こんな○○○は絶対に間違っている   作:ディストピア

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書き上がったので





このファミリアで彼が胃薬を手放せないのは間違っているだろうか【バレンタイン編】

朝を告げる鳥の鳴き声、窓から差し込む光

 

 

そして

 

 

『ガァァァァァァ!!』

 

誰かの断末魔の叫びが轟く中

 

 

 

ゼブルは目覚めた

 

 

「寝起きに誰かの断末魔の叫びを聞くって、何事だ?」

 

首を傾げて疑問に思うも

 

 

 

「おはようございます旦那様、今日も良い朝ですね」

 

ベットの横に笑顔で佇む清姫に声を掛けられて頭を抱える

 

 

「【今日も】無断侵入か清姫、流石にいい加減怒るよ…………何もしてないよね?」

 

 

「旦那様に嫌われたくは在りませんので何もしていませんよ、ただ…………旦那様の可愛い寝顔を見ていただけです」

 

「出来ればそれも止めて欲しいんだけど………」

 

「それは嫌です、わたくしは旦那様に一番最初に挨拶がしたいのです、だから、わたくしは旦那様が起きる迄は寝顔を鑑賞して楽しみながら待っているのですよ」

 

「…………いつ起きても常に居る気がするけど、いつも何時から居るんだ?」

 

「日の出前からです♪」

 

「………………陰形が巧すぎるよね、俺って一応暗殺特化の七夜の一族の人間なのに、敵意が無いからって気配に気付けないなんて………」

 

一頻り落ち込んだ後、溜め息を吐き

 

 

「着替えるから出てって」

 

 

「お手伝いします」

 

「いつも言ってるけどしなくて良いから、早く部屋から出てって」

 

 

部屋から清姫を追い出した後、メディアにプレゼントされた(押し付けられたとも言う)服に着替え

(未来への系譜編のソフィの服、色は今回は白)

 

 

 

『ガハァ!!』

 

 

新たな断末魔の叫びを聞き、ゼブルは声の発生源と思われるホームの食堂に向かう

 

 

ちなみに清姫は自室に戻ったのか居なかった

 

 

 

「声は多分この辺りからだが…………って、なんだ?」

 

食堂に入ったゼブルが辺りを見渡すと視界に入った光景に驚き、困惑する

 

 

 

ゼブルの視線の先に在る光景

 

 

 

それは

 

 

 

 

床に倒れ付し、悶絶する者や全身が痙攣している者、真っ青な顔で泡を吹いて気絶している者が居た

 

 

 

それらは全て男で在り、そんな者達が居る場所でただ一人、立っている者が居た

 

 

 

「カレン、一体何が在ったんだ?」

 

ゼブルが声を掛けたのは食堂で唯一ゼブル以外に立っている者

 

 

 

 

倒れ付している男達に囲まれながら、笑みを浮かべて悠然と立っている小袋を持った少女

 

 

カレン・オルテンシア

 

 

「あらゼブル、起きたのですか…………若干寝坊気味な気がしますが」

 

 

「確かにいつもより若干遅いけど、体を休める為に鍛練もダンジョン探索も全てやらないって決めてた日だし、そんな日くらいはのんびりしたいよ」

 

 

「ああ、確かに今日は月に一度の完全休養日でしたね」

 

 

仲良く会話をしているが、二人の周りには悶絶しているヘカテー・ファミリアの仲間達(男だけ)が倒れている

 

 

「今日はバレンタインデーですからね、貴方にも義理チョコを上げましょう」

 

 

そう言ってカレンが小袋の中から取り出し、ゼブルに差し出すのは一口サイズのチョコ

 

 

「ありがとうカレン、じゃあ早速……「それを食べては………いけま………せん」」

 

 

そう言ってチョコを口に運ぼうとしたゼブルに、息も絶え絶えの様子で制止の声を掛けるガウェイン

 

 

 

 

同じ様に倒れながらも喋る気力が無いのか、言葉は発しないものの、【止めなければならない】という強い意思が宿った眼差しをゼブルに向ける者達

 

 

 

ちなみに倒れているのは

 

ガウェイン、ランスロット、レオニダス、ササキ小次郎、アストルフォ、ジャック・ハミルトンの六人である

 

 

 

「…………いただきます」

 

そんな六人をさらっと無視してチョコを口にするゼブル

 

 

 

男達はそれを見て悔やみ、数秒経っても平然としているのを見て驚き

 

 

「バカな、あのチョコを食って平然としてるだと」

 

「当たり外れが有ったのでしょうか?」

 

そんな疑問の声を上げる

 

 

「あぁ~~、コイツらが倒れてる理由がよく分かった、こりゃ確かにまともな味覚をしてる奴には………【甘過ぎる】、蜂蜜に限界まで砂糖を溶かして煮詰めてもここまで甘くは成らないだろ、よく作ったな」

 

ゼブルのその言葉だけ聞けば呆れているが、表情を見たら普通に嬉しそうに喜んでいる

 

 

「普通に喜ぶだなんて、つまらない人」

 

ふて腐れた様な態度で呆れた様に言っているカレンだが

 

 

 

「カレン、俺が超が付く程の甘党だと知っている癖に酷い言い草だね」

 

苦笑いしながらそう言った後

 

 

「それにしても………去年より甘くなってるね、ひょっとして俺の甘さの許容出来る限界を目指していたのか?、成らば言っておこう、【この程度】の甘さは十分許容範囲内だ、せめてこの三倍の甘さを持って来るんだな、そうしたら限界を越え、甘さで悶え苦しむ俺が見れるぞ…………多分ね」

 

 

「ふっ、この三倍の甘さですか…………いいでしょう、来年こそは貴方を甘さで悶絶させてみせます」

 

 

「カレン、せめてキミ自身が悶絶する甘さを持って来ないと、話に成らないと思うけど?」

 

 

互いに挑発する様に笑い合い、にこやかな笑みを浮かべる二人

 

 

 

その言葉を聞いて『この地獄の様な甘さでもまだ足りないのか』と驚愕し、微笑み合う二人を見て戦慄する五人

 

 

アストルフォだけは素直に驚き感心している

 

 

 

 

そんな食堂に新たな人が現れる

 

 

「あっ、主殿よい所に、私からのバレンタインプレゼントです」

 

食堂に入った直後にゼブルの姿を見付け、笑みを浮かべ嬉しそうに駆け寄る義経

 

 

犬の尻尾が有ったならば千切れんばかりに振っているだろうと確信できる程の勢いだ

 

 

 

 

 

そして、義経が差し出した物は

 

 

「…………刀型のチョコ?、いや…………直感に従うならこれは武器、けどこの香りは間違いなくチョコ、でも…………鞘から抜いたら見えるのは切れ味良さそうな見事な刀身、けれどこの甘い香りはやっぱりチョコ」

 

ゼブルが義経に渡されたのは、鞘も刀身も装飾も見事な作りの刀(チョコ)

 

 

「私は武士ですから仕える者として敵の首型チョコを本当は贈りたかったのですけど…………皆に死ぬ気で止められまして、ミノタウロスの首型などは大きさ的にもちょうど良いかと思っていたのですが、断念し、武士らしく主に刀を捧げようかと」

 

堂々と胸を張ってかなり本気でずれた事を言い

 

 

「頑張って作りましたので切れ味抜群で実用性も完璧です、それを使って今度二人でモンスターを狩りに行きましょう」

 

これまたずれた事を楽しげに語る義経

 

 

「義経…………完全に趣旨を間違ってるから、食べる為のチョコを贈る日だから、武器としての実用性なんて求められてないから、このチョコを食べたら口の中をザックリ切り裂きそうだし、それ以前にモンスターを斬り殺したチョコは流石に食べたくないから」

 

義経の眼をジト眼で見ながら、若干早口で畳み掛ける様に説明や注意をする

 

 

「そうだったのですか…………申し訳在りません、私の勉強不足でした」

 

そんなゼブルの勢いに押されたのか、自らの勘違いを恥じたのか、俯き落ち込む義経

 

 

 

 

それからも

 

 

テンション低めなエリザベートがタコ型ハバネロ入りチョコをゼブルにプレゼントしてツッコミを入れられたり

 

 

 

玉藻がチョコをゼブルに贈り、まともな事に驚きながらも嬉しそうに受け取るゼブルが居たり

 

 

 

メデューサが店売りの高級チョコを恥ずかしがりながらも感謝と姉達の日頃の我が儘のお詫びにと配っていたり

 

 

バレンタインを若干勘違いしていたオキタ総司だが、ゼブルにチョコを送った後に玉藻から正しい知識を教えられ、顔を真っ赤にして無言で反転ダッシュで逃げ出したり

 

 

 

自信満々に髑髏型チョコをゼブルに贈った信長だが、玉藻を筆頭とした女性陣が信長を物影に連れていき説教タイムが始まったり

(カレンが実に楽しげだった)

 

 

 

マリー、マルタ、シュテル、ディアーチェ、ユーリがファミリア内の男性全員にチョコを配ったり

 

 

幼い少女達もお姉ちゃん達に手伝って貰いながら皆で頑張って作ったんだよ…………と、楽しげにチョコを配っていたり

 

 

 

ライナー、クロア、アオトの三人の周りにはそれぞれに想いを寄せる少女達が居り、桃色な空気と修羅場な雰囲気を放っている為か、他の者達から自然と避けられていたり

 

 

エリオがキャロとルーテシアの二人からチョコを渡され微笑ましい感じに成っていた

 

 

 

 

そんな中、【黒い服】を着た清姫が甘い香りを漂わせながら現れた

(髪の色だけ通常、それ以外は第3段階)

 

 

 

「旦那様、わたくしからのバレンタインプレゼントです、美味しく召し上がれ♪」

 

そう言う清姫だがチョコを手に持っておらず、照れた様子で自分にリボンを巻いて立っていた

 

 

「蛇女…………自分にリボン巻いて何やってんのよ」

 

ジト眼で見ながら呆れた様子で言葉を発したエリザベート

 

 

 

 

ゼブルは清姫を観察した後に深い溜め息を吐き

 

 

「清姫、喰うから早くそれを脱げ」

 

真顔でそう言い切った

 

 

 

 

当然ながら周りの女性陣は驚愕し己の耳を疑った(ゼブル狙いの者は特に)

 

 

 

「旦那様ってば積極的ですのね、この場でわたくしを食べたいだなんて………嬉しいです、ですが、わたくし………初めてですので、優しく食べてくださいね…………旦那様」

 

頬を真っ赤に染めて恥ずかしげに、けれど嬉しそうに言う清姫

 

 

 

 

 

その頭に無言でチョップを叩き込むゼブル

 

 

「うぅ…………旦那様ぁ、何故叩くのですかぁ」

 

地味に痛かったのか、涙目で頭を押さえながら尋ねる清姫に

 

 

「分かってて言ってるよね、それと………言葉が若干足りなかったから言い直す、その【チョコを】喰うから今直ぐに自室で【普通の服に】着替えて持って来て」

 

 

ゼブルの言葉に疑問符を浮かべて首を傾げる周りの面々、それを見て、皆の疑問に気付いたゼブルは清姫の服の袖を持つと

 

 

 

 

 

 

自らの口に運び、袖に噛み付き

 

 

 

 

食い千切った

 

 

「うん…………旨いな…………程よい苦味と凄い甘さが実に良いね、見ての通り清姫のチョコはやり過ぎな位に作り込んで在るけど、清姫って今…………【自分の服を模したチョコ】を着ているんだよ」

 

呆れながら苦笑いを浮かべて説明するゼブル

 

 

「和服を着る作法通りに着ているので、わたくし………今は下着を身に付けていないのですが、わたくしの身体に溶けて貼り付いているチョコを舐め取って召し上がったりは…………」

 

「しないから、そのチョコ服は全部食べるけど身体に付いたチョコを舐め取ったりはしないから、美少女が素肌に直接着てた訳だから一部の業界の方々は血涙流しながら羨ましがるだろうけどさ…………………ボクにそんな趣味は無いんだけどねぇ」

 

 

恥ずかしがりながらも発した言葉はバッサリ切り捨てる様に拒絶され、しょんぼりと若干落ち込みながら自室に引き返す清姫

 

もっとも、美少女と言われたからそれなりに嬉しそうだけど

 

 

 

ゼブルはゼブルで、最後の部分は遠い目をしながら呟いているが、普段の口調を忘れ一人称も本来の物に戻っている

 

 

 

 

「あぶねー………………私はまともなのを渡していて良かったぜ、危うく方向性が清姫さんと被るとこだった」

 

そんな事を呟く挙動不審な玉藻にゼブルが声を掛ける

 

 

「玉藻………キミと清姫の場合はもっとも楽観的に考えても、溶かしたチョコを唇に塗って『チョコを甘~いヴェーゼと共に美味しく召し上がれ♪』………とか、そんな【程度の事】は普通にやりそうだと思ってるし、最悪の場合、裸にチョコを塗って私を食・べ・て(ハート)……………ってやりそうだから、少し警戒していたんだけどね、キミはまともで予想外、清姫は予想していた最悪の斜め上…………じゃないな、別方向にブッ飛んでいて予想外だったけど…………………懐かしいノリだよ」

 

 

しみじみと、何かを懐かしむ様に遠い目をしているゼブル

 

 

それを聞いたカレンも同じ事を思い出したのか、確かに………と呟きながら頷き

 

 

「アインズに対するアルベドとシャルティアの二人を彷彿とさせる、懐かしさを感じますね」

 

 

「特にアルベドさんだな、清姫と玉藻を足した様な危ない人だったからなぁ、清姫は嘘でスイッチが入るけど、アルベドさんはアインズさんの事柄全般でスイッチ入るし、アインズさんが攻撃されたら狂化するしなぁ…………二つ名の狂姫【クレイジープリンセス】って似合いすぎだよ」

 

 

完全に苦笑いのゼブル

 

 

「昔のヘカテー・ファミリアの主力陣はキャラが濃すぎるからなぁ、今の面々が混ざっても大半が普通に飲まれて目立たないな」

 

 

それを聞いたほぼ全ての者達が戦慄する、今のヘカテー・ファミリアは中々に曲者揃いでキャラが濃いと思っていたにも関わらずそんな事を言われたのだ

 

 

『まだマシな方だったのか』

 

彼等の脳裏にそんな言葉が浮かんだとしても、仕方の無い事だろう

 

 

 

 

「さて…………昔を懐かしむのは止めにして」

 

所属冒険者の大半が居る事を確認し、手を叩いて意識を集め、真面目な表情で喋り始める

 

 

 

「四日後に下層に向かい暫く籠る予定に成っている、装備や道具、体調の管理は確りとしておけよ、休める時に休んで楽しめる時に楽しんで息抜きして、四日後に向けて各自準備は怠らない様にな、真面目な話はこれで終わり、存分に楽しんで英気を養う事」

 

そう締め括られて話が終わり

 

 

 

 

この後もヘカテー・ファミリアでは

 

 

騒がしくも賑やかで、楽しい時間が続いた




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