授業を終え、子華が話しかけてきた。
子華「これからどうするんですか?暇なら、一緒に昼食しない?」
咲「私は待っている人がいるから・・・。」
友達が増えることもそうだが、知り合いでなければ、会話もしない。そのため、誘われることはうれしいが、未だに深雪たちに会っていない。
子華「分かりました。でも、会えます?」
この学校は広すぎてはいないが、狭くもない。しかし、方向音痴ならば、校庭の広さなど関係なしに迷う傾向が多い。申し訳なく、咲に問いかけた。
子華「じゃあ、私のわがままになるんですが、電話で掛ければ良いんじゃないんですか?もう少し咲とはお話をしたいんで・・。」
咲「・・・そうする。私も子華ちゃんともう少し話をしたいです。」
子華「ちゃん付けって・・・。まぁ、良いです。私も咲ちゃんと呼ばせてもらいますね。」
咲「はい。」
すぐに子華と使用できる場所に移動し、そこで子華に教わりながら、携帯を掛けた。
深雪『はい?咲ですか?』
咲『うん。友達に誘われたんだけど・・。』
深雪『なら、気にしないでそちらを優先してください。咲は人間関係を作るのが苦手なのは知ってますし、私たちに構わなくても良いですよ。お兄様にも言っておきますね。』
咲『うん、お願いします。』
深雪は咲がまた言葉が丁寧になっていることを指摘しようとするが、雰囲気を壊さないために、あえて黙っておいた。
深雪『分かりました。』
会話が終わり、電話を切った。
咲「『気にしないで優先して』って。」
子華「分かった。じゃあ、行こう?」
咲「うん♪」
昼食を取るために子華は一旦教員室に行き、戻ってきた。
咲「何かの用事?」
子華「これを取りに行ったんですよ。」
手のひらを見ると、何処かのカギのようだ。咲は何故子華がカギを取りに行ったのかが分からなかった。
子華「ついて来て。」
咲は言われるままに子華について行き、上へ登ってきた。階段を上り終えると、そこで子華はカギを取り出した。ドアを開け、そのまま入った。
咲「ここって、屋上?」
子華「上に上がるってことは屋上しかないよ。さっきまではこの屋上の一つ下の階にいましたから。」
そう答えるのは当然だろう。『その間に何がある?』というツッコミを入れられる。しかし、先が心配しているのはその事ではない。何故ここで昼食するのか、ということだ。
咲「でも・・・。」
子華「人が多い中では、咲ちゃんは会話しながら、食べることができなそうですからね。教員室でカギを借りて、屋上で昼食を取ろうと考えたんですよ。」
咲「よくそれで借りれましたね。」
子華「他の人には内緒ですけど、私は
咲「ど、どうして私に?」
子華「気に入ったんですよ。
咲はまさか子華が試験で良い成績を取っているとは思わなかった。しかも、咲を選んだ理由が『気に入った』だけとも思わなかった。昼食を取りながら、子華と会話していた。
咲「子華ちゃんは凄いね。」
子華「私も2位とは思いませんでしたから。私の学力ではそれほど有能ではないと思っていました。それと、聞きたいことがあるんですけど、良いですか?」
咲「はい。」
子華「咲ちゃんは、
その問いに咲は黙ってしまった。そもそもこの世界に来たということである。それに、自分自身は実力でも第一高校に通るようにしたが、半分はそうと思っていなかった。司波家の権力が高いことを知った後、試験に入れたのは誰かが手を回したと思い始めた。そのため、実力で入った生徒たちに申し訳なく思っている。
子華「質問を変えてもいい?」
咲「・・・はい。」
子華「もう1つになったことがあってね。咲ちゃんは
咲はこの質問の意図が何なのかがすぐに理解した。咲自身は、魔法という知識を知ったのはつい最近だ。だが、知識を知っても使える訳ではない。
ここが次の課題でもあった。2科生は知識だけで通せるが、1科生は模擬実践がある。2科生でも魔法を実際に使用する場面があるが、間に合えば問題はない。しかし、1科生はそれだけではない。
そうなれば、授業内でも自然に実践を行なうことが多くなるだろう。そのために達也は至急、魔法を効率よく使うための道具、CADを達也がお世話になっている研究所に要求した。そのとき、負担に関しては実験段階のCADを使用することだったので、金額代わりに感想を伝えることだった。
だが、試作段階のためすぐには来ないことが分かった。現在でも使用できる段階ではないのだが、今日の夜に来る予定だった。
すると、子華は空を見上げた。
子華「まぁ、他の事情を聞くのはお行事が悪いですよね。人それぞれ事情がありますから。」
咲「・・・良いんですか?」
子華「良いよ。
それを合図に子華は食べ始めたが、咲はすぐには食べ始められなかった。その後、咲は子華と別れ、深雪たちと帰宅した。
その頃、子華は帰りながら、つぶやいた。
子華「・・・やっぱりですね。さっきの咲ちゃんとの会話で確信が持てました。
少し歩きながら、首をかしげて、悩んだ。
子華「咲ちゃんがいる世界からこの世界に移動する時間が長かったのかな?そうなれば、説明はつきますね。あるいは、それぞれの時間軸の進み具合が違うとも考えられますね。あくまでも憶測にすぎませんが・・・。あの者の自業自得とはいえ、咲ちゃんや他の世界まで巻き込まないでほしいものですね。まぁ、
表情を一瞬だけ暗くした。直後、すぐに明るくなった。
子華「それでも、咲ちゃんが私の同志になってくれれば、良いですからね。そうすれば、
ご機嫌になり、その気分で帰って行った。