問・朝起きて第一にすることは何か?
答え 歯磨き、朝食、顔を洗う、着替える…等々。
以上の答えを出した者は不正解。もう一度朝の行いを改めるべきだ。
そう言われると「じゃあ正解って何?」とか言い出すでしょ?答えは教えるからちょっと待っててね~。
ソロリソロリ足音を立てずに我が愛しの姉の部屋に近づく。
ドアノブに触れる際もガチャリなんて無遠慮な音を立てず無音で侵入する。
一歩一歩音を立てずに寝ている我が姉・園田海未の布団に近づく。近づくたびに心臓の鼓動が高鳴る。
ベットまで来たらナチュラルにベッドイン。そこで姉の匂いをクンカクンカと嗅ぐ。
瞬間、私の世界は薔薇色になる。ああ、いつ嗅いでも飽きることがない。むしろ飽和されなくて困ってるくらい。ああ、もっとこの匂いを嗅ぎたい!
さて、此処までくれば正解分かるよね?正解は朝起きたらお姉様の布団に潜りこみ、臭いをかぐこと、でした~。
さーて、もう一度臭いを嗅ごう……と思ったところで「うーん……。」と唸り声が聞こえた。
「
「海未姉様おはよーございまーすー。」
しばしの沈黙。するとミシリと異質な音がする。何の音かしら?
「私の睡眠を邪魔するなとあれ程言ったハズですが?」
「え、そうでしたっけ!?」
無論、知っている。だがしかし、そんなの容易にやめられるわけないもんね!
「でも、大丈夫です!私は布団に潜るだけなんで、問題ありません!」
「問題大アリです!」
「ぐはッ!」
姉の正拳が炸裂する。
ともかくも私の一日はこうしてスタートする。
☆
「また海未さんの布団に潜ったのですか。あれだけ注意して直さないとは…。」
母は私を見て呆れたように言う。これでは私が悪いみたいな雰囲気なのでしっかり言ってやらねば。
「いえ、お母様ッ!私は布団に潜っちゃいけない理念を理解しかねるのですが!」
姉を愛する妹としては布団に潜る行為は当然の行い、道理である。
むしろ、世間一般の姉妹はそんなに百合百合してないので、そっちの方がどうかしている。
「理念以前に貴女に常識というものはないのですか?」
母の嘆息に姉様が、
「いえ。お母様。波未に常識を求めてはいけない気がします。」
と、まるで私が常識人ではないみたいなことを言う。扱いが酷い。
「ちょっと!二人は私を何だと思ってるんですか!」
すると、二人は顔を見合わせる。
「「変態?」」
声をそろえて言う。
変態とは失礼な。姉様への愛が強すぎるだけであって変態と呼ばれる筋合いはない。
☆
登校中―――。
桜は満開の時期を迎え、陽光も春らしい暖かなものだった。
春は暑くもなく寒くもない優しい気候である。気候的に言えば春が一番好きである。しかし、季節的には夏が一番だろう。
理由は単純。夏は汗で女子高生のワイシャツが透けるというプレミアムがついている。正直、男のワイシャツ状況は臭いからどうでも良いのだが、女子高生となると理性を保つのが難しい。いや、実際去年は理性崩壊して相手の女子高生を泣かせてしまいました(反省)。
そんな私がウフフなことを考えていると姉様が不機嫌そうにこちらを見る。
「……貴女は危険ですね。」
「え?何でですか?どの辺が危険ですか?こんな無垢な女の子、なかなかいませんよ?」
「どこが無垢ですか!?穢れまくりです!」
「え?だって私ほど姉様を純粋に愛する人いませんよ?安心してください!近づく男は薙ぎ払うので!」
「だから、その行いが危険なのです!」
姉様は分かっていない。
下劣な下心を持って近づく男が一番危険であることを。あれは生物的に野獣とかに分類されてもおかしくない。
「いいですか、姉様。男とは……。」
私が男の危険さを諭そうとしたその時―――。
「やっほー。海未ちゃん、波未ちゃん!」
「おはよう。」
快活な声が私と姉様の会話を遮る。なんだ、誰だよこんな時にと思ってみたら幼馴染の二人がそこにいた。
「穂乃果ちゃんとことりちゃんだ!」
私は二人に駆け寄り抱き付く。
わーいと私達三人がハグを交わす中、姉様は体をモジモジとさせていた。
「姉様も早く!」
「そ、そんな…。は、恥ずかしくてできません!」
―――な………にッッ!?
い、今のは可愛すぎる。ちょ、え?天使?
いけない、写メを……とスマホを操作しようとしたが姉様のあまりの可愛さに悶絶し―――。
ブッシャアアアア
盛大に鼻血を出してしまう。
あまりの多量出血のため、意識は徐々に闇に呑まれていく。
「波未ちゃん!」
私の異変に気付いた穂乃果ちゃんは真っ先に私に駆け寄る。
「波未ちゃん、こんなとこで寝ちゃ駄目だよぉ~」
いや、寝るんじゃなくて意識が遠のいてるんですけど。ここでボケはいらないよ、ことりちゃん。
「波未!しっかりしなさい、波未!」
あんな可愛い顔見てしっかりなんて………でき……な…い。
そこで意識が途絶える。
園田波未
身長158cm、B78/W58/H80。
髪はロングでポニーテール。