Gears of Destiny   作:緋月ルナ

2 / 4
Mission02 再会

次の日の朝、俺は零課の前まで来ていた。土曜だからアカデミーは休みなんだけどな。

というより、今日の任務内容が気になる。

最近は魔物による事件もない上、俺達が出るような犯罪もない。

だとすると何だろう。そんな疑問を抱きながら零課の扉の前に立つ。

プシューと空気が抜ける音を立てて鋼鉄製の防弾扉が開く。A.R.M.S.の扉は全て有事があった場合への対策として全てが防弾製の扉であり、複雑な電子ロックも装備している。

 

「来たか。待ってたぞ」

 

零課に入ると父さんが待っていた。それ以外の人影はない。最近ではよくあることだが、少し前だとこんな事はなかった。確かに特定の1人や2人がいないことはあったけど、全員がいない事などまず有り得なかった。

 

「今日も誰もいないのか」

 

「まぁ、あいつらには色々調べてもらってるからな」

 

「ふーん」

 

「おっと、任務の事だが」

 

そんな他愛ない会話をしていると父さんは思い出したかのように本題を切り出す。

 

「今回はアンダーグラウンドのエリア04に行ってもらう」

 

「エリア…04に…?」

 

アンダーグラウンド。それは東京の地下に広がる都市、所謂ジオフロント。以前こそ住んでいる人は少なかったが、今はかなり住みやすくなり、住む人間や訪れる人間も増えた。だが、エリア04は未だに魔物の巣窟となっていて封鎖されているエリアだ。

それに、生息する魔物も強力な個体ばかり。

普通は一般人はもちろん、アカデミーの生徒でも立ち入りを禁じられている。

そんな所に今回は行かされるようだ。

 

「エリア04ってさすがに無茶だろ…いくら何でも俺だって限界ってのが───」

 

「まぁ、待て。誰も1人で行かせるとは言ってないぞ」

 

俺の言葉は父さんの言葉に遮られた。

1人じゃない?なら誰が一緒に行くって言うんだ。

 

「入ってくれ」

 

そう父さんが奥の扉に声をかけると、1人の女の子が部屋に入ってきた。

髪で隠れて顔は見えない。だが、どこかで見たことがあるような気がする。

 

「はじめまして。今回の任務で同行させてもらう結城・S・アリシアです」

 

そう名乗ると少女は顔を上げる。

そして────

 

『あーーーーーーッ!!!!』

 

同時に叫んだ。

 

「ん?んん??」

 

何も知らない父さんは俺達を交互に見ている。

それも当然の反応だろうけど…

 

「なんだ?お前達知り合いか」

 

「知り合いなんかじゃねえよ!こいつ昨日いきなり斬り掛かってきたんだぞ!」

 

俺がそう叫ぶと、父さんは「あぁ、なるほど」と頷く。

 

「あぁ、なるほど。じゃないって」

 

反論するが、父さんは無視して少女の肩を掴んで俺を見る。

 

「な、なんだよ」

 

「いい相手を見つけたようだな。アリシア」

 

「どういう事だよ」

 

「いやー、アリシアは自分と同等の強さのパートナーがいなくてな。ずっと1人で行動してたんだ」

 

そう説明してくるが、話の繋がりが読めない。

それがどうして俺を斬り掛かってくるような事になるんだ。

 

「そこで、那月。お前に目を付けたんだろう。お前は色んな意味でアカデミー内では有名だからな。攻撃を仕掛けてどれだけ戦えるかを計った。そうだろう」

 

「ま、そういうところね」

 

「意味が分からん…」

 

はっきり言って俺には何を話しているのか全く分からない。まったくもって頭が追いつかない。

何を言っているんだ…

 

「こいつとなら受けてくれるだろう?アリシア」

 

「あたし1人ででも受けるつもりだったわよ」

 

「そういう事だ。2人共、頼むぞ」

 

「もう勝手にしてくれ……」

 

これ以上話しても自分が混乱していくだけだ。

俺にはこう答えるしか出来なかった。

 

「ところで、任務の内容は?」

 

アリシアと呼ばれた少女は父さんに話を振る。これに関しては俺にも関係ある事だから父さんを見る。

 

「任務内容はエリア04の魔物討伐だ。ある廃墟に魔物が群れていてな。あまりにも数が多すぎる為、ここの魔物の掃討を行う事にした」

 

「その魔物の数は?」

 

俺は聞くが、父さんは首を振り、

 

「わからない。言えるとするなら、ざっと50といったところだ」

 

「50!?そんなにいるのかよ!」

 

「ざっとだ。もしかしたらもっといるかもしれない。それに、相手はエリア04の魔物だ。一筋縄ではいかないだろう」

 

なんだよそれ…滅茶苦茶じゃないか…

そんな任務をたった2人だけで?

 

「すまんな。最初は俺も行くつもりだったんだが、どうしてもここから離れられなくてな。その為に2人を呼んだんだ。お前達なら大丈夫だ」

 

「……………」

 

「……………………」

 

俺と少女は顔を見合わせる。お互い、初対面で一度たりとも組んだ事はない。それに昨日戦ったばかりだ。上手くやれるかも自信がない。だからといって任務を断る訳にもいかない。

なら、俺の出す答えは─────

 

「分かった。行こう。いつもより少し敵が強くて数が多いだけと思えばいいんだ。それに俺にはこいつがある」

 

そう言って指輪を見る。

この武器の強さは昨日の一件でよく分かった。それに、全部の機能を使った訳でもないのにあの性能だ。まだMカートリッジとファントムバレットも使ってない。

この機会に使ってみるのもいいかもしれない。

 

「そう言ってくれると思った。頼むぞ、2人共」

 

俺は父さんの言葉に頷くが、隣で少女が口を開いた。

 

「でも、あたし達エリア04には行った事ないわよ。さすがに初めて行く場所でそんな任務は危険すぎだわ。せめてマップデータとかないの?」

 

その通りだ。確かにエリア04には行った事がない。そんな所に何の情報も無く魔物討伐なんて危険だ。せめてエリア04のマップでもあったら、周囲の事が分かる。それに、いざという時に避難出来る場所を見つけておく事も重要だ。

 

「その事なんだが、これを用意しておいた」

 

分かっている。とでも言うように父さんはスマホと同じくらいの大きさの端末と通信機のような物を俺達に1つずつ差し出す。

 

「これは?」

 

「最新型の通信機とデータデバイスだ。この端末は魔物のデータ、周囲のマップ、生体反応などを表示する事が出来る。もちろん、アンダーグラウンドでも使うことが出来る」

 

「おお…」

 

「これがあれば迷うことはなさそうね」

 

そう言って少女は通信機を受け取り、俺は通信機とデバイスを受け取る。起動するとこの周囲のマップが画面に表示される。

 

「あと、それは立体表示モードにも出来る」

 

父さんがデバイスの横にあるボタンを押すと画面の光が強まり、空中に立体的なマップが表示された。

 

「まぁ、説明はこれくらいだな。あと任務内での事なんだが」

 

そう言うと父さんはリモコンを操作する。すると部屋のモニターに1体の黒い狼型の魔物が表示される。

 

「こいつは?」

 

「魔物の群にブラックフェンリルの存在が確認されている。もしかしたら、あの群のボスかもしれない。もしこいつがいたら最重要ターゲットとして討伐しろ。いいな?」

 

「わかった。それ以外には?」

 

「特にはないが…。おっと、忘れてた。昨日渡しそびれてな。新しいフォトンブレードだ。ファントムペインのものと同等になるように出力も調整している」

 

差し出された剣の柄のような金属のスティックを受け取る。これはフォトンブレードを作り出すデバイスだ。これは空気中の粒子を噴出させて刃を作り出すからカートリッジは必要ない。

 

「お、サンキュ」

 

「任務は明日だ。じゃあ2人共頼んだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

零課からの帰り道、俺は少女と一緒に歩いていた。これまで会話は全くない。正直言って気まずい。明日の任務で組むというのにこれじゃマズいな。

 

「…………」

 

俺は話しかけようとする。だが、先に口を開いたのは少女の方だった。

 

「ねぇ、少しいいかしら」

 

「な、なんだ?」

 

「あんた、本当に何者なの?神崎司令から極秘任務を任せられるなんて。それに、あの強さ」

 

そう言われた俺は少し悩む。何をどう説明すればいいのか分からない。ここはとりあえず先に名乗るべきなのか?まだ自己紹介もまだだし。

 

「あー…えっと、俺は神崎那月だ。那月でいい。何者かって言われてもただのアカデミーの2年だけど」

 

「那月、か。あたしは結城・S・アリシアよ。アリシアでいいわ。同じく2年よ。ん?神崎ってことは…まさか」

 

「ああ、神崎澪鵺の息子だ」

 

「なるほどね」

 

「まぁな。でも、ただそれだけだ。特別何もない」

 

「ちなみに、あんたも能力者?昨日は使ってるようには見えなかったけど」

 

「まぁ…一応はな」

 

「一応?」

 

俺が神崎澪鵺の息子だと聞くとまずは誰もが能力者だと思う。まぁ、そこは間違ってはいないんだが、父さん程の能力(スキル)はない。むしろ、低レベルの能力だから、それを知ると呆れたような顔をする。だから俺は能力について触れるのが嫌いだった。

まぁ、こいつには話しておくべきだろうな。どうせ明日は組む事になるんだから。

 

「能力は確かにあるが…レベル1なんだよ。だから使わないんだ」

 

「へぇ…。まぁ、いいんじゃない?」

 

「…え?」

 

「能力がなくてもあれだけ強いんだから。あたしはいいと思うわよ」

 

意外な反応だった。少なくとも、今までではなかったパターンの反応だ。

 

「確かに昔と違って能力者は増えたけど、今でも能力者の方が少ないじゃない?多く見ても半々にもならないわよ。だから、そこまで気にする必要ないと思うわ。那月は那月、それでいいんじゃない?」

 

「…サンキュ」

 

こういう事言われるとは思わなかった。

こいつ、本当は良い奴なのかもしれない。確かにメチャクチャな事されたけど、そこまで悪い奴でもなさそうだ。

 

「そういえば、あんたってパートナーいるの?」

 

「いや、基本はソロだけど…」

 

「じゃあ、もう一つ。あんた寮住み?」

 

「寮だ」

 

「へぇ…」

 

アリシアはそれを聞くとニヤリと笑うと俺の腕を掴んで言う。

 

「なら、今からあたしに付き合いなさい!」

 

「は?え?ええ??うおぉぉぉぉおおおおっ!?」

 

俺は訳の分からないまま引っ張られて行った。

やっぱりさっきのは撤回だ。やっぱりメチャクチャだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

アリシアに連れて来られたのはアカデミーの女子寮だった。ちなみに俺の腕は掴まれたままだ。そのままアリシアは女子寮へと俺を引っ張っていく。

 

「ちょ…待て!ここ女子寮だよな!?さすがにマズいだろ!!」

 

「あたしがいるからいいの。とっとと来なさい」

 

「ま、待てって!」

 

俺はそのまま引きずり込まれてしまう。そしてアリシアはロビーのロックを解除してエレベーターに乗り込む。ここまでは誰にも会っていない。帰るまで誰にも遭遇しない事を祈るぞ。

 

「もうそろそろ離してくれないか」

 

俺の腕を掴んでいる手を見て言う。

 

「そうね。ここまで来れば逃げられないだろうし」

 

そう言うとアリシアは素直に手を離す。

そして俺はここに連れて来られた理由を尋ねる。

 

「それで?俺をここに連れてきた理由は?」

 

「あたし、あんたの部屋で住むから」

 

「へぇ…そうかー。だから荷物を運ぶ手伝いをさせるためにここに連れて来たのかー」

 

「そういうこと」

 

理由を聞いて納得する。

ん?待てよ。俺の部屋で住む?はい?

 

「は!?待て!俺の部屋で住む!?」

 

「そうよ」

 

エレベーターを降りたアリシアは「何を当然な事言ってんのよ」とか言いながら自分の部屋のカードキーを出す。

 

「ほら、何してんの。入りなさいよ」

 

再び俺は腕を引っ張られて部屋に引きずり込まれそうになる。

 

「ちょっ…待て…っ!!」

 

「待たない」

 

俺は抵抗するが、その抵抗も虚しく部屋に引きずり込まれてしまう。

こいつ、意外と力が強いんだな…

 

「とりあえずそこら辺で座ってて。飲み物何でもいい?」

 

「別に何でもいいけど…」

 

「ならよかったわ。これでも飲んで待ってて」

 

アリシアは冷蔵庫から缶コーヒーを取り出すと俺に向かって投げる。

 

「ああ…悪いな」

 

「とりあえず準備するから。あまり部屋見るんじゃないわよ」

 

「はいはい」

 

そう言われるが、見てしまうのが人間だ。

だが、変に歩いて見る訳じゃない。そんな事したら今度こそ殺される。

なので、リビングにあったソファーに座って部屋を見渡す。

部屋1つ1つは見えないが、かなり綺麗だ。

女の子の部屋ってこんなもんなのか。

初めて入ったから全く分からない。

 

(……さて、と)

 

ポケットからデータデバイスを取り出してデータを見てみる。

一通り見てみると言われた通り、魔物のデータやA.R.M.S.本部のマップ、GPSを使った周囲のマップが使えるみたいだ。

魔物のデータは今までに確認されたものは全て登録されている。

それに、受注した任務内容も確認出来るようだ。

今は極秘任務が表示されている。

任務内容はアンダーグラウンドA-04の指定魔物の殲滅及びブラックフェンリルの討伐。

指定エリアまではGPSで案内されるらしい。

 

(これだけ確認出来たら十分か)

 

とりあえずデータデバイスをポケットに押し込む。

部屋を見回すが、アリシアはまだ戻ってきてない。時間を見れば既に13時を回っている。

もう昼か。確か零課に行ったのは10時くらいだったはずなんだが、もうそんなに経ったんだな。

 

「ふぅ…」

 

貰ったコーヒーを飲みながら一息つく。

ここ半年は何もなかった。確かに平和なのは良いことだが、いきなり何が起こるか分からない。それだけに怖い。

 

「どうしたのよ、溜め息なんかついて」

 

「うおおおおっ!?」

 

後ろから話し掛けられて驚いてしまう。

見ればアリシアだ。いや、アリシア以外にいるはずはないんだけどな。それでも、急に来ると心臓に悪い…

俺の反応を見たアリシアもどこか不機嫌そうな顔をしている。

 

「はぁ…何よ、その反応は。何だかバカにされた気分なんだけど?」

 

「い、いや、そんなつもりじゃ…。それより準備は終わったのか?」

 

アリシアが持っているキャリーバックを見て聞く。かなり大きい。本当に俺の部屋に住むつもりなのか。

だが、それでも住むと言うにはあまりにも少ない荷物ではある。

 

「ええ。一応は終わったわ。他に必要な物は買えば良いことだし」

 

「そうか。じゃあ行くか」

 

「そうね。行きましょ」

 

「ああ」

 

そのまま外に出た俺たちは男子寮への道を歩く。

特に会話もなくただ歩いているだけだ。

そこでふとアリシアが口を開いた。

 

「…ねえ、那月」

 

「なんだ?」

 

少しだけ顔を横に向けて聞く。

なんだか表情が少し暗い気がする。

 

「その…大したことじゃないんだけど、1つだけ聞いていいかしら…?」

 

「なんだよ?」

 

「那月は…どうしてA.R.M.S.に入ろうと思ったの?やっぱりお父さんが司令官だから?」

 

「……………」

 

それか…。まぁ、確かにA.R.M.S.に入る人間には何かしら理由があってアカデミーにやってくる。魔物や犯罪を根絶するため、人々を守る為、様々な理由がある。

 

「那月…?」

 

「俺は…」

 

「べ、別に答えづらいなら無理して答えなくていいのよ?」

 

アリシアは慌てたように手を振るが、別に答えづらい訳じゃない。別に俺は答えてもいい。

ただ、変に重く捉えられないか不安なだけだ。

だが、それでも俺は口を開く。

 

「いや、いいんだ。少し真面目な話になるが、いいか?」

 

「ええ…もちろんよ」

 

「わかった」

 

それを聞いた俺は少し昔の事を思い出しながら理由を話し始める。

 

「まぁ…昔の事だ。俺は幼なじみと遊んでいたんだ。そこに魔物がやってきた。そして俺達はそのまま襲われた」

 

アリシアは黙って俺の話を聞いている。何も言わずにただ静かに。

そのまま俺は続ける。

 

「必死に逃げて、隠れて、奴らを振り切ろうとした。でも、子供だった俺達には無理だった。すぐに追いつかれて、目の前でそいつはやられたんだ。A.R.M.S.のおかけで魔物は一掃されたけど、もう手遅れだった。血まみれで倒れてた。それでも、あいつは言ったんだ。『あの魔物達を倒して、他の人達を守ってほしい』って。だから俺は今ここにいる。あいつとの約束を守るために」

 

「…そうだったの…。ごめん。何も知らずに」

 

「あ…いや、俺の方こそ悪かったな。こんな事聞かせて」

 

「ううん。聞けて良かったわ。ありがと」

 

「そうか。ちなみにアリシアの理由は?」

 

「あたしは…そうね。みんなを守る力が欲しかったから。単純にね。あんたほどの理由はないわ」

 

「そんな事ない。いい理由だと思う」

 

「ありがと」

 

そう話しているとポケットの中のデータデバイスが鳴り響く。

 

「なんだ!?」

 

画面を見れば赤い点がいくつか表示されている。

な、なんだ…魔物か…!?

考えていると次はポケットから着信音が聞こえてきた。相手は父さん。それを確認するとすぐに回線を繋ぐ。

 

『那月、聞こえるか!お前達のすぐ近くに魔物反応だ!』

 

「こっちでも確認した!でも、どうして急に…!」

 

『それは分からない。とりあえずそいつらを殲滅しろ!』

 

それだけ言われると通話が切れる。

 

「クソ…ッ!アリシア、仕事だ。行くぞ!」

 

「了解よ!」

 

とりあえず貰った通信機を耳に装着してデータデバイスを確認する。

すぐ近くだ。まさかA.R.M.S.の敷地内に現れるとは思ってもみなかった。

少し走るとすぐに魔物反応があるところに着いた。すると

 

「那月!あれ!」

 

アリシアが指さした方向には約15体程の魔物。

そんなに強力なタイプではない。だが、数が多いと面倒だ。それでもやるしかない。

 

「行くぞ!」

 

俺はファントムペインを起動して腰のフォトンブレードを抜き放つ。光の刃が形成され、走った後に軌跡を描く。

アリシアが後ろからついてきているのを確認して魔物の群に突撃する。

 

「ハァァァッ!!」

 

1体目を右手のファントムペインで、2体目をフォトンブレードで、3体目をガンモードに変形したファントムペインで撃ち抜く。だが

 

「ガァァァァッッ!!」

 

「なっ…!」

 

いつの間にか俺の真横にまで魔物が迫って来ていた。避けられない…!

 

ズバァァァァァァン─────!!

 

しかし、その魔物は俺に攻撃する寸前で体の半分を光に吹き飛ばされる。

 

「何やってんのよ!そんな戦い方じゃ死ぬわよ!奴らを倒すんじゃなかったの!?」

 

走ってきたアリシアが次々と魔物を撃ち抜きながら叫ぶ。

 

「こんな所で死ぬなんて許さないわよ!」

 

「誰が…死ぬかっての!」

 

ファントムペインをブレードモードに戻して俺も叫びながらアリシアの後ろに迫っていた魔物を真っ二つに斬り捨てる。

 

「これでチャラだ」

 

「はは…やるじゃない」

 

互いに笑うが、ここは魔物の群のど真ん中。すぐに俺達は背中合わせになると別方向に走り出す。

 

「はっ!せやっ!」

 

「はぁっ!てりゃあっ!」

 

次々と倒していくが、数が数だ。すぐに押し戻される。

それでも、アリシアは笑みを前を向いたまま言う。

 

「ねえ、那月。あたし達最高のパートナーになれると思わない?」

 

そう言うアリシアの表情は見えない。

だが、俺は答える。

 

「さあな。だが、なれるとしたら、それはそれでアリだ」

 

「ふふっ…さて、ラストいくわよ!」

 

「ああ!」

 

そう言葉を交えると再び魔物に突っ込む。

残り4体。1体目を斬り、後ろにいた2体目を斬ると向こうの様子が見えた。どうやら向こうも残り2体のようだ。そのまま3体目をフォトンブレードで斬り捨てると再びガンモードに切り替える。そしてアリシアと立ち位置を入れ替わると背中合わせで共に最後の魔物を撃ち抜く。

 

「…終わったわね」

 

「そうだな」

 

武器を戻して周りを見渡す。周囲に魔物はいない。データデバイスにも反応はない。

どうやら終わったみたいだ。

 

「あんたの武器ってホント変わってるわね…起動型は初めて見たわ」

 

アリシアが俺の指輪を見て呟く。

起動型のデバイスを見るのは初めて。それは本当のようだ。指輪を見つめて首を傾げている。

 

「まぁ、父さんから貰った物だからな」

 

それに俺はそう答えると地面に転がった荷物を拾い、アリシアに顔だけ向ける。

 

「ほら、行くぞ」

 

「ええ…行きましょ」

 

アリシアは頷くと俺の横に並ぶと

 

「明日からよろしくね」

 

そう言った。

だが俺は何も答えず、ただ頷いて寮への道を歩く───

 

 

 

To be continued!!!!!




どうも、緋月です。
第2話となりました。
まだまだ序章ではありますが、読んで頂けて嬉しく思います。
書け次第投稿の不定期更新とはなりますが、これからもよろしくお願いします。
では、第3話にてお会いしましょう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。