魔法少女リリカルなのはEX・S 過去にとらわれた転生者   作:レイレナード

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プロローグ3を少しだけ書き直しました。気が向いたら読んでください。

さて、題名の通りの話です。ではどうぞ。

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上の前置きは前のですから、プロローグ3を書き直したのってずいぶん前ですね。気にしないでください。

では、どうぞ。


Episode4 優雨の実力(改)

 (これはタイミングが良いのか、それとも悪いのか……。まあ、そんなことはどうでもいいか)

 

 俺とジュエルシードまでは5メートル。それを挟んだ向こう側、ほぼ同じ距離にあの黒い魔導師がいる。向こうはすでにバリアジャケットを装備。単純に見れば状況はこちらに不利だが、ジュエルシードを挟んでいることと俺の突然の出現に相手が動揺している今なら、それを帳消しにできる。

 

 状況を分析しつつ、俺はすぐにアイギスを起動させ、バリアジャケットを身に纏った。これで状況は五分だ。

 

 「っ!」

 

 それを見た黒い魔導師は、自分が最大のチャンスを棒に振ってしまったことに気付き、歯を噛み締めた。

 

 (バリアジャケットを纏われる前にジュエルシードを回収してしまえばあとは逃げるだけで済んだのに……っ!)

 

 しかしそんな後悔はすぐに捨て去る。

 

 (今は、目の前の問題に対処しなきゃだめだ! こんなの後でいくらでも反省できる)

 

 足を開き、デバイス――バルディッシュを構え、すぐにでも動けるように体勢を整える。

 

 彼女に合わせ、こちらも体勢を低くしつつ、左腕を前に出し右腕を隠す。昔、恭也と戦った時と同じ構えだ。しかし今回は右手は手ぶらで、左腕には盾(アイギス)がある。

 

 「……予想よりも、早くこうなったな」

 

 静かに語り出す。戦う前に、互いの意思を確認するためだ。

 

 「警告はした。それでもと言うのなら、その真の目的まできっちり話してもらうぞ」

 

 それに対し、彼女も静かに意思を伝える。

 

 「……それは、あなたが私を倒せたらの話です」

 

 「……そうだろうな」

 

 この答えは予想済みだ。しかし結果がどうなるかわからない以上、もう少し相手の真意を知っておきたい。

 

 「ならば、俺が勝ったらすべてを話してもらうぞ。目的も、そしてお前自身のことも」

 

 「? 私の事?」

 

 俺の言い回しを不審に思ったのか、黒い魔導師は首をかしげる。

 

 「気になったんだ。あの時のお前の態度が。そしてこう俺は思った。もしかして、お前は好きでそれを集めているわけでないのではないか、とな」

 

 俺の言葉に、彼女は表情を硬くした。動揺を顔に出すまいとしたことがありありと分かる。ここで俺はこの考えを確信に変えた。

 

 「例えば、大切な誰かを救うためか、または、大切な人を人質に取られ、集めることを強制されているか。もしくは逆に、その大切な誰かに頼まれて集めているか」

 

 一瞬、彼女が反応した。3つ目の例えだ。

 

 「そしてそれに素直に従うと言うことは、その相手は家族。特に父親や母親あたりの可能性が高い」

 

 「っ!」

 

 まるで自分の考えをただ言っているように見えるが、これは一種の誘導尋問だ。相手の核心に触れることを言えば、必ず相手はそれに反応してしまう。広い視点から反応のあった方へ少しずつ絞って行けば、おのずと相手の真意を導き出せる。

 

 別に俺はそれが得意というわけではないのだが、俺と彼女では生きた時間が違う。経験が豊富な分、このような尋問は彼女くらいになら可能だ。

 

 そして、最後に彼女が強く反応したのは”母親”という単語だった。今までの反応に比べ、少し体が震えるなどの明らかな動揺が見て取れたことから、これは核心に迫るものだと推測できる。

 

 (……体が、震えた?)

 

 ふと、疑問がよぎった。ここまでの問答からわかったのは”この黒い魔導師は母親から頼まれてジュエルシードを探している”ということ。つまり彼女自身にジュエルシードをどうこうしようと言う意思はなく、ジュエルシードに用があるのは母親だと分かる。

 

 しかし、ここに体が震える……、怯える理由があったか?

 

 (俺の考察が間違いで、実は母親を盾に誰かに脅されている? ………いや、母親に怯えたのか?)

 

 母親から頼まれればこれくらいの子供なら喜んでその願いを受け入れるだろう。そこに母親に怯える理由はない。

 

 だったら、彼女はなぜ……?

 

 「バルディッシュ! ハーケンフォーム!」

 

 俺が考えを巡らせている中、黒い魔導師は動揺を振り払うかのように声を上げた。

 

 「yes.sir!」

 

 バルディッシュはそれに応え、その形を変える。斧の部分が回転して横を向き、そこから魔力でできた黄色い刃が形成される。なのはと戦っていた時と同じ、大鎌だ。彼女は一度息を吐き、集中する。

 

 「あなたの真意はわかりませんが、話はここまでです。これ以上、私の中に入ってこないで」

 

 (……ここまでだな)

 

 もはやこれ以上の情報を得ることはできないと判断し、俺もまた、フォール・エアを展開した。相手の行動を見逃すまいと集中する。

 

 静まり返るなか、戦いの始まりを告げる最後の問答を口に出す。

 

 「嫌だと言ったら?」

 

 「あなたを倒します!!」

 

 彼女はそう答え、動き出す。しかし俺が彼女を見ることできたのは、そこまでだった。

 

 「!!」

 

 (見失った!? この距離、この状況で!?)

 

 一瞬驚きのあまり硬直してしまうが、俺は直感的に体勢を低くしつつ、前へ飛び出しながら後ろを振り向く。同時にペネトレイ・ライフルを起動させ右手に持った。真っ黒に彩色された80㎝ほどのライフル型ストレージデバイスだ。

 

 直後、

 

 「はあああっ!」

 

 鼻先をかすめるように鎌の先が通り過ぎた。

 

 (外した!?)

 

 彼女の顔が驚愕に染まる。

 

 これは運が良かったとしか言えない。目で追えないほどのスピードを持つのなら、相手の視界から抜けた後の攻撃は、常に相手の死角からの強襲だろう。この場合、前以外の全方位が候補に挙がる。その中で、最も死角となるのは背後だ。さらに俺が相手なら、当然急所を狙う。すなわち頭か首だ。

 

 俺はそう予想し、体を低くして前に飛び出したのだ。振り向くようにしたのはすぐに攻撃に転じるため。

 

 結果的にそれはあたり、彼女の攻撃を回避することができたわけだが………

 

 (ギリギリだった。なんてスピードだ)

 

 しかし、相手を正面に捕らえることはできた。俺はペネトレイ・ライフルを突出し引き金を引く。選択したのはレベルEのスペル「ロード・シューター」。

 

 それに対し、彼女はシールド――ラウンド・シールドを展開する。彼女もまた、全力のスピードに対応されたことに驚いていた。それによって一瞬動きが止まってしまい、回避が間に合わなくなったのだ。

 

 しかし、それは失策だ。

 

 魔力弾が彼女のシールドに当たる。と、そこで彼女は訝しんだように自らのシールドを見た。あまりにも反動が少なかったからだろう。

 

 咄嗟に放ったとはいえ魔力弾は単発で放たれた。ならばそれなりの魔力が込められているはず。その違和感に気付いたのだ。その答えはすぐに明らかとなった。

 

 魔力弾は黄色い光をまき散らしながら彼女のシールドを突き破っていたのだ。

 

「な!?」

 

 彼女は驚きながらも、とっさにバルディッシュで防ぐ。が、もともと防御が薄く軽い彼女は少し弾き飛ばされることとなった。

 

 これが優雨の編み出したシューター「ロード・シューター」である。

 

 この魔力弾は錐揉み回転しながら飛び、さらに魔力弾の周りは鑢のようにザラザラとなるようにしてある。つまり鑢が回転しながら物体にぶつかるということ。硬い物質ならそれほど削れはしないだろうが、もともとただの魔力によって構成されたシールドは簡単に削り取ることができる。これにより通常のシューターに比べ、圧倒的に貫通力のあるシューターとなっているのだ。

 

 これだけの要素を組み込んだ技であるにもかかわらず、負荷レベルがEなのは彼が魔力制御を重点的に訓練してきた成果と言えた。なお、当然だが魔力ダメージしか与えないようにはしてある。いや、かなり痛いだろうが。

 

 もっとも、所詮はレベルEのただのシューター。AA以上の魔力を持つ魔導師のシールドぐらいまで行くと、シールドを貫通したところでほとんど威力はなくなっている。もちろん当たれば痛いだろうが、魔力ダメージ自体は低いだろう。

 

 今回は思ったよりも彼女のシールドの強度が低かったのもあって、突破後も十分な威力があった。おかげで相手をひるませるという、当初の目的は果たせた。

 

 彼女がひるんでいるうちにフォール・エアで空へと上がり距離をあけ、牽制としてライフルからロード・シューターを連射する。

 

 さすがにもう一度これを防御しようと言う気は起きないらしく、今度はしっかりと回避された。さらに4つの魔力弾が彼女の周りに展開される。しかし、彼女の表情は苦々しかった。

 

 今の俺と彼女の距離は40数メートルほど。この距離なら、さすがに完全に見失うと言うことはない。先ほどのような不意打ちはできないと言うことだ。

 

 「フォトンランサー、ファイア!」

 

 しかし彼女も実力者だ。すぐに魔力弾を撃ちながら接近を試みてきた。彼女の撃つ魔力弾「フォトンランサー」は速度を重視した魔力弾なのか俺のロード・シューターよりも速い。

 

 しかし追尾性はないので、慣れてしまえば回避はそれほど難しくはない。もっとも俺の「ロード・シューター」も追尾はしないのでかわしやすいのだが。追尾まで組み込むと容量オーバーで術式が耐えられないのだ。

 

 フォトンランサーを回避しつつ彼女にロード・シューターを撃つ。

 

 しかしフォトンランサーの攻撃はうまくこちらの速度を殺している。逆に彼女はロード・シューターを紙一重で回避しながらどんどんスピードを上げて接近してきた。

 

 (なんて空中制御と度胸だ…っ!)

 

 見る見るうちに距離は詰まり、放たれた4つのフォトンランサー全てを回避しきる頃には彼女は目の前に迫っていた。

 

 「それなら!」

 

 俺は即座に急停止し、体に隠すように新たなデバイスを起動する。片手剣型のアームドデバイス「デルタリーフ」だ。三角形の刀身が三つ、まるで手裏剣や紅葉の葉のように三方向を向いてついており、うち二つの刃の間に持ち手がついている歪な剣。しかし、歪故に相手は対処しづらく、逆に使いこなせれば、その歪さは強みにさえなる。

 

 俺はそれを左手に持ち、一気に彼女の方へと加速した。

 

 「!?」

 

 予想外の行動に彼女の動きが一瞬止まる。その隙を逃す手はない。

 

 俺は即座にレベルDのスペル「ストライク」を発動させる。ストライクは剣に魔力刀を纏わせ、攻撃範囲と威力を上げるものだ。

 

 ストライクを纏ったデルタリーフを振り上げ、彼女めがけて一気に振り下ろす。

 

 「っ!!」

 

 咄嗟にバルディッシュを前に突出し、デルタリーフを受け止めようとするが、彼女はさらに驚愕した。その眼は、いったいいつの間に剣を出していたのか、と言うようにデルタリーフを凝視している。

 

 しかし、そんな暇など彼女にはなかった。

 

 デルタリーフがバルディッシュに防がれる直前、さらにスペルを発動する。

 

 『レベルCスペル!』

 

 「ブレイク・ストライク!!」

 

 そのまま振り下ろされ受け止められる剣。しかし、受け止められたのは、デルタリーフだけだった。受け止められた瞬間、纏っていたストライクが、まるで慣性の法則に従うように刃から離れたのだ。それはそのまま防御の内側を突き抜け、魔力刀らしく彼女を切り裂き、その瞬間に爆発した。

 

 「うああ…っ!」

 

 彼女はその爆発を受けて吹き飛ばされる。そして俺は、デルタリーフの間に一瞬だけ張られたバリア――プロテクションによってダメージはない。

 

 これが負荷レベルCのスペルの一つ「ブレイク・ストライク」である。

 

 ストライクを纏ったものが相手に防がれた時、そのストライクを相手に向かって飛ばし着弾と同時に爆発させる。接近戦において大きく有利に立てる技である。(魔力刀は相手を切り裂くが、当然ダメージは魔力ダメージのみだ)

 

 吹き飛ぶ彼女は何とか体制を整えようとする。

 

 しかしそのダメージは、もともと防御の低い彼女にとって大きすぎた。バリアジャケットはすでにボロボロになり、肩で大きく息をしている。

 

 「悪いが、これで終わりだ」

 

 俺は容赦なく右手に持つペネトレイ・ライフルを構える。

 

 そして、負荷レベルBの砲撃魔法を発動させ、集束に入った。

 

 『行きますよ!レベルB!』

 

 「打ち抜け、ロード・ブラスター!!」

 

 アイギスの声に合わせて俺の持つ砲撃魔法の1つ、ロード・ブラスターを発射する。

 

 これもまた、最初に放ったロード・シューター同様、表面が鑢のようにザラザラし、さらに錐揉み回転しており、非常に高い貫通力を誇る。だがロード・シューターと違いその速度は速く、その見た目はまさに巨大な黒いビームだ。

 

 もはや満身創痍だった彼女にこれを避けることはできない。最後の力を振り絞ってシールドを張ったが、貫通性に優れるロード・ブラスターをまともに防ぐことはできず、数秒と持たず貫通され、彼女は砲撃にのまれた。

 

 その様子を見ていた俺とアイギスは、ぽつりと呟いた。

 

 『………やりすぎじゃないですか?』

 

 「………かもしれない」

 

 しかし、確実に倒す必要があったのだ。否殺傷設定にはなっていたし、魔力ダメージだけなら大丈夫のはずだ。

 

 ………もっとも、最後のはかなり痛かっただろうが。

 

 と、ジュエルシードの回収がまだだったことを思い出し、すぐに降りようとしたところで、俺ははっとした。

 

 「………結界、張ってなかったな」

 

 

 

 それからしばらくの間。「上空で謎の爆発! 真っ黒な巨大な光はいったい!?」とか「海鳴市上空を黒い人影が飛び回っていた! ついに日本にフライングマン襲来か!?」とか、記事が出回ったが、それ以降は特に異状が起こることはなく、すぐに忘れられたとか。

 

 

 

 

 

 

 どこかで誰かが、あきれたような、そんな気がした。

 




なのは 
 勝負に負け、優雨くんの家で目を覚ますフェイトちゃん。
 この出会いが、フェイトちゃんに大きな意味をもたらします。
 そして優雨くんもまた………

 次回 「決着の後」



なのは「っていうか優雨くんの家に上がらせてもらうなんて羨ましすぎるよフェイトちゃん!!」

作者「なのはもいつかきっとそのうちもしかしたらそういうイベントがあるかもしれないよ?」

なのは「なんでそんなにあやふやな言葉をつなげるの!?希望はないってことなの!?」

作者「ではまた~」

なのは「あ!それではまた来週に!」

作者「なのはの出番はないけどね」

なのは「え?えええええええええええええ!?」


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なのは「今回はあんまり修正されてないね」

作者「戦闘だけだからね。前の話からの辻褄合わせと、ちょっと文章の書き方を直しただけ」

優雨「いい加減修正作業終わらせたらどうだ。待ってくれている人たちに失礼だろ」

作者「まあ、そうなんでしょうが、ぶっちゃけリアルの忙しさがそれをなかなか許してくれなく
   て。学年が一つ上がるだけでこんなに変わるとは思わなかった」

なのは「一応、ここからは今回みたいな修正が主になるんでしょ?」

作者「だいたいはね。思いっきり変えるところは変えますよ」

優雨「とにかく、待ってくれている人たちがいるということを忘れないように、だ」

作者「おk」

優雨「じゃあ、またな」

なのは「次の修正をお楽しみに!」

作者「できるだけ早く出せるよう頑張ります!」ノシ
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