魔法少女リリカルなのはEX・S 過去にとらわれた転生者   作:レイレナード

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何とかタイトルを変更せずに済みそうです。

書き溜めが無くなると無責任な次回予告ができなくなりますねえ。

そんな作者の事情はどうでもいいので、本編をどうぞ。


追伸:エリアとブロックの順番が逆だったので修正しました。


Episode21 絶望

 海鳴市の海上に展開された巨大な結界。そこにはいくつものビルが海中から顔を出しており、まるで水没して滅んだ都市のようにも見える。

 

 そのビルの1つの屋上に3人の人影がある。

 

 1人はユーノ・スクライア。次元世界において様々な世界を渡り、遺跡などの発掘を行ってきたスクライア一族の1人で、今回の事件の核となるジュエルシードの発掘者でもある。

 

 もう1人はアルフ。大魔導師プレシア・テスタロッサの娘、フェイト・テスタロッサの使い魔だが、今は主を止めるために、時空管理局に味方している。

 

 そして最後の1人は億夜優雨。ここ海鳴市に住む小学3年の子供だが、いくつものデバイスを用いて縦横無尽の戦いをこなす魔導師だ。

 

 3人は皆同じ方向を心配そうに、しかし真剣な表情で見ていた。その視線の先には2人の魔導師がいる。

 

 桜色の魔力を持つ砲撃型の魔導師。ここ海鳴市に住み、優雨の同級生でもある高町なのは。彼女はここにいるもう1人の魔導師とジュエルシードをかけて戦っているのだが、今その眼はその相手を心配していた。

 

 そしてそのもう1人の魔導師。金色の魔力を持ちアルフの主でもある、母のためにジュエルシードを求める少女、フェイト・テスタロッサは、

 

 (勝つんだ。勝って母さんのところに………)

 

 今、全ての迷いを捨て去った。

 

 (帰るんだ!!)

 

 

 フェイトがバルディッシュを横なぎに振るうと同時に、彼女の周りに電気変換された魔力があふれだす。

 

 足元には巨大な魔法陣が浮かび、放出される魔力はどんどん高まっていった。

 

 急に弱々しい眼を強く変えたフェイトになのはが戸惑っていると、なのはの周りにいくつもの魔法陣が浮かびだす。しかしそれは浮かんではすぐ消え、何かの準備をしているようにも見えた。

 

 なのはがそちらに気を取られている間にフェイトは魔法を準備する。

 

 バルディッシュを一旦降ろし、それをまっすぐ目の前の敵に突きつけるように上げる。

 

 「ファランクス」

 

 一言、フェイトがつぶやく。

 

 それは今展開している魔法のシフト。選択された形でフェイトの周りに左右に大量のスフィア――魔力弾のように丸い魔力の塊――が展開されていく。その展開範囲は幅にして50メートル以上。それほどの範囲に数えきれないほどのスフィアが浮かんでいた。

 

 「………っ」

 

 なのははそれを確認し、距離を取るために動こうとするが、

 

 「!?」

 

 突然レイジングハートを持つ左腕が動かなくなった。見ると腕を囲うように正方形の立方体があった。しかもそれはさらに3つ、右腕、左足、右足と順に出現し、身動きを取れなくする。

 

 (これは!?)

 

 驚愕とともになのはがそれを見る。

 

 

 それを見たユーノがポツリとつぶやく。

 

 「設置型のバインド。それにあれは………」

 

 意外なところで答えが出ているが、それがなのはに届くことはない。

 

 優雨もまたフェイトが展開している魔法を見る。

 

 「なのはを固定し、そこにあれから出るすべての魔力弾を叩き込むつもりか」

 

 本来なら、一対多数用の魔法だろう。しかしその多数に使うべき全てを個人に叩き込めば、その威力は計り知れない。

 

 「なのは………」

 

 思わずなのはの名を呼んでしまう。

 

 「フェイト………」

 

 アルフもその視線を自らの主に向ける。

 

 実際のところあれだけの魔法を使えば体調がよくないフェイトも相当な疲労が出るだろう。まさに、これがフェイトの最後の一撃だった。

 

 

 それぞれの心配のもと、なのははフェイトの周りに自分の魔法仕込む。

 

 その眼には諦めの色など微塵もない。なのはは、真っ向からフェイトの全力を受け止めるつもりだった。

 

 フェイトもなのはが自分の周りに何かを仕込んだのはわかっていた。しかし、そもそもこれで終わらせるのだ。そんなものを気にしても意味はない。

 

 展開したスフィアの魔力も十分。魔法は完成した。

 

 バルディッシュを上に掲げ、

 

 「撃ち、砕けえええええ!!」

 

 勢いよく振り下ろした。

 

 魔法の名は「フォトンランサー・ファランクスシフト」フェイトが得意とするフォトンランサーの殲滅用のバリエーション。その力を今の自分に出せる全力で放つ。

 

 展開されたすべてのスフィアから、次々とフォトンランサーが撃ち出される。

 

 フェイトの周りに浮かぶ大量のスフィアは、まるで地上に突然現れた星々のように見えた。そしてそれは今、途方もない数の流星群に変わったのだ。

 

 なのはは全力でシールドを張る。それでもどんどんダメージがなのはに入ってきていた。もはや先のことを考えていられる威力ではない。今ここに、"自分で放てる最後の一発分"以外の魔力を全てつぎ込む。

 

 フェイトもまた自らの魔法によってどんどん苦しくなってきていた。それなのにフォトンランサーの爆発によってよく見えないが、確かにまだシールドが張られている。

 

 (このまま撃ち続けてもあれを突破できないかもしれない。だったら!)

 

 本来ならもう少し撃ってからやるのだが、早い段階で最後の一手を切る。

 

 左手を掲げ、そこにフォトンランサーの連射で小さくなっていたスフィアをすべて集め集束する。

 

 ふと思い出されたのはジュエルシードを貫いた真紅の槍。

 

 (ちょっと、優雨のあの槍に似てるかもしれない)

 

 その言葉を証明するように、集束された魔力は槍のように長く伸びる。

 

 (でもこれは全てを貫く槍じゃない。これは)

 

 「スパーク………」

 

 槍を飛ばすように腕を振るうと、それに従うように大きな金色の雷の槍が放たれる。

 

 「エンド」

 

 (全てを破壊する槍だ)

 

 雷の槍は通った後の近くにあるすべてを破壊しながら直進し、目標に着弾すると同時に巨大な爆発を起こした。その威力は凄まじく、底が見えてしまうほど海を割り、付近のすべてを吹き飛ばした。

 

 ようやく爆発が終わるのを見届け、フェイトはようやく息を吐いた。

 

 

 

 さすがにファランクスの使用は負担が大きかった。疲労で体中が悲鳴を上げているのが分かる。

 

 「はあ。はあ。はあ」

 

 それでもフェイトは視線を外さない。あれを受けて平気でいるとは思えないが、爆発の煙のせいでなのはがどうなったのかはわからない以上、警戒を怠るわけにはいかない。

 

 しばらく見ていると、徐々に煙がはれていく。その中に桜色の光を見つけた。

 

 バリアジャケットはもうボロボロで、その魔力も残り少ないのが分かる。しかし、

 

 『行けますか?マスター』

 

 「行けるよ。レイジングハート」

 

 なのはがレイジングハートを突き出せば、それに応えるようにレイジングハートがカノンモードに変わる。

 

 その眼に、諦めの色は微塵たりともなかった。

 

 なのはの目を見て、フェイトは自分の考えが甘かったことを知る。ダメージで言えばまだ一撃もくらっていないフェイトのほうがずっと有利に見えるが、実際のところ、疲労や残り魔力を考えるとどちらも大差ないほど限界なのだ。

 

 そんな中でフェイトは先に切り札を切ってしまった。しかも相手は防御が固く倒しきれない始末。これでは、精神的にも不利なのはこちらだ。

 

 (だけど、それでも私はっ!)

 

 「うああああ!!」

 

 叫んで無理やり気合を入れ、ガタガタの体を動かそうとする。しかし、

 

 「!?」

 

 突然右腕が動かなくなった。見ればそこには桜色の輪がはまっていた。しかもそれは右足、左足と縛っていく。

 

 「バインド!?」

 

 (いったい、いつ………。っ!)

 

 思い当たるのはファランクスを撃つ前に体の周りに仕込まれていた魔力。なのははファランクスを撃たれる前に素手の反撃の準備をしていたのだ。

 

 (そん……な………!!)

 

 しかしそんなことを考えている余裕など、ありはしなかった。

 

 

 既にレイジングハートは十分な魔力をチャージしていた。なのははレイジングハートのトリガーに手をかける。照準は当然、バインドによって身動きを封じられたフェイト。

 

 ここに、自分に残ったほとんどの魔力をつぎ込む。

 

 「ディバイィィィーン………バスター!!」

 

 トリガーを引く。

 

 魔法を手にした時からずっと使ってきた、きっと自分にとって最も愛着のある魔法。

 

 それが今、放たれた。

 

 

 「あ、くっ!」

 

 フェイトは脱出を諦め急いで自由な左手を前に出し、シールドを展開する。そしてそこに、桜色の閃光がたどりついた。

 

 「っ!!っく、あ!」

 

 とたんに襲ってくる圧倒的な力。その威力は凄まじく、スピードを上げたかわりに防御が薄いフェイトには、そのただの砲撃がファランクスを受け止めているほどの力に感じた。

 

 しかしそれでも、フェイトはあきらめない。

 

 「あの子だって。もう、限界のはず………っ」

 

 なのはの残り魔力が残り少ないのはわかっている。きっとこの砲撃を撃ち終わる頃にはもうほとんど残ってはいないだろう。つまりこれを乗り切れば、次にチャンスが訪れるのは自分だ。

 

 「これを、乗り切ればっ!………っ!ああ!」

 

 (もう少し………!)

 

 力を振り絞り、全力でシールドを維持する。

 

 そして、

 

 「っく、う………。あ」

 

 ついに砲撃が納まった。

 

 「………あ」

 

 気付けば、マントがなくなっている。後ろを見ると、管理から解かれたマントは海面に浮かんでいて、徐々に消滅していた。

 

 (耐え、きった………)

 

 大きく息を吐く。

 

 (あの子もすぐには動けないはず。早くバインドを解いて、攻撃に転じないと)

 

 しかし、そう行動する前に、目の隅を何かがかすめた。

 

 「………?」

 

 それは光だった。

 

 "桜色"の光は次々と現れ、空へ登って行く。

 

 (いったい、何が………?)

 

 ふと、空が強く光った。

 

 見上げれば上空に強い桜色の光を放つ場所があった。そこには一人の魔導師がいる。当然、そこにいる桜色の魔力を持つ者は、

 

 

 『Starlight Breaker!!』

 

 レイジングハートが魔法名を上げると、術式が次の段階へ移行した。

 

 集束していた魔力を中心に環状魔方陣を展開。なのはが杖を振るうとその輪は急速に回転し、周囲に散らばったすべての魔力を急速にかき集める。

 

 (使いきれずにばらまいちゃった魔力を、もう一度自分のところに集める)

 

 自分の魔法を確認するようになのはは考える。

 

 (レイジングハートと一緒に考えた知恵と戦術、そして優雨くんのグングニールを見て思いついた最後の切り札。これまでの積み重ねのすべてが、この魔法に籠ってる!)

 

 集束された魔力は巨大なスフィアとなり、そのあまりの大きさを御しきれないのか、わずかに乱れ、まるで鼓動しているかのように見える。

 

 

 「集束、砲撃………」

 

 ただ唖然と、フェイトはつぶやく。

 

 感じるのは圧倒的な魔力。この戦いでバラまかれ、結界内を満たしていた全ての魔力が一か所に集まっていく。

 

 「受けてみて!」

 

 なのはがレイジングハートを上に掲げる。同時に巨大なスフィアの前に大きな、しかしスフィアが大きすぎて小さく見える魔方陣が展開される。

 

 なのはとその魔法陣を結んだ先にいるのは、金髪の黒い魔導師。

 

 「これが私の、全力全開!!」

 

 (私の、私たちの思いをすべて、この一撃に賭ける!)

 

 圧倒的な力。それでも、

 

 「っ!あああああああああああああああああああ!!」

 

 フェイトが諦めることはない。残る魔力のすべてを用いて5重にシールドを展開する。今のフェイトにできる最大の防御。

 

 なのははその壁に、彼女の心の分厚い壁に、正面から挑む。

 

 レイジングハートを、全ての思いを乗せて振り下ろす。

 

 (届いて!!)

 

 「スターライト………ブレイカアアアアアアア!!」

 

 叫ぶと同時に、レイジングハートの先端より魔力が放たれる。それはスフィアを貫通し、魔法陣を突き抜ける。その瞬間。水で膨らませた風船の栓を解き水を吹き出すように、溜め込んだ魔力が放たれた。

 

 砲撃となった魔力は一瞬にしてフェイトの張ったシールドにたどり着き、フェイトを飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 (負けない………!)

 

 シールドが一枚砕け散る。

 

 (ここで負けたら母さんが………っ)

 

 また1枚シールドが砕け散る。

 

 (助けるんだ。あの頃に戻るんだっ!)

 

 また1枚砕け散る。

 

 (だから、絶対に………っ!)

 

 また1枚。

 

 (私はっ!!)

 

 そして、

 

 「っ、あ………」

 

 最後の1枚が、砕け散った。

 

 

 

 

 

 「ブレイカー」とは集束魔法の総称だが、基本的に負担が大きい魔法だ。その大きな特徴は「リンカーコアからではなく、周囲の魔力を集束して行使する」と言うことだろう。利点としては自らの魔力がどんなに残り少なくても、集束した魔力を放つ分とコントロールする分さえあれば使用できるところだ。

 

 しかしそこには高い魔力コントロール技術がいる。何せ、いつもとは違う場所から魔力を集めなければならないのだ。感覚が慣れていない以上、簡単にできることではない。さらに言えば、コントロールが難しいと言うことはそれだけ負担も大きいたということだ。

 

 特に「スターライト・ブレイカー」は戦闘した時間が長ければ長いほど集束する量が多くなり、その威力も、そして負担も大きくなる。そもそもブレイカー以前に、大威力砲撃自体が負担の大きいものなのだ。スターライト・ブレイカーとはまさに負担に負担を重ねた魔法であり、だからこそ圧倒的な威力を持っている。

 

 そんなものをすでにボロボロの限界の状態で撃ったなのはは、体中の痛みと疲労でひどく呼吸が乱れていた。

 

 「はあ、はあ、はあ………っ、はあ」

 

 デバイスの冷却機能が動き、レイジングハートから熱風が吐き出される。

 

 (でも、これできっと………)

 

 勝った。

 

 そう思いなのはがフェイトの方を見ると、

 

 「あ!フェイトちゃん!」

 

 フェイトは気を失っているようで、まっすぐ海へ落ちて行くのが見えた

 

 慌ててなのはそれを追う。

 

 

 

 

 ………最近、非殺傷設定がどういう機能なのか本格的にわからなくなってきた。

 

 非殺傷設定はミッドチルダやベルカの魔法で、その名の通り相手を殺したり傷つけたりしない設定のことだが、いったいどういう原理なんだ?

 

 非殺傷でもそうでなくても魔法があたりに出す被害は変わらない。ただ人が傷つくかそうでないかのみが違う。

 

 ………意味が分からん。魔法の術式を自分で考えたり、デバイスを作ったりはしているが非殺傷設定だけは今だにわからない。そう言うものなのだと無理やり納得してきたがそれにも限度がある。

 

 事実、さっきのスターライト・ブレイカーで結界内のビルはほとんど吹き飛ばされた。フェイトのシールドがある程度弾いて拡散されていたから、本来よりも広範囲を吹き飛ばしたのだ。しかしそれほどの威力があるそれを最終的に直撃したフェイトは、ライフルのスコープで見た限り、怪我らしい怪我はない。

 

 ………後でユーノやクロノにでも聞いておこう。

 

 前々から疑問だったせいでつい考えてしまったが今はそっちよりもフェイトが優先だ。傷云々は非殺傷設定の戦いだったんだからきっと大丈夫なのだとして、問題なのはこの後だ。

 

 結果としてフェイトは負けた。

 

 そうなると、次に何が起こるかは少しは予想できる。

 

 《クロノ、ユーノ、アルフ、すぐに何かが来る。準備しておけ》

 

 《ああ》

 

 「来る?」

 

 「って、何だい?」

 

 理解できたのはクロノだけかよ。

 

 「ジュエルシードを7つ同時封印した時のことを思い出せばすぐに………っ!」

 

 説明を終える前に突如感じる膨大な魔力。同時に結界内は急に暗雲に閉ざされ”紫色”の雷が音を立てる。

 

 来たか………。

 

 俺は静かにアイギスを起動させた。

 

 

 

 

 ………眩しい。

 

 気が付いて最初に思ったのはそんなことだった。

 

 すぐに何が起こったのかを思い出す。

 

 「ごめんね。大丈夫?」

 

 気付けばすぐ隣にあの子がいた。心配そうに私を覗き込んでいる。彼女はなぜかずぶぬれで、それが海に落ちた私を助けるためにそうなったのだと気付くのに、時間はかからなかった。

 

 「動ける?」

 

 正直に言えばまだ体中が痛い。でも私は少しでも強がっていたかった。

 

 言われてすぐに体を起こす。でもあの子の顔はこれ以上みていたくなかったから、あの子に今の私の顔を見てほしくなかったから、私はすぐに飛ぶ。

 

 その時に自分の格好を見た。

 

 バリアジャケットはボロボロで、あのダメージと無理をしたことにより体の痛みでまだ思うように体が動かない。

 

 ………ああ。負けたんだ。

 

 今更のように実感できる。

 

 母さんに、応えられなかったんだ。

 

 私は………

 

 その時、突然巨大な魔力を感じた。晴天だった空は急に雲に覆われ雷が鳴り響く。

 

 その魔力は私がよく知っているもの。

 

 「そん………な………」

 

 突如光が私の前に立つ。紫色の魔力色。そこに現れるのは黒い長髪を持つ、大好きな女性。

 

 「かあ………さん………」

 

 私の母。プレシア・テスタロッサがそこにいた。

 

 

 

 

 「このアースラに向かって次元跳躍攻撃!着弾まであと5秒!」

 

 「シールド展開!急いで!」

 

 ジュエルシードを7つ封印した時と同じ次元跳躍攻撃。しかし何度も同じ手をくらう管理局ではない。

 

 油断していたあの時と違い今回はすぐにシールドを展開。何とか攻撃を弾く。

 

 しかし次に起こることを予想出来た者はいなかった。

 

 「艦長!結界内に転移反応!これは………プレシア・テスタロッサ!?」

 

 「何ですって!?」

 

 リンティ提督も予想外の出来事に驚きを隠せない。

 

 突如結界内に転移してきたプレシア・テスタロッサ。しかもそれだけでは終わらない。

 

 「さ、さらに転移反応!今度は本艦の前になにかが転移されて来ます!」

 

 「何!?」

 

 クロノが声を上げるのとほぼ同時。巨大な熱量が転移されてくる。

 

 「な!?こ、これは………」

 

 あまりのことにあっけにとられる。だってそこに現れたのは………。

 

 「な!?これ、ハッキング!?この………っ!」

 

 「エイミィ!どうした!?」

 

 突然声を上げたエイミィにクロノが聞く。すぐに近づき画面を見ると、いくつものデータが展開され動いて行くのがわかる。エイミィは拘束でタイピングしながらそれに答える

 

 「ハッキングされてるの!このアースラが!!」

 

 「なんだって!?」

 

 このアースラがハッキングされている。そのあまりの事実にクロノが驚愕する。しかしそんな暇すら敵は与えてくれない。

 

 「っ!アースラ内に何かが転送されてきます!!これ、人じゃない………、ロボット!?」

 

 「くっ!位置は!?」

 

 「エリア4の第2ブロック!それとエリア3の第4ブロックだよ!」

 

 エイミィには普段のようなおちゃらけた感じは一切なく、その頬には汗が流れていた。それは今のアースラスタッフ全員がそうだろう。それだけまずい状況だということだ。

 

 クロノは何とかそれを打開すべく皆に指示を出す。

 

 「エイミィはハッキングに対処してくれ!艦長!エリア3と4に避難勧告を!」

 

 しかしクロノがそういう時にはすでにリンディはその勧告を始めていた。

 

 「エリア3並びにエリア4のスタッフはすぐに非難を!クロノ!」

 

 通信を切り、クロノに振り返る。

 

 「すぐに武装局員を連れて2つのエリアへ向かい、そのロボットに対処して!」

 

 「了解!」

 

 背を向け走っていく息子を見送り、リンディは目の前の大画面に映し出されたこのアースラの前に現れた物体を見る。

 

 「………ずいぶん。大胆なことをしてくれたわね。プレシア・テスタロッサ」

 

 そこには大きな一つ目を中心とした、巨大な時空艇。否、巨大な箱庭。時空の庭園があった。

 

 

 

 

 「プレシア!?」

 

 あまりのことに驚きを隠せない。

 

 なぜプレシアがここに来る!?いったい何を考えて………。

 

 しかしそんな疑問の中プレシアはゆっくりとフェイトに手をかざした。

 

 「………フェイト」

 

 その動きはまるでフェイトをなでようとしているようにも見える。

 

 「かあ、さん?」

 

 フェイトも困惑の声を上げる。期待に応えられなかった自分に、どうして?そんな疑問が顔に出ている。

 

 俺はその動きに、わずかに期待してしまった。もしかして、思い直してくれたのか、と。

 

 しかし、次いで放たれた言葉は

 

 「あなたは、もう………」

 

 その場のすべてを

 

 「いらないわ」

 

 絶望に染めた。

 

 「………え?」

 

 瞬間、巨大な雷が、フェイトを貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どこかで誰かが、その決断に泣いたような、そんな気がした。

 




なのは
 フェイトちゃんのお母さんから語られるフェイトちゃんの真実。
 フェイトちゃんの眼にはもう光はなかった。
 激怒し、プレシアさんを追う優雨くん。
 そして物語は、最後の戦いへ向かう。
 次回 「怒り」







作者「前書きでも言ったけど絶望まで来てよかった!でも予定ではここでもう真実言うシーンま
   で行ってたんですけどね。雰囲気的にここで終わるべきな気がするので今回はここまでで
   す」

なのは「それよりもフェイトちゃんは!?大丈夫なの!?」

作者「それは次回明らかにってことで」

なのは「うう」

作者「じゃあ話題を変えよう。今まで原作ブレイクを掲げていながら全然ブレイクしていなかっ
   たので、ちょっとやらかしてみました」

なのは「そういえば、優雨くんが介入してる以外は全部映画の通りだったね」

作者「実をいうと目に見えてストーリー変えたりしてブレイクするのはstrikersからと思って
   たんだけど、そこまではずっと原作通りっていうのもなんだかなあって思い始めて」

なのは「ラストだけでもオリジナルしようって?」

作者「そう。優雨が介入したことでいろんな人の思いに影響を与えているのだから、プレシアだ
   ってやり方が変わるってわけ。その思いもね」

なのは「そっか。………あれ?さっきブレイクするのは3期からって言ってたけどたしかA'Sの
    オリジナル要素も考えようによってはある意味ブレイクして――」

作者「わああああああああああああああああああああああああああああああ!!?何言っちゃっ
   てんの!?バカなの!?あほの子なの!?少し頭冷やそうか!?」

なのは「わあ!?え、あ、えっと、だめだった?」

作者「だめに決まってんでしょ!?ネタバラしまでは行ってないけど次作のこととか言わないで
   ほしいな」

なのは「ご、ごめんなさい」

作者「ふう!まったく。まあいいや。どんなネタかは言ってないし。なのはは次回のことでも考
   えてたほうがいい。言ってしまえば1stの最終決戦なんだから」

なのは「それもそうだね。わかった!」

作者「ではそろそろ」

なのは「はい!次回もよろしくお願いします!」ノシ
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