魔法少女リリカルなのはEX・S 過去にとらわれた転生者   作:レイレナード

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課題がやばいです。

もしかしたら来週は投稿できないかもしれません。

待ってくれている方、申し訳ありませんOTZ


ではどうぞ。


Episode19 真相

 「またせたな、優雨。大丈夫か?」

 

 《………ああ。大丈夫だ》

 

 僕は今、時空航行船アースラの管制室から、エイミィと一緒に優雨と話していた。

 

 通信に映る彼の体には痛々しいほど大量の包帯が巻かれている。それが、彼の傷の重さを表していた。

 

 「まったく。勝手にいなくなったと思ったら大怪我して帰ってくるとは、君はどれだけ心配をかける気だ?」

 

 少し憎まれ口をたたいておく。これだけ心配させたのだからこれくらい許されるだろう。

 

 《そうだな。すまなかった。あの時は頭に血が上っていて、冷静な判断ができていなかった》

 

 そう申し訳なさそうに優雨は言うが、「だが」と続ける。

 

 《おかげで、今回の事件の核心を知ることができた》

 

 「何!?本当かそれは!?」

 

 僕の確認に優雨は大きく頷く。

 

 《ああ。その前に、アルフからはどれくらい聞いた?》

 

 急な話の転換。だがこれも話すための前準備だ。アルフから聞いた内容の確認と、同じことを言う必要はないという意味がある。

 

 僕はすぐにアルフから聞いたことをまとめて話す。

 

 「ジュエルシードを集めていたのはフェイトの意思ではなく、フェイトの母親、プレシア・テスタロッサに強制されていたこと。そしてその母親に虐待されていることだ」

 

 《そうか。なら、俺から話すのは事件の真相とプレシアの心の傷、そしてフェイトのことだ》

 

 「プレシアの心の傷?」

 

 エイミィが疑問を浮かべる。それは僕も同じだ。

 

 アルフの話からは、プレシアはただ自分の娘を虐待し、道具として操りってジュエルシードを集めさせ、そのジュエルシード何かを使用している。そんな最低な人だと聞いた。

 

 だからこそ、これから管理局はフェイトを保護し、プレシアを捕縛するという方針で行くことが決まったのだ。

 

 そんなプレシアの傷とはなんなのだろうか?

 

 僕は思わず聞き返した。

 

 「プレシアの心の傷とは、どういうことだ?」

 

 《言った通りの意味だ。プレシアは、ただ狂ってしまっているだけなんだ》

 

 そして優雨は語りだした。プレシアに起こった悲劇を。

 

 ………

 

 

 

 「そんなことが………」

 

 優雨の話はプレシアが事故を起こした時のものだった。

 

 プレシアが過去に事故を起こしたことはすでに管理局でも調べがついていたことだった。

 

 26年前の新暦39年。次元航行エネルギー駆動炉ヒュウドラの暴走事故。それにより、プレシアの一人娘、アリシア・テスタロッサが死亡した。その後、プレシアは裁判に負け追放。その後のことは情報が全くなくわからなかった。

 

 だが、今回優雨が話したのは、ヒュウドラの事故の真相だった。その会社の本社の独断で実験日が早まり、さらに本社からの増員できた者たちによる杜撰な安全制御管理。それにより起きた事故だったのだ。

 

 そのころプレシアは、労働基準法を無視した重労働を強いられ、しばらくはアリシアとの時間を全く取れていなかった。そんな中で事故によりアリシアを失ったプレシアは、裁判で負けたことも合わさり精神的に追い詰められる結果となった。

 

 《その後、プレシアはアリシアを生き返らせるための研究を始めた》

 

 「生き返らせる?」

 

 《………死者蘇生の技術。AIを超えた人造生命の製造。「プロジェクトF」》

 

 「「!!」」

 

 AIを超えた人造生命の製造。それは僕たちの故郷、ミッドチルダではすでに違法研究とされている分野だ。その中でも代表的なのは人造魔導師計画。元となる高ランク魔導師をクローニングした素体に都合のいい記憶を定着させ、従来では考えられないほどの知識や行動力を最初から与えつつ、決められた人生を歩ませるものだ。その目的は、万年人手不足な時空管理局の高ランク魔導師職員の増員。または、研究者たちそれぞれの思惑のための駒だ。

 

 自分たちが知る人造生命技術を頭で確認していると、優雨は話を続けた。

 

 《「プロジェクトF」。または「F計画」と呼ばれるそれは、クローニングした素体に記憶を定着させることにより、従来の技術では考えられない程の知識や行動力を最初から与える事が出来るというものだ。その最大の目的は、元となった人物の肉体と記憶の複製。理論通りなら、確かに死んだ人間が蘇るに等しいものとなる。》

 

 確かにそうだ。だが、それは………

 

 《しかし、完全に複製することはできなかった。極限まで似てはいても、それは結局「新たな人格と資質を備えた別人」だった》

 

 そうだ。どんなに似ていても、結局は新たな命。どんなに同じ記憶を持っていたとしても、その心は別人なのだから。

 

 《この研究の正式名称は、「プロジェクトF.A.T.E」だ》

 

………ちょっと待て。プロジェクトF.A.T.E?フェイトだって!?

 

 「優雨。もしかして、君が言いたいのは………」

 

 僕は、すでに理解していた。だけどそれでも、確認せずにはいられなかったのだ。

 

 優雨は、表情を全く崩さずに答えを言った。

 

 《そうだ。それによって生まれたアリシア・テスタロッサのクローン、それがフェイト・テスタロッサだ》

 

 「…!!」

 

 エイミィもこのことには驚いたようで、記録を取っていた手を止めてしまっていた。僕自身、予想はできたとはいえこの事実には驚きを隠せない。

 

 《プレシアは、死者蘇生の技術を求めて資料をあさり、ジェイル・スカリエッティという科学者が提唱した生命操作技術の基礎理論を発見。それを基にさらに研究し発展させ、今から11年前プロジェクトFとして完成させた》

 

 11年前か。人造魔導師計画が確立されたのは、今から7年前。どこからかプロジェクトFの情報が流れていた可能性もあるな。とすると、プレシア・テスタロッサがいかに優秀な研究者であったかがうかがえる。

 

 《それから、準備とクローニング、複製に7年をかけ、ついにプレシアはアリシアのクローンを完成させた》

 

 優雨は一泊おいてから、続きを言う。

 

 《彼女が目を覚ましたのはそれから1年後だ。しかし、そうやって生まれた彼女は、アリシアとは全く違っていた。利き腕も、魔力資質も、そして人格さえも。1年をかけて研究の見直しをしたが、結局問題は発見されず、残った結果はこの方法での死者蘇生は不可能という事実だった。再びそれに絶望したプレシアは、さらに禁忌に踏み込む決意をした。しかし、さらに深く研究するためには、外に出して働かせる駒がいる。そこでプレシアは、魔力資質的に十分な戦力となりえる彼女を使うことを思い付いた。そしてプレシアは彼女の記憶の一部を書き換えフェイトと言う名を与え、3年の訓練の末フェイトを一流の魔導師に仕上げた》

 

 「そんな………」

 

 エイミィは、辛そうに言う。アルフが知らないところを見ると、おそらくこの事実はフェイトも知らない。あれだけ母を思っている彼女がこの事実を知ったら、彼女は自分を保っていられるだろうか。

 

 《プレシアはその3年の間に新たな死者蘇生の技術、………いや、可能性を見つけた》

 

 「新たな可能性?」

 

 事故があったころから死者蘇生を求めたとすれば、その研究期間は23年。それだけの研究の末不可能だった死者蘇生の可能性をたった3年で再び見つけたというのか?

 

 「優雨。その可能性とはいったい?」

 

 《………アルハザード》

 

 「な!?」

 

 アルハザード、だと!?まさかそんな………そんなもの………

 

 《忘れられし都。はるか昔に存在したとされる伝説の世界。そこにはあらゆる秘術が存在し、死者蘇生も可能―――》

 

 「馬鹿な!!」

 

 思わず叫んでしまっていた。

 

 「アルハザードは虚数空間に沈んだとされる伝説の都。そんなあるかどうかも分からない物に賭けると言うのか!?」

 

 虚数空間とは次元断層によって引き起こされる空間の穴だ。そこでは魔法を使うことはできず、重力の続く限り墜ち続ける無限の空間。そこに落ちれば二度と出ることはできない。

 

 そんな場所に落ちた世界に何てどうやって行くと言うんだ。座標も分からないし、そもそも本当にそんな世界があるのかどうかだってわからない。

 

 そんな物に賭けたってどうしようもないのに………っ。

 

 《そこまで追い込まれてしまったんだよ。だが、ジュエルシードの存在はその可能性を引き上げてくれる》

 

 「!!」

 

 ジュエルシードは純粋な魔力の塊として使用することもでき、さらに願いを叶える石でもある。

 

 確かにその両方の特性を生かせば、もしアルハザードが存在しているのであればもしかしたら………。

 

 《もっともそれだけやってまだ可能性があるかもしれないという段階なのだから所詮無謀なかけではあるがな。だがそれにすがらなければならないほど追い込まれているんだよ》

 

 ………

 

 優雨の言いたいことはわかる。それが、当時の僕達管理局のせいであることも。

 

 《………フェイトはただの被害者だ。だけど、プレシアもまた被害者でもあるんだ。ただ、失ってしまったものが、彼女にとって大きすぎた。だから狂ってしまった。ただそれだけなんだ》

 

 「それが君の言う、プレシア・テスタロッサの心の傷、か」

 

 確かに、その気持ちは少しはわかる。同情もする。だけど、

 

 「だが、プレシアが今回の主犯であることに変わりは無い。僕たちは、彼女を捕まえる」

 

 それでも僕は、プレシアを許すことはできない。それに、

 

 「それに、誰だって、こんなはずじゃなかった、なんて思える過去を持ってしまうものなんだ。それから目を背けるか立ち向かうかは個人の自由だが、その悲しみに無関係な人間を巻き込んでいい権利は、どこの誰にもありはしない」

 

 僕でさえ、そんな過去があるんだ。それでも僕は前を向いて歩くことを決意したんだ。

 

 だからと言って、目を背けることが悪いことだとは言わない。でもそれを理由に罪を犯してしまったのなら、それは図るべき場所で裁かれるべきなんだ。

 

 僕の言葉を聞いた優雨は、やはり無表情のままだった。しかし、

 

 《………頼む。俺に、プレシアと話をさせてくれ》

 

 そう、決意込めた目で言ってきた。

 

 「話?」

 

 《俺にプレシアを説得させてほしい。捕まえてからで構わない。頼む》

 

 「………まあ、捕まえてからならな」

 

 その顔はやはり無表情だ。だけど、その眼は本当に真剣で、とても断ることはできなかった。

 

 《ありがとう。それとさっきの話、なのはにはまだ話さないでおいてくれ。今のあいつを迷わせたくはない》

 

 「ああ。わかってるさ。それと君はこっちに戻ってきてくれないか?治療だってこっちの方が早く終わるだろうし、君の力は当てにしている」

 

 《ああ、わかった》

 

 

 

 

 通信が終えてからも、僕とエイミィはしばらくその場に残っていた。互いに何も言えず、静寂が支配している。

 

 「………なんだか、前も思ったけど。すごいね、彼。ホントに9歳なのかってくらい」

 

 しかし、それをエイミィがそれを破った。静寂に耐えられなかったのかもしれない。頭も冷えてきていたので、すぐにエイミィに答えられた。

 

 「まったくだ。あの眼は、たとえ大人であろうと、そうできるものじゃない」

 

 それは経験から分かる。いくら大人でも、それなりの経験をしていなければあそこまで決意のこもった眼をすることはできない。

 

 しかし優雨はそれをすることができた。それはすごいことではあるけど、同時にどうしようもなく恐ろしくなる。

 

 「本当に、たった9年の人生の中で、彼に何があったっていうんだ………?」

 

 あの無表情は、あの眼は、まるで、何にも甘えたことのないような、ずっと何かをこらえてきたような、そんな痛みが見えるような気がした。

 

 

 

 

 思いにふける幼馴染を見ながら、エイミィは思った。

 

 それは、人の事言えないだろう、と。

 

 クロノもまだ14歳だ。だけど、その年ですでに執務官、しかも管理局の一部隊の切り札とまで呼ばれるようになった。それは、生半可な思いでなれるものではない。過去に合った悲しい出来事に負けないようにと、才能がないことも無視して、ずっと練習してきたからこそ今の場所にいるのだ。

 

 そんなクロノと優雨くんはやっぱり似てる。クロノもすでに、決意のこもった眼をしているのだ。それはやっぱり過去の出来事が原因で、優雨くんもきっとそうなのだろう。

 

 そんな二人を思い、エイミィは思う。

 

 この二人が、いつか心から笑っていられるようになってほしいと。

 

 

 

 

 「さて、それじゃあどうする?」

 

 クロノが話を切り出す。

 

 俺はアースラの医務室にあるベッドに移り、クロノやエイミィ、なのはたちと話していた。

 

 真っ先に口を開いたのは俺だった。

 

 「俺に考えがある。聞いてくれるか?」

 

 俺がそう言うと、その場にいる全員が微妙な顔でこっちを見てきた。

 

 「………また無茶するつもりじゃないよね?」

 

 なのはが、心配そうに聞いてくる。他のみんなもどうやら同じ気持ちのようだ。俺は安心させるように言った。

 

 「俺じゃない。これをやるのはなのはだ」

 

 「え?わ、私?」

 

 なのはが驚いたように言う。まあ、俺はずっと無茶ばかりしてきたからな。意外だと思われても仕方がない。

 

 「もっともこれはギャンブル性の高いプランだ。それでもいいか?」

 

 俺は確認するようにクロノを見る。

 

 「それはそのプランとやらを聞いてからだ」

 

 「………そうだな。なら聞いてくれ」

 

 そして俺は静かに切り出した。

 

 これはなのはだからこそやることができるプランだ。できればなのはに危険なことをさせたくはない。

 

 だが、なのは以外では意味がないのだ。

 

 頼むぞ、なのは。

 

 

 

 

 「………優雨くん。行っちゃったね」

 

 「そうね」

 

 私は、極力何でもないというふうに答える。

 

 なのはが帰るとき、とてもきれいな女性――確かなのはがリンディさんと呼んでいた――が彼を迎えに来たのだ。何でもなのはが最近やっていることに優雨も関わっていて、リンディさんもその関係者らしい。だから優雨はここよりもリンディさんのところにいる方がいいと判断されたのだ。

 

 「まったく。久しぶりに会えたってのに、ろくに会話もできなかったわね」

 

 私がそう言うと、すずかが口を押さえてクスクスと笑いだした。

 

 「な!なによ!?」

 

 「ふふ、ごめん」

 

 すずかは謝りはしたけど、悪びれた様子は全くなかった。

 

 「でも、やっぱりもっと話したかったなあ」

 

 すずかのその様子に、私は少し驚く。

 

 「あんた、他の人、特に男子とはほとんど話せない癖に、なんで優雨とは平気で話せるのよ?」

 

 その言葉に、すずかは一瞬目を丸くした。だけどすぐ考えるように視線を上げる。

 

 「う~ん。なんでだろう。自分でもよくわからないかな」

 

 「そう」

 

 期待していた答えを得られず、少し落胆する。だけどすずかの答えは、まだ終わってはいなかった。

 

 「………でも、なんだか、安心できたんだ」

 

 「え?」

 

 私は思わずすずかの顔を覗き込むように聞き返した。すると、すずかは

 

 「優雨くんと話してるとね、すごく安心できるの。初めて会った時もそうだった。だからだと思う」

 

 少し照れくさそうに、そう言った。

 

 その様子だけですぐにわかった。きっとすずかは、優雨のことが好きになったんだ。その最初の1回だけで、それだけで。

 

 ズキッ

 

 ………これって、喜ぶべきところよね。

 

 親友に好きな人ができたんだから。それを応援するべきなんじゃないの?

 

 なのになんで、こんなに胸が苦しいの?

 

 ………

 

 ああ、そっか。

 

 私も、好きになっちゃったんだ。たったあれだけで、特に何か特別なことを話したわけでもないのに、それでも優雨の優しさが伝わってきたから。

 

 ………だったら、負けない。

 

 「すずか」

 

 「?アリサちゃん?」

 

 私はしっかりとすずかの目を見る。小さな決意を込めて。あの時抱いた、自分の気持ちに正直に答えるように。私は言った。

 

 「負けないからね」

 

 すずかは少し驚いたけど、でもすぐに私の想いを悟ったようだった。同時に、たぶん気付いていなかった自分の想いにも気付いたんだと思う。だから、

 

 「私だって」

 

 そう返してきたんだと思う。

 

 私はもう一度、優雨が行ったほうを見る。すずかも、そちらを見た。

 

 ………ちゃんと帰ってきなさいよね。優雨。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どこかで誰かが、微笑んでいるような、そんな気がした。




エイミィ
 優雨くんの作戦。
 それはなのはちゃんとフェイトちゃんの一騎打ち。
 優雨くんは何を考え、この作戦を提案したのか。
 そして戦う二人の思いは。
 次回 「始まりの決戦」







作者「課題が終わらない………」

エイミィ「さぼってるからだよ」

作者「だって!課題なんて期限が迫らないとやる気でないじゃん!!」

エイミィ「わかってる?それって典型的なダメパターンだよ?」

作者「ぐっ!お、俺だって理解だけはしてるわい!」

エイミィ「理解だけ!?理解してるなら何とかしようよ!?」

作者「それができるのが優秀なやつなんだ!」

エイミィ「それただの言い訳だからね!?ああもう!そんな理由ならちゃんと投稿しなさい!」

作者「死ねと!?」

エイミィ「………」

作者「そこで黙らないで!怖いから!」

エイミィ「………」

作者「何とか言ってえええええええ!!」

エイミィ「じゃあまたね~」ノシ

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