トリオンを操れる少年の話   作:脱力系何か

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何日かに一回の周期で「書ける!」って感覚が来る。


(ちょっと修正)


おまけ
ヘルメット


本編よりも前、まだ弱かった「チヒロ」がトリオン兵と戦い始めた頃。成長のきっかけのお話。

 

 

「はあ...はあ....」

 

夜、林の中、肩で息をしている子供が一人。そして近くには怪物の残骸が落ちている。その子供の名前は「チヒロ」

チヒロは今日、初めて自分の事を狙う怪物を倒した。

 

(やっと倒せた。もう今後こいつの事で悩む必要は無いな。)

 

チヒロは、彼に使えて、他の人には使えない謎の発光物を刀の形にして怪物の目を斬った。

 

その攻撃が通ると気づいたのは、以前に捕まりかけ、胸に触手が伸ばされた時で、必死になって光った拳で殴ったら怪物の体に当たり、表面にヒビが入ったからだ。

それまで、石や盗んだフォークや、カッターナイフで攻撃してもどうにもならなかった怪物の表面に、確かにその時ヒビが入ったのだ。

そして、今ようやく倒すのに成功した。

 

しかしチヒロに達成感は特に無かった。なぜなら心のどこかで怪物はいくら倒してもキリがないという事はわかっていて、それにたとえ自分が死んでも悲しむ人間などいないから、生きる為のこの行為に何の意味もないからだ。

 

深いため息をついた後、念のため、怪物の残骸を何度も斬って細かくしてからチヒロは道路の方へ向かった。

 

 

道路へ戻る途中で、チヒロは先程自分が倒した怪物について考えていた。

 

(そういえば、あれはロボットみたいな物...のはず....。あいつの目で見たものはどこかに送られたりとか...ありそう。はぁ....今度から顔を隠そう。)

 

そんな結論に至り彼は顔を隠せる物を考え、ヘルメットが真っ先に思い浮かんだ。彼の家の近くには、夜な夜なバイクで走り回る迷惑な者がいて、その運転手はフルフェイスのヘルメットをかぶっている。ヤンキーのような者だ。

 

そして彼は夜、林の近くの道で、見回りをする警察や不審者から隠れながらバイクが通るのを待った。そしてどのくらい時間が経ったか、彼の意識がおぼろげになってきた頃、遠くにバイクの音がした。

 

彼はその音を聞いて、道に真ん中に立った。バイクが角を曲がり、彼と運転手が向かい合った時、手に光を出して、バイクを止めさせた。

 

「.........」

 

「ヘルメットください。」

 

バイクの運転手の表情はバイクで読み取れないが、夜中に一人で出歩いているチヒロの事を不気味に思っているようだった。

 

「!...もしかして、??さん家の子か!?」

 

「...そうですよ。」

 

ヤンキーはチヒロを知っていたらしく、バイクから降りて近づこうとする。

しかしチヒロは数歩下がってそれを拒む。

 

「それは今関係ないんで。」

 

「いや虐待を受けてるって聞いた事が...」

 

チヒロはそんな噂など一度も聞いたことはなかったので、内心驚いた。それと同時にヤンキー含む大人達に対する怒りがこみ上げたが、刀を出したいという衝動を何とか抑えて質問をする。

 

「... .....詳しく教えてください。」

 

「あー。わかった。」

 

チヒロの声は震えていたが、気にせずヤンキーは近所の大人達の間で流れている噂を全てチヒロに教えた。その内容は、小さい男の子が虐待されている、包丁で刺されてるという物や、その子供の服が切れてその周りにに血が付いているのにそこから見える肌は全くの無傷だったというもの。

昔の噂ではまだ1歳にも満たない子供を捨てたというものがあったらしいが、噂が流れ始めた約3年後にその子供と思われる子が見られるようになったので、その噂は消えたらしい。

 

「まあ、その...家まで送ろうか?」

 

ヤンキーが気まずそうにチヒロに声をかけるが、チヒロは子供を捨てたという噂が気になって仕方がなかった。

 

(捨てて3年後に戻ってきた...?誰かに預けたのか?いや、そんな奴には一度も会ったことはない。違う。)

 

チヒロは3歳頃の記憶を思い出そうとしたが、どうしても靄がかかっているようにぼんやりとした光景しか思い出せない。しかもそのぼんやりとした景色は何回か夢で見るが、日本ではないということは直感的に理解できていた。

 

「チ、チヒロ君?」

 

次の瞬間、ヤンキーは思いもよらない言葉を口にした。

 

「もし虐待されてるなら、俺の家に来ない?」

 

「...はあ?」

 

チヒロはどうしてヤンキーがそんな事を言ったのかが分からなかった。というより、その言葉の意味が。

 

「いや、嫌だったらいいんだ。君の母親は噂を否定してたから確認できなかったけど、やっぱり心配で...」

 

(ああ、いい人だ。この人。)

 

チヒロは、その言葉でヤンキーが自分を心配していてくれたのだと知った。今まで、チヒロが出会った他人はチヒロの事を心配している素振りなど一切無く、探るような視線を向けるだけだった。

だからそれがとても嬉しかった。

そして今にも壊れそうなくらいに不安定で、ボロボロな心に、確かな土台が出来た気がした。

 

「...大丈夫です。心配してくれてありがとうございます。」

 

「そうか...あ、ヘルメットならあげるよ。」

 

「貰います。」

 

ヤンキーはヘルメットの事を覚えていたらしく快くチヒロに渡した。

 

「さようなら。」

 

「一人で大丈夫?」

 

「はい。」

 

チヒロはヤンキーが心配してくれているのが実感出来て、とても満たされた気分であれ(・・)のいる家へと向かう。

 

(いつか()さなきゃだな。)

 

チヒロは生きる意志を持つと同時に、両親殺害の意志を固めた。その先に待つのは達成感か、それとも。




本編の方を進めている途中にこれを書こうと思ってしまい通常の2倍くらいの時間がかかってしまった...


そういえばアニオリの新キャラの容姿が凄くイナズマイレブンっぽいと思う。
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