Fate/wizard liner プリズマ☆イリヤ   作:天野蒼夜

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戦意喪失したイリヤを欠き、それぞれの戦場に向かって行った悠生達。
そしてイリヤの元にあの人が帰還する。

OP2:
「コネクト」唄:ClariS

ED:
「Prisum Sympathy」唄:Stylips



第12話「もう逃げない」

ブルーナイトの案内の下、俺は最後のサモンカードがあるという競技場ドームの鏡面界にやって来た。

 

「やっぱり鏡面界の範囲が狭くなってる……きっと美遊も同じ状況だろうな」

 

「恐らくな。そしてお前がこれから戦うのは今までの召喚獣を遥かに超越した正真正銘のモンスターだ。恐らく今のお前の技術じゃ倒すのは困難だろう」

 

困難か……あっさり言ってくれるじゃないか……。

 

「最後の一枚なんだ。敵もそれぐらいでないと張り合いがない。それに、ラストはやっぱり強くないとな」

 

「その言葉……戦っても同じことが言えるかな?ほら、来たぞ。あいつがサモンカード最後の一枚……」

 

ブルーナイトが上空を見上げているので俺もつられて上空を見上げる。

 

そこには月の光に照らされて全身を紫色のウロコにゴールドの瞳、頭部には立派な二本の角、背中には二枚のドラゴンの翼が生えた龍が俺達を見下ろしていた。

 

「虚無の龍神、バハムートだ」

 

龍神か……最後はまさかの神クラスかよ……いくらラストとはいえ、小学生にこれはハードルが高いんじゃないのか?

 

「(けどそんなこと言ってられない……今回でこの戦いを終わらせるんだ。美遊達だって同じことを思いながら戦っているだろうから)」

 

心の中で言いながら俺はドラグブレイドを両手に持って構える。

 

「さあ、ショータイムだ!」

 

ドラグブレイドを構えながら言うと、俺は地上から飛び上がってバハムートに

向かって行った。

 

「……」

 

ブルーナイトはしばらく悠生がバハムートと戦っているところを見守ると、その場から

溶けるように消えて行った。

 

しかし、バハムートとの戦いに集中している悠生はそんなの気にかける余裕はないのであった。

 

 

―――――

 

 

「……」

 

今、私はある人とお風呂に入っています。

 

え?相手はお兄ちゃんなのかって?違うわよバカ!!私が一緒に入っているのは……。

 

「イリヤちゃんと一緒にお風呂にはいるのも久しぶりね~」

 

アイリスフィール・フォン・アインツベルン。

 

正真正銘私のママだ。

 

そのママがさっき仕事から帰って来て、今私と一緒にお風呂に入っているのだ。

 

理由はママが仕事に疲れていて、このほうが私と一緒に入れるから、らしい。

 

「ねえママ……随分急に帰ってきたんだね……」

 

「ええ、仕事が一段楽したから私だけ帰ってきたの。でも切嗣をあっちに残したままだからすぐに戻らなきゃいけないんだけど」

 

やっぱりママもパパもすごく忙しいんだ……分かっていたことだけど、やっぱり改めて実感すると寂しい。

 

「ところでイリヤちゃん、私がいない間何か変わったことはない?」

 

ママの言葉に私は心臓がドキリとした。

 

もしかしたらママ、私が魔法少女になったこと知られてるんじゃ……?

 

「いや……特に何も、ないよ」

 

「またまたウソ言って~。あったでしょ?すっご~く変わったことが」

 

更に心臓がドキリとした。

 

やっぱりママ、私が魔法少女になったことを―――。

 

「ほら、向かいの豪邸。ちょっと留守にしてた間にあんなのが建っちゃって。ママ一瞬帰り道間違えたかと思っちゃったわ」

 

「あ、ああ……それね」

 

魔法少女のことでないことに私は内心ホッとした。

 

ママは変なところで勘が鋭いから……。

 

「セラから聞いたけど、あの豪邸にクラスメートが住んでるんですってね。どういう子なの?」

 

後ろから優しく抱き締めながら私に聞いてくるママ。

 

その質問に対し、私は俯きながら美遊裕輔君の名前を呟いて答えた。

 

「美遊ちゃんに裕輔君ね……二人はどういった子なの?」

 

「美遊は静かな子で、必要なこと以外はあまり話したがらない子。でも勉強もスポーツもすごい。裕輔君は美遊とは魔逆で豪快で、でもスポーツとお料理が得意な男の子だよ……」

 

「そう……二人とは仲良くなれた?」

 

「うん……二人共とても優しいから。すぐ仲良くなれたよ……」

 

本当はすぐにというわけではないのだが、本当は言えないのであえてそう言って答えた。

 

「ふふっ、そう。じゃあ……幼稚園の頃から仲良くなった悠生君とはどうなの?」

 

「ど、どうして悠生君のことが出てくるの……?」

 

「だって親として気になるんだもの。私がいない間、何か進展した?」

 

進展したと言われてもそもそも私と悠生君は腐れ縁のようなものだ。

 

だから進展も何もあったものじゃない。

 

「悠生君とはいつも通りだよ……でも」

 

「でも?」

 

「皆でやるはずだったことから私が逃げて……ちょっとそれで仲違いになっちゃって。

謝ろうと思ってたんだけど……何か避けられてて……私が抜けても、他の皆と一緒にそ

のやることを精一杯やってる……当たり前のように」

 

私はあんなに怖かったのに……悠生君はそんな顔絶対にしなかった。

 

強いんだ……私より何十倍も……何百倍も。

 

「でも、悠生君なら大丈夫。臆病な私がいなくても皆と一緒にやっていける。だって私は―――」

 

「大丈夫、ね……イリヤちゃんは本当にそう思ってる?」

 

「え?」

 

「上がりましょうか。これ以上はのぼせちゃうわよ」

 

笑顔でそう言うと、ママはお湯の入った風呂桶から立ち上がって浴室から出て行った。

 

ママのさっき言ったこと……あれどういう意味なんだろう?

 

大丈夫って思ってる?って……。

 

「(でも……あんな怖いところにはもう行きたくない……。私が行ったってまた足を引っ張るだけだから……)」

 

あの時のことを思い出しながら、私も風呂桶から立ち上がって浴室から出て行った。

 

 

―――――

 

 

「ゲイ……ボルグ!!!」

 

サファイアにランサーのクラスカードをインクルードして槍の形に変形させ、後ろから

バーサーカーの心臓部を刺し貫く。

 

心臓を刺し貫かれたバーサーカーは口と胴体から大量の血液を吐き出しながら地面に片膝をつき、動かなくなる。

 

「よくやりましたわ美遊。これで―――」

 

【「まだ終わってない!美遊!そいつから離れろ!!」

 

「うおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉ!!!!!」

 

俺が叫ぶとバーサーカーが急に立ち上がって美遊を後方に吹き飛ばして壁と背中に激しいキスをさせる。

 

しかも美遊のゲイボルグで受けた傷を再生してやがる……ムチャクチャだろこいつ……。

 

「あの蘇生能力……あれがバーサーカーの真の宝具。っ!」

 

凛が屋上の出入り口のドアを足で蹴破ってドアを破壊する。

 

「ひとまず撤退よ!あんなムチャクチャな奴、私達だけじゃ勝ち目がない!」

 

凛の提案にお嬢も美遊を抱えて【了解ですわ】と言って出口に走っていく。

 

逃げるのは俺の主義に反するが……相手が相手だしなぁ……。

 

「(……くそっ!)」

 

俺は軽く舌打ちをして凛とお嬢の後を追うように走り出し、ビル内の四階の通路まで移動した。

 

そこまで着くと美遊がお嬢に【ここでいいです】と言って下ろさせて転移の準備をするために魔法陣を形成する。

 

「一部に反射炉形成、これより鏡面界より通常界に転移します」

 

ここまでは普通の転移だ。

 

しかしその時の美遊はいつもとは雰囲気が違っていた。

 

いつもより気合いが入っているというか、ピリピリしてるというか……。

 

「……」

 

俺がそんなことを思っていると、美遊は片膝をついていた状態から立ち上がって魔法陣の中から抜け出す。

 

美遊のこの行動には俺も凛もお嬢も驚愕した。

 

「ちょっと美y―――!」

 

お嬢が呼びかけようとした頃には既に遅く、俺達は強制的に鏡面界から通常界に転移させられた。

 

あいつ……勝手なことしやがって。

 

 

―――――

 

 

裕輔達を通常界に返し、私は一人ほの暗い通路で佇んでいる。

 

「美遊様!一体何を!?どうしてルヴィア様達だけ通常界に!?」

 

「……この戦いは今までとは比べ物にならないくらい壮絶なものとなる。だから、ここに来る前から決着は私一人でやると決めていたの。これ以上、誰かが危険な目に遭って欲しくないから……」

 

左足に付けられているカードケースの中から一枚のクラスカードを取り出す。

 

それは英霊となったイリヤが倒したセイバーのクラスカードだった。

 

「美遊様、それは!?」

 

「イリヤがあの時やってみせたクラスカードの真の使い方。あいつを倒すには中途半端

な力じゃダメ。もっと大きな力が必要。だから」

 

クラスカードを地面に置き、それをステッキに柄尻部分で押さえる。

 

するとそのクラスカードを中央に青い魔法陣が形成される。

 

「告げる。汝の我が元に、我が命運は汝の剣に。聖杯に寄るべに従い、この意、この理に従うなら答えよ」

 

奥の数km先から天井を突き破る音が聞こえてくる。

 

バーサーカーだ。

 

「美遊様敵が!!」

 

「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者。我は常夜総ての悪を敷く者。されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者」

 

私が詠唱している間、バーサーカーがドスドスと豪快な音を立てながら走ってくる。

 

だが構わず私は詠唱を続けるが、バーサーカーはもうすぐそこまで迫っていた。

 

「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ。インストール!!!」

 

バーサーカーが殴りかかってきた寸前で青白い光を放ち、バーサーカーの拳をステッキが変化した剣で受け止め、弾き飛ばす。

 

「撤退はしない。この力を全てを持って戦いを……ここで終わらせる!!!」

 

剣を両手で持ってバーサーカーに切っ先を向け、そのままバーサーカーにぶつかり合って行った。

 

 

―――――

 

 

「はぁあああああああああああっ!」

 

エレキスタイルに変身し、俺はドラグブレイドが変化したハンマーの鎚部分に金色の雷を纏わせてバハムートにぶつける。

 

だが、バハムートはその攻撃を難なく翼で受け止めて弾いて俺を吹き飛ばす。

 

「何て硬ぇんだこいつ……!?これが龍神の力って奴かよ……!」

 

【ああ……さっきから攻撃が堪えちゃいねぇ……。奴は俺達の魔力を全て無効化してるみてぇだ……】

 

おいおい、無効化って何だよ……それまるっきりチート設定じゃねぇか……。

 

そんなムチャクチャな召喚獣をどうやって倒せってんだよ……!?

 

【ぼやぼやすんな!次が来るぞ!!】

 

ドラグロスの言葉をかけ声にバハムートの口から高密度の魔力が含まれた紫色の火炎が放射される。

 

俺はその火炎攻撃を上空に上がって避けるが、当たった建造物は完全に熱で溶けてしまった。

 

「あんなの当たったら灰も残らないだろ!くそっ!やっぱ一人で戦うってのはさすがに無理があったか……」

 

【じゃあ逃げるか?尻尾を巻いて逃げるのも一つの戦法だぜ?】

 

俺が逃げる?それじゃ俺がわざわざ一人でここに来た意味がない。

 

俺は今日でこの戦いを終わらせなくてはならないのだから。

 

「そんなことできるか。もし俺がここで逃げたりしたら、イリヤが戦場に駆り出される。あいつはもう戦いは望んでない。だからここは俺がやらなきゃ意味がないんだ!」

 

【……お前、死ぬぜ?】

 

「俺一人の命でイリヤが平和に暮らせるならいいじゃないか。けど、俺は簡単には死なない。せめてこの戦いを終わらせてから死ぬ」

 

【あ~前言撤回。やっぱお前殺しても死なねぇわ】

 

そりゃどうも。

 

「戦いは必ず終わらせる……これ以上イリヤが戦わなくてもいいように。この俺の手で!!」

 

そう言って俺はハンマーを構え直してもう一度バハムートに向かって行った。

 

 

―――――

 

 

お風呂から上がった後、私は自分の部屋に戻って椅子に座り、ママに髪をブラシで梳かしてもらっていた。

 

そして髪を梳かしてもらいながらママが私に問いかける。

 

「イリヤちゃん、そんなに気になるなら手伝ってあげたらいいじゃない。どうして貴女はそうしないの?」

 

「……」

 

ママの問いかけで私はまたあの時悠生君に言い放たれた言葉を思い出す。

 

<俺はもう……お前とは戦いたくない>

 

私の胸を鋭利なナイフに刺される感覚に襲われた言葉。

 

あの時の悠生君、すごく怖かった。

 

でもそれはしかたのないことだ。

 

全ては力を暴発させた私が悪いのだから……。

 

「私は皆みたいに上手くできないから。足を引っ張るだけだから……」

 

「上手くできないってどういうこと?」

 

「……実はね私。皆とずっと前からやってることがあって。最初は嫌々半分、面白半分だったけど、私なりに頑張ってきたつもりなんだ。皆と特訓したり、作戦を考えたり、でも……」

 

パジャマの裾を両手で握り締めて全身を震わせる。

 

「この前負けちゃいそうになった時、すごくピンチになっちゃった時、私何としなきゃって思って実行したら……それが皆の足を引っ張ることになって……それが皆の迷惑になって……」

 

「イリヤ」

 

私の左肩にママの左手が置かれる。

 

それによって身体の震えが止まる。

 

「そんなに怖い?自分のせいで失敗してしまうことが」

 

「そりゃ怖いよ……私のせいで取り返しのつかないことになっちゃうんだから……」

 

「そう、それは確かに怖いことなのかもしれないわね。でもねイリヤ、怖い思いをしているのは本当に貴女だけだと思う?」

 

「え?」

 

「悠生君も美遊ちゃんも裕輔君もみ~んな貴女と同じ小学生。そんな子達が本当に平気でいられると思う?」

 

「……それは」

 

「イリヤ、たとえどんなにすごい人だからってね。何でも平気というわけじゃないのよ?皆もまだ子供なんだから」

 

「でも……皆平気そうな顔してた。臆病者で他人の足を引っ張ることしかできない私が行ったって―――」

 

「本当にそう思う?」

 

「え?」

 

「ママはそうは思わないな。多分皆はそんな貴女のことを察して、辛いことを全部引き受けてくれたんじゃないかしら?怖がる貴女の分まで」

 

「引き受ける?でも悠生君も美遊もそんなこと一言も―――!」

 

「あらそう?私は貴女が話してるのを聞いたらそういう風にしか考えられなかったけど?」

 

「でも私、怖いよ!また自分のせいで失敗したら、今度こそ取り返しのつかないことになったら!」

 

「じゃあ、ここで立ち止まっているの?何もできないまま、ここでじっとしているの?」

 

「やだよ!私だって手伝いたい!!皆の力になりたい!皆がしてくれたみたいに!私だって何かしたいよ!!!」

 

自分の内に秘めている言葉を吐き出していく。

 

私は皆と違って才能もないし、ロクに戦えないダメな子かもしれない。

 

でも、このまま何もできないなんて絶対に嫌だ。

 

「じゃあ、もうやることは決まったじゃない。力に、なりたいんでしょ?」

 

「でも、でも私!!」

 

「ねえイリヤ、悠生君は幼稚園の頃からずっと貴方のことを守ってきた。今回だってそう。貴女が辛いと察したから、あの子はそれを代わりに引き受けた。そうでしょ?」

 

ママの言葉で私は幼稚園時代のことを思い出す。

 

そう、あれはまだ私が五歳の時、一人公園で遊んでいたら野良犬に襲われたことがあった。

 

そんな時……。

 

<イリヤちゃんからはなれろのらいぬ~!!>

 

それを目撃した悠生が現れて、涙目になりながらも木の棒を持って野良犬と戦って守ってくれた。

 

正義のヒーローとしてはカッコいいとは言えなかったけど、それでも悠生君は私のことを何度も助けてくれた。

 

幼稚園生の時も、小学生になった時も、魔法少女になった時も……。

 

「(そういえば私、いつも悠生君に助けられてばかりで、私自身悠生君に何も返せてない……ずっと、悠生君にしてもらってばかりだ……)」

 

「悠生君はきっと貴方のことを待ってる。きっと待ちながら頑張ってるんじゃないかしら?一人で、ずっと」

 

「……」

 

そうだ……こうして間にも悠生君は戦ってる……最後の敵と。

 

それを感じた私は椅子から立ち上がる。

 

「ママ、ちょっと急用ができたの。出かけてくる!」

 

そう言って私はいそいそとパジャマを脱ぎ捨て、私服に着替えて部屋から飛び出した。

 

「……いってらっしゃい。イリヤ」

 

背中からママの声が聞こえたような気がしたが、私はそれを気にかけることなく自宅から飛び出す。

 

飛び出すと外にはブルーナイトが壁にもたれながら待っていた。

 

「ようやく出てきたか。その様子だと恐怖は断ち切ったようだな」

 

「はい、私はもう逃げたりしません。私も一緒に戦います!」

 

「そうか、現在は美遊と裕輔はクラスカード最後の一枚であるバーサーカー。悠生はサ

モンカード最後の一枚であるバハムートと交戦している。が、今の悠生ではバハムート

を相手にするのは困難だ。だからお前が行って悠生を助けてやれ」

 

「分かっています。悠生君には色々助けてもらった。だから今度は私が悠生君を助けます。いえ、助けたいんです!」

 

「ならついてこい。あいつのところに案内してやる」

 

「ありがとうございます!」

 

そうして私は魔法少女に変身してブルーナイトと共に空高く飛んで行った。

 

待ってて悠生君、今行くから!!

 

 

―――――

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

ドラグブレイドを杖に荒い息を吐く。

 

しかしバハムートは平然と俺を空から翼を羽ばたかせて見下ろしている。

 

余裕綽々とはこのことか……。

 

【こりゃ参ったな……ブレイズスタイルはもちろん、ブリザドスタイル、ウインドスタイル、エレキスタイル……どれも全然効いちゃいねぇ……。無理ゲーだなこりゃ……】

 

こっちは魔力が消耗していくのに対し、バハムートには1のダメージも

与えられていない。

 

このままじゃ本当に俺が一方的に殺されてしまう。

 

何もできないまま……。

 

「万事休すか……だが、俺の魔力はまだ残ってる。これが0になるまではあがいてやるさ……」

 

ふらふらになりながらも俺はドラグブレイドを両手に持って構えるが、身体がふら

ついて地面に片膝をつく。

 

「くそっ……魔力はあっても体力は残ってないってか……!」

 

【悠生!そこから離れろ!あいつまだ火炎を吐き出す気だ!】

 

ドラグロスに言われてバハムートの口に視線を向けるとたしかにバハムートが口内に紫色の炎を凝縮していた。

 

俺はそれを見て危ないと思って避けようとしたが、身体が疲弊しているせいで思ったように動くことができない。

 

【悠生!!!】

 

「チクショウ……絶体絶命だな……」

 

覚悟を決めて俺は両目を閉じる。

 

しかし両目を閉じた後、どこからともなく斬撃音が聞こえてきて、バハムートの唸り声が聞こえてきた。

 

気になって両目を開けるとそこには……。

 

「イリ、ヤ……?」

 

魔法少女となったイリヤがいた。

 

 

カード回収篇、次回完結。

 

 

 

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