《神託》が夢見た未来の世界 作:さいきょーさん
あの後、箱庭に着くなり否や十六夜がいないとの事で黒ウサギか十六夜の元へ飛んでいきジンと言う黒ウサギのいるコミュニティのリーダーと合流、箱庭の中へ案内されカフェで黒ウサギが来るまで待っていると。
「私のコミュニティに来ませんか?」
ピチピチのタキシードを着た大男が勧誘に来ていた、ジンの顔見知りらしく、名前はガルドと言うらしい、険悪なムードにはなっているが、飛鳥の言葉でだいぶ楽な雰囲気になった。
「結構よ、私はジン君のコミュニティで間に合ってるわ」
は?とジンとガルドは飛鳥の顔を窺う、彼女は何事もなかったように紅茶を飲み干すと、耀に話しかける。
「春日部さんはどうする?」
「別に…どっちでも、私は友達を作りにこの世界に来ただけだから」
「あら意外、じゃあ私が友達一号に立候補してもいいかしら?」
少し気恥ずかしそうに髪をいじりながら耀に問う、耀は無言で少し考えると、小さく笑って頷いた。
「うん、飛鳥は私の知ってる女の子とちょっと違うから大丈夫かも」
「それで、一真君は?」
ここまで来てようやく話を振られる、少し欠伸をしながら。
「あー、俺はどっちでもいいわって思ってたけど、ジンのとこでええかね」
「なら一真君は友達二号ね」
「あいあい、どーぞ」
リーダー達そっちのけで盛り上がる、ガルドは全く相手にされなかった事に顔を引きつらせ、それでも取り繕うように大きく咳払いして三人に問う。
「失礼ですが…理由を教えてもらっても?」
「だから、間に合ってるのよ、春日部さんは聞いての通り友達を作りに来ただけだからジン君でもガルドさんでもどちらでも構わない、そうよね?」
「うん」
「一真君は?」
「正直どっちでもいいんだが、どうせなら顔見知りがいる方が気が楽なんでね」
「そう、最後に私だけど、既に裕福だった家も、約束された将来も、おおよそ人が望みうる人生の全てを捨ててここにきているの、今更一地域を支配している組織の末端なんて魅力を感じないわ」
(お、なんか熱い展開、俺にもうちょい便利なのがありゃ混ざるんだけどなー)
(おや、まだ生きてる?)
(まーたカミサマですか、あ、そうだ)
(なに?体をチートしろならお断りだよ)
(いや、そうじゃなくて、俺に《六桁視》の能力を頂戴な)
(ああ、なに?そんなんでいいの?まあいいけど、んじゃ君に救ってもらった世界のお礼はこれで終わりね)
(あいあい、サンクス)
「ほお、こりゃ便利」
「どうしたの?」
心の声をもらしてしまい耀に感づかれる、気にせず続けると。
「こ…………この小娘がぁぁあ!!」
「やめとけおっさん、《お前は俺に腕力で劣る》んだからよ」
飛鳥に振るわれた豪腕を軽々と抑える、だがもう片方の腕で一真自身に迫る。
「カカッ、それはもう読んだ、お見通しだぜ?」
一真の眼前に迫る腕を耀が抑える。
「喧嘩はダメ」
その後《六桁視》を使うのに夢中になっていると、飛鳥がガルドにギフトゲームを挑んでいるのに気付かず、後々に。
「俺も出なきゃダメ?」
「ダメ」
「戦えませんよ?」
「さっきの威勢はどうしたの?」
「………はい」
一真の強制連行も決定した。
六桁視のデメリットは無しにします