と言うわけで駆逐艦メインでもう一つ書くことにしました。
あっちも書くので更新は週一くらいになりそうです。
だるい。そんでもって暑い。そしてうるさい。甲高い金属音が連続で響く。ここいらで工事なんぞ無かったはずだが。
「……うるさい」
寝起きだからか……声がおかしい。喉が渇いた。とりあえず起きたほうがいいか。
目を瞑ったまま体を起こす。まるで一日中寝ていたかのように体がだるい。頭もガンガンする。
「うぅ……だりぃ」
ごしごしと目を擦る。目脂がポロポロ取れて気持ちがいい。なんとなく手の肌触りがおかしい。風邪でもひいてしまったか?
「それは勘弁してくれ……」
漸く目を開ける。
「は?」
目の前に広がるのは様々な機械が無造作に置かれた広い空間。俺が寝ていたのはベッドではなく床に敷かれた敷き布団。
「はぁっ!?」
ここは俺の部屋じゃない。
*
鳴り響いていた金属音が止まる。
「あれ?起きました?」
コツコツと足音が響き渡る。誰かが近づいて来ている。
……そもそもこんな得体の知れない場所にいる俺はもしかして捕まっているのでは?
「ヤバい……」
幸いに乱雑に物が置かれたこの部屋は隠れるのに持ってこい。とりあえず隠れよう。
やはり調子が悪いか、余り早く動けない。それでも何者かが来る前に物陰に隠れることにに成功する。
「あれ?居ない。おーい、どこいったんですかーっ?」
声が響く。この声は……女?
物陰からそっと観察する。やはり女性か、どこかで見たような気がする。
桃色の髪、鎧のような肩当て、背負った巨大なクレーン。もしかして……
「明石……なのか?」
間違いない。ブラウザゲーム「艦隊これくしょん」に出てくる艦娘の一人、工作艦「明石」だ。ゲームの中とはいえ知っている人物。彼女なら会ってもいいかも知れない。
そう思ったのが間違いだった。
歩き始めようとした足ががらくたに当たる。それによりがらくたの山のバランスが崩れ、俺に降ってきた。
「痛っ、イタタ!」
し……死ぬ……!
「あっ……そっちですか?……って、あぁーっ!」
明石の叫び声が響いた。ガタガタという音と共に俺の上のガラクタがどかされる。
「もう!入渠させたばかりなんですから……鋼材がもったいないですよ」
がらくたをどかした明石は俺をひょいと持ち上げた。
ひょい?
俺はそんなに小さかったか?
改めて自分の体を見てみる。小さい。小学生並か。服装は緑系統のセーラー服。スカートとセットなのでどう見ても女物だ。
「んー、ダメージは受けてないみたいですねぇ」
鏡……、鏡は無いか?
周りを見渡すと……あった。がらくたの山から突き出た何かのサイドミラー。そこに見慣れた自分の姿を探し出そうとするが見当たらない。代わりに明石に抱えられているのは紫がかった髪に花をあしらった髪飾りを着けた小さい少女だった。俺はその少女を知っている。彼女は……
「嘘……」
艦これに登場する駆逐艦娘の一人、駆逐艦如月だった。
*
ヤバい、これどうすればいいんだ?
「えーっと、睦月型の艦娘ですよね?」
質問された!?えーと、どう答えれば……
「もしかして違いました?秋雲さんの例も有りますし……」
違わないけど……ええい、やるしかない。如月の話し方っていうとどんなのだっけ?
「コホン。え、ええ。睦月型駆逐艦二番艦『如月』と申します」
これで良かったか?それよりも……
「あのー、そろそろ降ろして欲しいんですけど……」
いつまでも持ち上げられてると痛いんだけど。
「ああ、すみません。でもあんまり変なところ触らないでくださいね。ここ危ないので」
ようやく降ろしてもらえた。うん。身に染みてわかった。
「ところで……ここは何処ですか?」
そう。これはどうなっているのか。まずはそれが知りたい。
「ああ、すみません。まだ説明してませんでしたね」
明石が部屋の出口に向かって歩く。俺も小走りでそれについていく。どうもこの体は歩幅が狭い。
明石が扉を開く。目に飛び込んで来たのはまぶしい朝の光、緑の木々、そして赤レンガの建物
「ここは、鎮守府ですよ。如月さん」
え?駆逐隊ですか?
まだ出ません。
8/1 誤字修正
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