Fate/wizard liner プリズマ☆イリヤ   作:天野蒼夜

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ブルーナイトにサモンカードの回収を言い渡され、悠生がやむなくそれ
に応じることに。しかし、悠生がシヴァのカードを回収する少し前、イ
リヤもあるステッキとの出会いによってとんでもないことに巻き込まれ
ていた。

OP2:
「コネクト」唄:Claris

ED:
「Prisum Sympathy」唄:Stylips



第2話「巻き込まれちゃいました」

リビングから自分の部屋に戻って来る。

 

そして私のベッドの上には黒い長めの髪をツインテールにし、上半身を十字架のデザインがされた赤い服に黒いミニスカートに黒のニーソックスを穿いた高校生くらいの女の人が座っており、その近くに両サイドに鳥のような羽が生え、穴の空いた円の中に星が入っている奇妙なものが浮いている。

 

どうしてそんな奇妙なものと女の人がここにいるのかを説明すると、時は数分前に遡る。

 

<そこの貴女!魔法少女になりませんか~!楽しいですよ魔法少女!悪い奴等を魔法をやっつけたり空飛んだり、恋の魔法だってできちゃいますよ~!>

 

私が今日の昼頃に届けられた魔法少女マジカル☆ブシドームサシを1クールを一気に視聴した後。

 

セラに言われてお風呂に入っている頃に突如マジカルルビーことルビーが現れ、私に魔法少女にならないかと勧誘してきた。

 

しかし話についていけなかった私はそれを拒否して追い返そうとしたらいつの間にかマスター認証が完了してしまい、私はルビーの元マスターである凛さんに言われて強制的にサーヴァントにさせられてしまい現在に至る。

 

ちなみにリビングに行っていたのはその時に起こった騒ぎをセラお母さん達に悟られないよう誤魔化すためだ。

 

セラは私の誤魔化しに【そう……】と言っていたが、正直本当に誤魔化せたのかは分からない。

 

そしてもう一つ説明するとルビーが私を新たなマスターにしたのは凛さんが日本に一緒に来ていたルヴィアという人と魔法使って大喧嘩したことによって見限ったのが原因らしい。

 

「どう?上手く誤魔化せた?」

 

「うん、何とか……それで、一体アレは何なの?瞬間移動したり、ビーム出したり……とても普通じゃなかったけど……」

 

「うん、そうね。貴女には色々説明しておく必要があるわよね。実は私ね、魔術師なの?」

 

非現実的な単語に疑問符が頭上に浮かび上がる。

 

「魔術師?それって魔法使いみたいな……?じゃあ凛さんも私みたいな格好を―――?」

 

「あんな恥ずかしくて自殺したくなるような格好をするような人と思わないで欲しいわね。こう見えて私、時計塔じゃ主席候補なんだから」

 

「私もさっきまでその恥ずかしくて自殺したくなるような格好をしていたのですが……」

 

「大丈夫ですよイリヤさん。凛さんはともかく、イリヤさんは似合っていましたから」

 

ルビーがそう言った時、凛さんが一瞬ルビーを怖い目で睨む。

 

まあ、けどそこは気にしないほうがいいよね……?

 

「で、ここからが本題。私達は時計塔からの指示でこの街にこのカードを回収しに来たの」

 

そう言って凛さんが弓矢を引こうとしている兵士が描かれているカードを取り出して私に見せる。

 

下の辺りに名称のようなものがあるが、英語を習っていない私には何が書いてあるのかさっぱり分からない。

 

「これはアーチャー。極めて高度な魔術理論で編み上げられた特別な力を持つカードなのよ。それも悪用すれば街一つを一瞬で破壊できるほどのね」

 

「だが、この街にはあるのはそれだけじゃない。それと同様に特別な力を持つカードも存在する」

 

どこからともなく男性の声が聞こえてきた私達は驚いて周囲を見渡す。

 

それがしばらく続くと、勉強机が設置されているところの近くにフードの付いた青いローブを纏って顔を隠している男の人が瞬間移動してきたかのようにして現れた。

 

「あれは魔術の類……?あんた一体何者!?」

 

「俺はブルーナイト、通りすがりの好青年だ」

 

「その好青年が一体何をしに来たっていうの?」

 

「そんな警戒するような顔をしないでくれ。俺は決して怪しい者じゃない。ただちょっと誕生した魔法少女の姿を見に来ただけだ」

 

ブルーナイトがそう言って私を観察するように見つめてきてふっ、と笑った。

 

「……なるほど、戦闘力はないに等しいが確かな素質を感じる。悠生と同じ資質を……」

 

「どうして悠生君のことを知ってるの!?まさか悠生君も私みたいなことに!?」

 

「それは嫌でも知ることになるさ。お前と奴は共に戦う運命にあるからな」

 

「どういうこと……?」

 

「そのままの意味だ。多分明日になれば分かるだろうぜ。この言葉の意味がな」

 

私にそう言い残すと、ブルーナイトはさっき現れた時と同じように瞬間移動でもするように部屋から消えた。

 

まるでそこに最初から誰もいなかったかのように……。

 

「何だったのあいつ……?まるでこれから先のことを分かってるみたいな口ぶりだったけど……それに誰なの悠生って?」

 

「私が通ってる学校のクラスメート。クールだけどすごくいい人なの」

 

「ふ~ん、けど……これと同様に特別な力を持つカードも存在する、ね……」

 

アーチャーのカードを見ながら凛さんが言う。

 

どうやらブルーナイトが言っていたことはさすがの凛さんも知らないようだ。

 

「少し気になるけど、まあいいわ。で、話に戻るけど私はその危険なカードを回収するために来たけど、さすがに生身だけじゃ厳しいと言うので、借りられたのが……」

 

周囲を浮遊しているルビーを右手でふん捕まえる。

 

「このバカステッキってわけ」

 

「最高位の魔術礼装をバカステッキ呼ばわりとは失礼ですね~!そんなんだから反逆されるんですよ!私にだってマスターを選ぶ権利があるんですから!」

 

摑まれた状態で暴れて凛さんの手から離れる。

 

「本当は無関係の人を巻き込みたくないんだけど……バカステッキがこの通りの性格だから。せめて説得が済むまでの間、私のカード回収を手伝ってもらうことになるから覚悟しておくように」

 

「え……えっと……それって拒否権は―――」

 

「そんなものないわ。恨むならバカステッキのルビーを恨みなさい」

 

「……」

 

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン小学五年生十歳……。

 

この時私は……街一つを破壊できるほど強力なカードを回収する任務を手伝うよう言われてしまいました……。

 

でも……これってアニメやゲームみたいで……ちょっとだけワクワクする、かも。

 

 

―――――

 

 

翌日の朝、私はいつものように学校に向かうためにいつもの通学路を歩きながら昨日ブルーナイトが言ったことを思い出していた。

 

<それは嫌でも知ることになるさ。お前と奴は共に戦う運命にあるからな>

 

あの言葉……悠生君も私と同じようにとんでもないことに巻き込まれているということを意味している。

 

でも、悠生君は男の子だから魔法少女じゃないよね……?だったら……。

 

「あ……」

 

噂をすれば何とやらである。

 

私の前の曲がり角から悠生君が現れた。

 

どうしよう……あのことを聞いてみる?でも、最初から踏み込むのはよくないよね……よし、

ここはいつも通り。

 

「悠生君、おはよっ!」

 

後ろから笑顔で悠生君に声をかけ、それに気付いて悠生君が振り向く。

 

でも、やや驚いた顔をしているのは何でかな?

 

「イリヤか……おはよう」

 

私の挨拶にクールな顔つきで挨拶をする。

 

そうして互いに挨拶をすると私は悠生君の横に移動し、並んで通学路を歩く。

 

「すごい偶然だよね。あ、でも家が近所だから当然といえば当然か~」

 

「ああ…そうだな」

 

「今日の私の星座がね、一位だったの。これって今日私にいいことが起こるって意味だよね?」

 

「ああ……そうだといいな」

 

悠生君どうしたんだろう?さっきから私とロクに視線を合わせてくれていないような気がする……。

 

もしかして私……悠生君に嫌われてるのかな?別に嫌われるようなことをした覚えはないんだけど……。

 

「ねえ、悠生君」

 

「な、何だ……?」

 

「私の勘違いだったらいいんだけど……悠生君って私のこと嫌い?」

 

「は……何で……?」

 

「いや……だって……さっきから全然私を目を合わせてくれないから……」

 

もし嫌われてるとするなら友達の私としてはすごくショックだ。

 

嫌われてる理由も分からないから尚更だ。

 

沈んだ顔をして言うと、悠生君が一瞬バツの悪そうな顔をした後、慌てた表情をしながらこう言った。

 

「いやっ、別に嫌いとかそういうわけじゃない!ただちょっと……」

 

「?」

 

「あ!そういえば俺今日日直なんだった!悪いイリヤ!俺、先に行くな!」

 

そう言うと、悠生は脱兎の如く走り去って出いた。

 

もう見えなくなっちゃった……そういえば悠生君って体育の成績結構よかったっけ。

 

「何かマズいこと聞いちゃったかな……?まあ、でも嫌われてないってことだけでも分かってよかった」

 

「あれが昨日ブルーナイトさんが言ってた悠生って人ですか~。クールな顔して結構シャイなんですね~」

 

私の鞄の中に隠れているルビーが悠生君に対してそんな感想を漏らす。

 

「でもいい人だよ。この前だって休んでた美化委員の代わりに花に水をあげてたし」

 

「けど妙ですね~。あの人の鞄から妙な魔力を感じましたが……でもあの感じはサファイアちゃんじゃない。もっと別の何かのような……」

 

「ルビー、何を言ってるの?」

 

「いえ、何でもありません。さあ、早く学校に行きましょう~!」

 

「あ、うん……(結局あのこと、悠生君に聞けなかったな……)」

 

ブルーナイトのことを悠生君なら知っていると思ってたけど、とても聞くタイミングがなかったし……。

 

私は聞けなかったことを若干後悔しながら通学路を歩いて行った。

 

そして放課後になり、私が教室の掃除をしている悠生君達より先に教室を出て下駄箱のフタを開ける。

 

するとその中には靴の上に一通の手紙が添えられており、私はその手紙を下駄箱から取り出す。

 

「お~っと!これはまさしくアレですね~!ラブな奴のアレなんですね~!」

 

鞄の中に入っていたルビーが飛び出してきてこの手紙をラブレターだと言い張る。

 

ラブレターって片思いの人が好きな人に出すっていうあれ!?

 

そう思うと私の顔がみるみる内に真っ赤になる。

 

「(お……落ち着くのよイリヤスフィール!こういう時こそ落ち着いて対処することが大事だわ!まずは内容を確認して……)」

 

意を決して私は封を開けて中に入っている折りたたまれた手紙を開いてその書かれている内容を確認する。

 

【今夜の0時、高等部の校庭に来るべし。来なかったらこr―――迎えに行きます】

 

手紙の内容を見て、私もルビーも唖然とせずにはいられなかった。

 

しかも殺すという文字に斜線が引かれていることからかなりの恐怖が感じられる。

 

私もルビーもこの脅迫まがいな内容から凛さんが書いて下駄箱の中に入れたということを一瞬で察した。

 

「……帰りましょうか、イリヤさん」

 

「……そうだね」

 

凛さん……小学生相手に脅迫はないでしょう……。

 

私は心の中でそう思いながらルビーと一緒に自宅に帰って行った。

 

 

―――――

 

 

教室の掃除を済ませて昇降口まで歩く。

 

「はぁ……」

 

俺が溜め息を吐いているのは今朝登校している時、イリヤから逃げてしまったのが原因だ。

 

本当は逃げるつもりなんてなかったのに……イリヤに心情を知られてしまうのが怖くて反射的に逃げ出してしまったのだ。

 

「悠生、お前まだあのこと気にしてんのか?せっかくダチが話しかけてくれたっていうのによ」

 

「ああ、分かってる。あれはたしかに俺が悪かった……。イリヤは気にしてないって言ってくれたけど」

 

「っとにクールなくせして恋愛にはシャイだなお前。男ならもっとガツンと行けガツンと!」

 

「俺はお前と違って単純じゃないんだよ。それと俺はイリヤに恋愛感情はない!」

 

「ああ、そうだったな。はいはい」

 

「ったく……ん?何か下駄箱に入ってる。何だこれ?」

 

下駄箱を開けるとその中に一通の手紙が靴の上に添えられるようにして置かれていたので俺は

それを手に取る。

 

「おっと!これはアレだ。ラブレターじゃねぇか?お前も墨に置けねぇな~」

 

「バカ言うな、そんなわけないだろう。大体誰が俺にラブレターなんて書くっていうんだ。どうせ誰かのイタズラだろ、一体何が書かれて……」

 

手紙の封を開けて手紙の内容を確認する。

 

その手紙にはこう書かれていた。

 

「今夜の0:00、高等部の校庭に来い。お前得なものが見られるぜ。は?誰がこんなの書いたんだって……あいつしかないないか。またカード回収のことか?それにしても俺得なものって何だ?」

 

「そりゃ行ってみりゃ分かんだろ。お前得ってことはお前にとって得するって意味なんだろうし」

 

「俺が得することを何であいつが知ってんだよ?」

 

「知らねぇよ、親父は掴みどころがねぇから。で?行くのか?」

 

「だって行かないと後が面倒になりそうな上に俺が得するものが何なのかも気になるし。行くよ」

 

「ああ、そうかい」

 

俺が得するものか……それって一体何なんだろうな?

 

そんなことを考えながら俺は帰路を歩く。

 

だが、この手紙をキッカケにとんでもないものを見てしまうことになることはその当時の俺は

知る由もなかった。

 

 

―――――

 

 

明かりが点いていない自宅の中、俺は両親が起きないようにそ~っと自宅から抜け出してた。

 

もちろん律儀に【いってきます】と言って。

 

「普通ありえないよな……こんなクソ真夜中に小学生が学校行くなんてさ……」

 

「けど、そう言いながら気になってんだろ?俺得なものがよ」

 

たしかに気になってはいる。

 

けど俺はあくまでカード回収のために行くのだ。

 

決してそんな浮ついた気持ちで行くわけじゃない。

 

「う~ん……やっぱ正門は閉まってるか……当然と言えば当然だが」

 

「じゃあ裏口から入るしかねぇな。急がねぇよ0:00になっちまうぞ」

 

「そうだな、もっと身長があればできそうだけど、さすがに今の俺の身長じゃよじ登ることができないしな」

 

イリヤより身長は高いと断言できるが、それでも大人からしたら俺の身長はあくまで小学生並みにすぎない。

 

俺は正門をよじ登るのを諦め、回り道をして裏門を潜って校内に入って正門のほうに向かう。

 

だが、校庭まであと数mというところで俺は光が一瞬現れたのを目撃した。

 

しかもその近くには遠目であまり見えないが、俺より年上っぽい黒髪のツインテールの女の人が立っている。

 

しかもその光が出てきたところから現れたのが……。

 

「い……イリヤ……!?」

 

光の中から現れた少女、それはアニメの魔法少女が頭に羽の髪飾り、ピンクと白をメインカラーにした衣装を身に纏い、先端に鳥のような羽と星が付いたいかにもって感じのステッキを持ったイリヤだった。

 

これは一体どういうことなんだ……!?

 

 

 

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