自分ともう1人の自分も(莉音編)[一時凍結] 作:無の空間の存在維持
並びは前方からアイエフとコンパ、ネプギアが歩き、後方に莉音が歩いていた。教会に付くまでまだもう少しかかる。そのタイミングを狙っていたのか、ゲイムキャラ(紫)が莉音に話しかけてきた。
ゲイムキャラ(紫)「莉音さん、少し良いですか?」
ネプギアの中にいるが、莉音しか聞こえないように話しかけた。何故ここまでする必要があったのか、莉音は分からなかった。
莉音「はい。」
莉音もネプギア達に聞こえないように返事をした。
ゲイムキャラ(紫)「気になることがありまして。その剣はどうやって
莉音「・・・・・・・それは。」
その質問の回答は言いづらかった。何せ、この世界とは異なる情報であり、なるべく最小限にこの情報は伝わらないようにするつもりだった。
違う習慣や文化、力に関することなど世界によってまったく違う所もあれば、似類している情報もある。この世界とはまったく関係ない情報を与える訳にはいかなかった。
だが、同時に莉音に関するすべてのことを隠しきれるわけでもない。これからも手伝っていく上で、莉音に関することが伝わってしまうのじゃ仕方ないとも思っていた。
しかし、莉音に関する情報が今伝えるときになるとは予想外であった。
ゲイムキャラ(紫)「強引には聞きません。しかし、目覚める前。つまり、貴女がその剣をネプギアに手渡した所かと思われますが、その時、剣から現在活発に活動している犯罪組織、
莉音は黙って聞いた。音々も話には参加しないが、ゲイムキャラ(紫)の話を聞いていた。
ゲイムキャラ(紫)「それがこの世界に災害を呼ぶのなら、私たちは貴女を止めなければなりません。最悪の場合、仲間や助ける女神たちと戦うことになってしまいます。なので、この事はしばらく女神様や一般人には他言無用にしますので、少々この剣について話してもらえますか?」
ゲイムキャラ(紫)の言う通りだ。“暗黒”の現状は妙に目覚めかけているか、もしくは活発化になっている。いずれその能力がこの世界への脅威となる事も理解している。だが、先ほどの通り、“暗黒”への策がないのも現状だ。
ここで、ゲイムキャラ(紫)にその能力の情報を伝え、なるべく早く策を練ることができれば、心配はない。
望みは薄だが、時間の短縮になると考え、莉音はゲイムキャラ(紫)に”暗黒”についてと、それに関連する前置きの情報を伝えることにした。
莉音「・・・分かった。それと、別にネプギア達にも言ってもいい。そこは貴女に任せる。でも、同じゲイムキャラには話してくれる?貴女1人では対抗が出来ないと思う。」
ゲイムキャラ(紫)「分かりました。他のゲイムキャラにも言っておきます。」
莉音はゲイムキャラ(紫)に自分のことを説明し始めた。
莉音「まず、私自身のことから話す。そもそもこの世界の住人ではなく、異世界から来た。それに、私には能力という力を持っている。その中に“暗黒”という能力がある。この剣はその“暗黒”で創った。でも、元々剣を創る能力は持っていないと思っていたけど、創れた。なので、基本的なことだけを再現しただけ。」
ゲイムキャラ(紫)「信じがたい話ですが、色んな次元が存在している訳ですから、異世界から来たことはなくはないでしょう。能力に関しても驚きました。しかし、様々な世界が存在しているならば、その世界では常識でしょう。」
莉音「ううん。私が生まれた場所は
貴女たちから見れば、
常識という観点は個々によって感覚がまったく異なる。長年、同じ感覚を受け続けたならば、情景だろうが、事情だろうが、雰囲気だろうが、その感覚が当たり前のように思ってしまう。そのため、莉音1人で違いを指摘しても違和感を取ってしまう。
ゲイムキャラ(紫)「そうですか・・・。そこの詳細は求めません。では、その“暗黒”についてですが・・・。」
前置きが長すぎて、本来の話から逸れてしまった。すぐに“暗黒”の話をし始めた。
莉音「・・うん。“暗黒”について・・。その能力を
ゲイムキャラ(紫)「何か含みのある言い方ですね。それと3度目ですか。」
莉音「うん。わたしの生まれ故郷で使った時が最初・・。でも、予想以上の力が膨大で一瞬にして気を失った。」
ここは何かしらの事情がある。莉音が自分で話さないのであれば、ゲイムキャラ(紫)は無理に細かい事情を聞かなかった。
ゲイムキャラ(紫)「誰が止めたのですか?」
莉音「私の・・・もう1つの人格。」
ゲイムキャラ(紫)「二重人格ですか。」
二重人格という現象はこの世界でもあり得るのだろうか・・。
莉音「その事は後ほど説明をする。」
ゲイムキャラ(紫)「分かりました。」
この世界ではどうしても次々と知らない単語が出てしまう。それを1つ1つ説明していたら、話が逸れるどころか、いつこの話が終わるのかも分からない。なので、この話も後回しにした。
莉音「それで、初めて使用し、暴走して気を失った。目を覚ました後、その力はもう2度と使うことをやめた。つまり、2度目も3度目も使用する予定ではなかった。」
ゲイムキャラ「それで3度も使用したってことは使かわなくてはならなかったってことですか?」
莉音「はい。2度目は他の異世界に移動した後のこと。」
ゲイムキャラ(紫)「この世界へ来る前に色んな世界を渡ったのですね。」
莉音「はい。この世界が3つ目です。“暗黒”を使ったのは前の世界。」
ゲイムキャラ(紫)「それぞれどんな時ですか?」
この世界専用に用語を変えることは難しい。が、ありのままの事実を述べた。
莉音「逮捕すべき人が悪魔と言うものに魂を売った時・・・。その時、もう1人の人格が悪魔を“暗黒”に取り込みました。別の言い方をすれば、“暗黒”が悪魔を食べたと言うことになる。それが2度目・・・。」
再びこの世界では聞かない単語ばかり出てしまっている。しかし、これも事実だ。本当ならば、時間を設け、長々しくすべてを語らなければならない。
さらに、それぞれの単語はこの世界で聞いたことがあるのか・・・など。その事も確認しなければならないが、時間が惜しい所である。そのため、無理にでも話を進めるしかなかった。
ゲイムキャラ(紫)「内容は理解しきれていませんが、1つ1つ読み解くと、結構物騒なことですね。」
莉音「うん。それをしたせいか“暗黒”が完全ではなかったけど、少しばかり覚醒した。それでも収まることができた。そして、3度目がこの世界で剣を創った時。それは前に説明したとおり。」
ゲイムキャラ(紫)「分かりました。ということはもう使わないっということですか?」
莉音「できれば、使いたくはない。“暗黒”がほぼって言っていいほど覚醒してしまった。剣はこのまま“暗黒”に戻さず、持っています。完全ではないけど、”暗黒”の
今後は使用したくないが、緊急事態で使用してしまう場合がある。しかし、それも避けなければ、いずれ“暗黒”が目覚めてしまう。そうなった場合、どうなるかは莉音も音々も分からない。それに、止める手段も分かっていない。
実際に音々の行き当たりばったりの提案である『光』や『聖』などの『闇』や『魔』などに反する力で対抗する案を出し、止めることはできた。が、何故止めることができたのかは1つも分かっていない。反する力というデタラメな理由で“暗黒”が収まるという確実な根拠はない。
しっかりとした理由を見つけるまでは“暗黒”の暴走を再び起こしてはいけない。しかし、現時点でわかっていることはある。
音々(・・・“暗黒”だけは莉音の天性的な能力ではないからね。それに、発現したという事が分かったのは最初の暴走時という事になるんだから・・・。)
この事は音々自身が目覚めたのと同時でもある。それは音々が意識として目覚め、感じ取ったのと同時にいろんなことが起こったのも理解している。それは、莉音からの確認も取り、整理もした。だが、莉音は自身の能力を理解尽くしていなかったのも事実である。
一旦、音々は考えるのを止め、ゲイムキャラ(紫)の話を聞いた。
ゲイムキャラ(紫)「・・・分かりました。こちらの言葉ではわからないことが多々ありましたが、そこも説明するのは時間が惜しい所ですね・・・。」
随分と話し込んでいたのか、目の前を見ると、町が見えてきた。
ゲイムキャラ(紫)「もう着くみたいですね。この話はまた後ほどに。」
莉音「・・・・・了解。」
もうすぐ町に着くため、この話を切り上げた。