デレマス二次   作:(^q^)!

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今回デレマス小説なのにポケモンの話題を出してしまってます。
分からない方は申し訳ありません。


六話

 週末はカラオケに籠りっぱなしだった。店員から何やら奇異の目で見られたような気もするがしょうがないだろう。その甲斐あっていくつもの曲をアップロードできた。大半の曲はいい曲として受け入れられたようだが、何曲かは電波ソング扱いあるいは箸にも棒にも引っかからなかった。

 

(モスカウとかのまのまはわかるけどロコロコの歌がスルーされたのは納得いかない)

 

 まだまだ曲はあるが今日はもう月曜日。さっさと学校に行かなければならない。時間割をネットで確認すると、午後の授業は休講だった。午前だけだし授業さぼっちゃおうかなーという悪魔の囁きは毎日家を出る前にかけられるが鋼の精神力で突っぱねる。授業さぼったツケが自分に来るならまだしも、そのツケは別の自分に行われるのだ。流石にそれは申し訳ない。

 

 何だか、この状況はもしかして、自堕落に過ごせない可能性があるんじゃないか……? 何かしようとする度“別の自分に申し訳ない”というフレーズで悪いことと言うか頑張らなきゃならなくなるんじゃ……?

 

 いやまだそう決まったわけじゃない余計な考えで邪推するのは悪い癖だ。うん、大丈夫……なはず。

 

 うだうだ考えていると学校についた。教室に入るとすでにのあさんが居て、こちらをじっと見た。

のあさんを無視して別の席に座ることは可能であるが、その際に被る損害はわからない。何もないかもしれないし、とんでもないかもしれない。別にデメリットがあるというわけでも無いし、のあさんの隣でも構わないだろう。

 

「おはようございます」

 

「……おはよう」

 

 少し驚いたような顔をしたのあさんはそう言うと、普段はきりっとした目を緩ませた。

 

「眠そうですけど大丈夫ですか?」

 

「……ええ、ちょっと調べものが夜遅くまでかかってしまったの」

 

「へえ、何か気になることがあったんですか?」

 

 聞くと、のあさんは少し目線を下に持って行ってから話そうとした。しかしその瞬間にチャイムが鳴り、教師が入ってきた。

 

「あ、授業始まっちゃいましたね。またお昼にでも話聞きますよ」

 

「……そうね、昼食の時に話すわ」

 

 授業は特に何もなく終わった。ノートに書く量が結構多かった以外はいつも通りで、元に戻った時の為にちゃんと読みやすく書くことに気を付けるのが大変だった。

早速頑張らなきゃならない弊害が出たことについては目をつむる。

 

「午後休講になっちゃったんですよね」

 

「……そう、私も午後は休みになっていたのよ」

 

「奇遇ですね」

 

「ええ……ところで、貴方は昼食をどうするつもりでいた?」

 

 のあさんは視線を下に落としながら聞いた。

 

「まあ部室でまた何か食べようかなと」

 

「……私に、いい考えがあるのだけれど」

 

 そうしてのあさんが話した案はどうせ授業ないし外でご飯食べないかということだった。幸い、懐事情は今暖かい。良いアイデアだと同意すると、のあさんはおススメの飲食店を知っているということで案内してもらうことになった。

 

 そのままなんとなくのあさんがエスコートしていて、それについていくだけになっているが良いのだろうか? と考えてはたと気づいた。そうか、男女の立場が逆転しているんだからそりゃ女性がエスコートするんだよな。とするとあれか? レディーファーストならぬジェントルマンファースト的なモノがあったりするのか? 

また世界との乖離が発覚したがそれに渋い顔をする暇は無く、歩きながらのあさんとの会話は続いた。

 

「ところで、何について調べていたんです?」

 

「……最近になって、多くの新星が現れた。……私は、その星の煌めきに魂を奪われたのよ」

 

 眠気もどこへやら、その話をするのあさんの目は輝いていた。無表情なクールな人と言う印象が強かったが、表情に出づらいというだけで意外と感情豊かなのかもしれない。

 

「……その星について調べてたってことでいいんですね?」

 

「……間違っていないわ」

 

 店に着くと大きなリボンで髪を縛った白黒のエプロンドレスを着たウエイトレスが対応して、席に案内された。窓際でソファみたいな椅子が対面で机を挟んでいる普通のファミレスみたいな席である。

 

「二名様、ご案内でーす! ご注文が決まりましたら席に付いているボタンを押してくださいませ!」キャハッ

 

 右腰に付いたハートマークの名札をチラッと見るとひらがなの“な”という文字だけ見えたがそれ以外は見えなかった。やけに元気で機敏なウエイトレスだと感心していると、のあさんがこちらを見ているのに気が付いた。

 

「どうかしましたか?」

 

「……いえ……別に」

 

 不思議に思いながらも注文を決める。ミートソーススパゲッティを頼んだ。のあさんは麻婆豆腐にした。食事が済み、デザートを待っている時、のあさんはゆっくり口を開いた。

 

「……聞きたいことがあるのだけれど」

 

「……何ですか?」

 

「……貴方はなぜ、わざわざ大学に来たの? 何かやりたいことがあるのかしら」

 

「プロデューサーになりたくて」

 

 言ってから、しまったと思った。この話を今してしまうとどう考えても何故と言う疑問が飛んでくる。それに対する答えは無い。知らないから答えようがないのだ。同時に、軽々しく夢を言ってしまった自分に対して疑問を抱いた。他人の夢を軽く言ってしまったが、それでいいのか? 

 

「……そう、なの」

 

 予想に反してのあさんからの質問は来なかった。自分の事について蒸し返されても困るので今度はこちらから質問を投げかけることにした。

 

「のあさんはどうして大学に来たんですか?」

 

「…………私、は……」

 

 のあさんは視線を下げてしまった。何かに悩むような様子に自分は心当たりがない。それはそうだ。のあさんとは先週ご飯を一緒に食べた先輩後輩と言う程度の関係だ。それなのに何を悩んでいるかなんていうことに予想がつくはずがない。

 

「…………私は、探しに来た……自分の役割を…………一年経ったけど、まだ見つかっていないわ」

 

 そう言うのあさんの顔はキリッとしていた。それが強がりなのか、本心からなのか。今はそれがわかるほどのあさんの事を分かっていなかった。

 

 

 

 

 

 のあさんとはご飯を食べた後別れて帰った。現時刻は二時半。家に帰ってからゲームを起動した。

ポケモンの卵を産ませては割って強い個体でなければ野生に返すという現代の社会が産んだ闇な行為を繰り返しているとスマホに着信があった。

 

「はい」

 

『もしもしー、莉嘉だよー☆』

 

 ああそう言えば金髪の小学生と連絡先を交換していたなと思いだした。一週間かそこらくらい前の話なのにずいぶん昔の話のような気がする。

 

「ああ久しぶり。どうかしたの?」

 

『もー、ポケモンバトルの約束忘れたのー?』

 

 そんな約束もしていたなあ。とは言わない。言うとさすがに文句を言われるだろう事は予測できる。であれば何らかの対策を講じるのが正しいだろう。

 

「いやまあ……ポケモンバトルって言ったってほら、フレンドコード知らないし」

 

 元々の問題をぼかして論点を別のところに持っていく。これが大人のやり方だと心の中だけでドヤ顔をしながら最低な行為に目をつむる。

 

『スカイプか何かやりながら交換したらよくない?』

 

「そうするか」

 

 莉嘉ちゃんは細かいことを気にしない性格らしく、さっさと遊ぶ算段が付いた。小学生のバイタリティすげえなあと感心しながら遊ぶ手順を整えてゆく。

 

 まずは3DSのフレンドコードを交換する。フレンドコードを交換することで対戦や交換なんかがスムーズになるのだ。スカイプで通話しながらお互いの番号を言い合うのは昔とは違うなあと実感する出来事だ。

通信ケーブルは今どこにあるだろうか。実家のどこかにあるとは思うが、実際どこにあるかは全く分からない。ゲームボーイミクロは? ポケットピカチュウはまだ動くだろうか。

 

『どうかしたの?』

 

「いや、何でもない。さて、じゃあやるか」

 

 莉嘉ちゃんが選出したポケモンは虫タイプや炎タイプが多かった。好きなポケモンで好きに戦う姿勢を見て、昔はこうだったなあと考えながらビルドレ型のみの構成のパーティーで挑んだ。

 

『今日は楽しかった! また今度あそぼーね♪』

 

「ああ、次はギガイアスの怖さをお見せしよう」

 

 まあ虫タイプに格闘技って半減だしキツよねって感じで惨敗した。ゴロンダ? ああ悪タイプだし選出すらされなかったよハハハ。




相性補完? ああ統一パーティーにその概念はまぶしくってな



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