学園生活部   作:双葉 湊

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既にぐだぐだ感


3話

結論から言おう。私たち2人は、助けられて、無事に生きている。

ピアノの上に逃げ込んだ私たちは、周りを囲まれて焦っていた。もしかしたら、死ぬかもしれないって覚悟すらした。

 

しかし生きている。その、勇敢な人たちのおかげで。

美紀さんが必死のあまりに、ピアノから落ち、奴らに囲まれたときはもう訳が分からなくなって、ダメかと思った。

私は美紀さんを助けることに必死になって飛び込んだ。

錯乱した意識で、バッドを振り回した。人殺し―――と言えば、まあそうなるだろう。

 

その時点で、既に過ちを犯した。もう、どうにでもなれと、前に話した、馬鹿力で、薙ぎ倒して、倒して、たおして…。

 

 

*

 

 

気付いた時には終わっていた。

車に乗せられていたと思えば、オモチャと思わしき手錠で拘束されていた。

 

 

隣には美紀さんと、見覚えのある女の子。どうやら眠っているようで、目を覚ますことはなかった。

・・・そして同じように、手には手錠を掛けられている。

そっと前を見ると、運転席には黒髪の子と、その隣には茶髪の髪の長い子。

 

なんだか目が痛い。擦りたかったけれど、手が動かないので瞬きを繰り返すほかにない。

そんな様子に気づいたらしい少女が、こちらを見た。

 

・・・もしかして、お前は危険だから放り出す!とか、言われるんじゃないだろうか?

うう、やだなあ。それだけは、勘弁してほしいものだ。思わず顔をしかめると、少女は笑った。

 

 

「・・・久しぶりね―――彼方。」

 

それは、聞き覚えのある声だった。

 

 

「いや、まさか悠里たちだったなんてね」

 

驚きはしたものの、冷静に受け止めるしかなかった。

これが現実だ。彼女たちは生きていた、その事には安堵した。

しかし・・・受け入れがたいコレは、いったいなんだろうか。

 

 

「念のため、よ」

 

悠里は笑った。念のためと言えば聞こえがいいかもしれないが、彼女は私たちの危険性を感じているのだ。

笑ってはいても、きっと彼女は内心怯えているだろう。そう感じるのは、私が、それを知っているから。

 

 

「まさか、お前もあそこにいるなんてな」

 

 

「あの日、部活休みだったから」

 

 

そう、あの日はたまたま、部活の休みだった。

理由は知らないけれど、顧問の気まぐれだと思っていたけど、もしかしたら、と思う節もなくはない。

 

 

「どーりでな。ま、とりあえず学校に戻るから。話はそれからだな」

 

「そうね」

 

 

私たちは、きっとその日一番の運の良さを喜ばしく思っただろう。

運転席にいる、黒髪の少女―――くるみも、「運がよかったんだな」なんて笑っていたし。

 

 

*

 

 

「見て、学校よ」

 

しばらく景色を眺めていると、悠里がそう言った。身を乗り出すと、目の前には学校が見えた。

もう懐かしさすら感じる校舎に、一人哀愁を感じた。

 

 

「―――ただいま」

 

「―――おかえりなさい」

 

 

そうして私たちは、学校に帰ってきた。

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