをエクシーズ素材に使った。だからフレイアントは守備モンスターを攻撃表示すると貫通ダメージが入る・・・あれ?フレイアントって、自ら攻撃できないんじゃ?」

 

 

「え?あ、いや、いやいや知ってたし!万が一効果を無効化されたときのための応急処置なんだよ。知ったかぶりするなよ小僧!」

 

 

堕紅「うわむかつく、やっちゃってくれウィン!」

 

 

ウィン「私は「ガスタの神裔 ピリカ」を召喚。」

 

 

 

「ガスタの神裔 ピリカ」星3 風属性・サイキック族

ATK1000 DEF 1500 攻撃表示

 

 

 

「ガスタの神裔 ピリカ」

ATK1000 → ATK 0

 

 

 

ウィン「手札から、「緊急テレポート」を発動。デッキから「幽鬼うさぎ」を特殊召喚。」

 

 

 

「幽鬼うさぎ」星3 光属性・サイキック族

ATK0 DEF1800 攻撃表示

 

 

 

堕紅「・・・え、エクシーズ。」

 

 

ウィン「こうしないと勝てない、周りに人もいないし許して。」

 

 

男「ほう、レベル3モンスターが二体か。お前もエクシーズをする気なのだろうが、このフレイアントに勝るモンスターなどいやしねえんだよ!」

 

 

ウィン「なら、そう吠えてれば。私はピリカに幽鬼うさぎをチューニング。」

 

 

 

男「何!?」

 

 

 

ウィン「シンクロ召喚!「ダイガスタ・スフィアード」!」

 

 

 

「ダイガスタ・スフィアード」星6 風属性・サイキック族

ATK2000 DEF1300 攻撃表示

 

 

 

「ダイガスタ・スフィアード」

ATK2000 → ATK0

 

 

 

堕紅「やっぱり決めてきたか。」

 

 

男「シンクロ・・召喚・・。」

 

 

ウィン「スフィアードの効果でピリカを回収できるけど、そこはせずに「死者蘇生」をピリカに発動。」

 

 

 

「ガスタの神裔 ピリカ」星3 風属性・サイキック族

ATK1000 → 0 DEF1500 攻撃表示

 

 

 

男「ふ、ふふはははは!!少し驚いたが、この強大なフレイアント様を目の前に攻撃力0が二体じゃないか!何だ?このまま特攻して終わりとは、情けないな!」

 

 

ウィン「バトル、スフィアードでフレイアントを攻撃。スフィアードは戦闘では破壊されず、自分が受ける戦闘ダメージを相手に受けさせる。」

 

 

男「何い!?」

 

 

 

男LP4000 → LP1900

 

 

 

男「ぐっ!!ま、まだ!」

 

 

ウィン「・・・あ、忘れてた。ダメージを受けさせる効果は、私のガスタ全てに付着するんだった。」

 

 

男「!?・・ちょ、ちょっと待て!!少し話をしよう、な!」

 

 

ウィン「話ならさっき出来たはず、あなたに時間はない。」

 

 

男「っがあ!!こんなところで、こんな小娘に!」

 

 

ウィン「おしまい。ピリカで攻撃。」

 

 

 

男LP1900 → LP0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィン win

 

 

 

 

 

 

 

男「うわああああああっ!!!」

 

 

男は狂い叫んだ後、その場にバッタリと倒れ込んだ。そしてその男の体から黒い煙がすうっと出て空に舞い上がり、消えてしまった。

 

 

堕紅「あの男は無事なのか?」

 

 

ウィン「大丈夫。気絶しただけ。」

 

 

堕紅「そうか・・・でも、中身は。」

 

 

ウィン「うん、多分逃げた。」

 

 

ヒータ「まあ、被害がなければなんでも良しよ。」

 

 

堕紅は目の前に落ちていたマイナスナンバーズを拾い上げ、胸ポケットにしまった。

 

 

堕紅「これも保管しよう。金庫も別にして。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィンが男と戦っている時、家では実体化した「ゲート・ガーディアン」が三体それぞれバラバラになって倒れていた。

 

 

「これは・・返してもらう。」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。