ラブライブ! road to idol m@ster 作:minmin
最近のシンデレラガールズのアニメのストーリーが個人的には残念な感じでして、いくら仕事が忙しくても執筆して憂さ晴らししたい!という気持ちで書いた3話目です。
ではどうぞ~
「ここが、346プロダクション……」
渡された資料を見ながらなんとかたどり着いた場所。広大な敷地に立ち並ぶ建物の数々。門の内側に入ったところで、私はなんだか圧倒されて、口を軽く開けたままぼけっとたっていた。
音ノ木坂の校舎も綺麗だったけど、やっぱり学校だし、建てられてからそれなりの年数も過ぎている。それに比べてここは、なんていうか。これだけの会社なんだぞーってことを見せつけらてるみたいで。
「「まるでお城みたい」ですね……」
独り言だったはずが誰かの言葉とハモってしまった。思わずあたりを見回すと――少し後ろ。見るからに人の良さそうな顔立ちの女の子が、きょとんとした感じで私を見ていた。着ているのは、どこかの学校の制服だろうか。
「卯月?」
きょとんとしたまま固まっている女の子に、となりの黒っぽい制服の女の子が声をかける。綺麗な声だった。ネクタイを締めた制服もしっかりきまっていて、なんだかクールでかっこいい。
「は、はい!え、ええと。あの……」
そう言いながらこちらへゆっくり近づいてくる、多分、卯月ちゃん。恐る恐るという言葉がぴったりで、なんだかハムスターとか、そういう小動物みたいだ。
「あの、もしかして!新人アイドルの方……ですか?」
あれ?これって、もしかして。
「うん。シンデレラプロジェクト、っていうのにスカウトされて……もしかして、貴女も?」
そう聞き返すと、さっきまでの怯えが嘘みたいに、満面の笑みになった。
「はい!私は、島村卯月っていいます!
ずっとアイドル候補生としてレッスンは受けてたんですけど、今回初めて声をかけてもらって……よろしくお願いします!」
一点の曇りもない笑顔が、なんだか眩しい。そこで、後ろで私たちの話を聞いていた女の子も近づいてきた。
「私は渋谷凛。アイドルには特別興味はなかったんだけど……スカウトされちゃって。まあ、悪くないかなって。よろしくね」
おおう。今の、『まあ、悪く無いかなって』すっごくクールだ。なんだか、真姫ちゃんを大人っぽくした感じ。
あ、いけないいけない。私も自己紹介しないと。
「私は高坂穂乃果っていいます!
ずっとスクールアイドルとして活動してきたんだけど……今度は、プロのトップアイドル目指して頑張ります!
よろしくね、2人とも!」
私がそう言い終わった時。
「ふふふ……時は来た!」
なんて、漫画みたいなセリフが門の方から聞こえた気がした。
3人揃ってとりあえず門の真正面にある建物の中に入る。広々としたエントランス。中央から真っ直ぐ2階へ、そして左右へと続く大きな階段。見た目もそうだったけど、中身も本当にお城みたいだ。
「き、緊張しますね……」
卯月ちゃんがそういうけれど、顔はちょっとほころんでいるようにも見える。緊張はしているけれども、これからどうなるのかっていう楽しみの方が勝っているみたい。実を言うと、私もそうだ。凛ちゃんは……表情をまったくくずさないで、ふーんって感じで辺りを見回していた。うーん、やっぱりクールだ。
なんてことを思っていたら。
「新人アイドルの本田未央です!
お世話になります!」
凛ちゃんとは真逆の、明るいピンク色の服を着た女の子がエントランスの真ん中で頭を下げていた。2人とも、びっくりした様子でその子――未央ちゃんを見ていた。
新人アイドルってことは、もしかしたら私たちと同じ、シンデレラプロジェクトの子なんだろうか。346プロダクションは業界でもかなり大きなところだから、アイドル部門だけでもかなりの数の部署がある……らしいから、まだわからないけれど。
そんな未央ちゃんを横目で見ながら3人で受付へ。芸能プロダクションだからなのか、受付のお姉さんも2人も美人さんだった。後ろの壁には、Mishiroと書かれたお城のマーク。やっぱり、この敷地にある建物全体がそういうテーマに沿って建てられてるみたい。
「はい、承っております。
新館30階、シンデレラプロジェクトルームでお待ち下さい」
そう言って受付さんから渡されたゲストカード。首にかけると、ちょっぴり特別な人になった気分になる。
「綺麗な所だねえ」
エレベーターへと続く廊下は両面ガラス張りで、そこからは綺麗に整えられた中庭がよく見えた。遠目に見てもきっちりと手入れされていて、手間とお金がかけられているのがわかる。
「わ、私、本当にこんなすごいところに来ちゃっていいんでしょうか……」
受付で渡されたパンフレットをぎゅっと握りしめる卯月ちゃん。今更ながら緊張が復活してきてしまったみたい。
「心配しすぎだよ。私は、ちょっと安心してる」
凛ちゃんはどこまでも自然体だ。全然緊張していないように見える。
「安心って、どういう理由で?」
気になったから聞いてみると、凛ちゃんは少し苦笑いした。
「や、穂乃果も会ったと思うけど……あのプロデューサー、最初は不審者にしか見えなかったし。インターネットで調べてみるまで、実は悪徳とか倒産寸前の零細企業とかなんかじゃないかって、1割くらいは疑ってたから」
「あ、あはは……」
卯月ちゃんと2人で顔を見合わせて苦笑いする。涼しい顔をして結構酷いことを言ってるんだけれど……不審者に見えたっていうのはちょっと否定出来ない。きっと卯月ちゃんも初めてあった時はそう思ったはずだ。……プロデューサーさん、ごめんなさい。
エレベーターの前に着くと、優しそうな顔のおじさんがボタンを押して待っていてくれたところだった。3人で急いで乗り込む。
「何階かね?」
「30階です」
きっと偉い人なんだろうけど、嫌な顔なんて全くせずにボタンを押してくれる。ずっと穏やかに微笑んだまま。卯月ちゃんの笑顔は人を元気にしてくれるけれど、それともまた違う。人を安心させてくれる笑顔だった。
ゆっくりと扉が閉まる、その時。
「うわぁぁぁ」
こっち目掛けて走ってきたのは、さっきの女の子――未央ちゃんだった。そのまま倒れこむように体を捩じ込もうとして。見事に首がドアに挟まってしまった。卯月ちゃんと凛ちゃんは笑いをこらえてるみたいだけど――ちょっと洒落にならないんじゃないかな、これって。
「何階かね?」
少しも取り乱さず冷静に階数を聞くおじさん。この人、やっぱり只者じゃない。
「22階です!」
未央ちゃんも未央ちゃんで、元気よく返事をしている。首、痛くないのかな。
ちょっとドタバタして騒々しいけれども。これが、私たち4人が初めて揃った瞬間だった。ちなみに未央ちゃんは、凛ちゃん曰く『出オチ』な登場をずっとからかわれることになる。
如何でしたでしょうか?
まずは出会い編ですが、今回も短めになっちゃいました。次を書いたら、1と2,3と4で合体させるかもしれません。穂乃果のユニットがどうなるかは、まだ秘密です。楽しみにお待ちいただければ。(待ってる人いるかな?)
感想お待ちしております。
追記 今回のおまけ 作者の妄想色々をたまに垂れ流したりします。
「あまり驚かないんだな?」
「かはは。なんとなくはわかってたからよ。
初めて会った時から今まで、一度もあんたを殺そうって気にならねえんだ。つまりは、あんたは人間じゃねえってことだろ?」
――とある街で。蒼崎と零崎の会話。