Fate/wizard liner プリズマ☆イリヤ   作:天野蒼夜

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手紙でそれぞれ呼び出されて深夜高等部の校庭にやって来た。そして
ついに魔法使いと魔法少女が邂逅する……。

OP:
「Life is SHOW TIME」唄:鬼龍院翔fromゴールデンボンバー

ED:
「Prisum Sympathy」唄:Stylips



第3話「魔法使い×魔法少女」

「い……イリヤ……!?」

 

光の中から現れた少女、それはアニメの魔法少女が頭に羽の髪飾り、着ていそうなピンクと白をメイン

カラーにした衣装を身に纏い、先端に鳥のような羽と星が付いたいかにもって感じのステッキを持った

イリヤがいる。

 

それを見た俺は思わず近くにあったトイレの陰に隠れてしまう。

 

「何だ……?何だイリヤのあの格好は……?こ、コスプレ……?たしかにイリヤは若干アニヲタなとこあるけど、コスプレの趣味はなかったはず……。大体何でイリヤがこんな夜中に学校来てるんだ?」

 

「そりゃあれだろ?お前と同じカード回収に来たんだろ。手紙をよこしてな」

 

「おおっ!?」

 

いきなりが後ろから声をかけられて俺は心臓を跳ねさせて声を上げてしまった。

 

振り返るとそこには俺を呼び出した張本人であるブルーナイトがいた。

 

そこにブルーナイトがいたのには驚いたが、それ以上にさっきの声がイリヤに聞かれてないか心配になったが、どうやら気付いていないようだ。

 

「脅かすな!普通に出て来いよ!」

 

「さっきからずっといたんだが……お前が気付かないもんだから。で、お前見ただろ?あの子の衣装」

 

「あの子ってイリヤのことか?」

 

「他にいないだろ。見ろ、あんな魔法少女のコスプレが似合う小学生なんて中々いねぇぜ?お前得っていうのはあのことだよ」

 

「な、何でイリヤがコスプレしたくらいで俺が得するんだよ……?」

 

「何だ?気に入らなかったか?お前はあいつがあんな可愛い格好してるのにどうとも思わないのか?」

 

「……それは」

 

たしかにあのイリヤの格好は可愛いと…………思う―――って!死んでも言えるか!!

 

「どうした魔法使いさんよ?さっきから顔を赤くして黙ったままだが?」

 

「な、何でもない!それよりカード回収だ!今度はどの辺だ?ここにあるんだろ?」

 

「ああ、たしかにカードはある。けど場所は……」

 

ブルーナイトが俺を指差した途端、身体が宙に浮き始める。

 

「あの女に聞いてみな」

 

「え?それどういう―――うわぁあああああああああああぁあ!!!」

 

ブルーナイトが人差し指を押した途端、それに押されるように俺の身体は後ろに飛ばされ、イリヤと一緒にいた女の人のところまで移動される。

 

そこまで行ったところで宙に浮いていた状態から地面に落とされてしまう。

 

「何こいつ!?急に飛んできたんだけど!?」

 

「ふええっ!?悠生君!?何で悠生君がここにいるの!?」

 

二人は俺のいきなりの登場に驚いている。

 

そりゃそうだ、いきなり小学生の男の子が飛んできたんだから。

 

俺は平静を保つように地面から立ち上がる。

 

「イリヤ、こんなところでコスプレ大会か?でも他に参加者がいないようだが」

 

「ち、違うの!これはコスプレなんかじゃなくて、その……」

 

顔を赤くしてもじもじするイリヤ。

 

俺の後を追ってきたドラグロスはそれに苛立ちを覚えたのか、イリヤにこんなことを言った。

 

「この感じ、あんたカレイドライナーだろ。持ってるのはマジカルルビーだな?」

 

「見た感じ魔術礼装っぽいですけど、貴方は一体どういった魔術礼装なんですか?」

 

「俺はドラグロス、ある奴から作られた聖獣具だ。魔術礼装に近いが、決して魔術礼装じゃねぇぜ」

 

「ぬいぐるみが喋った……こいつ、あんたのなの?」

 

「まあ一応……こんなんでも魔法使いをやらせてもらっています……」

 

「悠生君が……魔法使い?」

 

「にわかには信じられないわね。もしそれが本当なら証拠を見せてみなさいよ。魔法使うとか転身するとか」

 

やっぱり言っても信じてもらえないよな……しかたない。

 

「分かりました。ドラグニス、転身だ」

 

「おう!いっちょキバッていくぜ!」

 

そう言うと、ドラグロスはぬいぐるみの姿から紅龍剣ドラグブレイドに変身して俺の右手に握られる。

 

そうすると共に俺の周囲が紅い光に包まれ、その光が消えると共にウィザードライナーになった俺が姿を現す。

 

「悠生君も転身した!?」

 

やはり案の定イリヤも黒い髪のツインテールの女の人も俺が転身したことに驚いている。

 

まあ……普通ありえないからな、こんなこと。

 

「それはカレイドライナー……じゃないわね。何なのそれ?」

 

「えっと……ある人が言うにはウィザードライナーって言う、らしいです……それと悪いイリヤ、

実は俺お前が変身したところ見ちまったんだ。トイレで光ってるの見て……」

 

「み……見ちゃったの……?」

 

「ああ、遠目だったけど……光から出てくるのが見えたから……」

 

「……そっか。でも、皆には言わないでね。こういうのってあまり知られたらいけないから……」

 

「ああ、そこら辺は大丈夫だ。絶対言わないから安心しろ。俺も同じ境遇だから。ところで貴女は誰なんですか?イリヤと待ち合わせていたみたいですけど」

 

「そうね、一応名乗っておくことにしようかしら。私は遠坂凛、魔術師よ」

 

「凛さん、ですか。もしかして貴女がイリヤをここに連れて来たのって、これを回収するためですか?」

 

腰部分に装着されているカードケースの中からシヴァのサモンカードを取り出して凛さんに見せる。

 

「何このカード……?見たことがないわね……アサシンでもバーサーカーでもセイバーでもないし……でも、とてつもない魔力を感じる……。どうしてあんたがこれを持ってるの?」

 

「昨日の深夜に回収したものです。貴女もこういうカードを回収をしてるんじゃないんですか?」

 

「いえ、形状は似てるけど私が知ってるカードじゃないわ。私が集めているのはこういうカードよ」

 

そう言って凛さんがポケットから取り出した弓兵が描かれたカードを俺に見せる。

 

読みは……小学校じゃ英語習わないから分からん。

 

「これはアーチャー。英霊の力が宿ったカードよ。でもそのカードから感じる力は英霊のものじゃない。何なのそれ?」

 

「えっと、俺にもよく分からないんですけど……召喚獣の力が宿ったカードらしいです……」

 

「召喚獣……ようするにサーヴァントみたいなものね。貴方、もしかしてだけどそれを集めるようにいった人、青いローブを着てなかった」

 

「はい、着てました。あの人のこと知ってるんですか?」

 

「あいつのことは知らないけど、会ったことならあるわ。その時に私の知ってるカードとか別に同等の力を持ったカードが眠ってるって言い残して。もしかしてこれがそのカードなの……」

 

「よく分からないです。俺はこれを集めろって言われただけでまだ詳しい話を聞いていないので……」

 

「なるほど……まさか同じ境遇の人がいたなんて驚きだけど。丁度いいわ、あんた私のカード回収を手伝いなさい」

 

「は?」

 

「どうせ戦うんでしょ?だったらついでにこっちのカード回収も手伝ってって言ってるの」

 

この人まで小学生に戦うよう言うのか……最近の人達は随分と小学生使いが荒いな……。

 

別に手伝ってもいいが、ただで手伝うのはさすがに割が合わない、だから。

 

「分かりました、手伝いましょう。ただしこちらから一つだけ条件があります」

 

「条件?」

 

「はい、俺が貴女のカード集めを手伝う代わりに貴女も俺のカード集めを手伝う。それが条件です」

 

「ちなみにそのカードは全部で何枚あるの?」

 

「六枚です」

 

「六枚ね……ということはこっちと一緒の枚数分あるってことね。いいわ、その条件を受けましょう。けどこっちには二週間っていう期限があるからそれなりの仕事をしてもらうことになるけど」

 

「分かっています、やるからには最後までやらせてもらいます。イリヤのことが心配なので」

 

「悠生君、心配してくれてたの……?」

 

「友達がその友達を心配するのは当然だろ。人として」

 

うわぁ……今の俺超臭いかな……でも本当のことだし。

 

「それじゃ貴方と私は協力関係ってことね、よろしく。手柄は私のものだけど」

 

「それで構いません。最初から手柄がいるとは思っていないので。あくまでこれはイリヤを守るためです」

 

イリヤはきっと魔法少女になって日も浅いはずだ。

 

俺が思うに彼女はこれが初戦闘な感じがする。

 

だから少し先輩の俺が助けてやらないとって、キャリアはそんなに変わらないか。

 

「じゃ、話もまとまったところでそろそろ始めましょうか。カードがあるのはこの校庭のほぼ中央、そこを中心に歪みが観測されてるわ」

 

「中央?何もないけど……」

 

「ああ、ここにはない。何故ならカードは鏡面界っていう平行世界の中にあるからだ。ですよね?」

 

「ええ、カードを回収してるだけあって鏡面界のことは知ってるみたいね。じゃあルビー、

始めてちょうだい」

 

「はいは~い!半径2m反射路形成!境界回廊一部反転しま~す!」

 

ルビーのその掛け声と共にイリヤを中心に巨大な魔法陣が足元に出現する。

 

イリヤはそんなファンタジー的なことに驚いて【うわっ!】と声を上げている。

 

「何々!?一体何が起きてるの!?」

 

「カードのある世界に飛ぶのよ。さっき悠生が言っていた鏡面界ってところにね」

 

「飛ぶ?うわあああああああぁ!次元が歪んでいくぅううううう!!!」

 

イリヤのその叫びと共に俺達はカードがある世界の鏡面界に飛ぶ。

 

やはりそこも俺の時と同じで飛ぶ前の高等部の校庭と何ら変わらない映し鏡の世界だった。

 

そして、そこに来た瞬間黒い歪みのようなものが出てきて、そこから長い髪に目玉が付いたマスクで両目を隠している女性がぬるりと出てきた。

 

「ひゃあっ!?何か出た!?何なんですかあれ!?」

 

「早速ライダーのお出ましのようね。イリヤ、悠生、構えて!」

 

「もしかしてあれと戦うんですか!?戦うなんて聞いてないですよ!!」

 

「あれ?私言わなかったっけ?カードはあいつを倒さないと手に入らないのよ」

 

「聞いてないよおぉおおおおおおおおおおおおおぉ!!!」

 

「おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉ!!!」

 

黒い歪みから現れたライダーが両手に持った先端に刃が付けられた鎖の得物で俺達めがけて投げつけてくる。

 

俺達はその攻撃をそれぞれジャンプして避けると、凛さんが空中を飛びながら赤い宝石をライダーめがけて投げつけ、周囲を炎を発生させた。

 

だが、ライダーにその攻撃は効いておらず、炎を内側から吹き飛ばした。

 

「やっぱり爆炎弾三連程度じゃ効かないか……結構高い宝石だったのにな」

 

「効かないって……じゃあどうすればいいんですか!?」

 

「あんた達に任せるわ!」

 

「え~!?小学生に丸投げするんですか~!?」

 

「大丈夫!魔術が効かなくても純粋な魔力の塊なら利くはずだから!頑張って!」

 

そう言うと、凛さんは校庭から少し離れた茂みのほうに走って行った。

 

あいつ……マジで丸投げしやがったよ……何て人なんだ……。

 

「どうしよう悠生君!私達二人だけじゃあんなバケモノ倒せないよぉ~!」

 

「落ち着けイリヤ、凛さんだって言っていただろう。純粋な魔力の塊なら通用するって」

 

「でも私……魔力の使い方なんて全然分からないし……」

 

そんなの俺も昨日まで同じだった。

 

いや……いまでもロクに分かりはしない。

 

けど……それでも俺は……。

 

「お前のことは必ず守る。だからいまは戦いに集中しろ。いいな?」

 

真剣な表情で言うと、イリヤが顔を赤くしながら【ありがとう】と言う。

 

普通ならイリヤのこういう顔を見たら篇に恥ずかしがる俺だが、今はそんなことには不思議とならなかった。

 

「二人共!話は終わりです!来ますよ!」

 

ライダーが再び俺達めがけて得物を投げつけてきたので身体を逸らして避ける。

 

だがイリヤは少しかすってしまったみたいで、【かすった!今かすったよ~!】と言って背中に

触れて戸惑っている。

 

やっぱりイリヤには接近戦は厳しいか……。

 

「はぁあああああああああああああああああああああっ!」

 

ドラグブレイドの刀身に炎を纏わせてライダーに突撃する。

 

ライダーはその攻撃を得物で受け止め、攻撃しては俺もドラグブレイドを受け止めての剣劇を繰り返す。

 

「すごい……ライダーと互角に戦ってる……」

 

「え~実に見事な剣捌きです。でも互角とは言えませんよ。ほら」

 

「ぁあああああああああああああっ!」

 

「ぐっ……!」

 

フェイントをかけてきたライダーの一撃をどうにか刀身で受け止めるが、あまりの打撃だったため、俺は後ろに仰け反ってしまう。

 

「力はシヴァクラスか……今日の間に特訓してたから倒せない相手じゃないが、油断は禁物か……」

 

【悠生、こういう時こそサモンカードだぜ。お前、昨日手に入れたシヴァの奴があるだろ】

 

「シヴァ……ブルーナイトが何かの助けになるって言ってたけど、これ何かに使えるのか?」

 

【ああ、俺の鍔のところに装填口みたいなのがあるだろ?それにそのカードを装填するんだ】

 

言われるままに俺はカードケースから取り出したシヴァのサモンカードをドラグブレイドの装填口に入れる。

 

すると目の前に巨大化したシヴァのサモンカードが現れて俺を通過した。

 

通過すると俺の姿が頭部には青いドラゴンの装飾が着けられ、ロングコートの色が青に変化した。

 

しかもドラグブレイドの姿も剣から片手銃に変化している。

 

「悠生君の姿がまた変わった!?」

 

俺の姿がまた変わったことにイリヤは驚いているが、一番驚いているのは本人の俺だ。

 

「ドラグロス、これは……?」

 

【聖獣具はあらゆる召喚獣の力を自分のものにする力がある。つまり今のお前はシヴァの力を

宿したってわけだ】

 

俺がシヴァの力を……便利な武器だな、聖獣具って。

 

「氷の女王の力……ブリザドスタイルと言ったところか。ホントに魔法使いっぽくなってきたな」

 

片手銃に魔力を溜めて氷の銃弾を連続で発射する。

 

しかしライダーは残像でも作っているかのようにその銃撃を避ける。

 

ちっ……やっぱそう簡単に当てられちゃくれないか……こうなったら。

 

「イリヤ!!!」

 

遠くから俺の戦いを見ているイリヤに声をかける。

 

「何……?」

 

「散弾のイメージをするんだ!広範囲にたくさんの小さな弾が出るイメージだ!」

 

「なるほど!範囲を広くして確実に当てるということですね!イリヤさん、やってみて下さい!」

 

「分かった!やってみる!いっくよ~!散弾!」

 

目の前に魔法陣を展開させ、広範囲に無数の弾を連続で発射させる。

 

その弾がライダーめがけて飛んで行き、その周囲に煙を発生させる。

 

「やったの……?」

 

「いいえまだよ!広範囲にして威力は低くなってる!休まず連続で!っ!」

 

凛さんがそう言った時、煙の中に包まれていたライダーが現れ、その様子がおかしいことに気付く。

 

ライダーの長い髪が生きているかのようにうごめき、マスクの目玉を光らせる。

 

そしてどす黒いオーラを身に纏いながら奇妙な魔法陣を展開して徐々にそれが黒から赤に変色していく。

 

「マズい!あいつ宝具を使う気よ!イリヤ!悠生!逃g―――!!」

 

凛さんが慌てて俺達に逃げるよう言った時、凛さんの横を何かがものすごい速さで駆け抜けて行った。

 

駆け抜けてきたのは俺やイリヤと同じくらい歳ぐらいの少女で、イリヤと同じ、だがメインカラーが青い魔法少女の衣装を着ていた。

 

「クラスカード、ランサー。インクルード」

 

右手に持っているステッキをカードに照らし合わせて槍の形に変形させる。

 

槍の形に変形させると、少女は今にも魔法陣から何かを出してきそうなライダーの目の前に踏み込む。

 

「ゲイ……ボルグ」

 

一言呟いた後、少女は槍でライダーの胸を刺し貫く。

 

刺し貫かれたライダーはしばらくうめき声を上げた後、奇妙な魔法陣と共に消滅してカードに変化し、少女はそれを手に取る。

 

「クラスカード、ライダー。回収完了」

 

その少女はイリヤと違ってどこか寂しそうな雰囲気を纏っていた。

 

一言で言うなら一匹狼のような感じだ。

 

ていうか……。

 

『(……誰?)』

 

その疑問が俺達の脳裏に駆け巡った。

 

しかし、この少女の出会いが俺達の物語に深く関わってくることになるのはその時の俺達はまだ

知る由もなかった……。

 

 

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