「なあ、箒?」
「んん?なんだ?」
「どうして俺達だけがISを動かせるんだろうな?」
・・・それは私も常々疑問に思っていることだ。
どちらか一人ならまだしも、私たち二人。
幼馴染、剣道、「姉」。
共通点は多くない。
というと・・・やはり姉さん達の関係なんだろうな。
なんてことはない。
ISの開発時には姉さんと千冬さんのパーソナルデータが利用されているはずだ。
それが女性にしか動かせない理由で、私たちが動かせる理由なのだろうな。
つまり、女性にしか動かせないという事実は、本当は、遺伝子の類似性による誤作動のようなものなのである。
女性と男性の違いは、ただ染色体の違いだけ。
しかし、ISはただそれだけが許容できず、そのまま拒絶してしまったのだ。
本来であれば、そのまま男性には縁のない代物になっていただろう。
しかし、私たちという、根幹のデータに類似する存在に出会ってしまった。
男の部分を除けば、ほとんど同じ。
他人や両親と比べれば無きに等しい差異。
・・・私たちは、開けてはいけない扉を、自らの手で押し開こうとしているのだろうか?
ISたちが、このまま順調にデータを集めていけば、いずれ、全ての男性諸君にもその手を差し伸べる様になってしまうのだろうか・・・
そうなれば、今度は反動で男尊女卑に、一昔分超えて、元通りになり、今のクラスメイトや先生達は、その煽りをもろに被ることになるのではないだろうか・・・
それに、やはり女性は賢い。実際、まだ世界は全面戦争に陥ってはいない。
しかし、これが愚かな人物の手にでも渡ってしまったら・・・
ISのコアさんたちよ?
そこんとこどうなんだい?
なんとか、うまい具合にならないかね・・・?
原因の方はあてずっぽうだからさして重要じゃない。
しかし、結果の方は・・・
そうならないよう願ってるぜ。
「なあ・・・何か悟ったような顔してないでさ・・・
そろそろ返事してくれてもいいんじゃないか・・・
お~い・・・」
・・・すまなかった
どうやら、ずっと黙ってしまっていたらしい。
こんな行動をするとは、私も疲れているらしいね。
考え事に感情が入ると、どうしても険しい顔になる。
女顔だから如実に表れるらしい。損だな。
「すまなかった」
「おお、やっとか
なんか箒変わったよな。
さっきみたいに険しい顔しながら考え事とか、いきなり始めることなんてなかったもんな~」
「やっぱりIS学園に入るなんて珍しいことがあればそうだろうさ
正直私も思考が追いついてないんだぜ?」
そんなことを述べると、一夏は納得がいったという風に表情を変え、少し陽気に振舞う。
このうれしそうな感情が素直に伝わってくるのがとても懐かしい。
こんなところに女の子は惹かれるのだろうか?
私も女だったら少し惚れていたかもな。
「ああやっぱりか?
俺も入学するまで検査やマスコミに追われて考える余裕なくてさ
これからゆっくりしようとしても、授業も難しいし、
慣れるまで、大変だろうな」
そんな、不安を煽るような、これからに期待があるような内容を吐いて、先を歩く一夏。
これからの三年間、お前と私はこのIS学園で過ごす。
酸いも甘いもいろいろあるだろう学園生活。
そんな生活に一抹の不安と、親しい者と過ごす安心感を抱いて、私たちは日々を過ごす。
頑張って行こう。
頑張ろうな・・・一夏・・・
お眼汚し失礼しました。