《神託》が夢見た未来の世界 作:さいきょーさん
Ep1:俺の召喚方法がこんなに乱雑なわけがない
「ハハハッ!来たぞ!箱に………あぁぁぁぁぁあ!?」
セリフを見事に折られる、よく見ればここは上空4000m程で、何かしら階段があるわけでもなく、落とされている。
「きゃ!」
「わっ」
「ヤハハハハハ!!」
(俺以外にも三人、多分こいつらは正規で来てるな……まあいいや)
「大丈夫だよな、あいつらは《安全に地面に着地できるから》な」
試運転のように自分の《異能》を使用する、すると一真を除いた三人は下から吹き上げる風によってスピードを抑えられ、地面へと着地する、最後にもう一回、一真を除いて。
「まじで俺には聞かないのな……」
そんなセリフを残しながら湖へと落下する、その頃地上では自己紹介を始めようとしていた。
「まず自己紹介と行こうと思ったんだが…もう一人居なかったか?」
「ああ、いたよ、確かに、はぁ…はぁ…お前達と違ってそのままポチャンしたのがここにな」
落ちると同時にすぐさま地上へと上がり、会話に参加する、彼だけずぶ濡れで。
「まぁいいや、それで?お前達にも変な手紙が?」
「そうだけど、まずは"オマエ"って呼び方を訂正して、私は久遠飛鳥よ、以後気をつけて?それで、そこの猫を抱き抱えている貴女は?」
「……春日部耀…以下同文」
「そう、よろしく春日部さん、最後に、野蛮で凶暴そうな貴方達は?」
(俺も含めんなよ)
「高圧的な自己紹介ありがとよ、見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です、粗野で凶悪で快楽主義同時に三拍子揃った駄目人間、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」
「はぁ…市松一真だ、あんたらみたいなトンデモ能力を持たない《無能力者》なおかつ親族にめんどくさい奴と言われた人間なんで、よく説明書を読んで接してください」
「そう、二人とも説明書をくれたら考えてあげるわ」
「ハハ、まじかよ、今度作っとくから覚悟しとけお嬢様」
心からケラケラと笑う逆廻十六夜
傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥
我関せず無関心を装う春日部耀
睡魔が回り始めている市松一真
そんな彼らを物陰から見ていた黒ウサギは思う。
(うわぁ………なんか一癖も二癖もありそうな問題児ばっかり見たいですねぇ……)
召喚しておいてあれだが、彼らが協力する姿は、客観的に見ても想像できない、黒ウサギは陰鬱そうに重くため息を吐いた。
(んー…どうすればいいかなこりゃ)
黒ウサギの考えにも気付かず、十六夜達は罵詈雑言を浴びせながら一言。
「仕方ねぇ……こうなりゃそこに隠れてる奴にでも話を聞くか?」
(俺、こいつらについていけない)
「なんだ貴方も気づいていたの?」
(あー、やっぱりわかんないの俺だけ?)
「風上に立たれたら嫌でもわかる」
(なんだそりゃ)
「へぇ……面白いなお前、んで?あんたは?」
(分かってるくせに聞きやがったな?)
「いんや?なんのことやらさっぱり?逆になんのことを言ってるのか一から教えて欲しいいんだが?」
「やっぱりか」
十六夜はため息を吐きながら黒ウサギがいた方へ振り返る。
(そのため息はなんだ?後ろから刺すぞこの野郎)
その後一真は睡魔に負け、十六夜らが黒ウサギに説明を受けたのを起こされてから聞く、ある程度理解すると黒ウサギが簡単なゲームを始めた。
「このテーブルの上のカードから絵札を引いてください、勿論一回限りズルやイカサマはすぐにわかるので悪しからず、どうします?」
「神経衰弱みたいなもんか…俺を待ってたみたいだがあんたらはやるのか?」
「ああ」
「ええ」
三人は準備万端、カードの確認も済ませたらしい。
「わかった、やりますよ、チップは?」
「あなた方のプライド…といったところですね」
「ふーん…まあいいや、カードゲームなら負けないし」
その瞬間十六夜が口元を釣り上げた、さしずめ新しいおもちゃを見つけた子供のような感覚だ。
「それではどうぞ」
シャッフルを終え黒ウサギがテーブルの上に再度カードを並べる。
「あんたからどうぞ?」
十六夜から一真へ初手を譲る、飛鳥と耀も異論はないらしい。
(あいつ…)
「そーかい、なら」
テーブルの前まで行き、カードを選ぶ振りをしながら。
「《絵札は俺の元へ現れる》」
そう言いながらカードを引く、それを確認して後ろへ下がる。
「それでは次の方、どうぞ」
すると次は十六夜が行き何か会話をしている、しばらくすると思い切りよくテーブルを叩いた、すると他のカードは飛び散り、飛鳥と耀は落ちたカードから絵札を引く。
「…飛鳥さんと耀さんはクリアです…しかし!まだ十六夜さんと一真さんが残ってます!」
「俺を誰だと思ってるんだ?」
十六夜が手を開くとそこにはスペードのキング、クリアだ。
「さあ、あんたは?」
「本当お前面白くねえ、まあいいや、ほらよ」
ピンっとカードを十六夜へ飛ばす、すると十六夜は笑い出し黒ウサギにカードを見せる、そこには。
「ジョーカー…」
「クリア、だよな」
その後の話は一真は一切気にせず、気だるそうに箱庭に向かう黒ウサギの後をついていった