俺ガイル短編集   作:黒猫withかずさ派

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フラグ(雪ノ下雪乃誕生日記念)

 

結衣「あっ、ゆきのん。それにヒッキー。明けましておめでとうございます」

 

雪乃「こちらこそおめでとうございます、由比ヶ浜さん」

 

八幡「おめでとさん」

 

結衣「ゆきのんたちは一緒だったんだね」

 

八幡「あぁそうだな。駅から一緒に来た」

 

結衣「そっか。うん、偶然会う事もあるよね。…………で、さ。ここの喫茶店。雰囲気よさげだよね」

 

雪乃「えぇ、ここの紅茶は色々な種類の茶葉がそろえられていて、何度来ても楽しめるのよ」

 

結衣「そっか。ゆきのんは常連さんなんだね」

 

雪乃「そうね」

 

八幡「なんて上等なことを言っているみたいだが、いつも飲んでいるやつは決まっているじゃないか」

 

雪乃「……そうだけれど。でも、試飲程度には他のも飲んでいるわ」

 

八幡「どうせ人に頼ませて、一口味見させてねって感じで飲んでいるだけだろ?」

 

雪乃「それのどこが悪いと言うのかしら?」

 

八幡「いや、全然」

 

雪乃「なら問題はないわね」

 

結衣「そうだよ。女の子は色んなのを食べてみたいのっ。だから一口貰って交換こするのは悪いことじゃないんだって」

 

八幡「ま、本人たちがいいって言うんなら別にかまわんよ」

 

雪乃「そろそろ中に入りましょう。いつまでも店の前に立っていると他のお客の迷惑になるし、それになによりも寒いわ」

 

結衣「そだね。早くはいろっ」

 

 

 

 

 

 

 

雪乃「ダージリンのセカンドフラッシュとアッサムのセカンドフラッシュ。アッサムはミルクティーで。それにミックスサンドとデニッシュソフトをお願いします」

 

店員「デニッシュソフトの方は二等分でよろしいのでしょうか?」

 

雪乃「えぇ、そのようにお願いするわ。由比ヶ浜さんは何を注文するのかしら?」

 

結衣「あっ、ええと、ゆきのんと同じのでいいかな。あたしあまり紅茶には詳しくないし」

 

店員「ではダージリンのセカンドフラッシュでよろしいのでしょうか?」

 

結衣「えっ、はい。それお願いします」

 

店員「お食事の方はいかがいたしましょうか?」

 

結衣「じゃあミックスサンドで」

 

店員「デニッシュソフトの方もでしょうか?」

 

結衣「えっと、じゃあそれも」

 

八幡「やめとけ。一人で食べるには多すぎる。ミニサイズにしないと食べきれないぞ」

 

結衣「そなんだ。じゃあミニでお願いします」

 

店員「では、しばらくお待ちください」

 

結衣「あれ、ヒッキーのは?」

 

八幡「俺か? もう注文してあるから問題ない」

 

結衣「そう?」

 

 

 

 

 

 

 

結衣「ゆきのん。誕生日、おめでとうっ」

 

八幡「おめでとさん」

 

雪乃「ありがとう」

 

結衣「これ、プレゼント。気にいってくれれば嬉しいんだけど」

 

雪乃「由比ヶ浜さんが選んでくれたんですもの。それだけで十分嬉しいわ」

 

結衣「うんっ」

 

雪乃「開けてもいいかしら?」

 

結衣「どうぞ、どうぞ。………………あれ? ヒッキーは?」

 

八幡「俺はすでに渡した」

 

結衣「そなんだ。でも、せっかく誕生日パーティーひらいているんだから、ここで渡してほしかったなぁ」

 

八幡「今渡したら俺が何を選んだか周知の事実になってしまうだろ。なんで羞恥プレーをしなきゃならん」

 

結衣「べつにいいじゃん。減るわけじゃないんだし」

 

八幡「俺のライフが削られるだろ」

 

結衣「そんなの大したことじゃないって」

 

八幡「いいんだよ。こういうのはプレゼントを受け取る側が満足できればいいんだから。ほかの周りのギャラリーまでもてなす義理はない」

 

結衣「んっもう。でもゆきのんが喜んだんならいっか」

 

雪乃「そうね」

 

結衣「ん? ゆきのん、ペンダントなんてしてたっけ?」

 

雪乃「これね」

 

結衣「あっ、勝手に触ろうとしてごめんね」

 

雪乃「いいのよ」

 

結衣「うん、でもゆきのんが大げさに避けようとしたから焦っちゃった」

 

雪乃「違うのよ。昨日と同じ服を着ているから臭ってしまうと思って」

 

結衣「そう? でも全然臭わないよ?」

 

雪乃「湯船にはのぼせるくらい入っていたというのに、服だけは同じ服なんですもの。私としてはちょっと気になってしまって」

 

結衣「大丈夫だって。ねっ、ヒッキー」

 

八幡「だとよ。気にならないってよ」

 

雪乃「そうだけれど、でも一度家に戻っておきたかったわ」

 

結衣「どこか出掛けていたの?」

 

雪乃「えぇ、身内の者とディスティニーランドに」

 

結衣「それでお風呂にのぼせるくらい入っていたんだ。やっぱ冬の夜のパレードは寒いよね」

 

雪乃「そうね。とても楽しい時間なのだけれど、体が冷え切ってしまうのはどうしようもないわね」

 

結衣「だよねぇ」

 

八幡「つうかあそこにいるカップル連中は熱すぎだろ?」

 

結衣「どうして? あっ、まあラブラブではあるよね」

 

八幡「彼女が彼氏のコートにくるまって顔だけちょこんと出してカンガルーの親子みたいにパレード見てるんだぞ。まわりには家族連れがいるんだから、少しは気を使うべきだっての」

 

結衣「あはは……。まあ、仲がいいのは悪い事じゃないっていうか」

 

雪乃「そうよ。彼氏にはそれくらいの甲斐性はあるべきよ。彼女をいつでもあたたかく包む度量くらいほしいものね」

 

結衣「だよね。なんか憧れるっていうか、いつかあたしも……。いや、ヒッキー違うって。ほら、なんだかあそこは夢の国ってわけで、ほら、ね。女の子はお姫様みたいに扱われたいっていう願望があって」

 

八幡「別に悪いって言ってないから安心しろ」

 

結衣「そっか、そだね」

 

雪乃「でも、いくら温かくても、足元から伝わってくる冷気には負けるのよね。長時間立っていると寒くて。そのせいでホテルに入ったらすぐにお風呂に直行だったわ」

 

結衣「そっか。それで長風呂に」

 

雪乃「えぇそうね。…………でも、それだけが原因というわけでもないのだけれど」

 

結衣「でも両親とディスティニーランドかぁ。親と一緒だと甘えちゃうよね。あれ食べたいとかこれ食べたいとか、つい甘えちゃってさ。で、お父さんもお父さんで、なんでも買ってくれるのも悪いって言うか。でも、嬉しいんだけどね」

 

雪乃「いいえ、両親は新年のあいさつに行っていたわ」

 

結衣「じゃあ陽乃さんと?」

 

雪乃「いいえ、姉も両親と一緒に新年のあいさつに行っていたわね」

 

結衣「そういえば隼人も雪ノ下家の人たちと一緒にご両親共々挨拶まわりに行くって言ってて、忙しいっていってたなぁ。だから優美子、初詣一緒に行けなくて寂しそうだったんだよね」

 

雪乃「葉山家は毎年うちと一緒に新年のあいさつまわりが慣例だから仕方ないわ」

 

結衣「そっか。親と一緒じゃ仕方ないね。そういえばヒッキーも家族で初詣行ってたんだよね」

 

八幡「あぁそうだったな」

 

結衣「小町ちゃんに、一緒に初詣行こうってお誘いしたら、小町ちゃんは家で受験勉強で、ヒッキーたちだけ初詣行ったって言ってたし」

 

八幡「小町から由比ヶ浜にお礼言っておいてくれって頼まれてたな。ありがとな由比ヶ浜」

 

結衣「べ、べつにあたしは小町ちゃんの合格を祈ってきただけだって。お守りも買ってこようと思ったんだけど、お守りはいくつも持ってちゃいけなんだって断られていたし」

 

八幡「それでも俺も礼を言いたい。こういうのは祈ってくれる人がいる事自体に意味があるんだよ」

 

結衣「そっか。……えへへ。…………あっ、ヒッキーはどこの神社行ったの? あたしはそこの……」

 

八幡「じゃあ同じ神社だな」

 

結衣「そっかぁ。だったら会えてたかもしれないんだね」

 

八幡「どうかな? 人もたくさんいたし、俺は二年参りしていたからな」

 

結衣「だったら無理か。あたしはお昼前だったし。あっ、ゆきのんは?」

 

雪乃「私も近所の神社で二年参りをしていたわ」

 

結衣「そっかぁ、二年参りあたしもしてみたかったなぁ。……そだ。来年はみんなで行こうよ」

 

八幡「いくら高校生になったとしても深夜に友達だけで出歩くのはよくないと思うぞ」

 

結衣「あっ、ヒッキーに正論言われた」

 

雪乃「そうよ、比企谷君の言う通りよ。深夜に出かけるのならば家族と出掛けるべきよ」

 

結衣「そぉお? じゃあ大学生になったら一緒に行こうね。絶対だよ」

 

八幡「まずはお前が大学生になれるかが問題だな」

 

結衣「あっ、馬鹿にされた?」

 

八幡「当然のことだろ?」

 

結衣「そうはいっても、ゆきのんは大丈夫だとしてもヒッキーは理系科目が壊滅的じゃん。いくら文系科目が大丈夫で私立文系いくっていっても高校の授業もあるし、軽く見ていたら大変な目に会うよ」

 

雪乃「それなら大丈夫よ」

 

結衣「どうして?」

 

雪乃「比企谷君も国立文系に行く事になって、理系科目もしっかりと勉強しているもの」

 

結衣「そなの? ヒッキー一言も言ってくれてなかったじゃん」

 

八幡「別に言う事でもないだろ? 俺の進路なんだし、俺が熟考して決めればいい事だ」

 

結衣「そうだけど水臭いっていうか、なんというかさ」

 

八幡「まあ悪かったな。ちゃんと目途がたってから言おうとは思っていたんだ」

 

結衣「まあいいけどさ。今度からはもっと早く言ってよね」

 

八幡「わぁったよ」

 

結衣「あれ? そのディスティニーランドのお土産。あたしも貰ったけど、ヒッキーもゆきのんから貰ってたんだね」

 

八幡「いや、これは小町へのだ」

 

結衣「小町ちゃん?」

 

八幡「あいつは今受験勉強で遊びになんていけないからな。だから俺がお金を出して雪ノ下に選んでもらったんだよ」

 

結衣「優しいね。ほんと小町ちゃんに対してだけはちゃんとしたお兄ちゃんしてるんだもんね」

 

八幡「いいんだよ。家族だからな」

 

結衣「そだね」

 

 

 

 

 

雪乃「今日は誕生日を祝ってくれて嬉しかったわ。ありがとう由比ヶ浜さん」

 

結衣「ううん、いいんだって。あたしが祝いたかっただけだもん」

 

雪乃「では新学期に」

 

結衣「うん、またね」

 

雪乃「えぇさようなら」

 

結衣「バイバイっ。…………あれ? ヒッキー、家の方向逆じゃない?」

 

八幡「いや、俺はこっちだから雪ノ下と同じ方向であってる」

 

結衣「そだっけ?」

 

八幡「そうだよ。じゃあまた新学期にな」

 

結衣「うん、じゃあヒッキーもまたね」

 

 

 

 

 

 

 

 

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