こんな○○○は絶対に間違っている   作:ディストピア

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これはもしかしたら有り得たかもしれない物語


ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
こんなオラリオは絶対に間違っている


━━━アイズサイド━━━━━

 

 

「アイズ、俺とあのトマト野郎、番になるならどっちがいい」

 

「黙れ駄犬、ご飯が不味くなる」

 

可愛らしい声だが底冷えするかの様な、恐怖を感じる程に冷たい声が小さく呟かれたにも関わらず辺りに響き、聞いた者の体を硬直させた

 

 

「ア………アイズ」

 

 

「はっきり言うけど、私が駄犬と番になる事は何が起こっても、未来永劫絶対にそれだけは無い、今の駄犬を選ぶ位ならギルドの白い豚さんの方がまだまし」

 

本来ならば賑やかな筈の店内からアイズの言葉以外の全ての音が消え、店内に小さな声だけが響き渡る

 

 

「自分の番になれ、そんな戯れ言は最低でも私に勝ってから言って、私………雑魚には興味が無いから、貴方程度の雑魚は初めから対象外、寧ろその状況を想像しただけで気持ち悪いです、生理的に受け付けない」

 

ただ淡々と呟き続ける言葉には嫌悪の感情が込められていた

 

 

「うわっ、アイズ凄く怒ってる」

 

「ベートの奴、完全に固まってるわね」

 

「アイズ、気持ちは分かるが………」

 

「………怒ったアイズを見てると、今はオラリオの外に出ている彼女を思い出すな」

 

「あの………アイズたん、この空気が続くとご飯が不味くなってまうから落ち着いてや」

 

ロキ・ファミリアの面々が思わず呟き、主神のロキが恐る恐るアイズの説得を開始した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして五分後

 

 

「そうですね、ご飯は美味しく食べるべきですね、そこの【駄犬の奢り】ですから沢山食べましょう……………駄犬が破産するくらいに」

 

ロキの説得により落ち着いたアイズがクスッと笑いながら言ったその言葉に

 

 

「ちょっ………アイズ、何時俺の奢りに成ったんだよ!!」

 

ベートが即座に反応したが

 

 

「何か文句が有るのですか…………駄犬?」

 

「無い………………です」

 

 

無表情で汚物を見るかの様な眼で睨まれ呆気なく潰された

 

 

 

 

 

 

「あのゴミを見るかの様なアイズの眼、あの眼で睨まれるとゾクッと来る……………………………最高だ」

 

小さく呟かれたベートのその言葉を聞いた者は居なかった

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

兎はこの店に初めから居なかった

 

 

 

 

 

完全に余談ではあるが、ロキ・ファミリアにはオラリオの外に一時的に出ているメンバーが二人いる

 

 

片や聖人的な腹黒鬼畜外道神父

片や聖女的な腹黒鬼畜毒舌シスター

 

という、凄まじく仲の悪い似た者父娘である

 

 

そして、現在一緒に行動中である、理由は彼の妻にして彼女の母の命日が近いため、彼女の故郷まで墓参りに行ってるからである

 

 

 

 

純粋すぎるアイズは幼き日にファミリア入りした時からの付き合いの為か、シスターの影響を若干受けていて怒ると毒舌に

 

 

ベートはシスターの手で行われる度重なる折檻で隠れMに調教されてしまっている

 

 

 

━━━ヴェルフサイド━━━━━

 

 

「良し、行くか」

 

 

装備を点検し終え、ダンジョンに向かう準備を終えて出発しようとした赤毛の男に眼帯を付けた女性が近づく

 

 

「ヴェルフ、貴方………今は確かタケミカヅチ・ファミリアの子達のパーティに混ぜて貰ってるんだったわよね」

 

 

「ええ、俺の打った武器を、闘将の刀【Gサムライソード(Gはグレート)】を使ってくれてますし、彼らの故郷の意匠に合わせた防具もこの間造りましたからね、実際に使ってる所を見れば次の武器は使い手に合わせた調整も出来ますし、一緒ならすぐに感想も聞ける、自分の為にも成りますからね」

 

 

 

「張り切ってるわね」

 

 

「もっと強く、もっと腕の良い鍛冶師に成る為に、そして、ヘファイストス様、貴女に相応しい男に成る為に!!」

 

何処までも熱く純粋で、真っ直ぐな瞳でヘファイストスを見詰めながら力強く言い切るヴェルフ

 

 

「そっ………そう、頑張りなさいヴェルフ」

 

顔を耳まで真っ赤に染め、恥ずかしさからかヴェルフの顔を直視できず、顔をそらしながら告げた

 

 

「そろそろ集合時間なんで行ってきます」

 

そんなヘファイストスにニカッと笑った後、振り返って出口に向かい、右腕を上げながら一時の別れを告げる

 

 

 

「ヴェルフ…………無事に帰ってくるのよ」

 

その後ろ姿を赤くなった顔で見詰めながら心配そうに呟くヘファイストス

 

 

 

 

 

その姿を見て

 

 

「ヘファイストス様、ヴェルフの奴に告白されてから毎回アレやってるよな」

 

 

「リア充爆発しやがれぇ!!」

 

 

「爆発しろ爆発しろ爆発しろ爆発しろ爆発しろ爆発しろリア充爆発しろ!!」

 

 

呆れながら見ている者が居るがそれは少数派で、大半が今にも禁断の装備品、【嫉妬のマスク】を被って行動しそうだと思わせる程に、嫉妬に狂い血の涙を流して居る者や、ひたすら呪詛を吐いてる者が居た

 

 

 

 

 

尚、ヘファイストスに認められる武器はまだ作れていないので付き合ってはいない

 

 

 

 

そして椿は惚気話を散々聞かされてうんざりしている

 

 

 

 

余談だが、何故か彼の命名センスは改善?され、中二病的なセンスに変わっている、そして原作より遥かに早く告白している

 

 

 

━━━リリルカサイド━━━━━

 

 

 

とある場所にて複数の冒険者が集まり話し合っていた

 

「聞いたか、昨日路地裏でソーマ・ファミリアのカヌゥ・ベルウェイが死んでいたらしいぞ」

 

「またソーマ・ファミリアの奴が殺されたみたいだな、これで8人目だったか?」

 

「今回はかなり悲惨な殺され方だったらしいぞ」

 

「今回も姿無き暗殺者【インビジブルアサシン】の犯行か?」

 

「ミイラ化した奴まで居たのにそれ以上なのか?」

 

「今回は目撃者が何人か居たらしいんだが、凄惨すぎる光景だったらしくてな、全員が恐慌状態で少し話した後、今は薬で寝てるらしい」

 

そういった冒険者は沈痛な

表情を浮かべる

 

 

「そんなに酷かったのか?」

 

「俺も話を聞いた友人から聞いただけなんだが、それでも良いなら話すが………」

 

そう言って周りの者達を見ると全員が無言で頷いた

 

 

「凶器は影だったらしい、その影が生きている被害者の体内に入り込んで……………生かしたまま、体内から少しづつバラバラに解体していったらしい、響き渡り続ける悲鳴を聞いて駆け付けた者達を影で拘束し、眼を逸らしたらそいつを殺す、魔法等を使って邪魔をしたら全員殺すと、何処かから脅して…………見せ付けていたらしい」

 

「そいつは酷いな」

 

「ソーマ・ファミリアの連中、それ程迄に残酷な殺され方をされる程に恨まれる事をしていたのか?」

 

 

「最初の被害者は確か…………小さな女の子に暴力を振るって痛め付けていた奴だったか?」

 

 

「暴力を振るわれていた最中に、突然拳も蹴りも来なくなった事に疑問を感じた娘が見上げたら……………首が切り飛ばされていたんだったな」

 

 

「確か…………小人族のリリルカ・アーデって名前だったか、色々と災難だよな」

 

 

 

 

 

そんな会話を物影から聞いていた小さな人影はその場から離れ、その場に人が居た痕跡すら無くなった

 

 

 

 

「これで8人、けど…………ソーマ・ファミリアの団長が未だ生きている、次の獲物は見付けておかないと駄目ですね」

 

クリーム色のローブを纏い、自分の身の丈を超えるバックパックを背負っている少女、彼女は冒険者を遠目に観察し装備品を確認しながら呟く

 

 

「今は未だ隙が無い、時間を掛けて観察し、決定的な隙を見付けたら逃さず確実に…………仕留める」

 

暗く濁った瞳に憎悪を宿し、拳を握り締める

 

 

「あの屑共を私は、何でもっと早く殺さなかったんでしょう、こんなにも簡単で、あっさりと殺せたのに、ただそれだけで苦しみから逃れる事が出来たのに」

 

実に楽しげに怪しく、クスクスと笑いながら呟く

 

 

「この魔法が有るなら正面からでも…………いえ、もっと使いこなして精度と威力を上げてより確実に、奴の前に姿を表すのは戦闘能力を奪ってからでないと私が殺される」

 

そこまで思考を巡らせた所で溜め息を付き、その場から離れて自分の拠点に向かう

 

 

「今日はめぼしい装備を持った隙の有る冒険者は居なかったですね、仕方在りません、今日は自分でモンスターを狩って稼ぐとしましょう」

 

 

 

 

 

 

ダンジョン内

 

 

「犬人の耳にも鼻にも引っ掛かる冒険者は居ない、この辺りなら丁度良いですね」

 

そう言ってナイフを右手で握り、モンスターを引き寄せるアイテムを自分から少し離れた場所に配置する

 

 

「私の影は蠢き、貴方を捕らえて離さない、呪層界・悪心祝祭【アート・アンリマユ】」

 

彼女が先日取得した新たな魔法を発動させる、すると彼女の影が蠢き彼女の周りを覆い身を守る盾に、そして敵を討ち滅ぼす刃と化した

 

 

「ふふっ、早速来ましたね」

 

曲がり角から現れた魔物は姿が見えた次の瞬間、影の刃で首を切り飛ばされ絶命した

 

 

 

 

 

そして影はそのすぐ後ろに居た次の獲物にも襲い掛かり、瞬時にその命を奪った

 

 

 

 

 

それから少し時間が流れ

 

 

 

最後に残った魔物がリリルカの影の中に足掻きながら呑み込まれていった

 

 

「次の魔物が中々来ないですね、この辺りの魔物は狩り尽くしちゃったみたいですね」

 

少しだけその身に纏ったクリーム色のローブを返り血で赤く染めながらも無傷で少女、リリルカ・アーデは辺りを見渡し

 

 

「魔石とドロップアイテムを回収して帰りますか」

 

そして慣れた手付きで速やかに回収を終えると帰路に付く準備を始めた

 

 

 

「最近はステイタスの伸びも良い感じですし、これだけ魔法を使っていれば魔力の上昇は期待できますね、帰ったら久々にあの駄神ソーマにステイタスの更新をさせましょうか」

 

 

そうしてリリルカは怪しい笑みを浮かべた後、ダンジョンの出口に向かって歩き出した

 

 

 

「ふふっ、私は必ず自由を手に入れる、それがどの様な手段で在ったとしても、必ず成し遂げてみせる」

 

 

その瞳は紛れもなく、底無しの狂気に染まっていた

 

 

 

 

 

レベルアップこそしていないが、今の彼女は自分の殻を打ち破っている、それ故にステイタスが一気に成長している

 

 

 

余談だが、暴力を振るわれていた時に心の闇が限界を越えて目覚めた魔法、それを殆んど意識を失った状態で無意識に詠唱し、相手を反射的に殺害した

 

 

その結果を認識し、苦しみから解放されるには自分に苦しみを与える者を殺し尽くせば良いと悟った、そして行動方針すらも変えた

 

 

 

今の彼女は忌まわしき冒険者の装備を得る際に、隙を付いて盗むのだけではなく、殺して奪う事も選択肢に加えている

 

 

 

 

黒桜的な覚醒をしてしまったリリルカ・アーデ

 

 

 

━━━ベルサイド━━━━━

 

 

 

「ベル君がミノタウロスに襲われても生きて帰って来てくれたのは素直に嬉しいよ、だけどさ、助けてくれたアイズとか言う女に心奪われて、このボクと話をしている時ですらその女の事を考えて惚けるなんてさ、冗談じゃないよ!!、ベル君はボクの事だけを考えてボクだけを見てボクだけを思っていれば良いんだよ、それなのに突然現れた女なんかにうつつを抜かすなんて、いったい君はボクの事を何だと思っているんだい!!、ボクはベル君の事をこんなにも想って大事に思い恋い焦がれ愛しいと思っているのにさ、ベル君はボクの想いを裏切るのかい、ボクの事を捨てるつもりなのかい、そんな事ないよね、ベル君は生きてる間地上でボクと一緒に暮らし続けて、死んでも天界でボクとずっと一緒居続けてくれるんだよね」

 

濁りきった瞳で狂った笑いを浮かべ

 

 

 

 

 

裸で縛り上げられ、死んだ魚の様な光を失った目をしている白髪の少年、ベル・クラネルに話し掛け続ける女神ヘスティア

 

 

 

「………あ………………ぅあ………」

 

言葉にも成らぬ呻き声を出すベル・クラネル

 

 

 

今彼が何を感じ、何を考えているのかは

 

 

 

 

 

誰にも分からない

 

 

 

 

ヘスティア様がミノタウロス初遭遇後にヤンデレを拗らせました




Fateのキャラとしか思えない説明のキャラが居ますが、本人のクロスではなく、あくまで同じ性格の別存在です……………同じ見た目で想像してますけど
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