Fate/wizard liner プリズマ☆イリヤ 作:天野蒼夜
新たな敵が現れてしまう。
OP:
「Life is SHOW TIME」唄:鬼龍院翔fromゴールデンボンバー
ED:
「Prisum Sympaty」唄:Stylips
特訓(主に美遊さんが)を経て、私は再び深夜に橋のふもとの公園にやって来た。
無論ここに来た目的はキャスターとの再戦、そしてそのクラスカードの回収だ。
だが、そこに悠生君と弐藤君はいない。
本来なら一緒に戦うはずだったのだが、今日ブルーナイトが……。
<今日、駅前で二枚のサモンカードの反応をキャッチした。すまないがクラスカード回収はそちらで当たってくれ>
と言って、悠生君と弐藤君をそちらの任務に向かわせたのだ。
つまり今回カード回収は私と美遊さんでやらなくてならないのだ。
凛さんとルヴィアさんは戦ってくれるのかな……?
「悠生と裕輔が抜けて予定が狂ったけど、作戦内容に変更はないわ。小回りのきくイリヤはかく乱担当、美遊は本命の攻撃担当よ」
「二度の敗北はありません。もう負けることは許さなくってよ!」
そういえば美遊さんは飛べるようになったのかな……?
あれ見せた時は全然納得できないような感じだったけど……。
「じゃあ行くわよ、リベンジに!」
凛さんのそれを掛け声に私達は通常界から鏡面界へ。
鏡面界に着くと、そこには既に上空に無数の魔法陣を浮かばせ、浮遊しているキャスターの姿があった。
「相手はもうやる気満々みたいね。イリヤ、美遊、もう負けは許されない。全力で勝ちに行きなさい!」
「了解!」
そう言って私達はキャスターのほうへ飛んでいく。
しかし美遊さんの場合は飛んでいるではなく跳んでいるだ。
何故なら美遊さんは浮遊に空を飛んでる私達と違って足元に足場を作って空中に浮かんでいるからだ。
あんなやり方もあるんだ……。
「(やろう……私だっていつまでも弱いままじゃないんだから!)」
美遊さんの後を追うように私は空中に浮遊してキャスターに近付いていく。
そして……魔女との熾烈な空中戦が幕を開けた。
ーーーーー
イリヤと美遊がクラスカードの回収に向かった頃、俺達は駅前の鏡面界に来ていた。
「ここに二枚のサモンカードがあるのか?」
「ああ、間違いない。ここに二つの強大な魔力を感じたからな」
「けど本当にあいつ等だけに任せて大丈夫なのか?本来は俺達で戦うはずだったのによ」
「問題ない、あれくらいの敵なら今の二人だけでも十分対応できる。基本性能は悪くないほうだからな。それよりほら、来たぞ」
ブルーナイトが正面のほうに視線を向けると、その先に金色の稲妻と白い光が出現する。
金色の稲妻の中からは立派な角を生やした馬の姿をした金色の獣、白い光から白い騎士鎧を身に纏った騎士がだった。
「馬の姿をしているのは雷を自在に操る幻獣イクシオン、白い騎士みたいな奴が光を自在に操る聖騎士アレクサンダーだ。力のほうはどちらも中の中くらいだ」
中の中くらいということはそこそこは強いってことだな、面白い。
「どうするよ?あっちは二体、こっちは二人と来ちゃあ……」
「俺がイクシオンの相手をする。お前はアレクサンダーのほうを頼む」
「いいのか?お前はそっちのほうで」
「ああ、構わない」
「よっしゃ!任せろ!じゃあどっちが早く倒せるか勝負だな!」
「勝負なんてするつもりはない」
「お喋りは終わりだ。来るぞ!」
ブルーナイトの言葉を掛け声にイクシオンとアレクサンダーが俺達のほうに向かってきた。
イクシオンの電流、アレクサンダーの刀身が伸びる光剣から中距離攻撃を避けて俺はイクシオン、裕輔はアレクサンダーと対峙した。
「はぁああああああああっ!」
ドラグブレイドの刀身に紅蓮の炎を纏わせてイクシオンに攻撃を仕掛ける。
しかしイクシオンはその攻撃を角を振るって防御して弾いて俺を後方に飛ばすが、俺はそれを宙返りして地面に着地する。
地面に着地すると間髪を入れずに連続で左手に魔力を溜めて炎の波を発射するが、イクシオンはその炎の波を稲妻を纏わせた角で振り払った。
「シヴァ!インクルード!」
自分の放った炎の波が防がれると、俺はカードケースからシヴァのサモンカードを取り出してドラグロスの装填口に入れ、巨大化したサモンカードを通過してブレイズスタイルからブリザドスタイルに変身した。
ブリザドスタイルに変身すると片手銃に変化したドラグブレイドの銃口に魔力を溜めて氷属性が付属された銃弾を連続で発射する。
だがイクシオンはその軽い身のこなしで俺が放つ銃弾をジャンプして避けていく。
馬だけに身のこなしはいいようだな……。
俺が軽々と銃撃を避けているイクシオンに感心しているのも束の間、イクシオンは角から魔力を溜めて金色の雷で固めたエネルギーボールを連続で発射してきた。
それを見て俺は横にジャンプしてお返しに魔力をさっき以上に溜めた銃撃を一発発射してイクシオンにダメージを与える。
いわゆるカウンター攻撃って奴だ。
イクシオンは自分が攻撃を喰らって起こったのか、嘶きを上げて上空に無数の魔法陣を展開してそこから俺の周囲に金色の雷を轟かせる。
俺は無闇に避けても当たってしまうと判断し、周囲に魔力で形成した冷気を集め、それを固めて一つの防壁を作り出してその雷を受け止めた。
その防壁でどうにかその雷を受け止めることができたが、受けきった後にはその防壁は崩壊する寸前になっていた。
何て威力だよ……あともうちょっと硬度が低かったら確実に喰らってたな……。
【へっ……あいつ中々やるじゃねぇか……おまけでこっちまで燃えてきやがったぜ】
「それには同感だが……早いとこケリを着けないとヤバいかもな……アンインストール」
そう言うと、俺はブリザドスタイルからブレイズスタイルに戻る。
ブレイズスタイルに戻ると、俺は入れ替わりにパンデモニウムのサモンカードをカードケースから取り出す。
「早くもこいつの出番は来たらしい。風の魔神の力、見せてやるぜ。
パンデモニウム!インクルード!」
ドラグブレイドの装填口にパンデモニウムのサモンカードを装填して目の前に巨大化したパンデモニウムのサモンカードを通過してブレイズスタイルからウインドスタイルに変身した。
ウインドスタイルに変身すると剣から変化した二刀の小太刀を手に一本ずつ持ったままの状態でイクシオンに高速で向かっていく。
おまけに刀身に緑色の風を纏わせ、攻撃しては離れて、攻撃して離れてを繰り返してイクシオンにダメージを徐々に与えていく。
イクシオンは俺に攻撃を加えようと稲妻を放つが、俺はその稲妻の砲撃を軽い身のこなしで回避する。
「はぁあああああああああああああああああぁっ!」
イクシオンの稲妻の砲撃を全て避けると俺は刀身に緑色の風を纏わせた二刀をクロスさせるように正面から斬りつけて吹き飛ばす。
吹き飛ばされたイクシオンはそのまま地面を転がって倒れる。
よろめいていることからかなりのダメージを受けていることが分かる。
「フィナーレだ」
二刀の小太刀をピッタリ合わせてそれに魔力を凝縮していく。
その魔力はやがて巨大な竜巻となり、俺はそれをイクシオンにめがけて発射する。
よろめいてまともに動くことができなかったイクシオンはその竜巻をまともに喰らってしまい、消滅した。
イクシオンが消滅すると、そこからイクシオンが描かれたサモンカードが出てきて俺はそれを拾って回収した。
「サモンカードイクシオン、回収完了。あとは……」
アレクサンダーと戦闘している弐藤に視線を向ける。
俺はまだ戦いが終わっていない弐藤に俺は試しにこんなことを言ってみた。
「弐藤、まだ終わっていないようだな。ナンだったら加勢してやろうか?」
「あぁん!?ライバルの助けなんざいらねぇよ!てめぇ一人で倒せた奴がこの俺に倒せねぇわけがねぇ!うわっと!」
アレクサンダーの持つ光剣がムチのように伸びてきて弐藤がその攻撃をどうにかジャンプして受身を取って間一髪で避ける。
「クソッ!あいつ調子乗りやがって!こうなりゃ……タイタン!インクルード!」
カードケースからタイタンのサモンカードを取り出し、レグルスセイバーの装填口に入れた。
それが入れられるとアレクサンダーが光剣の刀身をしならせて横に振るってくるが、弐藤はそれを上空にジャンプして避けて飛んだ先に出現したタイタンのサモンカードを通過する。
するとベーシックからタイタンマントを右肩に装着して剣から変化した斧を両手に持ってアレクサンダーに重い斬撃を上から炸裂させる。
その斬撃を喰らったアレクサンダーは吹き飛ばされて地面に倒れる。
だが、アレクサンダーはよろよろと立ち上がると、全身を白く輝く光で包んでいく。
まさかあれは……マズい!
「弐藤!奴にトドメを刺せ!あいつ自分の体力を回復する気だ!」
「何!?んなことさせるか!!」
俺の注意を聞いた弐藤が斧の刀身に茶色い魔力を集めてそれを刀身に纏わせる。
「はぁああああああああああああぁあ……!ガオッ!」
刀身に魔力を纏わせた状態で刀身を地面に叩きつけ、そこから茶色い衝撃波を発射する。
その衝撃波がアレクサンダーめがけて飛んで行き、命中させてアレクサンダーを消滅させた。
アレクサンダーを消滅させると、そこからアレクサンダーが描かれたサモンカードが現れて弐藤がそれを拾って回収する。
「ふぃ~危ないところだったぜ。これで回収したサモンカードは……何枚だっけ?」
「俺が回収したサモンカードが三枚、お前は回収したサモンカードは二枚の合計五枚。残るカードは二枚だ」
「あ~そうそう!そうだった!はぁ~結構体力使っちまったら疲れちまったな~」
「ならお前が手に入れたアレクサンダーのサモンカードを使ってみろ」
「え?これをか?」
「そうだ」
言われるままに裕輔はタイタンマントからベーシックに戻し、入れ替わりにアレクサンダーのサモンカードをレグルスセイバーの装填口に入れて右肩に聖騎士の頭部を象った白に金の彩色がされたマントが装着された。
「そして右手に魔力を込めて周囲にまくように振る」
ブルーナイトの言われた通りに弐藤は右手に魔力を込めて周囲にまくように振る。
すると白く輝く光が現れて俺と弐藤を包むように纏われた。
纏われるとたちまちにさっきまで疲労していた身体はウソのようになくなった。
しかしそれは弐藤も同じようだ。
「これは……癒しの魔法?」
「アレクサンダーは光属性を司る召喚獣。光属性で攻撃するだけじゃなく、魔力で体力を回復したり毒といった状態異常も治す力がある。それより、いいのか?」
「いいって、何がだ?」
「イリヤ達のことだ。多分そろそろケリも着いてる頃だろうぜ。迎えに行かなくていいのかってことだ」
「そうだ!すっかり忘れてた!悠生!行くぞ!」
「あ!おい待て!」
慌てて飛んで行った弐藤の後を追うように俺もイリヤと美遊、凛さんとルヴィアさんのいる橋のふもとの公園に向かって行った。
でも何故だ……何か嫌な予感がする……。
ーーーーー
「……」
イリヤ達を迎えに行った悠生と裕輔をブルーナイトは黙って最後まで見送る。
そしてそれが見えなくなると、ブルーナイトはポケットから取り出して青いカラーリングのスマートフォンを取り出して誰かと通信を始めた。
「俺だ、例の少年達が魔法少女達のところへ向かった。場所はエリア03だ」
【いいのかい?僕が出てきても】
「ああ、ただし……決してやりすぎるんじゃないぞ?」
【くくっ、了解】
通信相手が笑いながら言うと、通信は切られた。
「今奴等に合流されると困る。ガキ共には悪いが、ちょっと足止めされ
てもらうぜ」
そう言うと、ブルーナイトは闇に包まれた街の中に溶けるように消えて行った。
ブルーナイトは何を企んでいるのか……?
ーーーーー
「ゲイ……ボルグ!!」
私が作り出した魔力の塊に乗って美遊さんがキャスターにトドメの一撃を炸裂させる。
トドメの一撃をまともに喰らったキャスターはホログラムが消えていくように崩れていきながら消滅し、クラスカードを出現させ、美遊さんがそれを回収する。
「クラスカードキャスター、回収完了」
私の魔力の塊に乗ったことによってスピードを倍加することができ、空間ごと消滅させようとしていたキャスターにトドメを刺すことができた。
かなり危ない作戦だったけど、美遊さんが上手くいけたようでよかった……。
「イリヤスフィール!美遊に魔力の塊をぶつけようとするなんて、どんだけ無茶なことをしますの貴女は!?」
もし何かあったらどうするのかとルヴィアさんが私をこめかみとこめかみをぐりぐりさせるように拳をドリルのように回してくる。
それを見た凛さんが【子供に手を上げるな!】と言って止め、ここはいいから美遊を迎えに行ってあげてと言われ、私は飛んで美遊さんのところに向かう。
「やったね美遊さん!これで残るクラスカードは三枚だね!」
「……イリヤスフィール」
美遊さんが視線を逸らしながら何かぶつぶつ言っている。
しかしあまりにも声が小さすぎて声を聞き取ることができない。
「ごめん美遊さん、聞き取れないからもう一回言ってくれる?」
「……だから、ありがとう。魔力の塊に乗ってスピードを上げるなんてこと、私は思いつかなかった」
何だ、そんなことか。
美遊さんって前から思ってたけど結構照れ屋さんだよね。
本人の前じゃ怖くて言えないけど。
「何にしてもこれで残るクラスカードは三枚。この調子で行けば―――」
サファイアの言葉を遮るように橋のふもとから爆発音と共に黒煙が舞い上がる。
あそこは凛さんとルヴィアさんがいるところじゃない!一体何があったの!?
その異常事態に気付いた私達は急いで橋にふもとに戻ってきた。
そこには燃え滾る炎の中にはボロボロになっている凛さんとルヴィアさんが倒れており、その近くには漆黒の鎧を身に纏い、両目を仮面で隠している騎士がたたずんでいた。
「うわぁ~これはかなりヤバげですね~」
「はい、起こりえない異常事態……それが今、現実になってしまいました……」
「……」
その漆黒の騎士がゆっくり私達のほうに振り返る。
何だかよく分からないけど、その騎士から今までの英霊とは比べ物にならないほどの禍々しいオーラを感じる気がした。
「(何なのよ、あいつ……!?)」
いきなりの新たな敵の登場に私は困惑せずにはいられなかった……。
こんな展開になるなんて、聞いてないよぉ~~~~~~~~~~!!!