魔法少女リリカルなのはEX・S 過去にとらわれた転生者   作:レイレナード

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意外と書けることに驚きつつ、今日も彼女らに怒られないようしっかり投稿します。

それにしても上記の彼女ら、すなわちアリサやすずかを空気にしないために入れた前の2つですがどうだったでしょう?
映画の中ではほんとに存在が空気ですからねえ。2nd a'sは特に。

この小説ではなるべく空気にならないよう頑張りたいです。

では本編をどうぞ。


Episode18 決意

 真っ白い空間にいた。

 

 またここか。

 

 「死にそうになりすぎです。もっと体を大事にしてください」

 

 プリエルか。思ったより早く会ったな。

 

 「状況的に全く嬉しくないです」

 

 そうだな。死にそうにならないと会えないとは、ひどいものだ。

 

 「………」

 

 まあ、お前にも事情があるんだろ?お前が気にすることじゃないさ。

 

 「………はあ。まあ、それは今はいいです。覚悟していたことですから。それよりも、そっちの話です。ずいぶん大変な状況ですね」

 

 そうだな。フェイトもそうだけど、プレシアも苦しんでる。ただ狂ってしまっただけなんだ。

 

 「だから、救いたいと?」

 

 知ってるだろ、前の俺がどんな人生を歩んでたか。だけど、あんなのは駄目なんだ。家族ってのは、もっと、幸せでなくちゃ駄目なんだ。

 

 「………そうですね。優雨の願いは立派です。でも、優雨の思いには矛盾がありますよ」

 

 ………矛盾?

 

 「優雨はずっと他人を避けてきました。自分にかかわってほしくないと言い、他人の好意を受けず、ずっと独りで生きてきました。なのに、今回は自分から首を突っ込んでいきました。他人と接することを避けているくせに、どうして今回は自分から彼女たちに接していったんですか?」

 

 ………。

 

 「答えてください」

 

 俺はただ、フェイトを救いたいと思って。

 

 「だったら、フェイトさんを知る前は?最初になのはさんが魔法を手にした時もすぐに駆け付けたし、神社の裏の森で反応があったときも、すぐに向かいました」

 

 誰かが傷つくかもしれないと思ったからだ。神社の裏のもそうだ。

 

 「他人と接することを避けるのに、誰かが傷つくのは嫌だと?」

 

 そうだ。昔の俺を知ってるお前ならわかるだろ。俺のせいで俺の家族は………。だから、俺にかかわって、また不幸になってしまうやつがいたら嫌なんだよ。誰かが傷つくのは嫌だ。

 

 「………」

 

 それだけだよ。関わってほしくないのに、自分から関わり行く。確かに矛盾してるけど、俺はそういう生き方を選んだんだ。

 

 「損な生き方ですね」

 

 そうだな。それでも俺は―――

 

 「優雨。いい加減にしてください」

 

 ………何?

 

 「優雨。自分をごまかさないでください。あなたはわかっているはずです。自分の想いを」

 

 何を言っている?俺の思いはさっき―――

 

 「違います。あなたの考えや表面上の取り繕った思いを聞いているんじゃありません。あなたの胸の奥にある、本当の"想い"、"願い"を聞いているんです」

 

 ………。

 

 「あなたに関わったからと言って不幸になるわけがありません。そうなるかどうかはその人次第、あなたには関係ない問題です。あなたが自分に関わってほしくないのは、ただ自分にその資格がないと思っているから。それを望まぬことが自分への罰となると思っているから」

 

 ………っ。

 

 「優雨。あなたは本当は―――」

 

 「言うな!!」

 

 「っ!」

 

 「お前自身が今言っただろ?これは俺への罰でもあるんだ」

 

 「………」

 

 この生き方を変えることはできない。これは、俺が自分で決めたことだ。

 

 「………そんなの、悲しすぎますよ」

 

 ………おまえ、泣いてるのか?

 

 「私は願いますよ。あなたの本当の「想い」をあなたが受け入れることを。いつまでも」

 

 ………。

 

 

 「そう言えば、私の名前、まだ教えていませんでしたね」

 

 名前?最初にあった時に聞いたぞ。プリエルだろ?

 

 「真名ですよ。プリエルは私の名前ですが、その意味はまだ教えていないでしょう」

 

 そう言うものなのか。

 

 「そう言うものなのです。わたしの真名は"祈り(プリエル)"。どうかあなたの願いが届きますように」

 

 "祈り(プリエル)"………

 

 「あ、神が個人に対して真名を告げるのには求婚の意味があるんですよ?」

 

 へえ。………え?

 

 「ふふ。それでは、いずれまた。お返事、待ってますよ♪」

 

 「なっ!?ちょっ!/////―――」

 

 

 

 「ちょっと待て!!って、ぃってええええ!?」

 

 『わ!?び、びっくりしました』

 

 急に全身から襲ってきた激痛に、思わず悶絶する。

 

 気付けばそこはベッドの上だった。体中に包帯が巻いてあり、さっきの激痛と合わせて、自分がかなりの重傷であると分かる。アイギスはどうやら俺のすぐ横の棚に置いてあるようだ。

 

 とりあえず展開が急すぎる。落ち着くためにも現在位置ぐらいは聞こう。

 

 「アイギス。ここはどこだ?」

 

 『ええと、確かバニングスさんという方の家の医務室ですね』

 

 ちょっと待て。

 

 一瞬全身の痛みを忘れるほど、俺は驚くことになった。

 

 「バニングス?」

 

 『バニングスです』

 

 マジか。バニングスと言えば日本で起業したアメリカ人の実業家で今では世界的に有名な人だ。確かフルネームはデビット・バニングス。まあようは、ものすごい金持ちだ。しかも海鳴市にでかい屋敷を構えている。

 

 そう言えば、もう一つ海鳴市には金持ちの屋敷がある。こちらも月村という有名な資産家が建てた屋敷だが、その月村は妻もろとも亡くなっている。今ではその娘の月村忍が当主を務めているらしい。

 

 とまあ、それは置いておいて、なんで俺はそんなところにいるんだ?さすがにビビる。

 

 『アルフさんと一緒に拾ってくださったんです。マスターもアルフさんも重傷だったので放っておけなかったのでしょう』

 

 なるほど。しかし腑に落ちないこともある。

 

 「そんな重症なのになんで病院じゃなくて自分の屋敷に運んだんだ?」

 

 『この医務室、下手な病院よりも設備が整ってましたから。それにここのお嬢さんが「大きな狼と一緒に大けがを負ってるあたり、何かわけありなのではないか」と言って、こちらに運ばせたようでした』

 

 「………嬉しいような、そうでもないような」

 

 バニングスのお嬢様と言えば、アリサ・バニングスだな。

 

 そういえば、昔バニングスとは会ったことがある。あの時俺は不注意でぶつかった高学年3人に叩かれたりしていて、そこをバニングスに助けられたんだったな。

 

 で、そのあと病院に連れて行かれたり送ってくれたりして、別れ際にようやく名前を伝え合ったんだったな。あの時は道を曲がってからとんでもないことに気付いて驚いたものだ。なんたって世界的に有名な実業家の娘なんかと話していたのだからな。

 

 だけどそれを思い出してから、そんなお嬢様にわりと日が傾いてきた時間に一人で帰らせるのは危ないんじゃないか、と言うことに気がついて急いで戻ってみたら、なんとその場で車に押し込まれている場面を目撃してしまった。しかもこっちとは方向に向かったんだから焦った。すぐにバニングス家に電話して追いかけたが、まあ、大通りに出るのが目的と考えて進路を予想して先回りしたら見事に当たり。その場にあったブロック状のコンクリートをフロントガラスに投げつけて運転手をダウン。そのあとは動揺しまくってる犯人3人を2年分の実戦訓練と、完成したばかりの身体強化魔法でノックダウン。後は気絶してるバニングスを介抱してたら、警察やバニングス家の人たちが近づいてくる気配がして、俺は面倒事になる前にとっとと逃げたんだったな。

 

 「もしかして、あっちは俺のこと覚えてたのか?」

 

 ふと浮かんだ疑問をそのまま口に出す。すると、アイギスがすぐに答えてくれた。

 

 『そう言えば、マスターの名前を呼んでいましたね』

 

 「1年前に1回会ったきりなのに、良く覚えていたもんだな」

 

 本当に、良く覚えていたものだ。確かに助けるような形になりはしたが、たった1回高学年からってだけだ。誘拐犯とのことは、バニングスは知らないはずだし。

 

 もともと、知り合った人を忘れないたちなのかね。

 

 《………ねえ優雨、起きてるかい?》

 

 そんなことを考えていると、突然アルフから念話が来た。

 

 《ああ、起きてる。庭園では助かった。ありがとうな、アルフ》

 

 《それはいいよ。むしろ優雨には感謝してるんだから。ずっとフェイトのことを助けてくれて、フェイトのために本気で怒ってくれて、ほんと、ありがとね》

 

 ほんと、むず痒いな、こういうの。

 

 《それで、どうしてんだ?》

 

 《ああ、今、あたしたちを拾ってくれた子が友達連れて帰ってきたみたいなんだ。その中に、あの子もいる》

 

 それだけで、アルフが言わんとしていることはわかった。

 

 ならばと、俺は思う。もう、知らなきゃならないことは知った。あとは………

 

 《わかった。………アルフ》

 

 《なんだい?》

 

 《………すべてを話そう。俺たちが知ったすべてを》

 

 《っ!でも!》

 

 管理局は信用できない。そんな思いが念話でも伝わってくる。それは仕方がないことかもしれない。だけどそれでも、

 

 《あの時のなのはの言葉を、そんな彼女と一緒にいる奴らを、信じてくれ》

 

 

 

 

 優雨はそう言うと、念話を切った。

 

 あたしは、狼の形態で庭の大きな檻の中にいた。体のあちこちに包帯が巻かれている。

 

 優雨は、何かを決意しているように見えた。何かはわからないけど、たぶん、フェイトのことだと思う。

 

 優雨は、どれだけボロボロになっても、フェイトを護ろうとした。どんなに傷ついても、必死に手を差し伸べてくれた。そして今も、フェイトを救うために、また頑張ろうとしている。

 

 ………優雨にばっかり、負担をかけるわけにはいかないね。

 

 あたしも改めて決意する。

 

 絶対に、フェイトを守るんだ。

 

 

 

 考え込んでいたせいだろうか。いつの間にか、3人の少女があたしを覗き込んでいた。

 

 《やっぱり、アルフさん》

 

 《あんたか》

 

 すぐにあの子が念話を送ってくる。

 

 《いったいどうしたんですか?フェイトちゃんは?》

 

 あの子は、必死に聞いてきた。

 

 やっぱりこの子もフェイトのことを本当に思って、考えてくれているんだ。それなのにあたしは、いつも二人の邪魔をしていた。フェイトの邪魔をしに来ているんだと思っていたから。

 

 だけどそれはあたしの勘違いで、ずっと二人を引き裂いてしまっていたんだ。

 

 あたしは、自分が不甲斐なくて思わず視線をそらす。

 

 その行動は、他の二人には違った意味でとられたようだ。

 

 「あらら、大丈夫?」

 

 「傷が痛むのかな?」

 

 金髪の子と、紫の髪の子が言う。どちらもフェイトと同い年くらいだろうか。フェイトももっと普通に育っていたら、今頃、こんな友達がいたのだろうか。

 

 「私たちもそろそろ行こうか」

 

 「うん」

 

 そんなことを考えていると、あの子の肩にいたフェレットが下りて、私の前に来る。

 

 「あ!ダメだぞユーノ。危ないよ」

 

 すぐに金髪の子が止めようとする。まあ、普通フェレットなんかが狼の前に出たら危ないと思うだろうけど、なんだか複雑な気分だね。

 

 「大丈夫だよ、ユーノくんは」

 

 《なのは、アルフには僕が話を聞くよ》

 

 フェレット――ユーノがあたしを見たまま、あの子――なのはに言う。

 

 《うん。お願いね、ユーノくん》

 

 その後、あの子たちは屋敷の中に入っていった。

 

 あたしの前にはユーノが残る。

 

 《あんたがいるってことは、管理局も見てるんだろうね》

 

 《………うん》

 

 簡単に予想して聞いてみると、少しだけためらったが、すぐに答えてくれた。

 

 すると、別の念話、と言うか通信が来た。

 

 《時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。素直に話してくれれば、悪いようにはしない。君のことも、君のご主人のことも》

 

 相手はあの時の執務官のようだ。

 

 それは、事務的な言い方ではあったけど、こちらを気遣っているのが分かる。

 

 あたしは、さっきの優雨との会話を思い出した。

 

 (《あの時のなのはの言葉を、そんな彼女と一緒にいる奴らを、信じてくれ》)

 

 ………結局こいつもいいやつだってことか。あたしは随分と勘違いをしていたみたいだね。

 

 でもだったらあたしも、こいつらを信じてすべてを話すべきなんだろうね。優雨に負けないくらいの決意を、あたしも………。

 

 あたしは心を決めて、あたしの知るすべてを話し始めた。

 

 

 

 「優雨くん、大丈夫?」

 

 「怪我、痛まない?」

 

 「大丈夫………のはずよね」

 

 順番に、なのは、月村、バニングスだ。なのはと月村は心配そうに、バニングスは少しだけ不安そうに聞いてくる。もちろん大丈夫なので、とっとと不安をなくしておこう。

 

 「ああ、大丈夫だ。それと、手当てしてくれてありがとうな、バニングス」

 

 「ふふん。当然よ」

 

 さっきとは打って変わって自信満々に答えてきた。こいつは、こんな感じのほうがそれらしく見えるな。

 

 「ほんとに?無理してない?」

 

 しかしこっちはバニングスと違いまだ心配そうだ。

 

 「大丈夫だ月村。無理なんかしてない」

 

 「………そっか。良かった」

 

 ようやく安心してくれたようだ。

 

 月村すずか、か。彼女とも昔あったことがある。2年前、昼休みに屋上に行って座ってたらいつの間にか寝てしまっていて、気が付いたら月村が膝枕してくれていたんだよな。しばらく放心状態になって互いに固まってしまった。その後、景色が見れなかったことが少し悲しそうだった月村に、少しお礼の意味も込めて肩車して景色を見せてやったんだったな。あのころはまだ精神が大人の方に傾いていたせいか、どうせ小学1年だしと思って、特に躊躇せず肩車なんかしてしまったけど、今思うとめちゃくちゃ恥ずかしいな。それにその後、5時間目をさぼったことで担任にこってり絞られたし。はあ。

 

 「私のこと、覚えてくれてたんだね」

 

 「まあ、いろいろあったからな」

 

 俺はさっきまで考えていたことを思い浮かべながら言う。月村も思い出したのか、クスと笑っていた。

 

 「それにしても、優雨くんがアリサちゃんやすずかちゃんとも知り合いだったなんて、びっくりしたよ」

 

 なのはがそんなことを言うが、俺も驚いている。いつの間にかどんどん関係者と会っていたんだなと。

 

 「まあ、なのはもそうだったが、ほんの少し、たった1回だけ会った程度なんだけどな」

 

 「あ、それはアリサちゃんとすずかちゃんに聞いたよ」

 

 そんな会話をしていると、いつの間にかバニングスや月村が驚いた顔で俺たちを見ていた。

 

 「バニングスも月村も、どうした?」

 

 俺が聞くと、なぜか二人とも一瞬傷ついたような顔をした後怒り出した。何故?

 

 「あんた、なんでなのはだけ名前で呼んで、あたしたちは苗字なのよ!?」

 

 「そ、そうだよ!私たちも、その、名前で呼んでよ………」

 

 バニングスは思いっきり叫んできたが、月村はだんだん声が小さくなっていって、なんだか泣きそうに見えた。

 

 「いや、なのはには名前で呼べと言われていたからな。二人も、名前で呼んだ方がいいのか?」

 

 少し慌てて聞く。実をいうと、まだ小学3年とはいえ女の子を名前で呼ぶのには少し抵抗がある。主に恥ずかしいという意味で。

 

 「そうよ!いい?私はアリサよ!わかった!?」

 

 バニングスは詰め寄ってきながらそう言う。その後ろ手は月村もなんか懇願するように涙目で見てきていた。さすがにこれは断れないな。

 

 「あ、ああ。わかったよアリサ。すずかも、これでいいか?」

 

 そう言うと、アリサは満足したように一瞬だけ笑ったが、すぐにまた怒ったような顔をした。もっとも顔は赤くなっていたが。

 

 「ふん。わかればいいのよ」

 

 「うん。これから改めて、よろしくね、優雨くん!」

 

 すずかも顔を赤くして、嬉しそうに言って手を取ってきた。

 

 なんか、すずかとは変にボディタッチが多いな。

 

 「もう、すずかちゃんもアリサちゃんも、あんまり騒ぐと優雨くんの傷に響くよ」

 

 なのはが適切な指摘をしてくれた。しかし、なぜか少し機嫌が悪いように見える。なんだかみんなころころ表情が変わるな。それともそれが普通なのか?

 

 「まあ、それもそうね。それじゃ、優雨、またあとでね」

 

 「またあとで来るね」

 

 「じゃあね」《さっき、クロノくんのほうと繋いでおいたからね。アルフさんとの話が終わってから、通信が来ると思う》

 

 「ああ。またあとで」《わかった。だけどなのは》

 

 3人は部屋を出て行ったが、俺となのはは念話を続ける。

 

 《俺がクロノと話しているときは、なのはは聞かないでいてくれるか?》

 

 《ほえ?なんで?》

 

 《ちょっと、な》

 

 なのはには、まだ話さない方がいいと思うから。

 

 《………うん。わかった。それじゃ、またあとでね》

 

 そう言うと、なのはは念話を切った。

 

 

 俺は少しの間、3人が出ていった扉を見詰めていた。

 

 なのはやフェイトだけじゃない。アリサやすずかだって、少なからず心に傷を持っている。アリサは誘拐された経験が、そしてすずかは「夜の一族」であるということが。

 

 アリサとすずかの記憶は、俺が自分のレアスキルをまだ制御しきれていなかったせいもあって、二人に出会った時に見てしまったのだ。アリサは、診療所に向かうために手を引かれた時に。そしてすずかは、俺が眠っているときにずっと触れ合っていたのが原因で、夢でずっとすずかの過去を見てしまっていた。

 

 俺はいつの間にか、過去に傷を持った者たちばかりと出会っていた。そして、フェイトは今まさに傷を負っているところなのだ。だからこそ俺は思った。あの3人の中に、フェイトも入れてやりたいと。フェイトも友達と一緒に、笑い合っていてほしいと。

 

 いや、友達だけじゃない。プレシアとも、母親とも笑いあえるようになってほしい。俺は、心からそう思えるようになっていた。

 

 そしていつか、俺も………

 

 

 「っ!!」

 

 俺は、ふいに頭に浮かんだ思いを全力で振り払った。

 

 「はあ、はあ」

 

 ………プリエル。お前の言う通りだ。

 

 俺は、寂しいと思っている。

 

 もう、慣れてきたと思っていたけど、やっぱり、俺は寂しいのだろう。認めるよ。

 

 だけど、だからこそ、俺は自分が許せない。

 

 俺は、この生き方は変えられない。

 

 変えるわけにはいかない。

 

 なぜならこれは、罰だから。

 

 あのころの俺への、罰だから。

 

 俺は誰かに寂しさを埋めてもらいはしない。

 

 俺は周りを避け続ける。

 

 だけど、他の誰かが苦しむのは、傷つくのは見たくない。そんなのは嫌だ。

 

 だから、俺はそんな人たちを救うためにこの命を使う。

 

 それが、俺が見出した"転生者である俺"の意味だから。

 

 どれだけこの体が傷つこうと、俺は、目の前にいるみんなを、その"心"を護る。

 

 絶対に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どこかで誰かが、泣いたような、そんな気がした。

 




アイギス
 過去にとらわれた思いと決意。
 そんなものを胸に、マスターは再び立ち上がります。
 そんな中、マスターたちの証言からついに事件の真相が明らかになる。
 次回 「真相」







作者「"過去にとらわれた"の意味がようやく明らかに!え?過去にいったい何が?それはまだま
   だ先の話です」

アイギス「ちょっとひどすぎる過去ですからね」

作者「あれ?知ってるの?」

アイギス「最初のころにマスターから。まあ、両親に関しては本編中にちょこっと出ましたけど
     ね」

作者「ま、あれじゃどうひどいのかわからないしね」

アイギス「さてさて、ようやく事件の真相が明らかに!」

作者「映画見た人ならみんな知ってるけどね!」

アイギス「そういうことは言わないでください!」

作者「それではまた来週にご期待ください!」

アイギス「そんなこと言って大丈夫なんですか?」

作者「きっと来週もしっかり投稿できるさ!しないと怖い!」

アイギス「さいですか」ノシ
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