やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。~政財界の比企谷家 作:狂笑
『少子化と経済』
今、この国は少子化が進んでいる。
政府も抜本的改革をしてでも食い止めようとする気概も見えない。
女性も、産む産まないは個人の自由として協力的な態度を見せない。
これは経済的に見ると大きな損失ではないだろうか。
子供を育てるには金がかかる。
これは周知の事実である。
だがこれは言い換えれば、子供を育てると金が動くということだ。
この国の景気を良くし、また経済成長を続けるためには少子化脱却が必要なのではないのだろうか。
子供を増やし、一億二千万の日本市場を拡大することこそが、我々の真の使命ではないのだろうか。
結論 国は女性が安心して出産できる環境を整備するべきだ。あと若いうちの結婚推奨。
校内放送で呼び出された俺は、今職員室にいる。
「なあ、比企谷。私が授業で出した課題は何だったかな」
額に青筋を立てながら、国語教師の平塚先生は聞いてくる。
「たしか、『新聞やニュースを見て考えた事』でしたっけ」
現国なのに社会みたいな課題だったんだよな。確か。
「ああ、そうだな。なのに何故――」
そう言うと、まるで親の仇を見るような目で告げた。
「結論の最後が結婚したくても結婚できない女性に対する嫌味なんだ!アレか、私に恨みでもあるのか!」
ズルッ
椅子から滑り落ちそうになった。
超個人事じゃねえか。
別に個人を標的にした訳ではないのだが……。
個人事で絶叫したことに気付いたのか、平塚先生は頬を赤くして咳払いをした。
「んんっ。今のは冗談だとして、別に内容はそこまで悪くはない。ただし、短すぎる。しかも適当に書いただろう。君の普段の作文を見ているとそれくらいはわかるようになる。だから書き直せ」
「……はい」
チキショー、適当に書いたのバレていたのかよ。まあ、家の仕事で車での移動中、3分で仕上げた即興作文だしな。まあ仕方ない。自分で撒いた種だし、書き直すか。
職員室を退出しようとした時、平塚先生は急に何か思い出したようにいってきた。
「なあ、比企谷。君は部活はやってなかったよな?」
「はい」
一年生の時、半年だけ歴史研究部に入っていたけどな。色々あって辞めてしまったが。
「友達は?」
「います」
「彼女は?」
「今はいません」
そもそも勝手に作っていいか知らないし。
でも比企谷家で政略結婚は聞いたことないけどね。
てかこのやり取り、一体何の意味があるんだ?
「そ、そうだな。君の場合家の関係があるからな……」
何故か生暖かくて優しい視線を向けられてしまった。
やめて!何か自分でもよくわからない物が溶けていく感じがするから。
「そうだ。君には一つ、面白い部活に入ってもらおう」
え、なんで?面倒だよ。
その意味をこめて抗議する。
「何でですか?」
「君は比企谷商会の次期総帥になる人間だろう?君は友達はいるようだが、交友関係は広くないように思える。そして、高校時代に作られた人脈は結構大事だったりする。君の人脈づくりの糧になる。そう思ったからだよ」
この先生、中々デキるね。
そう言われたら、断れないじゃないかよ。
爺ちゃんも、使えるものは何でも使えって言っているし。
「わかりました。じゃあそこへ連れて行ってください。あと、何て言う名の部活ですか?」
「ああ、そこは――
奉仕部だ」
「ここが奉仕部だ」
連れて来られたのは、プレートには何も書かれていない、何の変哲もない教室。
コンコンとノックをすると、
「どうぞ」
と聞こえたので、中に入る。
そこにいたのは――
「は、八幡くん!!」
「ゆ、雪乃!!」
我がいとこにして幼なじみの雪ノ下雪乃だった――。
次回はいつだろう……