最近やりはじめたペルソナ4が面白くてつい書いてしまいました。
投稿に少々時間がかかるかもしれませんが、長い目で見ていただけると嬉しいです。
では、プロローグスタートです!
『(今回も転校か………まぁ、いつもの事だな)』
俺は揺れる電車の中で一人、心中で呟いた。
幼少の頃から俺は一ヶ所に長く居たことがなかった。
両親は俗に言う転勤族で仕事の都合上、色々と転々と移動していった。
当初は俺も色々と反発したが、今ではもう慣れた……。
だが、今回は両親が海外転勤と言うことで俺は八十稲葉に住んでいる叔父のところに一年間預けられる事になった。
まぁ来年は受験もある訳だし、親父やお袋も俺を海外まで連れてくのは憚れると思ったのかねぇ………。
『(にしても、八十稲羽か………ガキの頃に行って以来だな)』
俺は徐に携帯を開き、メール画面を見た。
そこには叔父からのメールで簡潔に、
「駅まで迎えにいく、八十稲葉駅 改札口に16時」
としか記されていなかった。
『(叔父さんらしいな、そういえばあの人はデカなんだっけか?確か?)』
叔父らしい内容に苦笑しつつ携帯をしまいこんで、俺は外を眺めた。
そこは自然や田畑の多く見られる場所だった。
今現在でも雄々しい山が電車越しに見える。
『そういえば、ガキの頃に会ったあの子は今でもいるのかな?』
俺は風景を見ている内に自然と子供の頃を思い出していた………。
約十年前、俺が七歳か八歳ぐらいの頃だ。
俺は親父とお袋に連れられ、八十稲羽に来たときのことだ。
当時の俺はやんちゃ盛りであちこちにうろうろしては怒られてたなぁ。
一人で外に出歩いていた時、俺はある女の子と出会った。
その子は子犬を抱き抱えて泣いていた。
「どったの?何かあった??」
まぁ柄にもなく俺はその子が気になって声をかけた。
親父にも困った人がいたら助けてやれって言ってたしな。
『ヒックッ……ヒックッ……捨てろって』
女の子は者繰り上げつつも俺の質問に答えてくれた。
『家は旅館で飼えないから捨ててこいって………そんなの可哀想なのに………だから、家出………私も、この子と一緒………』
なんというか、それを聴いて放っておけなかったのかなぁ、当時の俺は………。
「ならさ、一緒に飼ってくれる人探そうよ?」
俺は子犬を指差して女の子に提案した。
『………でも………』
「それに、ずっと離れる訳じゃないよ?飼い主さんが見つかったら何時でも遊びに行けるんだしさ?」
渋る女の子に俺は続けるように言った。
『………ホントに?』
女の子は上目使いで俺を見た。
俺も俺でちょっとどぎまぎしてたのかも………。
「う、うん………ほら、いこう?」
『う、うん………』
女の子は頬を赤くしながら差し出した俺の手を握った。
「あ、そうそう!おれはたくと。ひいらぎ たくとっていうんだ。君は?」
『わ、わたしは………………』
『次は~八十稲羽~八十稲羽でございます』
「っ!………着いたのか………」
ガキの頃の出来事に浸っていたら車掌のアナウンスが聞こえてきた。
外を見てみると、古めかしい木で出来た駅名の書いてあるボードが見えた。
「さて、と………じゃぁ一年間、お世話になりますかね」
ショルダーバックを抱え、俺は世話になる叔父が住む八十稲羽に足を踏み入れた。
「さて、着いたわけだが………そろそろ叔父さんが来る頃か?」
携帯を見開き、時間を確認すると丁度16時になったばかりだ。
それにしても、田舎ではあるけど何だか空気もいいし新鮮な感じだな………。
『おぉい、こっちだ!』
突然、誰かを呼ぶ声が聞こえたので俺はその声の方向に向いた。
『久しぶりに見たが、随分と男前になったなぁ拓斗?』
「そりゃどうも………お久しぶりです、堂島さん」
俺を呼んだのは、若干無精髭のある三十代半ば程のナイスミドルな叔父の堂島 遼太郎さんだった。
その堂島さんのズボンにしがみついてる女の子は確か………。
『あぁ、俺の娘の菜々子だ………確か昔にも会ってた筈だな?』
「えぇ、と言ってもまだ菜々子ちゃんが赤ん坊位ですけどね?……こんにちわ、菜々子ちゃん」
『………にちわ』
ありゃま、堂島さんの背中に隠れちゃったよ………。
『ハハッ!拓斗の前だから照れてんのか?いてっ』
おぉう、菜々子ちゃんが堂島さんのケツひっぱたいたな。
まぁ、嫌われてないみたいだし大丈夫かな?
それから堂島さんの車に乗り込み、色々と話をした。
『しっかし、義兄さんも姉貴も相変わらず仕事一筋だな………一年余りとは言え、親に振り回されてこんな田舎にまで来ちまって、お前も大変だな?』
「もう慣れた事ですよ、子供の頃からそうでしたしね」
『ま、こっちは俺と菜々子の二人暮らしだ………お前みたいのが居てくれると俺も助かるし、これから暫くは家族同士だからな、気楽にやってくれ』
「それじゃ、これからヨロシク!堂島さん、菜々子ちゃん!」
取りあえずさっきからチラチラと俺を見る菜々子ちゃんの頭に手を置いて撫でる。
菜々子ちゃんも初めはビックリしてたが次第に目を細めていった。
『そりゃそうと、うちにでかい荷物が届いたがありゃお前のか?』
「あ、もう着いたんですか………いやぁ一応、二輪の免許持ってるし自分のバイクも送ろうかと思いまして」
『………お前だから大丈夫だろうけどな、安全運転だけは心掛けろよ?』
車中でそんなやり取りをしている最中、菜々子ちゃんがモジモジし始めたのが見えた。
「あぁ~……堂島さん、トイレってこの辺にあります?」
『ん?あぁ、丁度ガスも無くなりかけてたし入れようと思ってたんだ。丁度一服もしたかったしな』
俺達はそのまま堂島家に向かう途中にあるスタンドに寄った。
『らっしゃーせー!』
スタンドに着くと、俺達は車から降りた。
俺に関してはこの場所の空気も吸いたかったと言うのもあるが………。
『一人で行けるか?』
『うん』
堂島さんと菜々子ちゃんのやり取りを聞いたのか、店員の若いお兄さんが菜々子ちゃんに口を出す。
『お手洗い?奥を左だよ、左ってわかる?お箸持たない方ね』
『わかるってば』
そんな微笑ましいやり取りが聞こえた………。
『今日は何処かお出掛けで?』
ふと店員が堂島さんにそんなことを聞いてきた。
恐らく堂島さんもこのスタンドの常連なんだろうな、仕事柄。
『いや、こいつを迎えに来ただけだ………都会から越してきてな』
『へぇ、都会からすか………』
店員が俺を見てきたので、俺も会釈程度で頭を下げる。
『ついでに満タン頼む、レギュラーでな』
『はい、ありがとうございまーす!』
堂島さんも店員にそう告げ、離れていった。
恐らく一服に行ったのだろう………。
それにしても、のどかな場所だなぁ………空気もうまいし。
『君、高校生?』
辺りを見回していると、店員から声をかけられた。
都会から来る人間が珍しいのかな?
『えぇ、まぁ………』
『都会から来るとなーんも無くてビックリっしょ?実際、退屈すると思うよ~?高校の頃っつったら友達の家に行くか、バイト位だから』
友達ねぇ………都会にいた頃にいたバカどもを友達と呼んでいいもんか悩むけど………。
「田舎もいいと思いますけどね?………のどかで空気もうまいし」
それに、以前にも来てたからこの場所は嫌いじゃないしな………。
『でも、ここはガソリン臭いけどね』
「………ま、確かにそうかも」
店員の台詞に俺はちょっと吹いた。
そこからはお互いに笑いあった。
こういう何気ないことでも笑えるから田舎は嫌いじゃないんだよなぁ………。
『この町にようこそっていうのも僕が言うのも変かな?』
「いや、住人ならいいんじゃないですか?」
店員から手を差し出されたのでそれに答えるように俺も手を差し出した。
『うち、今バイトも募集してるんだ………学生でも大丈夫だから』
「まぁ、暇があったら考えときますよ」
そして握手した後に、店員は仕事があるのか直ぐに離れていった。
俺も風景を見ようと辺りを見ようと思い………
「っ………」
いきなり、目眩がしてふらついた。
何だ、一体………?
『だいじょうぶ?』
ふと、近くから声が聞こえたのでそちらを振り替えったら菜々子ちゃんが心配そうに俺を見ていた。
『乗り物よい?ぐあい、わるいみたい』
「あぁ、大丈夫だよ」
心配する菜々子ちゃんに微笑みながらふと、さっきの店員の向かった方を見るが………。
「(あれ………いつの間に?)」
先程の店員が居なくなっていた。
まだ2、3分程しか経っていない筈だけどなぁ?
『おう、出るぞ』
怪訝に思っていると、一服を終えた堂島さんが戻ってきた。
「さっきの店員は何だったんだろう………?」
『おい、どうした?』
心配そうに聞いてくる堂島さんに何でもない、と言って俺も車に乗り込んだ。
如何だったでしょうか?
ゲームをやりながらなので少々時間がかかりました。
次も見ていただけたら嬉しいです。