Fate/wizard liner プリズマ☆イリヤ   作:天野蒼夜

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美遊と裕輔が編入した深夜、一行はクラスカードの回収へ。次はどの
ような英霊なのか……?

OP:
「Life is SHOW TIME」唄:鬼龍院翔fromゴールデンボンバー

ED:
「Prisum Sympathy」唄:Stylips



第5話「風の魔神」

美遊と弐藤が転入してきた日の放課後。

 

俺は一人自宅に向けて歩いている。

 

「それにしても美遊の完璧超人っぷりはすごかったな……。一体どういう教育を受けたらあんな算数の解き方ができるんだ……?」

 

「頭脳明晰スポーツ万能料理も完璧、たしかに完璧超人という四字熟語をそのまま擬人化したような奴だったな」

 

「弐藤は勉強はからっきしとはいえ、料理できるし、おまけにスポーツ万能だし。一体何者なんだあいつ等……?」

 

「ま、これから一緒に戦っていくんだ。それは少しずつでも分かっていけばいいんじゃねぇのか?」

 

ドラグロスの言う通りだな。

 

美遊はイリヤと同じ魔法少女、そして弐藤は俺と同じウィザードライナーだもんな。

 

ならドラグロスが言う通りこれから一緒に戦う内にどういう奴なのか理解できるかな。

 

「貴女は、何でカード回収をしているの?」

 

「ん?」

 

近くの公園から美遊の声が聞こえてくる。

 

気になってその公園の近くに行ってそっと中を覗いているとイリヤが美遊と向かい合っていた。

 

あいつ等……一体何の話をしてるんだ?

 

「それは……成り行き上というか、しかたなくというか、騙されたというか……」

 

「そう、じゃあどうして貴女は戦うの?」

 

どうやら話の内容からして魔法少女、及びカード回収のことについて話しているみたいだ。

 

しかし美遊の問う時の表情がかなり真剣なものだ。

 

だがしかし、俺も彼女の問いのそれは知りたいと思っていたのであえて出てこずに近くの陰に隠れて二人を見守った。

 

「貴女は巻き込まれただけなんでしょ?貴女には戦う理由も、その義務もないんでしょ?なのにどうして戦うの?」

 

「……実を言うとね、昔からこういうのにちょっとだけ憧れてたんだ。ほら、魔法を使って光線出したり、敵と戦ったりするのってアニメやゲームみたいじゃない?そういうのにちょっとワクワクするというか、せっかくだからこのカード回収のゲームも楽しんじゃおうかな~と思って」

 

美遊はそれを黙って聞いていたが、遠目から見てる俺でも彼女はイリヤのコメントに対して憤りを覚えていることが分かる。

 

彼女がカード回収に真剣なのに対し、イリヤはそれをアニメやゲームと勘違いして軽く見ている、とでも思ってのことだろう。

 

「もういいよ、貴女にとってあれはゲームと同じ遊びなのね。私はそんな人を仲間なんて思いたくない」

 

淡々とした口調で言うと、美遊は踵を返す。

 

「あ、あの……美遊さん?」

 

「貴女は戦わなくていい。悠生のほうはまだ戦う覚悟がありそうだったけど、貴女にはそれがない。だから、せめて私の邪魔はしないで」

 

そう言い残すと、美遊は公園から歩き去って行った。

 

俺は美遊に見つからないように陰にしっかり隠れてやり過ごし、彼女がいなくなったことを確認すると、一人しょげているイリヤのところに近付いた。

 

「悠生君……」

 

「悪いと思ったが、さっきの会話は聞かせてもらった。けど、美遊の言ってることは俺にも何となく分かる」

 

「どういうこと……?」

 

「イリヤ、お前はあれをアニメやゲームと言っていたが、俺は違うと思う。クラスカード回収も、サモンカード回収も、きっと命のやり取りだ。それをアニメやゲームという遊びにたとえられたから美遊はあんなことを言ったんだと思う。だからこそ」

 

右手を伸ばしてイリヤの頭に手を置く。

 

「俺達はあれに真剣に立ち向かっていかなきゃいけないんだ。だから常に気だけは張っておけ。お前のことは俺が守るから」

 

「……うん、ありがとう。悠生君って優しいね」

 

「そんなことない。俺はその……友達として当たり前のことを言っているだけだ。軽はずみに戦いに挑んで、イリヤが傷付いて欲しくないから……」

 

これはまぎれもない本心だ。

 

少々厳しいことを言っているかもしれないが、これもイリヤにあの戦いについて考えを改めてもらうためだ。

 

「偉そうなこと言って悪かったな。けど、友達としてこれだけは言いたかったから……」

 

「……そっか、ありがとね悠生君。私、ちょっと考えが変わったかも」

 

「それはよかった。じゃあ、帰るか」

 

「うん」

 

そうして、俺達は分かれ道に着くまで夕日に染まる空の下を歩いて行った。

 

ちょっと……カッコつけすぎたかな?

 

 

―――――

 

 

イリヤスフィールに公園であんなことを言った後、私は一人屋敷に向かって帰路を歩いていた。

 

そこの所在地はイリヤスフィールの自宅の向かい側で、昨日まではなかったのだが、今日工事が始まった途端あっという間にできたのだ。

 

「公園のあれ、少しキツすぎやしねぇか?」

 

曲がり角のほうから聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 

裕輔だ。

 

「あの会話、聞いてたの?」

 

「途中からだけどな。たしかにあいつはあの戦いを軽く考えてる。ま、所詮はただの小学生だからな」

 

「そう……イリヤスフィールはカード回収をゲームと勘違いしてる。この任務の重要性も知らないで……」

 

「だから一人でやるなんてこと言ったのか?」

 

「……うん」

 

だってあの時はそう言うくらいイライラしていたから……。

 

「ま、お前が一人で戦えるならそれでもいい。けどな、お前の近くには俺がいることを忘れてもらっちゃ困る。仮にも同じ家に住んでるんだからな」

 

「分かってる。でも私は戦いを軽く考えてる彼女を簡単に許すことはできない」

 

「ま、お前が許さないっていうのも分からなくはないけどな。でもあいつはあいつで中々面白いと思うぜ?」

 

「何を言ってるの……?」

 

「今のお前には多分分からないだろうからそれはあえて俺からは言わねぇ。でもまあ、あれだ。お前のことは俺ができる限りサポートしてやる。だから何でも一人でやろうだなんて思うな」

 

「さっきと言ってることが違う……」

 

「そうだったか?まあ、細かいことは気にすんな!」

 

「適当すぎる……」

 

「いいんだよ、これが俺の本心なんだから。んなことより早く帰るぞ。今夜もカード回収に行くんだからな」

 

「……うん」

 

そうして、私達は同じ帰路を辿って行った。

 

心の中で裕輔に【ありがとう】と言いながら……。

 

そして深夜……戦いの時がやってくる。

 

 

―――――

 

 

現在時刻は午後11:58。

 

俺達は凛さんとルヴィアさんに呼び出されて冬木市にある橋のふもとにある公園にやって来ていた。

 

「ブルーナイト、ここに本当にサモンカードがあるの?」

 

「ああ、間違いない。このエリアにはサモンカードがあるぜ」

 

「だったらさっさとやろうぜ。どんな奴が出てこようが俺がぶっ潰してやるぜ!」

 

「じゃあそろそろ鏡面界に移動しますよ。サファイアちゃん」

 

「はい、姉さん」

 

ルビーが声をかけるとサファイアが返事をして二対で魔法陣を形成する。

 

「限定次元、反射炉形成、一部反転!」

 

ルビーとサファイアの掛け声と共に魔法陣が巨大化し、俺達は自分達の住む世界から鏡面界に移動した。

 

そうしてジャンプした先には全身に風を纏った魔神が待ち構えていた。

 

「な、何なのあれ!?」

 

「あいつが今回のターゲットか……もう一体はどこだ?」

 

【奴は風の魔神パンデモニウム。文字通り風属性を操る召喚獣だ】

 

「分かってるって!それじゃあ、仕事の時間だ!」

 

そう言うと裕輔はレグルスの真の姿である剣、蒼獣剣レグルスセイバーを右手に持ちながらパンデモニウムに向かっていく。

 

一定の距離まで近付き、刀身に水を纏わせて刃を形成させてパンデモニウムに向けて発射するが、パンデモニウムは消えるかのように瞬間移動してその攻撃を回避した。

 

「消えた!?」

 

「いや、あれは消えたんじゃない。あまりの速さに見えなかっただけだ。奴のスピードは召喚獣一だからな」

 

「こら~!もっと狙いを定めなさい!」

 

「そうですわよ裕輔!それでもエーデルフェルト家の者ですか!」

 

遠いところから言ってないであんた等も戦えよ……。

 

「サモンカードシヴァ、インクルード!」

 

カードケースからシヴァのサモンカードを取り出してドラグブレイドの装填口に入れてブレイズスタイルからブリザドスタイルに変身する。

 

ブリザドスタイルに変身すると俺はシヴァの力によって変形したドラグブレイド(片手銃)に魔力を溜めて氷属性のこもった銃弾を連続で発射する。

 

しかしパンデモニウムはその目にも止まらぬ速さで俺が放つ銃弾をひょいひょいと動いて避けている。

 

「見ているだけじゃダメだ……私も戦わないと!」

 

しばらく俺と裕輔の戦いを見ていたイリヤがルビーを両手に持ちながら先端に魔力の塊を形成してエネルギー砲を発射する。

 

だがパンデモニウムは身体に付いている器官に空気を溜めて緑色の砲撃を放ってイリヤの魔力の塊を相殺させた。

 

「広範囲の散弾……シュート!」

 

イリヤの攻撃が相殺されると、美遊がサファイアの先端に魔力を溜めて広範囲に小さな魔力の塊を発射する。

 

パンデモニウムはその攻撃に対して全身に風のべールを纏い、自身の身を守り、一瞬にして美遊の背後まで移動して両手に持った二本の小太刀の刀身に風を纏わせて振り下ろそうとする。

 

「危ねぇ!」

 

美遊が攻撃されそうになると、裕輔がレグルスセイバーを持っていない左手に魔力を溜め、底から激しい水流を放って吹き飛ばして美遊のところに駆け寄る。

 

「おい美遊、大丈夫か?」

 

「う、うん……裕輔に助けてもらったから……平気、もう大丈夫」

 

「そうか、それはよかったぜ」

 

「まだあいつ死んでない!来るわよ!」

 

凛さんがそう言った途端、吹き飛ばされて壁に叩きつけられていたパンデモニウムが両手に魔力を溜めて激しい台風を発生させて裕輔と美遊向けて発射する。

 

それを危険と感じた裕輔は美遊を両腕で抱え、空中に浮かんでその攻撃を回避する。

 

だがその代わり台風は海辺のほうに飛んで行きながら周囲に甚大な被害をもたらした。

 

「ふぃ~危機一髪。それにしても何て威力だよ……あんなのまともに喰らってたらひとたまりもなかったぜ」

 

「その……裕輔、もう大丈夫だからそろそろ下ろして……」

 

「ああ、悪ぃな」

 

ずっと抱えたままだったのか、美遊が顔を赤くさせながら言うと、裕輔は美遊を自分の両腕から下ろした。

 

裕輔が美遊を下ろすと、俺とイリヤは二人のところに近付いた。

 

「どうする?あの素早さにあの風……とても高レベルだぞ」

 

「あんなの喰らったら絶対ただじゃすまないよ……」

 

「せめて一瞬でも動きを止めることができればいいんですが……サファイアちゃん、何かいい考えはありませんか?」

 

「残念ながら……私にはまだ打開策が思いついていません……」

 

動きを止めるか……そうして絶対的な一撃を喰らわせることができれば……。

 

「(……いや、できるかもしれない)」

 

俺は昨日の裕輔の戦いでタイタンの動きを止めているのを見ている。

 

あれを利用することができれば……。

 

「皆、俺に考えがある。これならもしかしたらあいつを倒すことができるかもしれない」

 

「何をする気……?」

 

「この作戦にはイリヤと美遊の協力が必要不可欠だ。魔法少女の二人のな」

 

「私と美遊さんの……?」

 

「ああ、お前達二人には少しの間あいつの相手をして時間稼ぎをしてもらいたい。これは勝つために重要なことだ。できるな?」

 

「でも……私と美遊さんは……」

 

「……」

 

夕方のことがあってか、イリヤはまだ美遊のことはとっつきにくいと思っているようだ。

 

しかし、それに対して美遊は……。

 

「私はまだ完全に貴女を認めたわけじゃない。でも、それが勝利に繋がるのなら、乗ってもいい」

 

何やかんやで美遊も勝ちたいのは一緒のようで、この作戦に乗ってくれた。

 

イリヤも同じなのか、【分かった】と言って頷いた。

 

「でも、私達はそうしている間、貴方達はどうするの?」

 

「俺達は二人が時間を稼いでいる間、あいつを倒す準備をする。ちょっと時間がかかるんでな」

 

「……勝率は?」

 

「……フィフティーフィフティーと言ったところかな」

 

「……効率がいいとはいえない」

 

「それでも半分の勝率があるならやってみる価値はあると思うぜ」

 

「……そう、分かった。じゃあ貴方の言われた通りにしてみる、イリヤスフィール、せめて私の邪魔はしないで」

 

「う、うん……」

 

イリヤが頷くと、ずっと俺達を見ていたパンデモニウムが一気に俺達の間合いを詰め、小太刀で一閃してきた。

 

俺達はその攻撃をそれぞれジャンプして避けた。

 

頼んだぞイリヤ、美遊。

 

 

―――――

 

 

悠生君の作戦で時間稼ぎを任された私と美遊さんは二人でパンデモニウムと戦闘を繰り広げている。

 

美遊さんは全然動けているのに対し、まだロクに力を使いこなせない私は攻撃を当てることもできていない。

 

つまり主にパンデモニウムと戦っているのは美遊さんで、私は遠くから援護をしている……つもりです。

 

「イリヤさん、もっと狙いを定めないと攻撃が当たりませんよ!」

 

「分かってる。でもあいつすばしっこくて……」

 

でもこのままじゃダメだ……せっかく悠生君が私に重要な仕事をくれたのに何もできないんじゃ……。

 

<貴女は戦わなくていい。カード回収は私一人でやる>

 

夕方公園で言われた美遊さんの言葉が脳内にフラッシュバックされる。

 

美遊さんが言った通り私は悠生君に言われるまでこのカード回収をゲームやアニメと同じように考えていた。

 

でも、悠生君に言われて私は少しは考えが変わった……と思う。

 

けど、私だって何かの役に立ちたい……これは本当だ。

 

「くっ……素早くて攻撃が当たらない……やっぱりただ攻撃するのは無理か……。あの二人、まだ時間がかかるのかな……?」

 

美遊さんが遠目にいる悠生と裕輔のほうに視線を向ける。

 

二人は両目を閉じて何かを言っているようだけど、何をしてるのかな?

 

「美遊様、大丈夫ですか?大分疲労してるように思えますが……」

 

「はあ、はあ……だい、じょうぶ……。まだ、これぐらいのこと……」

 

美遊さんはそう言うが、美遊さんは誰が見ても完全に息切れしている。

 

私が役立たずのせいで美遊さん一人に負担をかけてしまったのが原因だ。

 

美遊さんと違って役立たずな自分が本当に許せなくなる。

 

そう思った私は美遊さんの前まで走ってパンデモニウムの前に立ちはだかる。

 

「イリヤスフィール……貴女何を……」

 

「美遊さんが一生懸命戦ってるのに私だけ何もできないのは嫌!私だって魔法少女なんだから私も戦う!」

 

私が言い終わると、パンデモニウムが二刀の小太刀の刀身に風を纏わせて私に斬撃を加えようとする。

 

私はその攻撃を目の前に魔法陣の形をした防壁を張って防ぎ、地面に片膝をついている美遊さんを守る体勢になった。

 

「結構強力な斬撃です……!これ長くは持ちませんよ、イリヤさん!」

 

「でも!それでも私がここで頑張らないと美遊さんが喰らっちゃう!」

 

私が防いでいる内に形成している防壁が徐々にヒビが入ってきている。

 

でも私は逃げることなんてできなかった。

 

もし逃げたら私は助かっても美遊さんが傷付いてしまうから……。

 

防壁をヒビ割らせながらもパンデモニウムの攻撃に耐える。

 

その攻防がしばらく続くと、横から激しい水流が発射されてパンデモニウムを吹き飛ばした、これって……。

 

「どうだ?フルパワーまでチャージした水流は?すげぇだろ?」

 

やはりあれを放ったのは弐藤君で、その水流でパンデモニウムを包み込んで中に閉じ込めている。

 

パンデモニウムはそこから抜け出すために二刀の小太刀で内側から斬り裂こうとする。

 

そうすることによって水状の球が徐々にではあるが崩壊しかけている。

 

「何て奴だ……最大までチャージした水流にヒビを入れてやがる……」

 

「問題ない。これを出すからな!」

 

悠生君が左手に溜めていた魔力を冷気に変換させてそれを水状の球にして固くする。

 

球が固体になると悠生君は形態をブリザドスタイルからブレイズスタイルに戻し、弐藤君はタイタンのサモンカードをカードケースから取り出して装填し、右の肩パッドが茶色い魔神の頭部を象った茶色に金の彩色がされたマントが装着した。

 

そのマントが纏われるのと同時にレグルスセイバーが斧に変化する。

 

「よっしゃあ!これでトドメだ!」

 

「さあ、フィナーレだ!」

 

悠生君がドラグブレイドの刀身に炎を集約して炎の刃を形成し、弐藤君が斧の刀身に魔力で形成した岩を纏わせて巨大な岩の刃を作りだす。

 

それぞれがそういうのを作り出すと、二人はパンデモニウムが閉じ込められている氷の球体に向かって走り出す。

 

『はあぁああああああ……!はああああぁあぁあっ!』

 

二人の叫びと共に炎の刃と岩の刃が交差し、氷の球体を強烈な一撃を炸裂させる。

 

氷の球体に二つの属性が合わさった一撃が加えられると、中に閉じ込められていたパンデモニウムが現れ、苦しそうに唸り声を上げながら消滅した。

 

消滅したことによってパンデモニウムからサモンカードが出現し、それを悠生君が回収する。

 

「あっ!てめぇいつの間に!?」

 

「今回の作戦を考えたのは俺だ。俺が回収して当然だ」

 

悠生君にそう言われると、弐藤君は【ぐぬぬ】と唸りながら何も言えないでいる。

 

自分で昨日言ったことなのだからそれで言い返せないのだろう。

 

「イリヤスフィール」

 

「何?」

 

「えっと……その……」

 

美遊さんが何か言いたそうに顔を赤くさせながらもじもじしている。

 

そして私に聞こえる程度の小さな声で……。

 

「……ありがとう」

 

と言った。

 

私は顔を赤くさせ、そっぽを向きながらお礼を言う美遊さんを少しだけだが可愛いと思った。

 

こうして、三枚目のサモンカードは回収され、私達は崩れ行く鏡面界から元の世界へ転移した。

 

でもこのままじゃダメだよね……さすがに。

 

 

 

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