今回は東方の世界がVRゲームで再現されたら・・という設定で
書かせてもらいました。それではゆっくりしていってね!
あの2度のSAO関連の事件からしばらくして、バーチャルリアリティの世界は目覚しい発展をとげていた。
僕の名前は鈴仙 優華(ていうん ゆうか)
中学3年で、身長170センチ、優華って名前だけど男なんだなこれが。
「おーい、優華ーこっちこっちー」
今僕のことを呼んだのは友達の参一 祥吾(まいりはじめ しょうご)だ。
同級生で身長165センチ、頭はいいのになぜか成績はよくない。
ちなみに今、ぼくらはヨドバシカメラに、あるソフトを買いに来ている。
その名も東方幻想郷・おんらいん、ALOやGGOなどといった一流のVRゲームなどには遅れをとるが、
1995年から始まった東方projectの世界観を忠実に再現し、オリジナルストーリーまで盛り込まれているなど、丁寧に作られているため、ファンは多い。と、ネットに載っていた。
僕自身、VRにはあまり縁がない。
だから祥吾にお願いして一緒にプレイしてもらうことにしたのだ。
家に帰り、早速アミュスフィアにカードをセットする。初めて行くVRの世界で、僕は何を見て何を思うのだろうか。
そんな不安と緊張が混ざり合った感情を覆うようにアミュスフィアをセットする。
「リンク・スタート」
その言葉と共に僕の意識は現実から切り離された。
幾重にも連なった虹のアーチをくぐって辿りついた先は、ガラスで出来た無機質な部屋だった。
ガラスの向こうは透き通るような青空が広がっていた。
なんて綺麗な世界なんだ……。その感動に浸っていると、ボイスロイドの声がガラスの部屋に響き渡った。
「ようこそ、東方幻想郷・おんらいんの世界へ。ここでは、プレイヤー情報の登録が行えます。」
その言葉と同時に、メニューウィンドウが前方の空中に表示される。キャラメイク用のウィンドウらしい。
キャラメイクの方法には、3通りのやり方がある。それは「リアル」「メイキング」「ランダム」だ。
「リアル」について説明すると、アバターに現実の容姿を出来る範囲で反映するというものだ。
しかも、現実より容姿が良くなるということもあって、圧倒的人気を誇る。
「リアル」でのメイキングを開始しようとして手を伸ばした瞬間、アラートが表示され、強制的に現実に引き戻された。
「お兄ちゃん、ご飯だよー」
一階から妹の声が聞こえてくる。
しまった、今日は、塾があるんだった。慌てて夕食を食べに、鞄を掴んで、下の階に降りる。
塾から帰って来て、再びログインし、リスポーン地点に降り立つ。その先に広がっていたのは賑やかな人里の風景だった。そう、ここは人間の里、プレイヤー達の拠点となる場所だ。このゲームでの人間の里はかなり大きい。なんせ、何から何へと必要な施設が詰め込まれているのだ。
祥吾との待ち合わせ場所に行こうとして軽い違和感に気付く。街行くプレイヤーたちの身長が異様に高いのだ。そして、歩きにくい。VRに慣れていないせいなのか?そして、なぜか向けられる好奇の視線。どういうことだ?とりあえず、祥吾との待ち合わせ場所にしている茶屋を目指す。
茶屋のいすで団子をかじりながら休んでいると、祥吾が見えた。「リアル」でキャラメイクをしたのだろう。現実と大して違いはなかった。しかし、一つ疑問に思う点が。「リアル」でキャラを作った場合、身長も同じになるはずだ。ならばなぜ、祥吾の方が身長が高いのか。僕も、「リアル」で作ったはずだ。とりあえず、声をかけてみる。
「おーい!祥吾ー!」
声をかけると、こちらを向いて少し驚いた表情を見せた。
「なんで俺のことしってるの?」
「え?何でって友達じゃん?」
どういうことだ?僕は「リアル」で……あれ、キャラメイクってまだ終わってなかったはずじゃ……。
「もしかして優華?」
「そうだけど」
「ちょ・・・・めっちゃかわいい!」
え、何言ってんのこいつ、一発ぶん殴って目を覚まさせてやろうか?
そして3秒ほどあとになって気づいた。池の水面に映った自分への悲劇に。