《神託》が夢見た未来の世界 作:さいきょーさん
(起きて)
(起きてください)
(起きろって言ってんだよ!)
「んだよ…死んだ後ぐらいゆっくり……あれ?」
(やっと起きたか、手間を掛けさせるな)
「誰だよあんた」
ここに来ての質問である、確かに自分は死んだはず、それなのにこうして謎の空間で生き長らえている、それを聞くためにもこの頭に響く声の主を探そうとする。
(あんたの世界で言うカミサマって奴よ…まったく)
すると一真の前に光が集まり声の主を形作り上げていく。
(こうすりゃ分かりやすいだろ?)
そこには声の荒さからは測れ無いほどの美少女ロリが踏ん反り返ってこちらを見ていた。
「カミサマってのは本当らしいな、んで?俺に何の用だよ」
(お礼と、招待状を渡そうと思ってね)
「お礼?んな礼をされるような事をした覚えはないぞ?」
一真が返すとカミサマは、はぁ…とため息をついて説明を始める。
(あんたが消したあの男、実は転生者でね、あの世界を消そうとしてるもんだからこっちで消そうと思ったらあんたが消してくれたから、だってのにあの人間どもはあんたの事殺しちゃうし)
「へぇ…だが俺はあの世界を救った覚えはないぞ、妹の仇をとっただけだ」
(はいはい、それでいいよ、それじゃ次の話、これをあげるよ)
すると一真の手に一通の手紙が握られている。
「これは?」
(箱庭ってとこへの招待状さ、ああそうだ、後一つ)
「まず箱庭ってとこの説明を聞きたいんだが……まあいいや、なんだよ」
(それは向こうで説明してくれるから平気だよ、それで話を戻すけど、君にもう一つ恩恵を…君からしたら《異能》をあげる《神託》だけじゃ生き残れ無いからね)
「は?《神託》は軽くチートだろ?あったことをなかったことにできるとかなんとか」
(それはこっちで力を分け与えたから、本来の能力は周りの《超越者》の能力を増幅させたり、《異能》を発現させる能力さ)
「うわ…だいぶ使えねえなそれ」
「だから君にはもう一つ、《愚者》の《異能》をプレゼントするよ)
「《愚者》?なんだそりゃ」
(《愚者》は他人の《異能》を劣化コピーできるんだよ、ただ君の《神託》を組み合わせて使えば新しい《異能》として使えるけどね)
「へぇ、そりゃまた太っ腹な事で」
(ふふん、そうだろうそうだろう、まあ君には本当に感謝してるからね、これぐらい造作無いさ)
そう言い終えるとカミサマを形作っていた光が徐々に消え、辺りには白い部屋が広がっている。
(箱庭に行く行か無いは君の自由だよ、ただ行くのであれば……まあいいや)
「かっ…言いたい事言って消えやがって、んなもん……行くに決まってんだろ!」
勢いよく手紙の封を開ける、そこには。
【悩み多し異才を持つ少年少女に告げる
その才能を試す事を望むのならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの"箱庭"に来られたし】
それを読み一真は盛大に笑いながら。
「世界の全てを捨てろ?望むところだ!既に俺にはなんもねえ!楽しませてみろ!箱庭ぁぁぁぁあ!!」
そうして彼もまた光に包まれ、本当に消えた。