こんなロキ・ファミリアは間違ってる
数多くの芋虫の様なモンスターと【怪物の宴】で誕生した数多のモンスター達を仲間達が戦い足止めしている間に
エルフの少女、レフィーヤが詠唱を開始した
「誇り高き戦士よ、森の射手隊よ、押し寄せる略奪者を前に弓を取れ、同胞の声に応え矢を番えよ、帯びよ炎、森の灯火、撃ち放て妖精の火矢、雨の如く降りそそぎ蛮賊どもを焼き払え」
魔法円が強く光輝き、数多の光球が現れ、彼女の頭上に集束していく
「撃ちます!!」
その声を発すると同時に巨大な光球が輝き
「【ビュゼレイド・ファラーリカ】!!!!」
紡がれた魔法名が叫ばれると無数の光弾が高速で放たれ、モンスター達を殲滅し凪ぎ払う
その際に、とある狼系の獣人に幾つかの光弾が掠めてモンスターに襲い掛かる
もっとも、彼が避けなければ4発程は彼に【直撃】していたが
「危ないだろうがレフィーヤ、危うく俺もモンスターと一緒に食らうとこだったじゃねえか」
獣人………ベート・ローガが怒鳴りながら食って掛かる
それを聞き、アマゾネスの少女、ティオナに抱き付かれて称賛されていたレフィーヤは不適に笑い
「斜線上に入るなって私言ったわよね、私の攻撃の斜線上に居た貴方が悪いのよ」
彼の言い分を否定し、逆に貴方が悪いと言い放った
それを聞いて、言ってねえよ………と思いながら絶句してるベートの横を通り過ぎ、レフィーヤに近付く者が居た
「すまないなレフィーヤ、お前の魔法のお陰で助かった、感謝する」
そう言ったのは、女性と見間違える程の美貌を持った、【金の瞳を持つ金髪の絶世の美青年】だった
「はいっ!!」
嬉しさと恥ずかしさからか、耳まで真っ赤にしながらも実に嬉しそうな満面の笑みを浮かべて応えたレフィーヤ
そして彼が団長のフィンに呼ばれて彼は彼女の元から離れていく
その後ろ姿を見て
「相変わらず、凄く格好いいです
【アイズさん】」
完全に恋する乙女な表情でそう呟いた
それから少し時間は飛んでロキ・ファミリアの本拠、黄昏の館の一室にて
「クソッ、いったい何なんだよこの状況は」
そう頭を抱えて項垂れているベート
「フィンは能力的には全く一緒なんだが…………性格が完全に子供だし、リヴェリアは魔法方面で完全に脳筋だしよぉ、ガレスは突き抜けたパワー馬鹿に成ってやがるし、撲殺姉妹は…………色々と更に危なくなってやがるし、レフィーヤは千の妖精【サウザンド・エルフ】の他に…………誤射姫とか呼ばれてやがるし戦闘中は性格がヤバい、ロキは完全に思考と行動が恋する乙女に成ってやがるし」
そう乾いた笑いを浮かべながら力無く呟き、そして、疲れきった表情…………いや、心の底から何かに絶望したかの様な表情を浮かべ
「極めつけはアイズだよなぁ」
脳裏に思い浮かべるのは【金の瞳を持つ金髪の絶世の美青年】と【金の瞳を持つ金髪の美少女】の二人
「なんで……………男なんだよぉ」
弱々しく呟かれた言葉、そして彼の目から涙が流れた
「一応ロキに相談して分かったのは、一月前にこの世界の【俺】と俺が入れ換わったって事だけなんだよなぁ、俺は…………戻れるのか、あの世界に」
そう言って窓から夜空を見上げた彼の顔には哀愁が浮かんでいた
明日からも彼の胃と毛髪に甚大なダメージを与える日々は続く
この世界の元々のベート・ローガは気弱な常識人
主神のロキは
「あの気弱なベートがあんな性格しとるとは、平行世界ってのは面白いなぁ」
と面白がりながら今日も愛しのアイズの事を思い浮かべ
ありがちな恋する乙女の幸せな未来予想図を想像して悶え苦しむ
この事はファミリアの人員には、主力達――――メタな事を言えば出番がよく有る名前持ちの――――には伝えられている
ちなみに入れ替わった【気弱で常識人なベート】はというと
頭脳明晰で頼れる性格のフィン
お母さんやママと呼ばれる程に思慮深く優しく頼れるリヴェリア
狂戦士っぷりを発揮する事もあるが…………遥かにマシなティオネ
あんまり変わらないが頭が【かなり残念】なのに比べたらマシなティオナ
誤射をしないし性格が豹変する事もないレフィーヤ
可愛い系美人なアイズ
メンバーには元のベートと足して割れば良い感じなのに…………と残念がられているが
このロキ・ファミリアの状況と今の環境に、心から喜び毎日を楽しみながら生きている
当然の様に元の世界に帰る事は全く考えていない
アイズ・ヴァレンシュタインのモデルはFEの剣士ナバールらしいので
そのまま男です
アイズ・ヴァレンシュタイン(男)
二つ名、剣鬼
ロキ・ファミリア【だけ】が変化している世界です