Fate/wizard liner プリズマ☆イリヤ   作:天野蒼夜

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悠生達の前にもう一人の魔法使いと魔法少女が現れる。しかもその
二人が転校してくるという展開に……。

OP2:
「コネクト」唄:Claris

ED:
「Prisum Sympathy」唄:Stylips



第4話「二人の転入生」

俺とイリヤが凛さんの掛け声でライダーから退避した時、駆け抜けて行った少女を見つめる。

 

ていうかマジで誰だ……?

 

「オーッホッホッホッホッホッホ!」

 

俺達がライダーを瞬殺した少女が誰なのかを疑問符を浮かべると、後ろからいかにも高飛車なお嬢様がするような高笑いが聞こえてきた。

 

気になって振り返るとそこには青いドレスを着た金髪の縦ロールの女性とまたもや俺とイリヤと同い年くらいの少年がこちらに近付いてきていた。

 

「ルヴィア!あんた生きてたの!?ていうか何なのこの子達!?」

 

「オーッホッホッホッホ!この子達が私のカード回収のお手伝いをして下さってる方達ですわ。貴女のほうこそ生きていましたのね」

 

「ほ~こいつが俺と同じ魔法使いか。クールぶった顔してんな~」

 

ルヴィアと呼ばれた女性の近くにいた少年が俺のほうに近付く。

 

「よろしくな、俺は弐藤裕輔。お前と同じウィザードライナーだ」

 

「ウィザードライナーって……じゃあお前のパートナーって……」

 

「俺だ」

 

弐藤が右肩に乗っているライオンが急に喋り出した。

 

やっぱり喋るのかそいつ……。

 

【よおレグルス、昨日ぶりだな。こいつがあんたのマスターってわけか】

 

「そうだ、この少年には才能がある。俺はそれを見てこいつをマスターにした。見たところお前のマスターも少年のようだが」

 

【おうよ!さっきまでこいつが英霊と互角に近い戦いをしてたんだぜ?】

 

「けど仕留められなかったよな?どんなに戦い方が上手くても仕留められないんじゃ意味ねぇぜ。ライバルさんよ」

 

「ライバルだと?」

 

「ああ、俺とお前は同じカードを集めるために競い合う。いわばライバルってことだろ。で、今回の勝負は美遊がカードを回収したから俺達の勝ちだ」

 

俺達は最初から勝負してるつもりなんてないんだけどな……ていうかそれ以前にライバルとも思ってないし。

 

「おい、俺は―――」

 

俺がライバルとは思ってないってことを言おうとすると、地面が震えるように激しく揺れ始めた。

 

もしかしてライダーを倒したから鏡面界が閉じようとしてるのか!?

 

「ちょっと、何なのアレ!?」

 

凛さんが視線を向けた先、そこには地中がヒビを作りながら地上に現れるものがいた。

 

それは茶色い人の身体をしており、身長は2m近くはありそうな巨人だった。

 

「裕輔、あれは……」

 

「ああ、文字通り召喚獣みてぇだな。丁度いい、俺の力を知らしめるチャンスだ。こいつは俺一人で片付ける。美遊、手を出すなよ」

 

「……」

 

弐藤に言われると、美遊はルヴィアのところまで下がって行く。

 

それと入れ替わりに弐藤が茶色い身体の巨人のほうに近付いていく。

 

「奴はタイタン、文字通り大地を操る召喚獣だ。力は中の下くらいだが、こいつがお前の初戦の相手になるとはな」

 

「ま、どうにかなるだろ。聞けばあいつだって一人で召喚獣を倒したっていうじゃねぇか。だったら俺にできないわけがねぇ。それに、俺に力を与えるためにお前がいるんだろ?」

 

「気楽な奴だ」

 

「どうせならポジティブな奴だと言って欲しいね。んなことより奴を倒す、だろ?」

 

「……そうだな」

 

レグルスが頷くと、ライオンの姿から刀身が白銀、鍔部分が装填口のある金色のライオンの頭部、柄部分が青になっている剣に変化して弐藤の右手に握られた。

 

対してタイタンは弐藤を見ながら唸り声を上げている。

 

「てん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っしん!」

 

裕輔の掛け声と共に青い光に包まれ、それが消えると頭部に青いライオンの装飾が着けられ、左の肩パッドはライオンの頭部を象った形になっており、全身にはライオンを黒い軽装にライオンを象った青いロングコートが組み合わさった姿に変身した。

 

「さあ、仕事の時間だ!」

 

そう言って両手の平を合わせると、タイタンのほうに向かって駆け抜けていく。

 

タイタンはそれを迎え撃つように拳を構えて弐藤のほうにその拳を振り下ろす。

 

しかし弐藤は自身を水に変えて溶けるように消えることによって避けた。

 

「き、消えた!?」

 

「あれは水魔法……あいつ、水を自在に操れるの!?」

 

【ああ、俺が炎に対してレグルスは水属性を操る聖獣だからな。あれくらいのことやらせることくらい可能だ】

 

たしかに今弐藤はその自身を水に変換して溶かすことによってタイタンの攻撃を避けてる……だが。

 

「オォオオオオオオオオオオォッ!」

 

「おぉう!?」

 

調子に乗りすぎたせいか、タイタンに移動先を読まれてしまい、弐藤はタイタンからのフェイントの入ったパンチをもろ喰らってしまう。

 

パンチによって吹き飛ばされた弐藤を地面を転がって倒れる。

 

「お~いってぇ~。物理防御なきゃ死んでたぞマジで!」

 

【遊びすぎだ!お前にとって初戦闘だぞ!真面目に戦え!】

 

「まあまあ、そう固いこと言うなよ。今のはちょっと水属性の力を試したかっただけさ。こっからが本番だ」

 

普通なら病院送りだけじゃ済まないであろう一撃を喰らったが、レグルスが言った通り間一髪で展開された物理防御によってほぼ無傷だ。

 

「んじゃ、そろそろ反撃開始と行くか!おぉおおおおおおおぉ……!」

 

弐藤が剣を持っていない左手に水を溜め、そこから構成された水流を発生させてタイタンに発射する。

 

その水流がタイタンに当たり、それは徐々にタイタンの身を包んで閉じ込める。

 

タイタンはそれを内側から破ろうとするが、それはかなり頑丈なようで破ることができないでいる。

 

「よっしゃ!これでトドメだ!いくぜぇええええええええぇ!」

 

剣の刀身に水を纏わせて、その纏わせた水を刀身以上の長さのある刃に変化させる。

 

「おぉおおおおおおぉおおぉおりゃああああああぁあああ!!!」

 

刀身に水の刃を纏わせたままの状態で水状の球体に閉じ込められているタイタンに向かっていく。

 

その水の刃が横切ると同時にタイタンの自らが作り出した水状の球体ごと上半身と下半身を分離させるように切断した。

 

タイタンは上半身と下半身を両断されると苦しそうに唸り声を上げばがら崩れるように消滅した。

 

タイタンが消滅すると、消滅したところからシヴァの時と同じようにサモンカードが現れ、弐藤がそれを拾い上げる。

 

「タイタン、回収完了。俺絶好調!」

 

弐藤がタイタンのサモンカードを回収するとそれを腰部分に付いているカードケースの中に収納して俺達のところに戻って来る。

 

「どうだ?これが俺の実力だ」

 

「いや、俺の実力って言われてもさっき―――」

 

「分かってる!みなまで言うな。お前の言いたいことはよ~く分かる。そのクールななりして、さっきの俺の戦いを見て内心焦ってんだろ?この俺の登場によって自分の立場が危うくなるってな」

 

「いや、俺は―――」

 

「けどな!今回召喚獣を倒したのは俺だ!俺が回収して当然だ。悪く思わないでくれよ」

 

こいつ……人の話全然聞かないな……。

 

「貴方、勝手な行動をするんじゃありませんわ!一人で突っ走ったりして!」

 

「まあまあ、そう怒んなよお嬢様。こうやってカードが回収できたんだから結果オーライだろ。細かいことは気にするもんじゃねぇ」

 

「……サファイア、そろそろ」

 

「はい、美遊様」

 

美遊に声をかけられ、サファイアと呼ばれたステッキは美遊が地面に膝立ちすると同時に自分を中心に魔法陣を展開させる。

 

境面界から脱出するのだろう。

 

タイタンを倒したことによって周りが歪んできてるみたいだし。

 

「半径6mで反射路形成。通常界へ戻ります」

 

サファイアの掛け声共に魔法陣が巨大化し、崩れゆく鏡面界から元の俺達の住む世界にジャンプした。

 

「オーッホッホッホッホッホッホッホ!どうやらこの勝負、私の勝ちのようですわね遠坂凛!この調子でクラスカード、ついでにサモンカードも私が回収して差し上げますわ!オーッホッホッホッホッホ!」

 

「……」

 

「というわけだ、また会おうぜ。ライバルさん」

 

ルヴィアさんが高笑い、美遊が一瞬俺達を見て、弐藤が俺にそう言って高等部の校庭から歩き去って行った。

 

だからこれは勝負とかじゃないんだって……何なんだあいつ等は……。

 

「ったく、ルヴィアもあのガキンチョもカード回収を何だと思ってるのよ……。まあ何にしても今日はお疲れ様、助かったわ。悠生のほうはサモンカードを回収できなかったみたいで残念だったけど」

 

「いや、残念だなんて少しも思ってませんよ。むしろカードの一枚を誰かが代わりに回収してくれて楽できたって思ってますよ」

 

「そうなの。あっちはあんたのことをライバルだって言ってたみたいだけど?」

 

「いきなり現れて【俺はお前のライバルだ】って言われても【はい、そうですか】なんて言えないですよ」

 

「ごめんね悠生君。私、今日全然役に立たなくて……」

 

申し訳なさそうな顔をしてイリヤが俺に謝る。

 

「気にするな、お前は今日初めて戦ったんだ。戦えないのも無理はない。お前のことはこれからも俺が

フォローするから」

 

「あ、ありがとう……」

 

イリヤが顔を赤くさせながら礼を言う。

 

俺はイリヤのその表情に顔を照れてしまいそうになるが、こんな時に照れてる顔を見られたくないので何とかそれは堪えた。

 

しかしその様子を見ていた凛さんは何やらにやにやしていたので【何ですか?】と聞くと、凛さんは【べっつに~】と言ってはぐらかした。

 

俺何かおかしなこと言ったか?

 

「でもあの子達、私と悠生君と同い年くらいだったけど、どうしてルヴィアさんと一緒にいるんだろう……?」

 

「ああ……それは明日になれば分かるんじゃないか?」

 

「え?どうして?」

 

「これってアニメや漫画でもあることなんだが、こういう時があった次の日って……」

 

次の日……学校。

 

「え~それでは今日からこのクラスの仲間になる転校生達を紹介します。右から順に……」

 

「美遊・エーデルフェルトです」

 

「弐藤裕輔!よろしくな!」

 

そ、ああいうのがあった次の日って大概転校生として転入してきたりするんだよな。

 

美遊と弐藤は藤村先生ことタイガーに指定されて美遊はイリヤの後ろの席、つまり一番左下隅っこの席。

 

そして弐藤の席はその美遊の右隣の席、つまり俺の席の後ろの席だ。

 

二人がそれぞれ席に着くと、いつものようにHRが始められ、それが終わるとクラスメート達が一斉に美遊と弐藤のほうに近付き、お決まりの色々聞いてくる質問地獄を始めた。

 

俺とイリヤはその様子をしばらく黒板の近くで見ていたが、俺がイリヤに【ちょっと話がある】と言って屋上のほうに移動した。

 

教室を出る時、左下隅っこの席から視線を感じたが、俺は気にせず、イリヤは気付いてすらいなかった。

 

 

―――――

 

 

「悠生君、何?話って?」

 

「そろそろクラスカードやサモンカードのことについて詳しく知っておいたほうがいいと思ってな。だろ?レグルス、サファイア」

 

「あらサファイアちゃん、来ていたんですね」

 

「はい、お二人の話し声が聞こえていたので」

 

「俺も同じだ。そういえば、あの時は慌しくて自己紹介をしていなかったな。俺はレグルス、ドラグロスと同じ聖獣具だ」

 

「サファイアです、よろしくお願いします」

 

サファイアのルビーとはあまりにも対照的な自己紹介にイリヤは思わず【こ、こちらこそよろしくお願いします!】と言って深々と頭を下げた。

 

そうだよな、ルビーと違ってかなり礼儀正しいもんな。

 

「さ、教えてもらおうか。凛さんとルヴィアさんが集めているクラスカードと俺と弐藤がブルーナイトに回収するよう言われたサモンカードの詳細を」

 

「そうですね、貴方達には色々説明しないといけませんね。ではまず、クラスカードから説明致します」

 

サファイアとルビーの説明からするとクラスカードとは……。

 

英霊、つまり俺とイリヤが見たライダー、凛さんが持っているアーチャーの力が宿されたカードで、自分達はそのカードを介することによって実際にその英霊が使用していた武具を使用することができるものであるということ。

 

おまけに鏡面界にいる理性をなくした英霊を倒さないとカードは手に入らないということだ。

 

そしてドラグロスとレグルスの説明からするとサモンカードとは……。

 

クラスカードと同等の力を持ち、自分達はそのサモンカードを介することによって召喚獣の持つ力を、つまりシヴァから氷属性、裕輔が回収したタイタンなら地属性を自在に操ることができ、その召喚獣に類した武具に変形させることができるカードらしい。

 

手に入れる条件はクラスカードと同じで鏡面界に存在する召喚獣を倒すこと。

 

そしてクラスカードはサモンカード同様、全部で七枚この冬木市に眠っているということ。

 

つまり現時点ではサモンカードが二枚、クラスカードは三枚回収されているから、残り九枚のカードが冬木市に眠っているということだ。

 

ちなみにルビーとサファイアは姉妹(ルビーが姉、サファイアが妹らしい)であり、ドラグロスもレグルスも同じ人に作られたことから一応兄弟関係にあるらしい。

 

一応兄はドラグロスらしいが、レグルスはあまり兄とは思っていないらしい。

 

まあ、以上は二対の魔術礼装と二本の聖獣具から明かされたクラスカードとサモンカードについての詳細だ。

 

ただサモンカードの所在はクラスカードと違って所在は感知されないらしく、所在はブルーナイトしか知らないという。

 

「サファイア、レグルス、あまり外に出ないで」

 

聞き覚えのある声が屋上の出入り口のドアが開閉されると共に聞こえてきた。

 

その声の主は美遊で、抜け出してきたサファイアと迎えに来たようだ。

 

「申し訳ありません美遊様。姉さんの新たなマスターと同じ境遇を持つ悠生さんに挨拶を思いまして。ところで裕輔さんは」

 

「裕輔はまだ質問攻めにあってる。だから私だけ抜けてきた」

 

そう言うと、美遊は視線を俺とイリヤのほうに向けてくる。

 

やはりどこか寂しい雰囲気を纏っている子だ……イリヤとは正反対だ。

 

「あの―――」

 

「戻るよサファイア、レグルス」

 

「はい美遊様。ではイリヤさん、悠生様、私達はこの辺で」

 

「すまない、ではな」

 

俺達にそう言って謝るとサファイアとレグルスは美遊のところに飛んで行って屋上を出て行った。

 

「何かこう~あれです。とっつきにくい人ですね」

 

「……うん」

 

「……そうだな、じゃあ俺達もそろそろ戻ろうか。次の授業がもうすぐ始まるし」

 

「そだね」

 

イリヤが頷いた後間髪を入れずにチャイムが鳴ったので俺達は足早で教室に戻って行った。

 

それからは美遊の完璧超人っぷりが伝わるような時間が流れた。

 

一つ目は算数の時間で面積比を解く問題を解くようにタイガーが美遊に言って解かせたのだが……その答えが。

 

「図より、外周半径と線分OBの比はcos(π/n)となり、面積比はcos²(π/n)、よってこの場合の面積比は4倍となります」

 

などという明らかに小学生がやるような解き方じゃない解き方で解いたり……。

 

「み、美遊ちゃん……これは一体何を書いているのかな?」

 

「自由に書けとのことでしたので形態を解体して単一焦点による遠近法を放棄しました」

 

と言って、ピカソもビックリなものすごい絵を描いてみせたり……。

 

ちなみに俺が描いた絵は……。

 

「お~!すごいよ悠生君!悠生君って絵上手いね!私そっく

りだよ!」

 

そう、俺が描いたのはイリヤの似顔絵。

 

本人に褒められるとは思わなかったが、嬉しい反面照れ臭くもある。

 

何というか……思い浮かんだ絵の題材がイリヤしか浮かばなかったのだ。

 

ちなみに弐藤はライオンの絵を描いていたが、その絵があまりにもグロテスクだったため、タイガーからは却下された。

 

あと美遊の完璧超人っぷりが現れたのは家庭科の授業だが、美遊、そして意外にも裕輔がお題のハンバーグだけじゃなく、和食、フランス料理、中華料理、フランスなどという小学生らしからぬ豪華料理をぽんぽんと作ってみせた。

 

ちなみに俺は料理は親がたまに留守をするので、自分でも料理ができるように母さんから料理を教わっていたのでそれなりにはできる。

 

けどハンバーグは初めて作ったからあんまり上手くはできなかったけど……。

 

で、最後は六時限目の体育。

 

今日は短距離走でタイムを取る日だったが、神様のイタズラか、それとも偶然か、イリヤが美遊、俺が弐藤との対決になり、イリヤVS.美遊は美遊の圧勝、俺VS.裕輔は僅差で裕輔の勝ちということ結果になった。

 

俺もイリヤも体力はスピードにはかなりの自信があったのだが、上には上がいることをその時初めて痛感した。

 

しかも短距離走を走りきった後の弐藤の台詞が……。

 

「今回は俺の勝ちだな。リベンジはいつでも受けて立ってやるからいつでもかかって来な。ライバルさんよ」

 

これで昨日までどうでもよかったものが悔しい感情に切り替わった。

 

チクショウ……次は絶対負かしてやるからな。

 

まあ、そんなこんなでこれが二人の特殊な転入生と過ごした一日の学校生活であった……。

 

 

 

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