エントマは俺の嫁 ~異論は認めぬ~   作:雄愚衛門

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ぬお!?日間三位になってる!!ありがとうございます!
ほのぼのナザリックが好きな人多くて嬉しい(*´ω`*)


アウラの失敗?

「アバさんの装備品とアイテム一式、全てお返ししますね」

「あざーっす」

 

おお、懐かしの我がコレクションよ!

 

引退した折、俺の装備品及びアイテム全て、ギルドに預けていた。せっかく集めたアイテムを死蔵するなんて勿体無いからな。モモンガさんなら大切に扱うだろうと、託したのだ。しかーし、俺が戻ってきた事により、こうして手元に舞い戻ってきた訳だ。

 

 俺は、アイテムの量も質も、モモンガさんに遠く及ばないが、装備の性能だけなら負けず劣らずなのだ。ふふん。社会人特有の重課金を繰り返してきた末路とも言うべきだが、こうして、役に立つ日が来たのならば、その甲斐があったというもの。

 

これらのセットは、モモンガさんがわざわざ宝物殿へ取りに行ってくれた。親切心であるのは間違いないのだが、もう一つ重大な理由がある。

 

宝物殿には領域守護者が一人いる。ああ、領域守護者ってのは、階層守護者の範囲狭い版な役職だ。宝物殿の領域守護者は倉庫番とも管理者とも言える、大事な役目だ。

 

領域守護者、その名をパンドラズ・アクターと言う。

 

 モモンガさんが生み出したNPCで、種族はナーベラルと同じドッペルゲンガー。AOGのギルメン全員の技を八割程使うことが出来るという恐るべきNPCだ。レベルは勿論100! しかも、設定上デミウルゴスに匹敵する知能も有している。間違いなくこの局面において最高の頼もしさを誇るだろう。

 

だが、この状況下においても表に出ていないのは、

モモンガさんが投入を躊躇っている証拠だ。

 

理由は簡単だ。ずばり、モモンガさんの黒歴史なのだ。

 

例えばだ、若き日の過ち、ぼくがかんがえたさいきょーきゃらくたぁが現実に息を吹き込まれ、動き回っていたとしたらどうなるだろうか?つまりはそういうことだ……。

 

正直、久々に宝物殿の財宝を見て回りたかったが、モモンガさんの精神を削ってまで見たい訳ではないので我慢しよう。

 

確か、宝物殿の整理整頓は源次郎さんが担当してた筈だ。エントマちゃんにとっても、思い入れのある場所なのではないだろうか。セキュリティが洒落にならん事を除けば、デートスポットに向いてる気がするのでいずれ入る機会があれば良いのだが……。

 

さて、話を戻そう。

 

かつて愛用していた装備品が手元にあるのなら使いたくなるのが男心というもの。

 

という訳で……。

 

「模擬戦でいいから、ちょっと体動かしてみたいなぁ」

「ふっふっふ、そうくると思ってました。良かったら一緒にやりません?俺とタッグ組んで、適当なモンスター呼んでやりましょうよ」

「うおお!是非是非お願いします!やっべテンション上がってきた!」

「俺もですよー!」

 

モモンガさんの素晴らしい提案により、第六階層の闘技場で適当なヤツを見繕ってリハビリ戦をすることになった。モモンガさんと肩を並べて戦えるのだ。ああ、俺前衛だから実際肩は並ばんけど……。

 

んなこたぁいい。また一緒に戦えるのだと考えると、胸が熱くなる。

 

「ふぅ……」

「ふぅ……」

 

……また沈静化しおった。しかもダブルで。

オーバーロード(死の支配者)ヴァーミンロード(蟲王)のダブル賢者タイムだ!

 

誰得だよ。

 

ポジティブな感情まで抑制されるのはやっぱ嫌だなぁ。暇があったら解決策を模索してみるのもいいかもな。

 

「アウラとマーレに闘技場を使う事を伝えたら行きましょう」

「あ、それならアウラさんに連絡するの、俺がやってもいいですか?救助して貰ったお礼言ってないし」

「ん?……そうですね、勿論良いですよ。じゃあ俺はマーレに」

 

モモンガさんは暫し考え、快諾してくれた。

早速アウラ宛にメッセージを使用。

 

『はい!アバ・ドン様、何か御用でしょうか!』

 

繋がるのはやっ!?

 

頭に直接呼びかけられるとは言え、1秒切るのはヤバくね?

 

『もしもし、アウラさんですか。二つ程用件がありまして……。まず一つ、ジャングルで最初に私を発見したお礼を言いたいのです。極めて迅速な救助だったと聞いてます。ありがとうございました』

『ええっ!?お礼なんてそんな!……むしろ私は、アバ・ドン様にお詫びしなければなりません!』

『へ?』

 

アウラは倒れた俺を発見次第、すぐさま回復魔法のエキスパート、メイド長でもあるペストーニャを呼び、メッセージでモモンガさんに報告。報告後、俺を個室へ運ぶまで、近辺を使役するモンスターで警護し続けた。

 

全てモモンガさんから聞いた事だ。非の打ち所のない的確な対応、これのどこに謝る要素があると言うのか。

 

みんな良くも悪くも誠実なんだよなぁ。エントマちゃんの時もそうだったけど。

 

……うし、決めた。今こそ、上司としての威厳を示す時。

 

『実は……』

『ストップですアウラさん』

『は、はい』

『私は、迅速な対応をして下さったアウラさんに感謝してるのですよ。貴方のお詫びとやらに心当たりはありません。従って、私は貴方のお話を聞き流す事にします』

 

俺はこの子の対応に何の不満もないし、心から感謝している。だからこそ、この話をあえて打ち切ってしまおう。気にしてないという説得力になれば良いのだが。

 

『……』

『このお話は、私はアウラさんに救助された。私はアウラさんに感謝している。

それでおしまいで良いのですよ』

『グスッ……も、もう、マーレじゃあるまいし……。

は、はい!ありがとうございます!』

 

メッセージ越しに鼻を鳴らすアウラちゃん。そういう所は見た目相応なんだなぁ。俺の挨拶のときも泣いてたっけ。結構泣き虫さんなのねー。

 

でも、立ち直りがすごい早かった。えらいっ!

 

『お礼も不要ですよ。言うのは私の方なんですから』

『……アバ・ドン様もアインズ様のように、本当にお優しい方なんですね』

『何のことやら……』

 

和ませるつもりですっとぼける。

 

すっかり機嫌は良くなったようだ。よかったよかった。

 

モモンガさんは既にマーレへの連絡が終わったようで、俺の方を見ると、うんうん頷いた後サムズアップされた。骸骨フェイスはいつもの無表情だが、何となく笑ってる気がする。なるほど、モモンガさんはこの話を知ってたな。俺の対応は正解だったらしい。

 

ん?いや、ちょっと待て。

 

……二回とも、アウラを泣かせてる原因は俺じゃね?

 

やばい、ぶくぶく茶釜さんにバレたら殺される。あの人のキャラ愛はペロさんとは別ベクトルでやばいのだ。おそらく、熱湯に直撃した虫と同じ確率で死ぬ。

 

うん、再会出来たらスライディング土下座しよう、そうしよう。

アウラが謝ろうとした理由は少々気になるが、今更聞く訳にもいくまい。

 

『じゃあ、一つ目の用件はこれで以上です。二つ目の用件なんですが、闘技場を使ってもよろしいでしょうか?私は今、リハビリを兼ね、アインズさんとタッグを組んで、模擬戦をしたいと思っています』

『至高の御方が闘技場を使うのに許可なんて必要ありません!アバ・ドン様とアインズ様が一緒に戦うのなら、是非見てみたいぐらいです!』

 

むぅ、むず痒い気持ちだ。そこまで言うほどの事なのだろうか。しかし、アウラが本当にそう思ってるのならば……。

 

『じゃ、見てみます?そんな面白いものでもないですけど』

『えっ!?いいんですか!?』

 

アウラの声量が跳ね上がった。嬉しそうなのは良いんだけど、雑魚相手に肩慣らしする程度なので、退屈な戦いになると思うのだが……。まぁ、泣かせちゃったのをこれで帳消し出来るなら良かろう。

 

『勿論です』

『やったぁ!あ、でしたらその、マーレと一緒に他の人を呼んでも良いですか?』

『ええ、それぐらい構いませんよ。いくらでも(・・・・・)

 

「げっ……」

 

んあ?今、モモンガさんがイケボに似つかわしくない奇声を発した。理由は分からんが、メッセージを切ったら聞いてみよう。

 

『ありがとうございます!準備次第(・・・・)またお呼び致しますね!』

『分かりました。では』

『はい!』

 

こうしてアウラへのメッセージは終了。最終的にはご機嫌になってくれたので及第点としよう。ぶくぶく茶釜さんにバレても、半殺し程度で済むだろう。

 

「……」

 

モモンガさんが上を向き、片手で両目を覆い、アチャーってポーズしてる。口も半開きになってるので、完全にアチャーな感じだ。その成りでやられるとシュールだな。

 

「どうしました?モモンガさん」

「やっちゃいましたね……」

「?」

 

はて、何の事だろうか?よく分からないという意思表示に軽く90度程、首を傾げた。俺の首はカマキリ並によく曲がるのです。

 

ユグドラシル時代と違って表情アイコンが使えないので、超ポーカーフェイスな俺達は、こうやって感情表現をする事でコミュニケーションを取り易くする。

 

傍から見るとただのオーバーリアクションだ。

 

オーバーロードのオーバーリア……ごめんなんでもない。

 

「うーん……ま、いいか。闘技場に行ったら分かりますよ。別段悪い事ではないし」

「そうですかー」

「とりあえず装備を整えたら、転移しましょうね」

「うい」

 

となれば向かう他無し、俺とモモンガさんは装備を整え闘技場へ転移した。

 

 

 




どうなるかバレバレですが、暖かい目で見てやってください(白目)

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