Fate/wizard liner プリズマ☆イリヤ   作:天野蒼夜

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ドラグロスの力で魔法使いにされてしまった。そして、デビュー戦
が始まる。

OP:
「Life is SHOW TIME」唄:鬼龍院翔fromゴールデンボンバー

ED:
「Prisum Sympathy」唄:Stylips


第1話「初戦」

「……」

 

気が付くと、俺は外の庭に出ていた。

 

「どうなってるんだ……?俺、さっきまで部屋にいたはずなのに……」

 

庭から自分の部屋にある二階を見上げる。

 

それにさっきの光も変な感じだった。

 

こころなしか今までと何かが違うような……。

 

俺の目線は自然とリビングの窓のほうに向けられる。

 

そこに映っているのは明らかに俺だが、身体に身に纏われているものは明らかに部屋着にしてはかなり派手なものだった。

 

俺にそんな感想を言わせる今の俺の格好は頭部には赤いドラゴンの装飾、全身にはドラゴンを象った黒い軽装に赤いロングコートが組み合わさったものだ。

 

その姿はどこか魔法使いを思わせる姿だった。

 

「な、何だよこれ!?俺何でこんなカッコしてるんだ!?」

 

【言ったろ?俺とお前はさっき契約を結んだ。これがその象徴だ。お前は今魔法使いになったんだよ】

 

俺の右手に握られているドラグロスはさっきまでぬいぐるみのような赤いドラゴンの姿ではなく、刀身は白銀、鍔の部分は赤いドラゴンの頭部がデザインされており、そこにカード装填口がある剣になっていた。

 

ていうか俺が魔法使い……魔法使いって、マジーカみたいなやつのことか!?でも、にわかには

信じられない……。

 

【あんた、今信じられないって顔してんな?だったら証拠を見せてやる。炎を頭の中にイメージして俺を振ってみな】

 

「振る?振ると炎が出るのか?」

 

【あんたの想像力次第だけどな。さあ、やってみな】

 

そういえば魔法使いって炎とかよく出してたりするよな……もし俺がその魔法使いになれたんだと

するなら……。

 

俺はドラグロスに言われた通りに頭の中で炎をイメージしてドラグロスを斜め上に振る(もちろん自宅に炎が当たらないためだ)。

 

するとドラグロスの刀身に炎が纏われ、そこから激しい火炎の刃が発射された。

 

マジで……?

 

【これで信用してもらえただろ?自分が不思議な力を手にしたことによ】

 

「どうして俺にこんな力を与えたんだ……?俺はただの小学五年生なんだぞ?」

 

【あんた、仮面マジーカっていう特撮ヒーローにハマッているらしいな。そしてハマッている

内にいつしかそれに憧れるようになり、なりたいとさえ思った。そのなりたいという強力な力

を感じたから俺はあんたに契約を持ちかけたのさ。親父、そこにいるんだろ?いつまで鑑賞し

てるつもりだ?】

 

何かの気配を感じて俺は屋根のほうに視線を向ける。

 

そこにはフードの付いた青いローブを身に纏った青年(声が男性だったから分かった)が俺を

見下ろしていた。

 

「そいつがお前の選んだマスターか」

 

その青年は俺を見下ろすと、両足をバネのように跳ね上がらせて俺の目の前に着地する。

 

綺麗なフォームだ。

 

【親父、俺がここに潜入してちょっと後から屋根でずっと俺達のことを監視していやがったな。盗み聞きは感心しねぇな】

 

「盗み聞きなんて人聞き悪いな。俺はただ息子の選んだマスターがどんな奴か品定めに来ただけさ」

 

そう言うと、フードの付いた青いローブを身に纏った青年が視線をドラグロスから俺に移す。

 

ドラグロスもそうだがこの人もこの人でかなり怪しいな……。

 

「……なるほど、戦闘力は高いとは言えないが、想像力は中々のものだ。いいだろう、お前は合格だ」

 

「な、何なんだあんた……?格好からして怪しいし、何者なんだ!?」

 

「ああ、そうだった。まだ名を名乗っていなかったな。俺はブルーナイト。通りすがりの好青年さ」

 

陽気な声で言いながらカーテンコールをするブルーナイトという青年。

 

「一つだけ気になることがある。ドラグロスはあんたのことを親父と言っているが、ドラグロスは本当にお前の息子なのか?」

 

「ああ、間違いなくドラグロスは俺の息子当然の存在だ。だって俺がドラグロスを作ったんだからな」

 

【そして生み出された俺は俺の力を自在に操れる奴を探し出すためにこの世界にやって来た。それがあんただったってわけだ】

 

「それで……俺にこの力を与えてドラグロスとお前は何をさせる気だ?」

 

「それはお前の家で話をさせてもらう。何分無関係の奴に聞かれると色々面倒なんだ」

 

「……」

 

ブルーナイトの言葉に従い、俺は変身を解除してから自宅にブルーナイトを入れて自分の部屋に招き入れる。

 

ブルーナイトは俺の部屋に入ると俺のベッドの上に座り、俺は勉強机の上に座った。

 

「さ、ここなら誰にも聞かれないだろう。詳しく聞かせろ、あんた達は俺にあの力を与えて何を

させる気だ?」

 

「その話に入る前に一つだけ聞きたいことがある。お前、召喚獣を知っているか?」

 

召喚獣といえばアニメや漫画、はたまたゲームとかで出てくるモンスターのことだ。

 

たしか……F○によく出てるような……。

 

俺はブルーナイトの質問に対し、【アニメやゲームの中にいるものなら】と言って質問に答えた。

 

「そうだな、たしかに一般人からしたらそんな空想的な奴等はアニメやゲームの中だけの存在だ。だが、もしそれが平行世界の中に存在してると言ったら?」

 

「どういうことだ?まさかあんな空想的な奴等が実在してるっていうのか?」

 

「存在しないっていうのはあくまでこの世界での話だ。だが、平行世界にはお前の知らない、ありえないことはたしかに存在する。その世界の中に召喚獣は実在している。お前には全部で七枚存在する召喚獣が宿ったカードを全て集めてもらう。それが任務の内容だ」

 

「おい待て!そんな規格外なことを聞いて素直に【はい、分かりました】って言うと思っているのか!?」

 

平行世界だとか言われても生まれて十年しか経ってない俺にはわけの分からない内容だ。

 

わけも分からないのにいきなり承諾することなんてできやしない。

 

「そうか……分かってはいたが、やっぱ簡単には信じてもらえないか。いいだろう、だったら実在することを証明してやる」

 

「何だと……?証明……?」

 

「そうだ、だからお前は今日の深夜0:00にここから東の方角にある空き地に来い。お前に裏の世界を見せてやる」

 

そこまで言うと、ブルーナイトはベッドから立ち上がって窓のほうに移動する。

 

「おい待て!裏の世界って何だ!?詳しく教えろ!」

 

「悠生、百聞は一見に如かずということわざを知っているか?」

 

「百聞は一見に如かず?ああ、たしか口で言うよりも実際に見たほうがよく理解できるとかそういう意味だったか?」

 

「そうだ、つまりここで詳細を言うよりも実際見たほうが早いってことだ。いいか、深夜の0:00だぞ」

 

ブルーナイトは俺にそう言い残すと、窓から飛び上がって去って行った。

 

ていうか、飛んでる!?航空機を使わずに飛ぶとかあいつ一体何者だよ!?

 

「ドラグロス……お前の生みの親ってどうなってるんだ?自力で空飛んでるけど」

 

「ああ、だって親父は人間じゃねぇし」

 

「…………は?」

 

さらりと答えるドラグロスに俺はブルーナイトに対して更なる謎が深まった。

 

ホントにあいつ、何者だよ……?

 

 

―――――

 

 

現在の時刻は午後11:57。

 

俺はブルーナイトに言われた通り自宅から非学の方角に点在する空き地にやって来た。

 

俺がそこに向かうと、ブルーナイトが一人空き地のど真ん中に立っていた。

 

「約束通り来たみたいだな」

 

本当は来ちゃいけないような気がしたが、来なかったら来なかったで後々後悔しそうになるから来ざるをえなかったのだ。

 

「本当にあんたの言う裏の世界が本当にあるのかを知りたくてな。けど、召喚獣らしき奴はどこにもいないみたいだが……」

 

「ああ、ここにはいない。だから言っただろ?【裏の世界を見せてやるって】。まずはお前、転身しろ」

 

「転身?」

 

「特撮ヒーローの主人公がよくやるだろ?変身のことだ」

 

「……ああ」

 

ブルーナイトに言われるままに俺は剣もとい真の姿になったドラグロスに右手に握って変身する。

 

正直この姿は俺にとってコスプレのような感じが否めないんだが……。

 

「悠生、裏の世界に入る前に言っておく。今のお前はウィザードライナーという魔法使いだ。ウィザードライナーは不可能を可能にする戦士。そしてその力はドラグロスから与えられる無限の魔力によって引き出される。ただし、ドラグロスを手放してから30秒以上経過あるいはドラグロスから50m以上離れると変身が強制的に解除されるからそれだけは頭に入れておけ」

 

「分かった」

 

「よし、じゃあドラグロスをその場に突き立てろ。あとはドラグロスの魔力が裏の世界に連れて

行ってくれる」

 

言われるまま、俺はドラグロスの刀身を地面に突き刺す。

 

するとドラグロスを中心に奇妙な紅い魔法陣が出現した。

 

【じゃあ行くぜ。半径2m反射路形成!境界回廊一部反転する!】

 

魔法陣を形成していきながらドラグロスが反射路だとか境界回廊だとかわけの分からない単語を言う。

 

よくは分からないがつまり裏の世界に行くための呪文か何かだろう。

 

ドラグロスのその掛け声を発すると、徐々に周囲が反転を始める。

 

おいおいおい!マジで反転してやがる!どうなってんだこれ!?

 

「ここが裏の世界……いや、正確には合わせ鏡の世界、鏡面界だ」

 

鏡面界……もっと比喩的な単語が出てくると思ったらまんまなんだな。

 

「ほら、見てみろ。あれが今回のターゲットの召喚獣だ」

 

ブルーナイトが奥のほうを指差す。

 

その指差した先には黒い身体をした女性が上空から降り注がれた氷を内側から割って出現した。

 

「うわっ!?何か出てきた!?」

 

「シヴァ、氷を自在に操る氷の女王だ」

 

氷の女王!?そんなすげぇ奴と今から戦えってのかよ!?小学生にこれが荷が重すぎだろ!!

 

「ほら、来るぞ」

 

「え?うわぁ!?」

 

シヴァが右手に生成した氷の弾丸を俺とブルーナイトめがけて投げつけてきたのを俺は横に飛び

上がって避ける。

 

ちょっと飛んだだけで数mも飛ぶなんて……転身して身体能力がかなり上がっているようだ。

 

「さあ!あの召喚獣を魔法使いの力で倒してみろ!それが今回のお前の任務だ!」

 

避けた時に移動したのか、ブルーナイトが遠目から言ってくる……って!俺一人で倒せってのかよ!?まだ戦い方だって分かってないのに!

 

「どうすんだよドラグロス!一人で倒せつったって俺は戦い方も分からないんだぞ!?それなのにどうやってあのバケモノを倒せってんだよ!?」

 

【落ち着けよ、今のお前は魔法使いだ。それに今回の敵は氷属性だ。炎属性の俺等にとっちゃ相性抜群だ。だからとびっきりの炎をぶちかまして溶かしちまえばいい】

 

「いや、けど……炎っつったってあの一回しか出したことないし……」

 

【十分だ!自分の力と俺を信じろ!】

 

「信じろって……あっ!うわぁああああああああああぁあ!?」

 

また氷の弾丸を連続で発射されて俺はそれを次々と避けていく。

 

もちろん当たったらかなり痛そうだからである。

 

【ごらぁ!避けてばっかじゃ話になんねぇだろうが!ちったぁ攻撃しろ!】

 

「攻撃っつったって!こんな連続で攻撃されたら隙なんてどこにも!」

 

【言ったろ?今のお前は炎を自在に操ることができる。その属性を利用しろ!】

 

炎属性を利用……んなこと急に言われても……俺は初心者なんだぞ?

 

いきなりそんなことを言われてもできるわけが―――。

 

「(いや……待てよ。たしか今日の仮面マジーカで、似たような状況があったような……)」

 

今日視聴した仮面マジーカの内容脳内ファイルから探し出す。

 

今週出てきた怪人が氷を操る奴で……そいつが具現化する氷に追い詰められたマジーカは……。

 

<俺は人類の最後の希望だ……この氷に負けはしない!!>

 

身体全身に炎を纏って氷を無効化していたな……ということは俺も同じようにやれば……。

 

両目を閉じ、精神を集中して頭の中でイメージする。

 

「(炎で全身を包みこむイメージ……もし俺が本当に魔法使いならそうすることぐらい可能なはずだ。イメージ、イメージ……)」

 

イメージを続けていると徐々に紅色の炎が具現化されて全身を包んでいく。

 

シヴァはそれを見て口から氷のブレスを発射して俺の全身を氷で包むが、それは全身に包む炎によって内側から溶かされた。

 

【全身を炎で包んで氷を無効化したか……随分な面白ぇことを思いつくじゃねぇか】

 

「俺が考えたんじゃない、マジーカのおかげだ。けど、これからどんな氷が来ても平気なはずだ」

 

ブレスが破られると、シヴァは両手から連続で氷の弾丸を飛ばす。

 

俺は駆け抜けながらドラグロスの刀身を炎で包む。

 

斬って溶かしてシヴァに近付き、懐に潜り込んで下から上に振り上げてシヴァに炎の一撃を加える。

 

その斬撃をまともに喰らったシヴァは吹き飛ばされて地面を転がって倒れる。

 

【よし、クリーンヒットだ。だが、あいつはまだ生きてるぜ】

 

「分かってる、大体イメージすればその通りになることが分かったし。これでフィナーレだ!」

 

再びドラグロスの刀身を紅色の炎で包み、刀身を延ばして大きくする。

 

俺がそうやって炎を溜めている間、シヴァはゆっくり立ち上がって両手

に冷気を溜めている。

 

どうやらあっちも最後の勝負に出るようだ。

 

「はあああああああああぁあ……!喰らいやがれぇえええぇぇえええええぇ!!!」

 

具現化させた形成させた自分の身の丈以上ある炎の刃をシヴァめがけて発射する。

 

それと同時にシヴァも両手に溜めた冷気を炎の刃めがけて発射する。

 

紅蓮の炎の刃と冷気がぶつかり合ってくすぶり合い、やがて炎の刃がシヴァの放った冷気を飲み込んでシヴァのほうに向かっていく。

 

やがて炎の刃はシヴァに直撃し、その紅蓮の炎でシヴァを包み込んで氷が水に溶けるように消滅した。

 

シヴァが消滅すると共に炎は消え、そこから奇妙なカードがゆっくり浮いた状態から下りてきて

地面に落ちる。

 

俺はそこに近付いてカードを拾う。

 

それにはさっき戦ったシヴァが描かれていた。

 

「初戦ご苦労だったな。初めてにしては上出来だ」

 

俺がカードを拾うとブルーナイトが近付いてくる。

 

ていうか、本当に最後まで俺に戦わせたな……小学生に。

 

「ブルーナイト、まさかこれが……」

 

「ああ、お察しの通りそれが召喚獣の力が宿ったサモンカードだ。これで七枚の内の一枚が手に入った

というわけだ」

 

「あんな奴とあと六回も戦わないといけないのか……俺一人で」

 

【いんや、いずれレグルスがマスターに選んだ奴が現れる。だから実質二人だ」

 

「レグルスって誰だよ?」

 

【レグルスは親父が生み出したもう一つの聖獣具だ。あ、聖なる獣の道具と書いてグングニルだから。ちなみにこの姿の時の俺は【紅龍剣ドラグブレイド】だ】

 

「聖獣具は使用者に無限の魔力を与えるだけじゃなく、召喚獣の力をサモンカードによって自分のものにする力がある。つまりシヴァの氷の力はお前のものになったということだ」

 

「シヴァの力が……俺のものに……?」

 

「ああ、だからそのカードはお前が持っておけ。後々の戦いの助けになってくれるだろうしな」

 

ブルーナイトが言い終わると、鏡面界が徐々に歪み始める。

 

「何だ!?周囲が歪み始めたぞ!?」

 

「鏡面界を具現化させていたシヴァが倒されたからここの鏡面界が閉じられようとしているんだ。悠生、転移魔法だ。あっちからこっちに来た時と同じようにドラグロスを地面に突き刺せ」

 

「あ、ああっ!」

 

ブルーナイトに言われるままに俺はドラグブレイドもといドラグブレイドを地面に突き刺す。

 

【んじゃ、こっから脱出するぜ。半径6mで反射路形成。通常界へ戻る】

 

ドラグロスの掛け声で行きの時と同じようにドラグロスを中心に魔法陣が展開して元の現実世界

に帰ってきた。

 

この戦いで俺が分かったことは三つ。

 

魔法は実在すること、平行世界も実在すること、そしてその平行世界の中に召喚獣がいて、その平行世界である鏡面界を形成していることだ。

 

「これで残るカードは六枚。引き続きこの調子で頼むぜ。魔法使いさんよ」

 

「これ……本当に全部揃うまでやらなきゃダメなのか……?」

 

「当然だ、お前の今後に必ず必要不可欠になるものだからな」

 

「……どういう意味だ?」

 

「その内嫌でも知ることになるさ。じゃあ、今日はご苦労だったな」

 

そう言って片手を上げるとブルーナイトは闇の中に溶けるように消えて行った。

 

どうやら俺は本当に日常からとんでもないことに巻き込まれてしまったらしい。

 

「この調子で頼む……か」

 

右手に持ったシヴァのサモンカードに視線を移しながら俺は一人呟いた。

 

ま、どうせ強制的なんだろうし、これはやるしかないよな……。

 

 

 

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