名も無き提督です!
優華・・どーなっちゃったのでしょうか?
答えは・・読めばわかる!です♪
と、いうことでゆっくりしていってくださいネ!
水面を見ながら愕然とする。
「え、誰、この子……ま、まさか」
自分の顔に触れてみる。すると、水面に映る子も顔に触れた。今、水面に映っているのは紛れもない自分。
「い、妹になってるじゃねえかっ!」
町にいたプレイヤー達はその悲鳴をはっきりと聞いていた。
「お、落ち着け優華、絶対なにかの間違いだ。とりあえずトラブルシューティングで運営の連中に報告しておくからな!」
そうだ。何かの間違いに決まっている。
「あ、ありがと。祥吾」
そして運営から返事が返ってきた。あまりにも残酷な事実が。なんと、正規の手続きを踏まえて作られたアバターだそうだ。しかも、つくり直す方法は存在するが、どちらもソフトをもう一本買えるほどの料金が発生するそうだ。
「まあ、そう落ち込むなって。そのアバター可愛いじゃん」
確かに、すごくかわいいアバターだ。身長145センチほどで幼い感じの顔、そこまで長くない水色の髪の毛を二つに分けて髪留めでとめている。
そして水色の浴衣姿。気になる胸部は、あんまり無い!現実通り!うちの妹、小学生だし。
「でも、こんなんじゃ一生お婿にいけないじゃねえか!」
今時VRでネカマなんてほぼいない。なぜなら性別は自動識別されるからだ。そんなVRでネカマやってたなんていう黒歴史が知られたら、彼女がいたら一発で逃げるに違いない。
「彼女いないのによくそんなこと言えるよな。」
そもそも彼女がいないという事実に祥吾がつけ込んでくる。
「だまらんかい!」
ダメージが発生しない程度で祥吾の腹をぶん殴ってやった。安全圏だからダメージは発生しないが、ノックバックと軽度の痛みは発生するので、祥吾は椅子から転げ落ちた。それでもまだ笑ってやがる。
こいつには、リアルで彼女がいる。しかも、幼馴染だから余計に腹が立つ。こいつのバースデーに爆弾を送りつけてやりたいところだ。
腹を押さえて悶絶している祥吾を放って歩き出そうとしたら声をかけられた。
いかにも変態って顔をしたプレイヤー達に。
「きみ、初心者かい?」
適当に流しておけばいい。こんな奴ら。
「う、うん。」
「なら俺たちが教えてあげるよ~いろいろと~」
面倒臭いことになる前に、もっともらしい理由をつけて断ることにした。
「いや、あの、あの人とパーティー組んでるで。」
ゴミを見るような目をして追い払おうとする。
だが、そのような理由で引き下がるような連中ではなかった。
「いーじゃん、さっさと解除して一緒に行こうぜ~」
強引に腕を掴まれる。
「いや、です。」
レベルの差というものがあるのか、手を振りほどくことが出来ない。すると、さっきまで悶絶していた祥吾がむくりと立ち上がって言った。
「やめとけ、おっさん達、この子に近づくな。」
「ああん?なんだよ、そんなヒョロヒョロの体で俺達とタイマンはろうってのか?」
次の瞬間、祥吾の姿が消え、それと同時に三人組が宙を舞った。
祥吾が三人組に竜巻旋風脚をぶちかましていたのだ。
「昔VRストリートファイターやってたからな。まだやるか?言っておくが、俺は強いぞ」
指をぼきぼきと鳴らす祥吾に、三人組は、尻込みすることしか出来なかった。そして、悪役の吐くような捨台詞を残して逃げていった。
「とりあえず逃げるぞおまえら!」
「ひええええ!チートじゃねえか!」
「また会おうぜ!お嬢ちゃん、いつでも連絡してくれよな!」
最後のは聞かなかったことにしておこう。
危ないところを助けてもらった。
「ふー、助かったぜ祥吾、ありがとな。」
すると、祥吾は爽やかな笑顔でこう言った。
「いや、女の子はちゃんと守ってあげないとね。」
先ほどまでの感謝の気持ちは何処かに消えてしまった。代わりに、軽い殺意が沸いてきた。
「てめえなあ……ちょっとこっち来い。」
「いやいやいや、そんな怖い顔すんなって、冗談だよ!冗談!」
だろうな。冗談じゃなかったら本気で殺してた。
祥吾が思い出したように言う。
「すっかり遅くなっちまったけどチュートリアルやりにいこっか、優華。」
すっかり忘れていた。このゲームには、チュートリアルを専用の施設でしか受けられないのだ。
「あ、そういやまだだったぜ、行こう行こう!」
そして俺達は、人混みの中をものすごい注目を浴びながら覚束ない足取りで演習場に向かって歩いて行った。そりゃ世にも珍しいVRでのロリキャラなのだから。キャラメイクの時に身長をいじるプレイヤーは極めて少ない。なぜなら、現実の世界における身体の操作性との乖離が起こってしまうからだ。
そのことはさておき、これからこのアバターでどうやってゲームをプレイすればいいのか。
自分の頭の中に二つの方法が浮かんだ。
このまま妹のアバターで女の子のフリを続けるか、それとも男だってことを周囲にはっきり伝えておくか。
一つ目の方法はいつかボロが出るかもしれないがしばらくやり過ごせると思える。
二つ目の方法では間違いなく、社会的に抹殺されてしまう。
やはりネカマをやるしかないと思うと気分が重くなってくる。
そんなこと考えてるうちにチュートリアルを行える道場についた。そして門の前で2人同時にさけんだ。
「「頼もう!」」
重い木の門がゆっくりと開いていく。そして、かかってこいとでも言わんばかりに門は大きく開いた。
二話目改稿終了しました。
一回全部消えて発狂しそうになりました。