七丈島艦隊は出撃しない   作:浜栲なだめ

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前回のあらすじ
七丈島艦隊VS犬見艦隊、決着


第六十二話「艦娘は、人間だ」

 

 昔から、道具を使うことが得意だった。

 

『ほう、見事なデキだ』

『この年でこれだけできるとは、将来有望じゃないか、息子さんは』

『工具や機械の扱いが極めて上手いんだ。一回教えただけで、応用的な使い方まで完璧にマスターしてる。こいつは天才かもしれん』

 

 僕の家は代々製鉄所を営む家系で、戦争が始まってからは艤装と装備の製造を中心に工場を回している。将来の跡取りとして幼い頃から僕は父が祖父から引き継いだ製鉄所に出入りしてはその技術を朝から晩まで叩き込まれていた。

 その頃から、既に僕は道具を使うことについて才覚を発揮していた。

 一度説明されればその工具にどんな使い道があうのか大体察することができたし、また、自在に操ることもできた。

 父やその同輩達からは天才だとおもてはやされ、また、僕もその賞賛を嬉しく思っていた。

 しかし、そんな僕に転機が訪れた。

 父が死んだのだ。

 

『事故だ。機械の内部点検中に誤作動が起きて……頭をはさまれて、そのまま……』

 

 それ以上は言わず、僕は見ない方がいいと父の死体も見せてもらえなかった。

 僕は父の死に悲しいという感情を子供らしく抱いていたと同時に、失望したという冷めた感情も持ち合わせていた。

 

――使うべき道具に殺されるなど、無能だ。

 

 当時13歳の僕はそんな思考をこの時既に持ち合わせていた。

 それから、僕の製鉄所への関心は薄れ、周りはそれを父の死のトラウマと勘違いしてか何も言わず、僕と製鉄所の距離が遠のいてから3年の月日が過ぎた頃、二人の軍人が僕の元へやってきた。

 一人は女性、提督だという。もう一人の屈強そうな男はその護衛の憲兵だった。

 

『あなたの、道具を扱う才能、それを海で活かして欲しいのよ』

『海軍士官学校の、入学願書……? 僕に士官になれと?』

『君には是非、志高く、提督を目指してもらいたい!』

 

 斜め後ろで直立不動の姿勢を取る憲兵が僕にそう言った。提督の方も同意を示すように頷いた。

 

『あなたには艦娘の指揮の才がある。それを是非軍に貸して欲しいってわけよ』

『艦娘は人間でしょう? 僕は人を使うことはできませんよ』

『じゃあ、兵器でいいじゃない』

『――――!』

 

 軽々しく即答する提督に僕は目を見張った。

 

『犬見君、犬見誠一郎君、アタシは、あなたの才能が欲しい。きっとあなたは立派な提督になれるわ。そうなったら、アタシの元に来なさい。あなたの力が必要よ』

 

 艦娘は道具。提督はその道具を使いこなす者。

 鏑木(かぶらぎ)美鈴(みすず)。彼女という提督との出会いが、彼女から掛けられた言葉が、それからの僕の理念を決定づけるきっかけだった。

 

「――あれが、七丈島か」

 

 青空の下、回想に浸っていた僕は甲板から、少しずつ大きくなっていくかの島を細めに遠望しながらそう呟いた。

 

 

「――う、ん?」

「お姉さま! 目が覚めたんですね!?」

 

 気が付けば、そこは私の部屋、そのベッドの上だった。私が意識を取り戻した瞬間、その視界に飛び込んできたのはプリンツの心から安堵した笑顔だった。

 

「……プリンツ、どうなったのか、教えてくれませんか?」

「勝ちました!」

「うん、もう少し詳しく」

 

 それから数分間にかけてプリンツから私が気絶していた間のことを聞かされた。

 犬見艦隊との戦いから既に1日が過ぎた。

結果さえ見れば、私達は救援に来た大将の艦隊の助けもあり、犬見艦隊に完勝。現在は戦死した浦風を除き、捕虜としてスタンリングを付けてウチの鎮守府に待機してもらっている。

 本人たちは皆大人しくしているということだ。

 

「しかし、大将クラスの艦隊が救援に……」

「事前に提督に呼ばれていたらしくて、伊58が戦闘のどさくさに紛れて合流し、私達の元まで案内してくれたらしいです」

「そうですか、伊58が」

 

 どうやら、磯風の言葉は伊58にしっかり届いていたらしい。

 

「あれ? そういえば他の皆はどこに?」

「食堂でその大将さんの相手をしてます……」

 

 プリンツが私から目をそらしたのが気になったが、とりあえず私もその大将に挨拶せねばと食堂に向かうことにした。

 

「――この日本には現在、四人の大将がいる!」

「はぁ……」

「呉鎮守府の亀有提督! 舞鶴鎮守府の姥鮫(うばざめ)提督! 最前線、ブイン基地の白鯨提督! そしてっ! 佐世保鎮守府の、この私! 海老名ちゃん提督だぁ!」

「あの、もう、5回目でち、その台詞……」

「はっはっは! もしかしたら以前4回を聞き逃しててわからない子がいるかもしれないだろう!?」

「どうでもいいけど、私に被さるのいい加減やめろでち!」

 

 陽気な笑い声をあげながら伊58に覆いかぶさるように抱き着くその女性を振り払おうにも振り払えず、伊58は現在、本気で困っていた。

 そして、海老名自身もその伊58の様子を把握していながらあえてこうしてちょっかいをかけているのだ。

 その様子に天龍、磯風、瑞鳳は特に動くことはない。きっと下手に動けば次は自分がこうなるとわかっているから。

 

「ふっふっふ! それじゃあ次は天龍ちゃんのその豊満なボディに吶喊(とっかん)させていただこうかなねぇ、ふひひ」

「悪いけど、本気で斬るぜ、いやマジで」

「いいねぇ、私はそういうのも全然おっけーよ、いやマジで」

「フフフ、怖い」

「でもぉ、じゃあ、先に磯風ちゃんいっとく?」

「わ、私は美味しくないぞ……!」

「毒入りでも磯風ちゃんなら私はイケる」

「ひぇ……!」

「あの、海老名提督……私達、用事があるので、そろそろ一旦失礼したいんですけど……」

「瑞鳳ちゃん、私のために毎日卵焼きを作ってくれ。私、全部たべりゅし」

「こいつ……会話が成立しない……っ!」

 

 海老名に対して各々結構本気で威嚇してみせたものの、むしろその反応を喜ぶ彼女に天龍達の身体は震えていた。

 しかし、そんな彼女の伸びたい放題でボサボサの頭髪に手刀が降り下ろされる。

 

「ったぁーい! 誰!? 私は佐世保鎮守府大将、海老名ちゃん提督だよ!?」

「海老名、あなたは士官学校の頃から全く変わりませんね……」

「あ……先輩、お久しぶり、でぇす……」

 

 振り向いた海老名の笑顔がさっきの楽しそうな表情から一変して引きつり、血の気が失せているのが一目瞭然だった。

 

「私も大概ですけれどね! 海老名は私なんかよりも責任があり、国民だけでなく他の提督の模範にもならねばならない立場なのですからもう少し、こう、頑張ってください! 具体的にはまず身なりをですね――――」

「ちょ! やめてください! 大将にはお触り厳禁ですよ!? 髪はこれでいいんです! これが私のベストコンディションなんですぅ!」

 

 海老名が提督に片手でヘッドロックされつつ髪を整えられている間、拘束が緩み、やっとのことで脱出できた天龍達は一歩引いたところからその様子を苦笑いで見つめる矢矧と川内、鳳翔の方へと逃げるように移動した。

 

「やっと解放されたでち……もう、本当に、限界だったでち」

「すげぇな、あれが大将か。タダ者じゃねぇな」

「プリンツに似た何かを感じた」

「ウチの提督が皆さんにご迷惑をお掛けして、本当に申し訳ありません!」

「うん、提督のスキンシップは本当になんていうか、デンジャラスだよねぇ」

 

 天龍達の様子に、鳳翔は何度も頭を下げ、川内も目を逸らして苦笑いを浮かべていた。

 しかし、その中で矢矧だけは提督の方を見て絶句していた。

 

「あ、ありえない……」

「でち?」

「提督が、あの提督が! ちゃんとしてるように見えるなんて!?」

「……なんか、すっかり平和って感じよね」

「そうだな、もう元通りだ」

「――すみません、さっき目が覚めました……ってなんか賑やかですね?」

「お、大和、目が覚めたのか」

 

 食堂に入ってきた大和とプリンツを出迎える天龍達。

 そこに何よりも反応したのは、提督に捕まっていた海老名だった。

 

「大和だと!? ちょおっとあなたの超弩級なボディを海老名ちゃんハンドで触診させてもらってもいいですかねぇっ!?」

「なんですか、この人!?」

「お姉さまは渡さないッ!」

「大丈夫、海老名ちゃんは寛大なんだ! 二人まとめてやったるでぃ!」

「やだ、怖いです、お姉さま!」

「私も怖い!」

 

 両手の指を触手のようにうねうねと動かして大和達に迫る海老名に再び提督の手刀が振り下ろされた。

 

 

「――ゴホン、改めて、こちらは海老名薫大将。今回の件で私が助っ人として呼んだ方です。ちなみに士官学校の後輩でもあります」

「どーも、海老名ちゃんです。親しみを込めて海老名ちゃんと呼んでくれたまえ。あ、先輩には士官学校で色々深い意味でお世話になった身です」

「ちょ、提督!? まさか、その人と……」

「何もありません! 海老名、いかがわしい言い方はやめてもらえますか!?」

「将来は専業主婦として先輩に養ってもらう予定です」

「なっ……!」

「そんな予定はありませんッ!」

 

 これまでにないおちゃらけた雰囲気のその大将は、私達の大将像からはあまりに離れすぎていて、私達はすっかり面食らってしまって言葉がでないでいた。

 矢矧だけは別の意味で固まっているのかもしれないが。

 しかし、いつまでも沈黙したままでいるわけにもいかず、磯風が口火を切って質問する。

 

「その、あなたが――」

「海老名ちゃん」

「……その、海老名ちゃんが川内の今の提督なのか?」

「イエス、その通り。そして、そういう君、磯風ちゃんの話は川内から常々聞かされているよ。昔お爺ちゃんに協力してくれてたんだってね、ありがとね!」

「お、お爺ちゃん?」

「磯風、実はこの人、中将の孫なんだよ」

「孫!? 中将の!?」

 

 磯風は川内の言葉にオーバーなアクションで驚愕する。

 あまりに磯風の中の中将と目の前の海老名に血縁関係を思わせる類似点が見いだせなかったからだろう。

 

「ま、助っ人で呼ばれて、伊58ちゃんに連れられて来てみれば既にほとんど終わってて後片付けくらいにしか役に立たなかったけどね、いや面目ない」

「大将クラスと知り合いだったんだな……提督」

「まぁ、大将が知り合いというより知り合いが大将になったと言うのが正確ですがね」

「いやぁ、私、優秀なもので。主席卒業の先輩までも追い越して大将になってしまいました。はっはっは」

 

 自慢気に胸を張って語る彼女に鳳翔と川内から同時に手刀が振り下ろされた。

 今度は川内と鳳翔からだった

 

「ったぁい!」

「何が優秀だ! 自分は執務室でだらだらしてるだけの癖に! いつも頑張ってるのは私達なんだからね!? そういうセリフは、少しは仕事してから言ってよね!」

「そうですね。胸を張っていい程提督は鎮守府に貢献はしてないですよ」

「私は面倒ごとには関わらずに艦娘といちゃいちゃして遊んで暮らしたいんだよぉ。楽しいことだけやっていたいよぉ、仕事面倒くさいよぉ」

 

 何故こんな人が大将なのか、と私を含めてその場の誰もが思ったことだろう。

 

「提督は仕事の意欲があるだけマシだったのね」

「あれと比べられてマシと言われてもあまり嬉しくないんですが」

「働きたくないでござるっ! 絶対に働きたくないでござるッ!」

 

 鳳翔と川内の説教に対して耳を塞いで働きたくないを連呼する海老名を見て、矢矧は見直したとでも言いたげに提督を見上げ、提督はその視線に苦笑いで答えた。

 

「――随分と、賑やかだね。ここの鎮守府は」

 

 その声に一番に反応したのは磯風だった。

 いつの間にか食堂の扉が開かれ、そして、そこからゆっくりと姿を現した男は、紛れもなく、犬見誠一郎その人だった。

 

「久しぶりだ、主席殿。いや、今は少将殿、か」

「お久しぶりです。犬見君」

「お久しぶりですー、いぬみん先輩」

「チッ、海老名か。面倒なのがいるな」

「えー、なんですか!? カワイイ後輩がこうして愛想よく挨拶してるのにその反応!?」

 

 犬見は海老名の抗議の声も無視して辺りを見渡すと、磯風に視線を向けた。

 

「久しぶりだな、磯風」

「犬見……!」

「ねー、ちょっと! いぬみん先輩聞いてますー!? 無視しないでよ、私大将よー!?」

「提督、空気読んでください!」

 

 

「まずは、ウチの捕虜の方だが」

「ええ、皆さん無事ですよ。最低限の拘束はさせていただいていますが」

「ああ、知っている。まさかスタンリングを付けているだけとは、驚いたよ。悪いが、既に開放してここに連れて来させてもらった」

 

 犬見の言葉と同時に伊勢、日向、那珂の三人が続けて食堂に入ってきた。そして、机の上にどうやって外したのか開錠されたスタンリングが三つ食堂のテーブルに置かれる。

 

「少将殿、鎮守府の警備についてはもう少し見直した方がいい。このスタンリングについてもね。あまりにザル過ぎる」

「……検討しておきます」

「では本題に入ろうか、少将殿は今回の件に関してどういう対応をとるつもりかな?」

「既に横須賀艦隊に護送船の用意を依頼してあります。軍事裁判でしかるべき処分を受けてください」

 

 提督の言葉に、犬見は何も動揺を見せない。

 むしろ、嘲るように笑った。

 

「甘いな。私ならそんなことはせずに内々で処理するが。それに、そんなやり方で磯風は納得しているのか?」

 

 磯風に視線をやる犬見に天龍や川内が険しい表情をして口を開きかけたが、それよりも早く、海老名の低い声が響いた。

 

「先輩、もう、いいんじゃないですか? ()っちゃっても。私、大将ですし、彼一人くらいの生死ならギリ揉み消せますよ」

「海老名……」

「あ、別に気に病む必要はないです。私、実は大層なお爺ちゃんっ子なので、いぬみん先輩には内心かなりおこですし。今は先輩の手前我慢してるだけですし」

 

 先刻とは一変して一定のトーンで淡々と語り続ける海老名からは明確な犬見への憎悪と敵意が感じられた。

 それに反応し、犬見の後ろで控えていた伊勢達は慌てて彼を守るように前に出てくる。

 

「……わかりました。磯風、こういうことですから、あなたに判断を任せます。自らの手で、決着をつけたいというのなら、私も止めません」

「ちょ、提督、それは!?」

 

 提督は懐から黒光りするオートマチック拳銃を取り出すと、磯風に渡す。

 矢矧から声があがるが、天龍に制止される。

 

「あなたが、決めてください。あなたの選択を、私は必ず尊重します」

「わかった、ありがとう、提督」

 

 銃を受け取ると、磯風は犬見の方に向き直った。

 

「犬見、艦娘は道具か?」

「ああ、道具だ。全ては、私の道具。悪いが、この命が果てるまでその考えが変わることはない」

「そうか、なら、私も言おう」

 

 前に立ちふさがる伊勢達を眼力で圧倒し、犬見の目の前に立った磯風は真っすぐに彼を見つめて言った。

 

艦娘(私達)は、人間だ」

「…………何故、そう思う?」

「私達は、楽しければ笑うし、悲しければ泣く。自分で考え、自分で行動する個性がある。私達は道具や兵器にはない『心』を持っている。だから、道具にも兵器にもなれない。当たり前のことだ」

「そうか、当たり前か」

 

 その時、僅かに眉を動かした犬見を見て、提督が小さく笑ったのが矢矧には見えた。

 

「犬見、お前も気が付いている筈だ。艦娘は道具じゃないって」

「何を馬鹿な……」

「お前の艦娘が証明してくれている。何も命令されずとも、自分の意志でお前のために動く艦娘達がお前の目の前にいるじゃないか。かつて谷風と浜風もそうだった。そして、きっと浦風もそうしただろう」

「…………」

「わかるか、犬見? 艦娘から心を取り外すことは、意志を奪うことはできないんだ。だから、私達は道具になれない、人間なんだ」

 

 伊勢、日向、那珂は何も言わない。犬見も眉間に皺を寄せて立ち尽くしている。

 磯風はそんな犬見に銃を向けて続けた。

 

「正直、お前を殺したいほど憎んでいる私がいるのは事実だ」

「……ふ、そうだろうな」

「だが、私はお前を慕う艦娘達を見た。だから、私は私の心に従って、人として、お前を赦すことにする」

 

 そう言って、向けていた銃を再び下におろした。

 

「何、だと……」

「勘違いするな。法の裁きは受けてもらう。ただ、ここで私が自ら手を下すことはしない。それだけだ。すまないが、それでいいか、海老名ちゃん?」

 

 磯風は恐る恐るといった様子で海老名の方を見る。

 彼女は一瞬、険しい表情を浮かべたものの、すぐに諦めたように笑ってため息をつくと、親指と人差し指で丸を作って見せた。

 

「うん、おっけーよ。他でもない磯風ちゃんがそう言うなら、海老名ちゃんも大人げないこと言えないわー。それに、そっちの方がいぬみん先輩には効きそうだしね」

 

 そう言って、笑う海老名の視線の先では犬見が怒りに拳を震わせていた。

 自らが使うべき道具に打倒され、決別され、そして助けられる。

 完膚なきまでの完全敗北であり、同時にそれはかつて道具に殺された父と重なる、犬見が最も忌避した姿だった。

 

「僕を……虚仮(コケ)にするのか……磯風ッ!」

「犬見、これが私とお前の決着だ」

 

 そう言って、磯風は犬見に背を向け、七丈島艦隊の面々へ笑顔でピースをして見せる。

 磯風の長きに渡る犬見との因縁はこうして決着を果たした。

 

 




次回磯風編完結と言ったな、あれは嘘だ。
長くなりすぎたので二話に分割することにしました。
今日中に残りも投稿します。

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